Faurecia (China) Holding Co., Ltd.[仏吉亜(中国)投資有限公司] 2021年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2021年12月期 2020年12月 増減率(%)
Faurecia売上高 (中国市場)  3,117.4 2,562.7 21.6

-要因:

1)2021年のアジアにおける自動車生産増及び中国における前年比増。
2)2021年、中国OEMからの受注は10億3540万ユーロで、グループ全売上の6.6%に当たる。

-見通し

Faureciaの2022年の独自営業ガイダンス:売上高175億ユーロから180億ユーロ、営業利益率6%から7%に達する予定。
(HELLAの業績は2022年2月1日付で正式にフォルシア社の財務諸表に連結され、2022年度の連結グループのガイダンスは2022年4月28日に発表される予定)

HELLAとの合併により新会社FORVIAが発足

-FaureciaとHellaは、2022年1月31日にFaureciaがHellaの支配権を取得したと発表した。2025年には売上高330億ユーロ、営業利益率8.5%以上、純キャッシュフロー17億5,000万ユーロの達成を目標とする。新グループは6つのビジネスグループ (インテリア、シート、エレクトロニクス、クリーンモビリティ、照明、ライフサイクルソリューション) を通じて運営され、24の製品ラインのポートフォリオを展開する。新たに統合されたグループはその範囲を拡大し、近接性と顧客との親密性を強化し、アジアでの成長を加速し、強化されたエレクトロニクスおよび電動化製品 (BEVおよびFCEV) を提供する。グループの内燃機関 (ICE)関連の売上高は、2025年には総売上高の約10%にまで削減される。両社のビジネスモデルを連携させるために、Hellaは3つのビジネスグループ(エレクトロニクス、照明、ライフサイクルソリューション)を正式に設立した。ドイツのLippstadtに本社を置き、それぞれが損益の責任を負う。今後も両社は共通のプロセスに向けて収束し、グループとしての一貫したアプローチと統合を実現する。(2022年2月7日付プレスリリースより)

将来コックピットイノベーション・センターが上海に移転

-Faureciaは、2022年1月1日から将来コックピットに関する主要な開発業務を上海にあるFaurecia中国技術センター及び本社ビルに移転すると発表した。同社は引き続きFaureciaのシステム統合方式により、コックピットソリューションを構築し、中国の消費者インサイトに注目して、インテリア設計、コックピットエンジニアリングからアプリ及びサービス開発、メカトロニクスアーキテクチャ、スマート化マーケティングまでの包括的な事業を行う。(2022年1月17日付プレスリリースより)

買収

-Faureciaは、2021年4月30日に中国の大手水素タンクメーカーCLDの買収が完了したことを発表した。CLDは先日、中国の中央政府から国内初のタイプIV水素タンクの生産者としての認定を受けた。樹脂製ではなくアルミ製のライナーを使用しているタイプIIIとは異なり、タイプIVは軽量でモビリティでの使用に適している。CLDの買収とタイプIVタンクの認証により、Faureciaは中国での水素モビリティ事業を加速させる。(2021年5月25日付プレスリリースより)

-Faureciaは、規制当局の承認を得て北京汽車(BAIC)とDASの合弁会社Beijing BAI DAS Automotive Systemの50%の株式をDASから取得したと発表した。今回の取引により、Faureciaは現代自動車やダイムラーと提携関係にある北京汽車と折半出資の合弁会社を設立することとなる。Faureciaの株式取得により、合弁会社は社名を北京北汽佛吉亚汽车系统有限公司 (Beijing BAIC Faurecia Automotive Systems Co., Ltd.) に変更する。Beijing BAIC Faurecia Automotive Systems はBAIC Hyundaiの主要シートサプライヤーで、北京汽車集団のブランドやパートナーの製品も開発している。北京に本社を置く合弁会社の従業員数は450名で、北京、重慶、黄華、湘潭に4工場を保有している。Faureciaは現在、中国の大手自動車メーカー6社と合弁事業を行っている。(2021年1月28日付プレスリリースより)

