古河電気工業 (株) 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 874,879 867,817 0.8 -
営業利益 27,116 17,873 51.7 -
経常利益 18,710 18,598 0.6 -
当期純利益 10,007 7,355 36.1 -
電装・エレクトロニクス部門
売上高 321,930 299,667 7.4 -放熱用部品であるヒートシンクの需要が旺盛だった。
-子会社の古河電池において、ハイブリッド車およびアイドリングストップ車向け鉛蓄電池の販売が好調。
営業利益 12,923 12,923 0.0 -自動車用ワイヤーハーネスは、円安による海外工場製造品の輸入費用増加や、海外拠点での新規車種向け製品の製造立ち上げ時の混乱などにより、コストが増加。
金属部門
売上高 117,557 130,254 (9.7) -
営業利益 (1,118) (4,944) - -



国内事業

自動車向け平角線の用途拡大
- 自動車の小型モーター向けに平角線 (リボン線) の用途提案を強化する。モーターの小型化や高性能化に貢献する技術として、機能性を優先する高付加価値型の部品市場を狙う考えだ。平角線が広く使われてい るHID (ディスチャージランプ) 用変圧器に加え、パワーウインドーやワイパーなどの超小型モーター向けでの新規採用を目指していく。平角線は帯のような平面に近い形状を持つマグネットワイヤーで、丸線よりも表面積の占有率が高いのが特徴。製造コストは増加するが、導体としての特性は向上できるため、現在は高効率の電圧変換が必要なHIDユニットなどに多く採用されている。(2015年1月22日付日刊自動車新聞より)

自動車向けめっき事業の強化
-2015年6月、銅条・高機能材事業部門の貴金属めっき事業を分割し、子会社の古河精密金属工業 (FHE、栃木県日光市) に継承すると発表した。両社で展開している類似事業を一本化することで経営基盤の強化を図り、自動車市場などからの要求に迅速に応えられる体制を整える。相互の技術を融合し、製造可能なめっき種なども拡大する。10月1日を効力発生日とし、古河電気工業が日光伸銅工場 (栃木県日光市) などで手がけている貴金属めっき事業を会社分割してFHEに吸収させる。事業統合によるシナジーを生かすことで、国内外で増えている高機能めっきの需要に対応する。海外では顧客からの現地供給の要求なども強まっていることから、今後は同事業を展開しているタイ子会社のフルカワ・プレシジョン・タイランド (アユタヤ県) の資源も有効に活用していく。(2015年6月6日付日刊自動車新聞より)

-同社グループは、自動車向けめっき事業を強化する。子会社のKANZACC (大阪市北区) が新たに開発したコネクター用銀系特殊めっきの量産を下期から展開し、めっき事業全体に占める自動車向けの比率を2014年度の10%から18年度に50%まで引き上げる計画。めっき製品の拡販や高品質化を通じて、銅条や車載コネクターなど、グループ各社が販売する製品群の売り上げ増加にもつなげていく。(2015年4月18日付日刊自動車新聞より)

自動車向け銅条製品の拡販
-2018年度までに銅条製品の自動車向け販売比率を現在の40%から60%に引き上げる。自動車はスマートフォンなどの電子機器とは異なり、今後もグローバルでの需要が伸びていく可能性が高いことから、事業成長を継続させるためには自動車分野を伸ばすことが最善だと判断した。コスト低減を追求することで車載機器向けのコネクター材料などのボリュームゾーンの領域を拡大するほか、放熱性や導電性、強度を高めた付加価値の高い製品を拡販していく。2次、3次の部品メーカーとも幅広い接点を持つグループ各社の連携を強め、自動車分野でのサプライチェーンを構築する考えだ。(2015年4月10日付日刊自動車新聞より)

車載用電子部品の高機能材料 「MF202」
-三菱電機メテックスから低錫りん青銅 「MF202」 の技術情報などの開示を受け、当該製品の製造・販売を引き継ぐと発表した。7月の納入開始をめどに準備を整える。同じ製品名で販売を継続し、主に車載用電子部品の高機能材料として自動車分野での拡販を目指す。(2015年5月22日付日刊自動車新聞より)

