アイシン精機 (株) 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:億円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 28,222 | 25,299 | 9.8 | -国内外の生産台数の増加等。 |
営業利益 | 1,711 | 1,488 | 22.2 | - |
経常利益 | 1,894 | 1,587 | 22.9 | - |
純利益 | 900 | 775 | 39.9 | - |
アイシン精機グループ | ||||
売上高 | 10,378 | 8,977 | 9.2 | -国内外の生産台数の増加等。 |
営業利益 | 592 | 524 | 23.0 |
事業方針
2012年に以下5つの課題を掲げたVision 2020を策定1) グローバルな事業体制の確立
<中国>
-2013年9月、AW (蘇州) 汽車零部件有限公司 (AW Suzhou Co., Ltd.) は1台目のATをラインオフ。2014年末には AW Tianjin Automotive Parts Co., Ltd. が稼動開始予定。(FF車用6速ATを生産。年産能力は40万台)
-アイシン高丘の子会社「高丘六和 (雲浮) 工業有限公司[Takaoka Lioho (Yunfu) Industries Co.,Ltd.]」は2013年5月広東省仏山市で開業式を実施。 主にエンジンとブレーキシステムの部品を生産。月産能力は鋳造製品2,500トン、加工部品30万個。
<ブラジル>
-アイシン精機がサンパウロ州イトゥ市に持つ生産拠点にアイシンAIとアドヴィックスが入居し、自社製品の生産ラインを設置する計画。アイシンAIは14年8月をめどにマニュアルトランスミッション、アドヴィックスは15年10月をめどにブレーキ部品の生産を開始する。アイシン精機は現地に新建屋を建設、16年2月からエンジン部品の生産をする。
<インドネシア>
-アイシングループで取得したカラワン県の用地に、 アイシン精機とアドヴィックスがそれぞれ新工場を建設する計画。投資額は2社合計で75億円。アイシン精機は2015年1月をめどに車体部品とエンジン部品を生産開始する。アドヴィックスは14年12月をめどにブレーキブースター、ドラムブレーキなどの生産を開始予定。
<タイ>
-豊生ブレーキ工業はラヨーン県Amata City工業団地にドラムブレーキの生産子会社を設立すると発表。新会社「Hosei Brake (Thailand) Co., Ltd.」の敷地面積は約37,000平方メートルで、建屋面積は約11,000平方メートルの計画。投資額は5.7億バーツ (約18億円) を見込む。資本金は3.24億バーツ (約10億円) で、出資比率は豊生ブレーキが75%、ADVICS Asia Pacificが20%、豊田通商が5%。2014年6月に操業を開始する予定で、2017年の売上高は約15億バーツ (45億円) を見込む。
2) コア事業の競争力確立
-2010年から2015年までを活動期間とする「Zプロジェクト活動」を実施。ドアロック、ドアフレーム、アウトサイドハンドル、HVダンパー等20品目を対象とし、製品構造の変更による簡素化・小型化、低コスト材への置き換え、部品の共通化・種類削減、設備・型のシンプル・スリム化、システム商品・高額機能部品の内製化を図ることで、価格競争力を高め、世界各地域市場での受注拡大を図る。
3) 第2の柱となる新たな事業の創出
-国内自動車市場の長期的な縮小が見込まれる中で、自動車部品事業に次ぐ事業を育成する。中でも、今後の市場成長が期待されるエネルギー関連事業を重点分野に位置づけ、分散発電システムの普及拡大をすすめる。
4) 強固な収益体質の実現
5) グローバルでのCSRの展開
2015年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2015年3月期 (予想) |
2014年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 28,250 | 28,222 | 0.1 |
営業利益 | 1,720 | 1,711 | 0.5 |
経常利益 | 1,840 | 1,894 | (2.9) |
純利益 | 870 | 900 | (3.3) |
>>> 次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:億円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
アイシン精機グループ | 651 | 564 | 507 |
