Lingyun Industrial Co., Ltd.[凌雲工業股份有限公司] 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 増減率(%) 要因
売上高 11,844.95 8,897.88 33.12 -ターゲットマーケットの更なる開拓と製品アップグレードの推進により増収。
営業利益 696.58 468.86 48.57 -売上高の増加により利益も増加。
経常利益 705.321 488.37 44.42
純利益 573.91 381.83 50.31



受注

-2017年11月、同社は子会社北京北方凌雲懸置系統科技有限公司[Beijing North Lingyun Suspension System Science & Technology Co., Ltd.]が北方工業201研究所[201 Institute of Norinco](別称:北方車両研究所[North Vehicle Research Institute])と共同で、三一重工股份有限公司[SANY Heavy Industry Co., Ltd.]とサスペンション10万台の供給契約を結んだと発表。この製品を搭載した三一重工初の重型トラック6X4トレーラーヘッドは11月1日にラインオフした。(2017年11月9日付けプレスリリースより)

-2017年10月、同社は子会社瀋陽凌雲瓦達沙夫汽車工業技術有限公司[Shenyang Lingyun Waldaschaff Automobile Technology Co., Ltd.]がBMWよりEV用バッテリーケースの供給権を取得したと発表。(2017年10月30日付けプレスリリースより)

-2017年10月、同社は子会社重慶凌雲汽車零部件有限公司[Chongqing Changan Lingyun Auto Parts Co., Ltd.]が東風小康汽車有限公司[Dongfeng Xiaokang Automobile Co., Ltd.]と鉄鋼代替材料製品の開発契約を結んだと発表。この製品は東風小康が初めて使用する複合材料で、凌雲工業にとっても初めて鉄鋼に代わる材料を用いて生産する部品となる。(2017年10月30日付けプレスリリースより)

-2017年6月、同社の子会社「耐世特凌雲駆動系統(涿州)有限公司[Nexteer Lingyun Driveline System (Zhuozhou) Co., Ltd.]」はダイムラー・ベンツ中国のPA指定サプライヤー審査を受け、これに合格し、正式にダイムラー・ベンツの供給体系に参入することになった。(2017年6月15日付けプレスリリースより)

-同社の長春分公司は2017年3月16日、北京現代の熱成型部品サプライヤー審査を受け、これに合格した。(2017年3月20日付けプレスリリースより)

-同社の子会社「河北亜大汽車塑料製品有限公司 [Hebei Chinaust Automotive Plastics Co., Ltd. ]」は、韓国 Inergy Automotive Systems が主導するGM9BUX(開発コード)フューエルシステムグローバルプロジェクトを受注。受注額は韓国市場と中国市場だけでも4.2億元に上る。このプロジェクトで供給する製品は11種で、2019年4月から量産する予定。(2017年1月6日付けプレスリリースより)

-同社はDaimlerのMercedes-Benz向けアルミ合金部品新製品を落札し、正式にDaimlerのMercedes-Benzサプライヤーシステムに加わったと発表。(2016年4月8日付けプレスリリースより)

買収

-2018年2月、同社は広州凌雲新鋭汽車零部件有限公司[Guangzhou Lingyun Xinrui Auto Parts Co., Ltd.]の株式49%を15百万元で取得し、完全子会社化すると発表。株式取得後、その社名を「広州凌雲汽車零部件有限公司[Guangzhou Lingyun Automotive Parts Co., Ltd.]」(仮称)に変更する。広州凌雲新鋭の2016年の売上高は2.5億元、純利益は7.58百万元だった。

吸収合併

-2018年2月、同社は完全子会社湖南凌雲恒晋汽車工業科技有限公司[Hunan Lingyun Hengjin Automotive Industrial Science and Technology Co., Ltd.]を吸収合併すると発表。吸収合併後、湖南凌雲恒晋は独立法人格を失い、登記を抹消され、凌雲工業の湖南分公司(支社)となり、これまでの資産、負債、人員、業務をすべて引き継ぐ。合併手続きはすでに完了した。

-2017年12月、同社は子会社北京凌雲東園科技有限公司[Beijing Lingyun Dongwon Technology Co., Ltd.]が江蘇凌雲東園科技有限公司[Jiangsu Lingyun Dongwon Technology Co., Ltd.]を吸収合併すると発表。北京凌雲東園と江蘇凌雲東園はともに韓国東園金属工業株式会社[Korea Dongwon Metal Industry Co., Ltd.]との合弁会社で、自動車部品の設計、開発、製造、販売を手掛ける。凌雲工業股份の持ち株比率はともに70%。吸収合併後、北京凌雲東園は江蘇省に分公司(支社)を設立し、分公司が江蘇凌雲東園の資産、負債、人員、業務をすべて引き継ぐ。合併手続きはすでに完了した。

-2017年12月、同社は子会社凌雲吉恩斯科技有限公司[Yantai Lingyun GNS Technology Co., Ltd.](略称:煙台凌雲吉恩斯)が瀋陽凌雲吉恩斯科技有限公司[Shenyang Lingyun GNS Technology Co., Ltd.]と長春凌雲吉恩斯科技有限公司[Changchun Lingyun GNS Technology Co., Ltd.]を吸収合併すると発表。この3社はともに同社と韓国GNS株式会社 との合弁会社で、同社の持ち株比率はいずれも50.10%である。吸収合併後、煙台凌雲吉恩斯は瀋陽と長春にそれぞれ支社を置き、支社が瀋陽凌雲吉恩斯と長春凌雲吉恩斯の資産、負債、人員、業務をすべて引き継ぐ。合併手続きはすでに完了した。