技術革新

-Faureciaは、現地のニーズにより適合した新しいソリューションを開発し、市場に即応したソリューションを顧客に迅速に提供するため、中国におけるイノベーション能力を強化したと発表した。同社は上海モーターショーで、コックピット照明の新技術を披露した。LUMiシリーズのシート照明技術は、自動車メーカーにアンビエント照明、警報、情報、コントロールパネル、シート前後部、ヘッドレストに高品質のカラーライト付きロゴを統合する革新的でスタイリッシュな方法を提供する。また、中国のイノベーションパートナーHORIZON ROBOTICSと共同開発したマルチモーダルHMI (音声認識、ジェスチャー認識、運転行動検出)や、高級感のあるデザインと多機能面を組み合わせた新しいクリスタルタッチパネルなど、乗員と車両との対話を容易にする直感的コントロールシステムなども中国市場に投入する。このほか座席ごとに香りを個別設定できるフレグランスヘッドレスト、カメラとレーダーを使った乗員監視システム、ダイナミックな視界と周囲の環境に関する警告(車線変更支援、駐車支援、自転車・歩行者検知)を車内にもたらす電子ミラーなどの安全技術も発表した。(2021年4月22日付プレスリリースより)

-Faureciaは、同社が取り組むコックピット・オブ・ザ・フューチャー (Cockpit of the Future)とサスティナブル・モビリティ (Sustainable Mobility)の最新イノベーションを上海モーターショー2021に出展すると発表した。上海モーターショーではスマートサーフェス、革新的HMI、乗員モニタリング、ウェルネスアプリケーションから、ピラーツーピラーディスプレイを備えたフルキャビンインフォテインメントまで、中国のOEMをサポートする一体型シート、インテリア、電子技術のデモを行う。また、シート内に照明機能を組み込んだ独自のLUMIイノベーションも公開予定。さらに同社は、燃料電池トラックのデモンストレーターも出展する。デモンストレーターにはFaureciaが開発した航続距離700kmを実現する7つのタンクで構成される水素貯蔵システムと、Michelinとの合弁会社Symbioが開発した出力75kWの燃料電池スタックシステムが組み込まれている。同社はこのほか今後の中国7排出基準を見据え、汚染物質変換温度に到達するまでの時間(10秒未満)を短縮し、市場の他の技術よりもエネルギー消費を2倍削減するように設計された電気加熱触媒も発表する。(2021年4月6日付プレスリリースより)

研究開発施設

所在地 設立年 名称 主要開発分野
重慶市 2020年 佛吉亜歌楽汽車電子重慶研発総部
[Faurecia Clarion Electronics Chongqing R&D Headquaters]
車載エレクトロニクス製品の研究開発及び、アフターサービスと技術コンサルティングサービスの提供
吉林省
長春市
2013年 長春佛吉亜旭陽汽車零部件技術研発有限公司
[Changchun Faurecia Xuyang Automotive Components Technology Co., Ltd.]
シート及び内装部品の設計、開発
上海市 2011年 緑動智行系統中国研発中心
[Faurecia Clean Mobility R&D center]
旧:排放控制技術系統研発中心
[Formerly: Faurecia Emission Control Technology R&D center]
乗用車、商用車用排気コントロールシステムの研究開発
上海市 2005年 佛吉亜技術中心
[Faurecia R&D center]
本部及びテクニカルセンター
江蘇
無錫
2004年 佛吉亜(無錫)座椅部件有限公司
[Faurecia (Wuxi) Seating Components Co., Ltd.]
シートの研究開発と生産

受賞

-2021年、Faureciaの中国における4つの事業部は、以下の賞を受賞。

事業部 OEM
シート、内装システム ボルボ 「绿电·成都奖」
内装システム——佛吉亜(柳州)汽車内飾系統有限公司青島分公司 上汽GM五菱 “166工程”优秀响应奖
クラリオンエレクトロニクス 広汽埃安(GAC AION) 创新贡献奖
クリーンモビリティ 上汽GM 优秀供应商-开拓创新奖

工場建設

-Faureciaクラリオンエレクトロニクスは、豊城に建設するグリーンでインテリジェントな「未来工場」の起工式を正式に着工。この工場は、自動化、カーボンニュートラル、グリーンビルディングにおいて業界をリードする基準に沿っており、完成後、Faureciaのカーエレクトロニクス事業部門のサプライチェーンをさらに強化する。2022年1月31日のFaureciaによるHELLAの買収と新グループFORVIAの発足により、HELLAのカーエレクトロニクスとFaureciaのクラリオンエレクトロニクスが融合し、カーエレクトロニクス事業部が発足、両社の電動化・知能化分野における変革・最適化を加速させることになる。(2022年2月15日付プレスリリースより)