アイシン高丘グループ | 13 | 11 | 11 |
アイシンAWグループ | 524 | 529 | 490 |
アドヴィックスグループ | 195 | 193 | 157 |
その他 | 58 | 51 | 47 |
合計 | 1,443 | 1,350 | 1,214 |
研究開発活動
-システム化、モジュール化からITS関連商品の開発など、最先端の自動車部品技術を基盤に、住環境と生態の科学的研究、燃料電池やレーザーをはじめとする先端技術研究などさまざまな分野へ開発の領域を広げている。-同社の2014年3月期の主な成果は、マルチロック可変バルブタイミング機構や駐車支援システム。
製品開発
マルチロック型可変バルブタイミング-低コストな油圧式で排出ガス低減や燃費改善に貢献する世界初のマルチロック型可変バルブタイミング (VVT) を開発。ハイブリッド車 (HV) 用に開発し、日産自動車が10月に米国で発売した「パスファインダーハイブリッド」向けに供給を開始した。VVTはエンジンの作動状況に応じてバルブの開閉をコントロールし、排出ガスの低減や燃費改善に貢献する。新製品は電動VVTに比べてコスト競争力の高い油圧式により排出ガス低減や燃費改善、HVの商品力向上を一挙に実現した。2015年までに、さらに2車種分の受注が確定している。(2013年11月5日付日刊自動車新聞より)
自動運転技術
-2013年9月、自動運転技術の開発を加速すると表明。2010年代は運転の負担軽減に軸足を置き、低速域でドライバーをアシストするシステムの開発を最優先する。03年に世界初のシステムとしてトヨタ自動車と共同開発した「インテリジェント・パーキング・アシスト (IPA)」のコンセプトを進化させ、顧客に身近な安全、利便システムを拡充する。自動運転は世界各国の走行環境やクルマの用途に応じてさまざまなニーズがあるが、日本ではIPAのようなユーザーの負担を軽減する技術が求められると見ている。このため、同社はまず、日本のクルマ社会に適した自動運転システムの製品化に取り組む。(2013年9月24日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
アイシン精機グループ | 81,673 | 76,944 | 61,324 |
アイシン高丘グループ | 25,377 | 32,711 | 23,919 |
アイシンAWグループ | 74,854 | 66,632 | 52,955 |
アドヴィックスグループ | 13,180 | 11,412 | 8,239 |
その他 | 10,413 | 7,741 | 6,113 |
消去 | (763) | (409) | (1,753) |
合計 | 204,736 | 195,032 | 150,798 |
海外投資
<タイ>-傘下の豊生ブレーキ工業は、タイのラヨーン県Amata City工業団地にドラムブレーキの生産子会社を設立すると発表した。新会社「Hosei Brake (Thailand) Co., Ltd.」の敷地面積は約37,000平方メートルで、建屋面積は約11,000平方メートルの計画。投資額は5.7億バーツ (約18億円) を見込む。資本金は3.24億バーツ (約10億円) で、出資比率は豊生ブレーキが75%、ADVICS Asia Pacificが20%、豊田通商が5%となる。2014年6月に操業を開始する予定で、2017年の売上高は約15億バーツ (45億円) を見込んでいる。(2013年9月26日付プレスリリースより)
<中国>
-2013年5月、アイシン高丘の子会社「高丘六和 (雲浮) 工業有限公司[Takaoka Lioho (Yunfu) Industries Co.,Ltd.]」が広東省仏山市で新工場の開業式を行った。 この子会社の第一期投資額は3.6億元。敷地面積は15万平方メートル。主にエンジンとブレーキシステムの部品を生産する。2013年末までに製品を20品目まで増やす計画。月産能力は鋳造製品2,500トン、加工部品30万個。(2013年5月15日付けプレスリリースより)
設備の新設計画 |
(2014年3月31日現在) |
投資予定額 (百万円) |
主な設備投資の内容 | |
アイシン精機グループ | 111,800 | ボディ関連製造設備、エンジン関連製造設備等 |
アイシン高丘グループ | 19,500 | 鋳造設備等 |
アイシンAWグループ | 84,200 | ドライブトレイン関連製造設備等 |
アドヴィックスグループ | 26,100 | ブレーキおよびシャシー関連製造設備等 |
その他 | 15,000 | ドライブトレイン関連製造設備等 |
消去 | (16,600) | - |
合計 | 240,000 | - |