(株) ニフコ 2015年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2015年 3月期 |
2014年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
全社 | ||||
売上高 | 225,415 | 185,167 | 21.7 | - |
営業利益 | 20,975 | 15,718 | 33.4 | - |
経常利益 | 20,626 | 17,022 | 21.2 | - |
当期純利益 | 12,901 | 9,771 | 32.0 | |
合成樹脂成形品 | ||||
売上高 | 201,768 | 161,846 | 24.7 | 1) |
営業利益 | 22,864 | 17,610 | 29.8 |
1) 合成樹脂成形品
<国内自動車業界向け>
-新型車に対する同社製品の採用金額の増加を進めたことに加えて、好調な輸出車向け部品および海外生産車向けの輸出部品の増収などの要因があり、通期で増収を記録。
<海外自動車業界向け>
-海外連結子会社の業績は、日系および韓国系自動車メーカー向けの販売が好調で、北米とアジアで大幅増収となった。また、欧州でもM&A効果により大幅増収を達成。
-利益面でも、円安効果に加えて、主要拠点の改善が進んだことや、欧州でのM&A効果により大幅に増益を達成。
本社移転
-2015年1月5日付で本社を横浜市戸塚区から神奈川県横須賀市に移転すると発表。同社は現在、国内の技術開発拠点を6カ所から、横須賀と名古屋の東西2カ所へ集約を進めている。研究拠点の隣地へ本社を移転することで、業務効率の向上を目指す。(2014年12月17日付日刊自動車新聞より)
買収
-ドイツの自動車用プラスチック部品メーカーKTWグループを買収すると発表。全株式を取得し子会社化する。買収金額など詳細をつめ、2、3カ月以内での買収を目指す。BMWを中心にドイツ系自動車メーカーとの取引が主体のKTWを傘下に収めることで、欧州事業の強化を図る。同時にグローバルに展開するニフコの拠点網を活用して、ドイツ系メーカーとの取引拡大に結びつける狙いだ。KTWグループは自動車用プラスチック部品を製造・販売しており、インストルメントパネルやドアトリムなどの部品を手がけている。2013年の売 上高は前年比11.3%増の約84億円。大半をドイツ系メーカーに納入しており、BMWへの売り上げが半数以上を占めている。工場はバイエルン州の1カ所のみ。ニフコの拠点網を活用することで、ドイツ系メーカーのグローバル拠点への納入が可能となる。(2014年4月23日付日刊自動車新聞より)
事業再編
<日本>
-国内事業を再編すると発表。自動車向けプラスチック製ファスナーを生産する宇都宮工場を今年12月末で閉鎖し、子会社のニフコ山形へ集約する。移管後も宇都宮工場分の生産量は維持するため、山形工場の生産量は現状比倍増となる。営業体制では今年3月末に九州営業所を閉鎖し、広島事業所と熊本の子会社で対応する。国内の自動車生産の減少が予測される中、国内向けの事業体制を整えることで競争力強化に結びつける。(2015年2月12日付日刊自動車新聞より)
<中国>
-中国子会社の利富高企業管理 (上海) 有限公司 [Nifco Enterprise Management (Shanghai)] を2016年1月に解散すると発表。同子会社は、中国関連会社の営業・技術支援および管理業務を行っている。(2015年3月23日付プレスリリースより)
<ドイツ>
-ドイツの自動車用プラスチック部品子会社を31日付で統合すると発表。統合後の存続会社は持ち株会社の「ニフコ・ジャーマニー」で、KTWやその子会社などを吸収合併する。同社では4月に自動車用プラスチック部品を手がけるKTWグループの買収を発表。全株式を取得し子会社化した。(2014年12月17日付日刊自動車新聞より)
中期経営計画 (Nifco Innovation Plan 2020)
-数値目標
2015年3月期 (実績) |
2018年3月期 (第1ステージ) |
2021年3月期 (第2ステージ) |
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全社 | |||
売上高 | 2,254億円 | 2,700億円 | 3,300億円 |
営業利益 | 209億円 | 310億円 | 380億円 |
利益率 | 9.3% | 11.5% | 11.5% |
当期純利益 | 129億円 | 200億円 | 255億円 |
-2015年度から17年度までの新中期経営計画の目標値を明らかにした。売上高を14年度比19.8%増の2700億円、営業利益を同48.3%増の310億円まで高め、営業利益率で同2.2ポイント増の11.5%を目指す。中計では、バランスの取れた製品構成や事業構成による業績拡大、グローバルでの収益性向上、グローバル品質保証体制の確立、資本効率の改善などに取り組む。(2015年5月14日付日刊自動車新聞より)
-自動車市場での成長のための戦略
パワートレイン製品の事業化
-日系および非日系メーカーへの拡販
-生産体制確立、新たな工法の習得
-燃料系事業との統合も検討
欧州メーカーのグローバル展開
-ニフコKTWの北米進出
-VWビジネスの新展開
-KTSとKTWのシナジー効果追求
高付加価値商品の開発
-VW向け商品開発体制の強化
-アプリケーションサプライヤへの商品開発力強化
-R&Dセンターの海外展開
M&Aや提携によるシナジー創造
-将来の発展に向けての提携
-新たな工法の獲得
-新分野、新商品強化に向けての提携
-補完関係、シナジー効果の期待できる提携