受注

防食端子
-2015年10月、子会社の古河ASが次世代の自動車用アルミハーネス接続技術の開発に成功したと発表した。トヨタ自動車が8月に発売した新型 「ランドクルーザー200」 に新技術を用いた防食端子 「α端子シリーズ」 が採用されたとしている。新技術は汎用性や生産性での優位性が高く、低コストで車重の軽量化を図れることから、開発中の新型車向けなどにα端子を用いたアルミハーネスの採用を促していく。(2015年10月1日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<台湾>
-2015年8月、子会社の古河マグネットワイヤ (FMGW) が出資する台湾の栄星電線工業 (略称JSW) が、同国の工場で高機能細物丸エナメル線の製造設備を増強すると発表した。中国で生産している車載向け細物丸エナメル線などの需要が拡大しているため、本国の台湾でも生産能力を引き上げることで同製品の製造を開始する。(2015年8月26日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-自動車生産台数が増加しているメキシコにグループ4拠点目となるワイヤーハーネス工場を新設する。グアナファト州にレンタル工場を確保、2016年秋から量産開始する計画。メキシコ子会社のFurukawa Automotive Systems Mexico S.A. de C.V. (FASM)が、グアナファト州にワイヤーハーネスを生産する第2工場を立ち上げる。既存のメキシコの生産拠点での生産能力は明らかにしていないものの、新工場は、現在操業しているFASMの拠点と同じ、建屋面積9千平方メートル規模の施設をレンタルした。人員も既存工場の1,300人対して、新たに1,200人を雇用する予定で、現在操業中の工場と同レベルの生産能力になる見通し。メキシコ全体では、3拠点体制から4拠点体制になることで数十%程度の生産能力が増強されると見られる。新工場で生産するワイヤーハーネスは、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダなど、主にメキシコで自動車生産拠点を新・増設している日系自動車メーカーに供給する計画。(2016年7月21日付日刊自動車新聞より)

<米国>
-2016年8月、米国の自動車用ワイヤーハーネス関連製品に係る集団民事訴訟で和解したと発表した。原告の自動車ディーラーや購入者に対して、合計で5,600万ドル (約57億円) を支払う。ミシガン州東部地区連邦地方裁判所の承認を経て、正式に和解が成立する見込み。(2016年8月18日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-研究開発本部では2015中期計画として、「自動車のグリーン化」 「電力インフラのスマート化」 「通信インフラの大容量化」 を重点分野として高収益事業の育成を図っている。自動車のグリーン化では、軽量化ニーズに対してハーネスの細径化やアルミ化技術、ポリマー技術を応用した車体用発泡材などの開発を行っている。また電池の充電量を正しく知るニーズに応えて電池状態検知センサーを開発。

<電装・エレクトロニクス部門>
アルミ電線を使用したワイヤーハーネス
-車両軽量化の要請を背景とした更なる適用部位拡大に向け、高強度なアルミ電線の開発や防食端子などの関連技術開発を進めている。

自動車用バッテリーセンサー
-バッテリー電力を管理することにより自動車のエネルギー利用効率化への貢献が期待されており、拡販および受注活動とともに、高性能化に向けた開発を進めている。また、今後予測される車載電子機器の増加・電動化に対して、電源品質を維持する電源マネージメントシステムに関連した製品の開発を行っている。

ADASを支える計測技術
-先進運転支援システム (ADAS) を支える計測技術として、パルス方式により人・複数物標などの対象物を正確に認識可能な24GHz帯周辺監視レーダーを開発している。

ヒートパイプ技術
-ヒートパイプ技術を活用した熱マネジメント (均熱・放熱) 技術システムについては、HEV (ハイブリッド電気自動車) など次世代自動車への搭載に向けて、リチウムイオンバッテリーやインバーターなどの発熱量の増大に対応するべく開発を進めている。

<金属部門>
-自動車の次期ワイヤーハーネス向けに高強度アルミ電線を開発し、顧客提案および製品化を進めている。

-銅ナノ粒子を用いたエレクトロニクス向け接合・配線材料としての開発を進め、顧客にてサンプル評価を実施している。

-リチウムイオン電池用電解銅箔について、顧客の要求特性を満たすための銅箔設計指針を構築し、これを活用した設計を行っている。

製品開発

ADAS向け周辺監視レーダー
-同社は先進運転支援システム (ADAS) 向け周辺監視レーダーの実用化にめどをつけた。既にソフトウエアの開発を進めている段階で、数年以内に量産開始する計画だ。同社がADAS向けに開発しているレーダーは、パルス波による交互の送受信技術 「パルスドプラ法」 などを用いることで、車両周辺の情報を高精度、リアルタイムに収集できる。車両の周辺1メートル未満から遠方では100メートル程度に存在する物体との相対速度、距離、進行方向に対する角度などを正確に検知する。センサーモジュールは手のひらサイズに小型・軽量化し、バンパー内側などの狭小スペースへの設置にも対応できる。悪天候時でも障害物の正確な検知が可能となるため、ADAS向けに加えて、自動運転車用のセンサーにも応用できる。現在、欧州の企業と共同でアルゴリズム解析を進めており、複数の障害物が同時に近づいたり、逆に離れていく場合など、実際の交通環境を想定した複雑な演算処理プログラムを開発している。ADASではカメラを使った画像解析との連動も必要になるため、今後、他の車載機器メーカーなどとの連携も検討する。(2016年8月4日付日刊自動車新聞より)

