4月5日に一部データを更新しました。
・マークラインズが4月3日時点で集約した2024年3月の米国新車販売台数(GM/Stellantis/テスラなどの推定値を含む速報値)は、前年同月比5.1%増の145万5,030台だった。3月の営業日数は前年と同じ27日。季節調整済み年率換算販売(SAAR)は、1,556万台/年(前年同月1,502万台/年)だった。特に日本車のトヨタとホンダが、在庫増やハイブリッド車(HV)への需要が増す中で前年同月比2桁増の好調を継続し市場を支えた。一方、電気自動車(EV)を取り巻く競争環境に厳しさが増し、テスラは販売が減少に転じた。
・車型別では、ライトトラックが前年同月比6.5%増の116万1,136台、乗用車が前年同月並の29万3,894台だった。
・3月のランキングでは、前月に引き続きGMが1位で、以下、トヨタ、フォード、現代グループ(ジェネシスを含む現代自動車と起亜)、ホンダ、ステランティスと続いた。
・3月26日に発生したメリーランド州ボルチモア港の鉄橋崩落事故では、完成車の輸入比率の高いメーカーを中心に影響が出ており、今後車両と部品の迂回ルートを利用した輸送が本格化すると予想される。
季節調整済み年率換算販売(SAAR)推移
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2023年 3 月
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4 月
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5 月
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6 月
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7 月
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8 月
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9 月
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10 月
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11 月
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12 月
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2024年 1 月
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2 月
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3 月
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SAAR(万台/年)
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1,502
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1,610
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1,514
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1,581
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1,590
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1,516
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1,573
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1,564
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1,554
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1,608
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1,506
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1,599
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1,556
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・3月の総在庫台数は前月比3.1%増の約258.8万台だった。在庫日数は48日(先月は50日、前年同月は35日)となった。メーカー別の在庫状況は、GMが在庫日数61日で前月比6.3%増の約52.1万台。フォードは78日で前月比17.2%増の約52.2万台、ステランティスは79日で9.9%減の約37.3万台。トヨタは28日で3.2%減の約22.1万台。ホンダは40日で0.9%減の約19.2万台、日産は47日で9.1%増の約17.8万台、スバルは34日で7.6%増の約7.7万台、現代は39日で5.1%増の約11.9万台、起亜は30日で7%増の約7.8万台、VWは41日で10.8%減の約8万台、テスラは4日で2.3%減の約0.7万台だった。
米国の新車販売台数(2024年3月)
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2024年 3 月
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2023年 3 月
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増減率
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2024年 1-3 月
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2023年 1-3 月
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増減率
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乗用車
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293,894
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293,980
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0.0%
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754,965
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745,354
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1.3%
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ライトトラック
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1,161,136
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1,089,884
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6.5%
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3,019,726
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2,846,968
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6.1%
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合計
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1,455,030
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1,383,864 |
5.1%
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3,774,691
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3,592,322
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5.1%
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・米国メーカーの3月販売は、GMが0.5%減、フォードが5.5%増、ステランティスが9.3%減で2桁前後のマイナスが3カ月続いている。また、テスラは14.4%減少し、米市場全体に対するシェアが前年同月の4.3%から0.8ポイント減少し3.5%となった。また、複数メディアの報道によるとテスラは1‐3月期の世界販売台数が需要減により前年同期比8.5%減の約38.7万台となり、4年ぶりに前年同期の実績を下回った。
・日本車の3月販売は、トヨタが22.5%増と5カ月連続で2桁増となった。特にコンパクトクロスオーバーSUV「RAV4」(モデル別ランキング3位)が前年同月比51.2%増の約4.7万台と同社の販売をけん引した。ホンダも11.8%増と13カ月連続で前年同月比プラスとなった。日産は1.1%減、スバルは15.2%増で20カ月連続のプラス、マツダは6.7%増、三菱は52.8%増だった。
・韓国車の3月販売は、現代が2.2%増、うちジェネシスは4.4%増で17カ月連続で前同月比プラス。他方、起亜は2.6%減と4カ月連続でマイナスとなった。
・欧州車の3月販売は、VWが36.9%増、アウディが10.3%減、ボルボは49.7%増だった。
・高級車の3月販売は、BMWが1.9%増の3万5,168台で1位、レクサスが13.6%増の3万295台で2位、バンを除いたメルセデス・ベンツが1.6%増の2万3,272台で3位だった。