2016年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2016年3月期 (予想) |
2015年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
全社 | |||
売上高 | 240,000 | 225,415 | 6.5 |
営業利益 | 24,000 | 20,975 | 14.4 |
経常利益 | 23,500 | 20,626 | 13.9 |
当期純利益 | 14,500 | 12,901 | 12.4 |
-2016年3月期の売上高は、国内合成樹脂事業の売上が前年比1.9%減少するものの、北米・欧州・アジアで伸長するため全体で同6.5%増加と計画している。
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 2,733 | 2,492 | 1,776 |
-合成樹脂成形品 | 2,720 | 2,468 | 1,763 |
-2016年3月期の研究開発費は3,000百万円を計画。
研究開発体制
-「ニフコ技術開発センター (Nifco Technology Development Centre)」を中心に、将来市場に向けての技術開発を推進している。
-2015年3月期、本社を横須賀リサーチパーク内の隣接するビルに移転したことを機に、技術部門を東西2拠点 (横須賀、名古屋) に集約した。
-国内の技術開発体制を現状の6拠点から2拠点に集約すると発表。今年末頃から順次進めていく。集約により開発体制の効率化を図ることで新技術の開発スピードを高めるなど、開発体制の強化につなげていく。新たな開発体制では技術開発センターと名古屋工場の2カ所に集約する。同時に製品の適合など顧客サポート担当者を各工場や事業所に配置。要素開発の効率化を図るとともに、製品開発へ顧客ニーズを反映しやすい体制を構築する。(2014年9月18日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
自動車分野
-省エネ対応技術では、自動車の軽量化、高効率化に寄与する商品開発に注力し、特に燃費向上に直接関わるパワートレイン関連部品や、金属品を樹脂化することで軽量化に貢献する部品を開発した。
-環境規制対応では、北米の炭化水素蒸散規制に適合する新たな燃料系システム部品の開発を完了し、量産することに成功した。
-安全安心対応技術では、衝突軽減ブレーキ関連部品や障害物検知センサー関連部品を開発した。
技術提携契約 |
(2015年3月31日現在) |
契約締結先 (所在地) |
契約内容 | 契約期間 |
Illinois Tool Works Inc. (米国) |
プラスチックバックル | 2023年8月27日まで |
技術供与契約 |
(2015年3月31日現在) |
契約締結先 (所在地) |
契約内容 | 契約期間 |
台湾扣具工業股份有限公司 [Nifco Taiwan Corporation] (台湾) |
プラスチック製バックルおよび工業用ファスナーの製造技術 | 2015年12月31日まで |
Nifco Korea Inc. (韓国) |
プラスチック製バックルおよび工業用ファスナーの製造技術 | 2019年12月31日まで |
Union Nifco Co, Ltd. (タイ) |
プラスチック製バックルおよびプラスチックと金属からなるファスナーASSYの製造技術 | 2017年6月30日まで |
Nifco Manufacturing (Malaysia) Sdn. Bhd (マレーシア) |
プラスチック製バックルおよび工業用ファスナーの製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco (HK) Ltd. (香港) |
プラスチック製バックルおよびプラスチックと金属からなるファスナーASSYの製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco U.K. Ltd. (英国) |
工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco America Corporation (米国) |
工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco Products Espana, S.L.U. (スペイン) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
上海利富高塑料制品有限公司 [Shanghai Nifco Plastic Manufacturer Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
(株) 釜成工業 [Boosung Industrial Corporation] (韓国) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2017年12月31日まで |
東莞利富高塑料制品有限公司 [Dongguan Nifco Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco (Thailand) Co., Ltd. (タイ) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
台扣利富高塑膠制品 (東莞) 有限公司 [Tifco (Dongguan) Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2016年12月31日まで |