超微細発泡光反射板
-同社は施設照明向けなどに製造・販売している超微細発泡光反射板を車載用途に展開する。LEDルームランプの照射ムラをなくすことで、LED使用量の削減やモジュールの小型化に貢献できることをアピール、新規受注を開拓する。数年後に発売する新型車での採用を見込んでおり、2020年度までに月1億~2億円の売り上げを目指す。同社の超微細発泡光反射板 「MCPET」 は、数マイクロメートルサイズの細かい気泡を無数に含んだ樹脂の発泡体。車内やインパネ用の照明装置の反射材として用いることで、LEDの照射光が空気とMCPETの境界面で乱反射を繰り返し、全方位に光の均一な照射が可能になる。平均照度が1.6倍に高まるため、LEDの数を3分の2程度に低減しても従来と同等の明るさを確保できるとしている。(2016年7月27日付日刊自動車新聞より)

水冷式ヒートパイプ
-電気自動車 (EV) などに搭載されるインバーターやリチウムイオン電池の放熱・均熱化機器に最適な水冷式ヒートパイプを開発したと発表。従来のヒートパイプは溝状のウィックなどを通して熱媒を輸送するが、勾配の大きい上り坂では冷却液が下部に停滞してしまうため、冷却性能を十分に果たせないこと (トップヒートモード) が課題とされている。同社では銅粉末を焼結したスポンジ状のウィックを開発し、毛細管力を高めることで重力に関係なく熱媒を移動させることに成功した。坂道でも、ポンプなどで圧力を加えずに冷却性能を保てるヒートパイプとして、EVやハイブリッド車に向けて提案していく。(2015年6月2日付日刊自動車新聞より)

高性能銅合金条
-2015年10月、優れた導電性と耐熱性を両立した高性能銅合金条を開発したと発表した。まずは民生用向けでの量産を開始し、2~3年後をめどに自動車分野での実用化を目指す。特に、電気自動車 (EV) やプラグインハイブリッド車 (PHV) に使われる端子・コネクター、リレー部品などの信頼性を向上できる材料として、自動車メーカーや車載機器メーカーに採用を促していく。(2015年10月7日付日刊自動車新聞より)

次世代フライホイール蓄電システム
-2015年9月、新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の 「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」 のプロジェクトに参画し、共同で世界最大級の次世代フライホイール蓄電システムの実証施設を完成させたと発表した。このプロジェクトは、自動車部品メーカーなどの商用設備に対する再生可能エネルギーを活用した電力供給の安定化を目的としている。山梨県が運営する米倉山大規模太陽光発電所の電力系統に連携させ、2016年3月まで試験稼働を展開する。(2015年9月9日付日刊自動車新聞より)

カーボンナノチューブ導体
-NEDO (独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構) からの委託事業である省エネルギー革新新技術開発事業 「カーボンバンドルをユニットとする新規軽量導体の研究開発」 に参画。カーボンナノチューブのみからなる線材について、世界最小値となる電気伝導度の低抵抗化を達成した。

-信州大学と共同で世界トップクラスの導電率を付与したカーボン・ナノチューブ (CNT) 導体の開発に成功したと発表した。この成果は新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 事業に採択され、今後は車載機器用途などでの実用化に向けた研究を進めていく。開発したCNTは、炭素原子が六角形に結合したシートを円筒状にしたもの。 銅の5分の1の重量で鋼鉄に比べて20倍の強度を持ち、約1千倍の電流密度を有しているのが特長。軽量かつ導電性に優れた同材料を活用することで、電子部品の重量削減や性能向上などを図ることができる。(2015年6月18日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 16,845 16,599 17,461
-電装・エレクトロニクス 4,263 4,292 4,343
-金属部門 1,157 896 931
-軽金属部門 - - 1,374


-2017年3月期~2019年3月期の研究開発投資は570億円を計画。インフラ/自動車向けが80%を占める。

研究開発拠点

拠点名 研究開発分野 所在地
自動車・エレクトロニクス研究所 自動車技術 神奈川県平塚市 (主要拠点)、
栃木県日光市 (分室)、滋賀犬上郡 (分室)
コア技術融合研究所 コア技術 神奈川県横浜市 (主要拠点)、千葉県市原市 (分室)、
栃木県日光市 (分室)、神奈川県平塚市 (分室)
先端技術研究所 新素材・新技術 神奈川県横浜市 (主要拠点)、
栃木県日光市 (分室)、神奈川県平塚市 (分室)
情報通信・エネルギー研究所 インフラ技術 千葉県市原市 (主要拠点)、
神奈川県平塚市 (分室)
Furukawa Electric Institute of Technology Ltd. (FETI) 解析 ハンガリー
OFS研究所 光ファイバー 米国
SuperPower Inc. 超電導 米国


