鬼怒川ゴム工業 (株) 2012年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2012年 3月期 |
2011年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
全社 | ||||
売上高 | 70,612 | 64,579 | 9.3 | - |
営業利益 | 8,340 | 7,413 | 12.5 | - |
経常利益 | 8,555 | 7,486 | 14.3 | - |
当期純利益 | 5,300 | 4,467 | 18.6 | - |
海外事業
<ASEAN>-同社は2015年に売上高1千億円超、営業利益120億円超を目指す。成長市場である中国やASEAN地域での売り上げ拡大を軸に、新たにインドやインドネシア、ロシアにも進出する。海外市場では、車体シール部品の拡販を中心に、防振ゴムやホース類のほか建機向け部品などでも新規受注を獲得していく。同時にコスト削減や調達の効率化を図り、高い営業利益率を維持しながら拡販を図る。(2011年11月28日付日刊自動車新聞より)
<メキシコ>
-メキシコ工場を2013年後半にも現在の5倍程度へ大幅に拡張する。既存工場の近隣に新たに土地を購入して新工場を建設する方向で検討している。主要取引先の日産自動車がメキシコでの生産能力を大幅に増強するため、既存工場の能力増強とともに、新工場を設けて対応する。同国ではホンダやマツダも新工場を建設する計画で、日系メーカーの生産が13年後半以降、大幅に増える見通し。新工場では、主力の車体シール部品だけでなく、防振ゴムやホースといった製品も新たに生産し、能力増強による増収に弾みをつける。新工場では主力の車体シール部品に加え、これまで海外で生産していなかった防振ゴムやホースなども手掛ける。現地生産品目を増やすことで、車体シール部品を含む複数製品を納入する体制を構築し、海外での安定した売り上げ拡大につなげる。(2012年3月22日付日刊自動車新聞より)
<インドネシア、インド>
-同社は、インドネシアとインドに生産進出する。2年以内をめどにそれぞれに車体シール部品などの半完成品の最終加工拠点を開設する。同社は近く北米2番目の生産拠点となるキヌガワメキシコの本格操業を開始するほか、中国では2012年半ばから安徽省蕪湖市で地場自動車メーカーに部品を供給する新工場の稼働を計画している。今後は日系自動車メーカーが生産拡大に取り組むアジアで既存のタイ工場に続く拠点を新設し、成長を目指す。日系自動車メーカーの工場の近くに拠点を設置する方針で、インドでは主要納入先の日産自動車のあるチェンナイ市が有力とした。(2011年6月29日付日刊自動車新聞より)
事業提携
-韓国の自動車用ゴム製品メーカーである和承R&Aと業務提携すると発表した。インドでの自動車用ゴム・樹脂部品の生産に関して協力する。さらにインド以外の業務提携についても検討を始める。両社の経営資源を有効活用することで、新興国を中心に自動車メーカーから求められている現地生産ニーズに迅速に対応するのが狙い。(2011年7月21日付日刊自動車新聞より)受注
-Volkswagenから、独国内向けの車体シール部品を受注し、2012年から納入を始める。VWとは北米で取引があるがドイツでは初めて。品質に加え、コスト競争力が評価され受注が拡大した。今後はVWグループの他のブランド向けの受注も目指す方針で、海外メーカー向けの売り上げが増加する。受注したのは12年に独で生産が始まるモデル向けの製品で、VWとアウディの両ブランド向けに納める。欧州には生産拠点を持っていないため、中国の工場で生産し、独に輸出する。SUV、乗用車など複数の車種向けに納入する。同社はVWとは北米で取引があり、VWの米国工場やメキシコ工場に車体シール部品を納入している。12年は北米でも新規で受注を獲得した。独国内向けの納入開始を機に、VWとの取引拡大に弾みがつく。最大の取引先である日産自動車向けの売上高割合を現状の6割から15年度には5割以下に引き下げる方針。 (2012年1月26日付日刊自動車新聞より)-ホンダから次期「フィット」(海外名=ジャズ)の車体シール部品を受注した。ASEAN地域で生産される車両向けにドア用のシール部品を納入する。ホンダとは国内、海外を通じ、これまで本格的な取引実績はなかった。主要顧客である日産向けの拡大に加え、非日産圏での受注拡大により、2015年に向けて売上高が拡大する見通しだ。(2012年1月16日付日刊自動車新聞より)