戦略的提携

-2017年11月、同社は浙江合衆新能源汽車有限公司[Zhejiang Hozon New Energy Automobile Co., Ltd.]と戦略的提携枠組み合意書に調印した。両社は自動車部品の自主設計、開発、製造での提携から始め、さらにプラットフォーム化、モジュール化、軽量化での提携まで拡大していく計画。(2017年12月1日付け各種リリースより)

受賞

-同社の子会社「上海亜大汽車塑料製品有限公司 [Shanghai Chinaust Automotive Plastics Co., Ltd.]は、南京Ivocoの「AD02/TDアップグレードプロジェクト」において優秀サプライヤーの称号を得た。2016年、同社は南京Ivocoからフューエルパイプ、バキュームサクションパイプ、エスケープパイプ、フィラーパイプのすべてで独占供給資格を得ている。(2017年2月28日付けプレスリリースより)

-同社の子会社「柳州凌雲汽車零部件有限公司[Liuzhou Lingyun Automotive Parts Co., Ltd.]」は、上汽GM五菱より「海外開拓賞」を受賞した。両社は高強度、アルミ合金、熱成型、パンチング溶接、パイピングなどの製品分野で更に提携を深めるとしている。(2017年2月28日付けプレスリリースより)

2018年12月期の見通し

-2018年度の売上高は123.00億元、経常利益は8.00億元の見通し。(2017年度アニュアルレポートより)

研究開発費

(単位:百万元)
年度 2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
研究開発費 472.50 398.49 297.78
研究開発費の売上高に占める割合(%) 3.99 4.48 4.11



研究開発体制

-2017年、上海中央研究院を中心として、世界の顧客に向けた科学技術研究開発体系と効率的な運営メカニズムを形成した。(2017年度アニュアルレポートより)

-国内では涿州、煙台に研究科発サブセンターを設立、欧州ではWAG社研究開発部隊を核とした欧州サブセンターを設立、日本では名古屋研究事務所を設立、米国ではデトロイトに研究事務所を設立準備中。(2017年度アニュアルレポートより)

-2017年5月5日、同社と韓国GNS株式会社 (GNS Solitech Co.,Ltd)の合弁によるテクニカルセンター「凌雲吉恩斯(中国)熱成型技術研発中心 [Lingyun GNS (China) Hot stamping Technical Center]」の開業式が行われた。このセンターの開業は、凌雲工業と韓国GNSの提携が新しい段階に入ったことを示すもので、両社の熱成型事業の発展の基礎を築くものとなった。(2017年5月8日付けプレスリリースより)

-2016年末現在、国家レベルの技術センター、国家品質コントロール及び評価実験室、中国実験室国家認可委員会が認可した実験室、省レベルの技術センター、省レベルのエンジニアリング研究センター、自動車バンパー低速衝突実験室を保有。

研究開発活動

-同社は、子会社「柳州淩雲汽車零部件有限公司 [Liuzhou Lingyun Automotive Parts Co., Ltd.] 」が2017年3月14日、上汽GM五菱と自動車軽量化研究グループを立ち上げたと発表。両社はアルミ合金バンパー、アルミ合金チューブビームアセンブリ、ドアシル、バッテリーコンテナ、熱成型部品などを対象に、軽量化のための新材料、製造プロセス、新技術の実用化について研究する。(2017年3月21日付けプレスリリースより)

特許

-2017年、170件の特許を申請し、128件を取得。

設備投資額

(単位:百万元)
プロジェクト 予算額 2017年投資額 進捗(%)
上海凌雲工業科技有限公司自動車部品設備投資 51.31 4.00 98.32
柳州凌雲汽車零部件有限公司柳東工場建屋の第3期建設 25.21 9.76 62.40
重慶凌雲汽車零部件有限公司工業パーク建設 100.00 82.78 85.64
新工場建屋建設 40.00 4.37 100.00
Volvo金型 29.25 0.01 25.00

国内投資
-2018年5月、同社は30百万元を投じ年産30万台の自動車部品工場を建設するが、その環境アセスメントを発表。それによると、敷地面積は12,951平方メートル。ウィンドウフレーム、インパクトビーム、ホイールカバーなどを生産し、上海VW長沙工場の朗逸(Lavida)、途安(Touran)など、北京汽車株洲のM50Nなどに供給する。(2018年5月18日付けプレスリリースより)

海外投資
-2018年1月、同社は独完全子会社Waldaschaff Automotive GmbH(略称:WAG)に対し55百万ユーロを追加出資し、増資を行うと発表。WAGは同社が2015年に買収したドイツの会社で、主にドア、テールゲート、エンジンフードコンポーネント、構造部品などを生産し、独VW(Audi、Porsche、Scania)、Ford、GM、BMWなどに製品を供給している。買収完了後、WAGは製品開発能力を拡大し、自動車軽量化部品の開発を継続しているほか、新エネルギー車バッテリーケースの開発も手掛けている。今回の増資はWAGの正常な生産運営を保証し、新製品の開発量産、新規プロジェクト推進のための資金に充てるために行うものである。増資完了後、WAGの資本金は4.5百万ユーロから59.5百万ユーロに引き上げられる。(2018年1月15日付け各種リリースより)