Benteler International AG 2015年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率
(%)

要因

全社
売上高 7,597.7 7,556.4 0.5 1)
EBIT 136.2 185.6 (26.6) -
自動車部門
売上高 5,782 5,865 (1.4) 2)


要因
1) 売上高
-2015年12月期の売上高は、前年比0.5%増 (為替変動の影響を除くと2.5%減) の7,598百万ユーロ。自動車部門でわずかに売上減を見せ、スチール/チューブ部門が大幅減となったが、物流部門の売上増が減少分をカバーした。

2) 自動車部門
-2015年12月期の同部門の売上高は、前年比1.4%減 (為替変動の影響を除くと4.5%減) の5,782百万ユーロ。リストラによるカナダ Brampton、スイス St. Ursanne、アルゼンチン Tigre、米国 Opelikaの拠点閉鎖と売却により、266百万ユーロの売上減となった。

合弁事業

-2015年7月、同社と長安汽車は、中国の重慶に合弁会社を設立したと発表。新会社の名称は「Benteler JianAn Automotive Co. Ltd.」で、折半出資により設立された。構造部品、シャシー部品、シャシーモジュールシステムなどの研究・開発・製造を行う。今後は、四川省成都 (Chengdu) に研究開発センターを設立するほか、重慶、黒竜江省哈爾浜 (Harbin)、広東省深圳 (Shenzhen) に生産拠点を設置する計画。2019年までに売上高は20億元、従業員数は2,400名超を見込んでいる。納入先は長安汽車をはじめ、その合弁会社やその 他の自動車メーカーとなる。(2015年7月8日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 94.1 93.2 101



研究開発体制

-R&D要員は1,200名超。18カ国32カ所にR&D拠点を保有している。

-研究開発活動は、複合構造部品およびアルミ部品の開発・設計・製造を通して、構造材の軽量化に注力している。

研究開発活動

金属とポリプロピレンから作ったフロントアクスルのプロトタイプ
-2015年11月、同社はアルミニウムシートの上部シェルと強化繊維ポリプロピレンの下部シェルからなるフロントアクスルの最初のプロトタイプを開発した。これらプラスチックと金属シェルは、熱アシスト接合技術により結合されている。このフロントアクスル接合技術は、複数の素材の統合を可能にしたことを示し、強化繊維プラスチックの使用はアクスルやその他製品の軽量化への道を示している。

ループヒートパイプ排気熱回収システム
-同社は、能力測定のためにループヒートパイプを最新ディーゼル車に設置してテストを行った。ループヒートパイプは、ポンプなどの摩耗しやすい部品を使用することなく排気熱を他の部分に回すことができる。テストではこの排気熱は車内を暖めるのに用いられた。テストで使用されたディーゼル車では、一般的な電気自動車の場合と比較して13%の燃費を削減することがわかった。またこのシステムは車両走行距離を増大させるため、電気自動車にも実装されている。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 455 489 349
-自動車部門 210 170 202


-2015年12月期の自動車部門に投じられた設備投資額210百万ユーロの内、約143百万ユーロが特定のプロジェクト、生産拠点の設備・装置に投じられた。主な使途として、ブラジル Campinas、フランス Migennes拠点の熱成形ラインと、ブラジル Joinville、中国 瀋陽 (Shenyang) のモジュールプロジェクトへの投資が挙げられる。

海外投資

<米国>
2015年9月、同社は米国ルイジアナ州のShreveportにおいて鋼管熱間圧延工場の操業を開始した。885,000平方フィートの施設は、最大で675人を雇用し、年間約320,000トンの鋼管を生産する予定。