北米の中型/大型トラック市場と商用車メーカーの動向

Paccarはブラジルで生産開始、NavistarはSCR搭載モデル投入で販売拡大

2014/12/03

要 約

北米の中大型トラックの販売台数

北米の大型トラック(Class 8)市場のメーカー別シェア

 北米 (米国とカナダ) の中型/大型トラック市場は、経済危機の影響で2009年に前年比3割減の22.3万台に縮小したが、2010年以降は徐々に回復。2013年には39.2万台、2014年1-9月は32.7万台と、米国経済の回復により、順調に拡大している。

 大型トラック (Class 8) については、2014年1-9月の販売が前年同期比17.3%増の17.9万台に拡大。買い替え需要に加え、顧客の保有車両拡大が販売増につながった。Paccarの予測では、北米の大型トラック市場は2014年通年で24.5万-25.5万台となる見込み。

 北米の大型トラック市場シェア (2014年1-9月) は、4大メーカーのDaimler (36.6%)、Paccar (27.5%)、Volvo (21.2%)、Navistar (14.6%) が分け合った。前年同期と比較すると、DaimlerとPaccarがシェアを減らしたのに対し、VolvoとNavistarはシェアを拡大した。

 Paccarは、2014年1-9月の北米販売が前年同期比16.2%増加。新興国市場への事業拡大も進めており、2013年10月にブラジルでDAFトラックの新工場の稼働を開始した。

 Navistarは、SCRを使用しないで米国の2010年排出ガス規制に対応しようとしていたが、2012年半ばになっても規制を達成できず、方針を転換。2012年末からSCRシステムを搭載したモデルを出荷。規制適合車の投入効果が徐々に現われ、2014年7月期 (2013年11月~2014年7月) には北米市場における大型トラックの販売台数が前年同期比24%増加した。

 なお、Daimler と Volvoについては、今後掲載予定の"Daimlerの商用車事業""欧州の商用車メーカー"で取り上げる。



このレポートは有料会員限定です。 残り 4 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。