Ningbo Joyson Electronic Corporation [寧波均勝電子股份有限公司] 2014年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万元) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 増減率(%) | 要因 | |
売上高 | 7,077.09 | 6,103.83 | 15.95 | -主力業務の売上が増加。 -新規受注が増加。特にHMIが中国と北米で引き続き成長。 -HMI、新エネルギー車動力制御システム分野で新技術、新製品を投入。 |
営業利益 | 424.27 | 379.79 | 11.71 | - |
経常利益 | 458.71 | 385.65 | 18.94 | - |
純利益 | 349.60 | 299.99 | 16.54 | - |
受注
-2015年4月、ドイツの子会社PrehがTesla Motorsより新エネルギー自動車用電池システムセンサーおよびその関連部品を受注したと発表。(2015年4月17日付け会社公告より)
-2014年9月、BMWの電気自動車 「i3」 と 「i8」 向けにバッテリー管理システムを供給すると発表。同社は世界のBMW 「i3」、「i8」 に同製品を独占供給するとしている。(2014年9月24日付けプレスリリースより)
-2014年8月、子会社Prehは、新型 Audi 「TT」 に新しいエアコンコントロールシステムを供給すると発表。このコントロールシステムは従来品と異なり、温度センサーとコントロールユニットをエアコン吹き出し口にまとめて直接取り付ける方法を初めて採用したという。(2014年8月12日付けプレスリリースより)
-2014年3月、子会社PrehはBMWの新型車 「X5」 向けに独Bad Neustadtで開発したセントラルコントロールシステムを供給すると発表。この特殊なフィルムはBMW、BayerおよびPrehの共同開発によるもの。パネルはPrehのBad Neustadt工場で生産。電子部品などその他の部品はメキシコのMonterreyで生産し、最終的にはBMWの米Spartanburg工場で組み付けられる。(2014年3月24日付けプレスリリースより)
-2014年3月、子会社PrehはBMWの電気自動車 「i3」 にバッテリーマネージメントシステムを供給すると発表。同社は現在世界で唯一BMWにEV用バッテリーマネージメントシステムを供給しているサプライヤー。PrehがBMW 「i3」 に開発したバッテリーマネージメントシステムはBMU (Battery Management Unit) とCSSU (Cell Supervising Sensor Unit) の2つのユニットで構成されており、ドイツのBad Neustadt のPreh GmbHで生産している。「i3」 以外にも電気自動車BMW Active E、およびActiveHybrid 5、電動オートバイBMW C evolutionなどがPrehのバッテリーマネージメントシステム技術を採用している。(2014年3月6日付けプレスリリースより)
買収
-2014年12月、ドイツの高級車向けステアリングおよび内装部品メーカー Quin GmbHを90百万ユーロ余りで買収すると発表。Quin GmbHの製品と均勝電子のセントラルコントロールシステムを統合することで、HMIソリューションの強化を図る。買収は2段階に分けて実施する。まずQuin GmbHの株式75%を取得し、段階的に残り25%を取得する。Quin GmbHの2013年の売上高は92百万ユーロで、主要納入先はMercedes-Benz、BMW、Audiなどの自動車メーカー。ドイツ、ポーランド、ルーマニア、中国に研究開発センター、生産拠点、販売拠点を持ち、1,000名を超えるスタッフを擁している。2015年1月、Quin GmbHの株式75%の取得手続きが完了したと発表。Quin GmbHの2014年の売上高は124百万ユーロ。純利益は1.1百万ユーロ超だった。
-均勝集団が保有するドイツPreh Holding GmbHの株式74.90%およびPreh GmbHの株式5.10%を取得し、両社を完全子会社化すると発表。取得価格はそれぞれ約167.16百万ユーロと約11.76百万ユーロ。(Preh Holding GmbHはPreh GmbHの株式94.90%を保有している) また、Preh Holding GmbHの株式25.10%を保有している7名の外国籍株主に対して現金を支払い、これを取得するという。(2014年4月22日付け会社公告より)
新会社
-寧波産城投資管理有限公司 [Ningbo Chancheng Investment Management Co., Ltd.] および寧波南新実業投資発展有限公司 [Ningbo Nanxin Industrial Investment Co., Ltd.] と寧波市鄞州区 (Yinzhou District, Ningbo) に合弁会社 「寧波産城均勝新能源科技有限公司 [Ningbo Chancheng Joyson New Energy Science & Technology Co., Ltd.]」 を設立すると発表。登録資本金は50百万元。出資比率は、均勝40%、寧波産城30%、寧波南新30%。主に超大容量電池と商用車用電池マネジメントシステムおよびその他の製品を開発、生産する。(2015年4月8日付け会社公告より)