北京利富高塑料制品有限公司 [Beijing Nifco Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2015年12月31日まで |
Nifco Poland Sp.zo.o. (ポーランド) |
工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco Vietnam Ltd. (ベトナム) |
工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2018年12月31日まで |
利富高 (天津) 精密樹脂制品有限公司 [Nifco (Tianjin) Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco India Private Ltd. (インド) |
工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
利富高 (湖北) 精密樹脂制品有限公司 [Nifco (Hubei) Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco Korea USA Inc. (米国) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2015年12月31日まで |
利富高 (江蘇) 精密樹脂制品有限公司 [Nifco (Jiangsu) Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco South India Manufacturing Private Ltd. (インド) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2017年12月31日まで |
利富高 (塩城) 精密樹脂制品有限公司 [Nifco (Yancheng) Co., Ltd.] (中国) |
固着機能等を有する樹脂製および金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2016年12月31日まで |
PT. Nifco Indonesia (インドネシア) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
Nifco Korea Poland Sp. z o.o. (ポーランド) |
工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2017年12月31日まで |
Nifco Central Mexico S. de R.L. de C.V. (メキシコ) |
バックル・工業用プラスチック製部品およびプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品および完成品等の金型等の製造技術 | 2019年12月31日まで |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 20,796 | 21,166 | 18,521 |
合成樹脂成形品 (2015年3月期)
<日本>
-横須賀新本社および山形工場の取得、ならびに国内自動車メーカーからの新規受注品に対応した金型設備、燃料系製品設備等に8,930百万円を投資。
<ポーランド>
-Nifco Poland Sp.zo.o.が、新工場の建設を中心に1,463百万円の投資を実施。
<アジア>
-香港のNifco (HK Ltd.) が新工場の建設を中心に938百万円等、アジア地域合計で4,241百万円の設備投資を行った。
海外投資
<メキシコ>
-メキシコで自動車向けファスナーや内装品を生産する子会社に増資したと発表。360万ドル (約3億6千万円) を増資し、同国での需要拡大に対応する。同子会社は2012年に設立し、北米の日米自動車メーカー向けに樹脂成形品を納入している。増資後の資本金は960万ドル (約9億6千万円) となる。(2014年5月15日付日刊自動車新聞より)
<ドイツ>
-ドイツ法人のニフコKTWが米サウスカロライナ州に新工場を建設すると発表。米国では、グループ全体で4カ所目の生産拠点となる。主要取引先であるBMWのスパルタンブルグ工場の近郊に建屋を新設、2017年から稼働してファスナーなどプラスチック部品を納入する。4月に生産子会社を設立する。資本金2千万ドル(約24億円)のうち、ニフコKTWが90%を、ニフコアメリカが10%を出資する。(2015年3月24日付日刊自動車新聞より)
<ポーランド>
-2014年秋、ニフコポーランドの第3工場が完成。2015年4月より量産を開始し、VWグループ (Porscheを含む) 向けにエアベントなどの部品を生産。ニフコポーランドは、自動車用のプラスチック機能部品を東欧、中欧およびトルコの100社以上の顧客に供給。新工場の完成によりVWグループ向けを中心とする新規ビジネスの拡販に注力する。
設備の新設計画 (合成樹脂成形品) |
(2015年3月31日現在) |
会社名 事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
Nifco KTW America Corporation (米国 ジョージア州) |
新工場の建設 | 3,050 | 2015年 5月 |
2016年 5月 |
Nifco (HK) Ltd. (中国 香港) |
新工場の建設 | 2,457 | 2013年 9月 |
2015年 8月 |