Knorr-Bremse AG 2013年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月 | 2012年12月 | 増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 4,302.7 | 4,300.1 | 0.1 | - |
純利益 | 366.7 | 295.0 | 24.3 | - |
商用車用システム部門 | ||||
売上高 | 2,070.4 | 2,098.2 | (1.3) | 1) |
要因
1)
-2013年度の商用車用システム部門の売上は、前年比1.3%の小幅なマイナス成長となった。欧州と南米での売上増を、北米とアジア/オーストラリアでの減少が打ち消した。
地域別要因
欧州: 売上高は前年比3.2%の増加。ディスクブレーキと電子制御ブレーキシステムが売上の主流。
米州: 同4.8%の減少。北米でのトラック需要が全体的に低調。南米は出荷数量で前年比40%の増加。
アジア/オーストラリア: 同1.6%の減少。
海外事業
<オーストラリア>-2013年12月、オーストラリアのGranvilleにブレーキシステム、ドア、HVAC製品を生産する工場を開設したと発表した。これまでNew South Walesに保有していた4拠点を新工場に集約。これにより、Knorr-Bremse Australiaのさまざまな部門の従業員約240名が勤務することになった。オフィスおよび生産エリアのスペースはあわせて約16,000平方メートルで、総投資額は約25百万ユーロ。新拠点の開設により同社は鉄道・商用車向けのブレーキ部品、鉄道車両向けのドアシステムやHVACシステムに関して、オーストラリアにおける事業および生産活動の統合を実現した。
<インド>
-2013年11月、インドのPuneに商用車用システムの新工場を増設した。既存工場から数100メートルという近隣にあり、生産および事務スペースを合わせて、面積は12,000平方メートル。250名の従業員でブレーキシリンダー、バルブ、ペダルユニット、エアドライヤー、スラックアジャスター、コンプレッサー等を生産予定。増設はインド自動車市場の継続的な成長を見越したもの。また新工場の脇に新しいテクノロジーセンターも開設され、鉄道車両向けシステムと商用車向けシステムのアジア・太平洋地域での急激な需要増に対応する。2014年末には200名の技術者が従事する予定。
<ブラジル>
-2013年4月、ブラジルのItupevaに新工場を開設した。建屋全体の面積は32,000平方メートル超で、投資額は40百万ユーロ。開発・生産・販売機能を有しており、生産能力をこれまでに比べて約30%増強した。新工場は、同工場から80km離れたSao Paulo工場に取って代わったもので、同国における鉄道車両用システム部門および商用車用システム部門向けに生産する予定。このうち商用車部門製品は、同工場で生産する製品の約70%を占める。南米の商用車市場向けには、ブレーキ制御システム、ABS、エアサプライシステム、ブレーキシリンダー、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、トーショナルダンパーなど同社の全ての製品を生産する。
受注
-2013年12月期の主な受注案件 | (2013年アニュアルレポートより) |
顧客 | 製品 | 年間生産台数 | 生産開始時期、工場、その他 |
欧州市場 | |||
大手欧州の商用車メーカー、 欧州市場のバスと大型トラック向け |
シングルシリンダーコンプレッサー | 18,000-20,000台 | -2019年に向けて生産開始。ブラジル市場にも拡大を予定。 |
GAZグループのエンジン工場Avtodiesel Yaroslavl Motor Works (YaMZ)、 ロシア市場の中・大型トラック向け |
4から6シリンダーエンジンに対応した3種類のコンプレッサー | 9,000台 (2013)、12,000台 (2014)、25,000台まで増加 | -2013年ロシアNizhny Novgorod工場にて生産開始。 |
米州市場 | |||
大手米国商用車メーカー (Kenworth、Peterbilt)、 6×2 Class 8 トラクター・トラックのオプション |
自動エアプレッシャー供給システム | - | -スリップ時の事故防止に役立つとともに、6×4から6×2に移行することにより225Kgの軽量化か可能。 |
アジア/オーストラリア市場 | |||
日本の大手トラックメーカー | EBSシステム | 6,700台 | -2014年夏より、ハンガリー工場にて生産開始。 |
中国のJAC [安徽江淮汽車集団] (中国での小型トラックの生産ナンバー2) 、 新設計の小型トラック向け |
ABSシステム | - | -中国工場で生産、シングルソースに認定された。 |
韓国の現代自動車 (Hyundai)、 新型陸上バス向け |
自律性緊急ブレーキシステム (AEBS)、車線逸脱警報システム (LDWS)、電子制御エア処理システム (EAC) | - | -2015年生産開始。 |
Daimler India、 アジア・アフリカ市場用 大型トラックの新プラットフォーム向け |
空気式ブレーキシステム | 2020年までに累計290,000台 | -2013年5月から車両生産開始。 -部品はインドPune工場にて生産開始。 |
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
合計 | 253 | 250 | 209 |
売上に占める割合 (%) | 5.9 | 5.8 | 4.9 |
研究開発拠点
-2013年11月、同社の商用車部門は鉄道車両システム部門と共同で、インドのPuneにKnorr-Bremse Technology Center India (TCI) を開設した。製品開発
燃費向上-クラッチ付きコンプレッサー
-電子制御式エアコントロール
安全
-電子制御式ドライバーアシスタントシステム
採用例:
- EAC (電子制御式エア制御システム) がDAFに採用
- ELC (電子制御式レベルコントロール) がIrisbusに採用
- EBS (電子制御式ブレーキシステム) がFord Otosanに採用
- ABS8 (アンチロックブレーキシステム8) がMercedesに採用
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万ユーロ) |
2013年12月期 | 2012年12月期 | 2011年12月期 | |
商用車用システム部門 | 67.3 | 56.9 | 74.7 |
鉄道車輛システム部門 | 84.0 | 79.5 | 65.9 |
その他 | 8.2 | 29.5 | 18.3 |
全社 | 159.5 | 165.8 | 158.9 |
-2013年は、世界各地の生産拠点における生産能力の拡張や、インド (Palwal/Pune)、米国 (Westminster)、オーストラリア (Granville)、ブラジル (Itupeva) での新工場建設に資金が充てられた。