企業買収
-同社は、2011年8月1日付で、帝都ゴムを完全子会社とする株式交換を行うと発表。同社は現在、帝都ゴムの株式66.98%を取得している。帝都ゴムを完全子会社化することで、同社は車体シール部品・防振部品からホースまで、一貫した製造販売体制を構築する計画。(2011年5月12日付プレスリリースより)開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 998 | 1,052 | 1,046 |
車体部品部門 | 562 | 661 | 691 |
ブレーキ部品部門 | 308 | 269 | 248 |
研究開発活動
車体部品部門-材料、新規断面構造の開発により付属品を削減し、価格競争力を向上させたウェザーストリップシール部品の開発
-軽量化を目的とした低比重ゴム、発泡TPVの車体シール部品への採用拡大
-意匠性向上を目的とした内装複合部品の採用拡大
-リサイクル性を考慮した高機能エラストマー材を採用したTPV G/RUNの採用拡大
-グローバルでコスト競争力を確保すべく各地域の特徴を生かした革新的物造りや材料の現地化体制を構築
ブレーキ部品部門
-次世代ブレーキゴム部品の開発およびコスト低減のための新材料・新工法開発などに取り組む
技術導入契約 |
(2012年3月31日現在) |
相手方の名称 (国名) |
内容 | 契約期間 |
(日本) |
ウィンドモールディングおよびその製造方法 | 2000年4月1日より当該製品の製造期間 |
技術供与契約 |
(2012年3月31日現在) |
相手方の名称 (国名) |
内容 | 契約期間 |
Metzeler (英国) |
自動車用ウェザーストリップの製造技術 | 1988年11月25日より当該製品の製造期間 |
ルノーサムソン (韓国) |
車体シール部品の技術援助契約 | 2003年3月1日より当該製品の製造期間 |
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 1,100 | 900 | 1,200 |
車体部品部門 | 600 | 400 | 800 |
防振部品部門 | 200 | 200 | 100 |
ブレーキ部品部門 | 200 | 200 | 200 |
-生産ラインのモデルチェンジ対応、合理化投資などを重点的に実施。
設備の新設 |
(2012年3月31日現在) |
会社名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完成予定 | 完成後の 増加能力 |
(株)キヌガワ郡山 | 福島県 郡山市 |
車体部品製造設備 | 38 | 2012年4月 | 2013年3月 | * |
(株)キヌガワ大分 | 大分県 中津市 |
車体部品製造設備 | 123 | 2012年4月 | 2013年3月 | * |
(株)キヌガワ防振部品 | 栃木県 真岡市 |
防振部品製造設備 | 156 | 2012年4月 | 2013年3月 | * |
(株)キヌガワブレーキ部品 | 栃木県 真岡市 |
ブレーキ部品製造設備 | 49 | 2012年4月 | 2013年3月 | * |
本社 | 千葉県 稲毛区 |
試験研究設備 | 85 | 2012年4月 | 2013年3月 | - |
帝都ゴム(株) | 埼玉市 入間市 |
ブレーキ部品製造設備 | 173 | 2012年4月 | 2013年3月 | * |
鬼怒川橡塑(広州)有限公司 [Kinugawa Rubber (Guangzhou) Co., Ltd.] |
中国 広州市 |
車体部品製造設備 | 244 | 2012年1月 | 2012年12月 | * |
Kinugawa Mexico, S.A.De C.V | メキシコ グァナファト州 |
車体部品製造設備 | 416 | 2012年1月 | 2012年12月 | * |