-2015年3月、500百万元を投じて全額出資子会社 「均勝智能車聯有限公司 [Joyson Intelligent Car Networking Co., Ltd.]」 を設立すると発表。2015年4月、同社は正式に設立された。自動車ネットワーク、スマート運転、自動運転関連のサービス提供とソフトウェア開発の分野を充実させるのが狙い。
-2014年3月、全額出資子会社 「武漢均勝汽車零部件有限公司 [Wuhan Joyson Auto Parts Co., Ltd.]」 を設立した。
最近の動向
-2014年11月、独子会社PrehはメキシコのMonterreyに位置するメキシコ子会社Preh de Mexico S.A. de C.V.の生産規模を拡大したと発表。拡張したのは2011年8月に操業を開始したKalos工場で、11月20日に拡張部分の運用を開始した。敷地面積は5,000平方メートル増の13,300平方メートルに拡張された。Kalos工場の姉妹工場であるAvante工場の敷地面積7,500平方メートルを合わせると、メキシコ会社はMonterreyに20,800平方メートルの生産拠点を有することになる。Monterreyでは主にHMIシステムを生産し、北米市場のFord、GM、BMW、VWに製品を供給している。(2014年11月25日付けプレスリリースより)
戦略的提携
-子会社 「寧波産城均勝新能源科技有限公司 [Ningbo Chancheng Joyson New Energy Science & Technology Co., Ltd.]」 が 「浙江南車電車有限公司 [Zhejiang CSR Electric Vehicle Co., Ltd.]」 と戦略的提携の協定書を結んだと発表。それによると、両者は電気自動車向けエネルギーマネジメントシステムおよびスーパーキャパシターの開発と応用を共同で行うとしている。(2015年4月17日付け会社公告より)
受賞
-ドイツの子会社Quin GmbHがDaimlerの2014年サプライヤー大会においてサプライヤー賞を受賞したと発表。(2015年4月2日付け各種リリースより)
-北米GMより2014年優秀サプライヤー品質賞を受賞したと発表。(2014年11月14日付けプレスリリースより)
-2014年10月、独子会社Prehは、BMWグループより2つのイノベーションアワードを受賞したと発表。受賞対象製品はiDriveコントローラーのコントロールユニットと3Dテストステーション。iDrive コントローラーはセンターコンソール上でインフォテイメントシステムの直感的な操作を可能にするもので、現在BMW 1-7シリーズ、X3、X5、X6などのモデル向けのデザインを揃えている。3Dテストステーションはコントロールパネルの非接触測定に用いられている。(2014年10月13日付けプレスリリースより)
-子会社 「寧波普瑞均勝汽車電子有限公司 [Ningbo Preh Joyson Automotive Electronics Co., Ltd.]」 は上海GMよりベスト品質性能賞を授与されたと発表。上海GMのサプライヤー32社のうち、この賞を受賞したのは2社のみ。(2014年6月12日付けプレスリリースより)
2015年12月期の目標
-2015年の売上高は85億元以上を見込む。(2014年同社アニュアルレポートより)
研究開発費
2014年12月期 (百万元) |
2013年12月期 (百万元) |
2012年12月期 (百万元) |
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研究開発費用 | 357.21 | 253.95 | 187.22 |
売上高に占める割合 | 5.05% | 4.16% | 3.49% |
研究開発体制
-2014年末現在、1,000名を超える研究開発要員を擁する。
研究開発施設
-寧波、上海、長春に製品開発センターを保有。国内外の納入先と並行して開発を行なえる体制を整備。研究開発の分野は以下の通り:
- 製品の早期モデル化
- 製品の設計・開発
- 金型の設計・開発
- 治工具設備の設計・開発
- 工程技術開発
- ハード・ソフトウェアの開発
- 電子情報の開発
-子会社PrehのドイツにあるR&Dセンターを研究開発の中核とする。製品設計や、構造設計、ハード・ソフトウィエアの開発とテスト、センシング技術、産業エンジニアリング、金型、治工具技術などが行われる。
-2014年6月、同済大学汽車学院 [School of Automotive Studies of Tongji University] と共同実験室を開設したと発表。共同実験室ではドライブコントロールシステムと新エネルギー・電池マネジメントシステムの中国市場における普及と応用について研究を進めるとしている。(2014年6月12日付けプレスリリースより)
-寧波市政府より助成金14.95百万元を得て新エネルギー自動車産業およびターボチャージャーエアダクトの技術改良に関するプロジェクトを進めると発表。助成金の内、10百万元は均勝新エネルギー自動車研究院の研究開発用器械類購入、エンジニアリング技術開発設備投資に充てられる。残りの4.95百万元は寧波均勝汽車電子股份有限公司 [Ningbo Joyson Automotive Electronics Co., Ltd.] の電子部品およびターボチャージャーエアダクト技術改良に充当される。(2014年4月18日付け各種リリースより)
設備投資額 |
(単位:百万元) |
項目 | 2014年12月期 |
治工具 | 90.46 |
「遼源均勝」 工場建設 第1フェーズ | 29.24 |
機械および設備 | 25.60 |
改築など | 15.68 |
均勝新拠点の建設 | 48.33 |