・トヨタは9月5日、英国ダービーにあるToyota Motor Manufacturing UKの車両工場で、「ハイラックス(Hilux)」をベースとする水素燃料電池車(FCEV)のプロトタイプを公開した。この車両は、英国政府の資金援助を受けて、コンソーシアム・パートナーであるリカルド、ETL、D2H Advanced Technologies、Thatcham Research各社との共同プロジェクトで開発された。
・「ハイラックスFCEV」プロトタイプには、トヨタのFCEVセダン「ミライ(MIRAI)」のコア要素を採用した新しいパワートレインが搭載されている。この燃料電池は、純水以外のテールパイプ排出物を出さない。水素は3つの高圧燃料タンクに貯蔵され、航続距離は600kmとなる。
・「ハイラックスFCEV」プロトタイプは年末までに10台が製造され、さらなる安全性、動的性能、機能性、耐久性を確保するための厳格な試験を経て、量産モデルに求められる高い基準を満たす予定。トヨタのコンソーシアム・パートナーであるリカルドが、今後数カ月間にわたり完全な車両評価を行い、その後量産モデルの決定が行われ、2020年代後半に市場に導入される可能性があるという。
Based on Toyota Europe press release
Hilux (Toyota)
・タイ工業連盟(FTI)が発表したデータによると、2023年7月のタイにおける新車販売台数は前年同月比8.8%減の5万8,419台となった。1-7月の累計販売台数は前年同期比5.5%減の46万4,550台。FTIによると、タイ国内経済の減速、家計債務の増加やその他のマイナス要因に加え、ピックアップトラック向けをはじめとしたローン審査の厳格化が依然として自動車販売に打撃を与えている。FTIは、新政権が自動車産業およびタイ経済全体を押し上げる支援策を打ち出すと予想されるため、第4四半期の見通しはより明るいものになると述べた。
・Toyota Motor Thailand(TMT)のデータによると、7月販売のメーカー別では、トヨタが前年同月比0.7%増の2万421台、シェア35.0%で首位。続いて、いすゞが27.9%減の1万1,735台、ホンダが4.1%増の7,551台、フォードが23.7%減の2,754台、三菱が36.6%減の2,505台となった。なお、中国ブランドのMGが35.2%増の1,973台、BYDが1,376台と6位と7位にまで躍進した。
・7月の販売台数を車型別に見ると、乗用車は17.3%増の2万2,511台、商用車は19.9%減の3万5,908台だった。商用車のうち1トンピックアップトラック(PPV含む)は26.6%減の2万4,982台。
・7月のモデル別登録台数上位5モデルは、1位がいすゞ「DMax」で8,944台、2位がトヨタ「ハイラックス(Hilux)」で8,811台、3位がトヨタ「ヤリスエイティブ(Yaris ATIV)」で3,337台、4位がホンダ「シティ(City)」で3,069台、5位がフォード「レンジャー」で2,144台となった。
・FTIが発表した7月の生産台数は前年同月比4.7%増の14万9,709台。タイ国内販売向け生産が全体の42.2%、輸出向けが57.8%だった。1-7月の累計生産は前年同期比0.7%増の107万1,221台。
・7月の完成車輸出台数は、前年同月比30.0%増の10万8,052台。北米を除くほぼ全ての仕向地で増加した。金額ベースでは前年同月比30.0%増の676億バーツだった。1-7月の累計輸出台数は前年同期比19.5%増の63万6,868台となった。
・FTIは7月25日、2023年の自動車生産台数の予想を従来の195万台から190万台に引き下げた。輸出向けは105万台に据え置いたが、タイ市場向けを従来の90万台から85万台に下方修正した。予想引き下げの背景には、ローン審査の厳格化、輸出の不振から多くの産業で残業や勤務シフトを削減していること、生活費と金利の上昇、EV販売の増加が続くもののその多くが輸入車であること、の4点を挙げた。
・8月16日付の複数の南米メディアの報道によると、トヨタの現地法人Toyota Argentinaは、2024年にサラテ(Zarate)工場で乗用/商用バン「ハイエース(Hiace)」の生産開始に伴い、多様な顧客のニーズに合った車両の設計と生産に特化したコンバージョン(改造)ビジネスを継続・拡大すると発表した。
・「ハイエース」はこれまで日本から輸入されていたが、今後はサラテ工場のコンバージョンエリアでピックアップトラック「ハイラックス(Hilux)」とともに生産される。
・2020年、新型コロナへの感染が拡大する中、トヨタは「ハイラックス」をベースに救急車を生産するとともに、ハイエースベースの救急車も輸入した。
・南極のマランビオ基地に「ハイラックス」を改造して提供したこともある。
・2020年以降、陸軍の救急車から石油活動に適応したピックアップ、配送車まで、7つの異なるコンバージョン・カテゴリーで1,800台超の改造車を販売してきた。
・コンバージョンエリアはPPO (Post Production Operation)部門に端を発し、例えばパタゴニアの特に過酷な条件に対応するため、トランスミッションの保護、より重いショックアブソーバー、ラジエーター、ディファレンシャルなどを搭載するなど、さまざまな車両を適合させている。
・コンバージョンエリアでは、治安部隊、鉱山会社、石油会社、移動式技術サービス、カスタムコンバージョン用に車両を適合させている。
・トヨタはこれらの用途に合わせて、社内の部署および長期契約を結んでいる専門サプライヤーと協力してコンバージョンを進めている。特にラストワンマイル物流とレジャーの分野で、さまざまな用途の新しいプロトタイプを開発している。
・次の目標は中南米諸国への完成車の輸出で、すでに試験と市場評価を目的に試作車が送り出されている。
(multiple sources on August 16, 2023)