<ハンガリー>
-同社はハンガリーの研究開発拠点との連携を強化すると発表した。今後も市場の成長が期待される欧州地域での自動車事業を拡大するため、グループ間での技術共有化を図っていく。電気絶縁材料の研究を手がけるハンガリー子会社の 「Furukawa Electric Institute of Technology Ltd. (FETI)」 との新たな人的交流を展開する。将来的には、米国地域などの欧州以外の研究開発拠点とも連携を強めていく考えだ。(2015年7月2日付日刊自動車新聞より)

設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 25,687 30,674 37,436



2016年3月期の設備投資

-電装・エレクトロニクス部門: 自動車用電装部品、自動車用バッテリーの生産能力増強を目的とした設備投資を主に実施。

-金属部門: 生産設備の維持更新を目的とする投資。

設備の新設計画

-2017年3月期の設備投資計画は38,000百万円。電装・エレクトロニクス部門には14,000百万円を投資する計画。主に自動車用電装部品の生産能力の増強に充てる。

-2017年3月期~2019年3月期の設備投資額は110,000百万円を計画。電装・エレクトロニクス部門が38%を占める。

2017年3月期の見通し

(単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 860,000 874,879 (1.7)
営業利益 27,500 27,116 1.4
経常利益 25,500 18,710 36.3
当期純利益 12,500 10,007 24.9

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

<電装・エレクトロニクス部門>

  • 自動車部品: アルミ化・機能部品の売上増
  • 電池: ハイブリッド車およびアイドリングストップ車向け鉛蓄電池を拡販
  • 銅条: 預託在庫サービスの開始と、アジアを中心とした海外市場の開拓、また純銅系製品の拡販を計画
  • 巻線: HV平角線、リボン線の堅調な拡大

<自動車部品・電池事業>

  • ハーネス: アルミ電線、防食端子、高圧ハーネス
  • 車載部品: SRC (ステアリングロールコネクター)、BSS (バッテリー状態検知センサー)、周辺監視レーダー、車内照明、等
  • 蓄電池: アイドリングストップ用ウルトラバッテリー、EN規格鉛蓄電池

中期経営計画

Furukawa G Plan 2015
-中期経営計画 「Furukawa G Plan 2015」 (2014年3月期~2016年3月期) に掲げた 「インフラ/自動車市場への注力」 という方針に基づき、自動車関連市場では、電装・エレクトロニクス部門で自動車用アルミワイヤーハーネス接続部品等の新製品開発や需要旺盛なハイブリッド車向け平角巻線の生産能力増強などを推進した。

-2015年12月、グループ事業の近況や次期中期経営計画の策定方針などを説明。 2013~15年度中計の売上高9千億円、営業利益380億円は達成が厳しいとしたものの、持続的成長に向けて「手応えはあった」(柴田社長)とし、16年度からは自動車向けの事業をさらに強化する。車載部品では主力のワイヤーハーネスに加え、海外での車両安全規制の強化を背景にステアリングロールコネクター (SRC) の需要増加も期待できると話した。(2015年12月25日付日刊自動車新聞より)

Furukawa G Plan 2020
-2016年5月、中期経営計画 「Furukawa G Plan 2020」 (2016年3月期~2021年3月期) を発表。2021年3月期に連結営業利益400億円以上を目指す。「ゆるぎない成長の実現」 をスローガンにを掲げ、3つの施策を実行していく方針。自動車分野の主な施策は以下のとおり。

(1) 事業の強化と変革:
 今後も成長が見込まれるインフラ/自動車市場への注力をさらに加速していく。自動車分野では自動車の軽量化に貢献するアルミワイヤーハーネスやその接続部品、大容量かつ高耐久性能の鉛バッテリーやバッテリー状態検知センサー等で構成される電源マネジメント関連製品など、高機能製品を中心に販売拡大を目指す。

(2) グローバル市場での拡販促進:
 東南アジアや南アジアを中心に自動車部品事業の製造拠点を拡充し、成長市場への製品供給能力を増強して、海外での事業拡大を目指す。

(3) 新事業の開拓加速:
 注力分野であるインフラ/自動車市場向け製品の開発に充てる年間研究開発費を、今後5年間で2016年3月期と比べて約2割増額し、同分野での事業拡大を図るとともに、先進運転支援システムを支える計測技術である周辺監視レーダーなどの新技術を事業化していく。

<ハーネス事業>
-グローバルシフト

  • 海外日系カーメーカーの需要を取り込むべく、設計/営業を行う統括会社を中国とASEAN (タイ) に設置。
  • 縮小する国内市場に対し、市場拡大する両地域へのシフトを促進。

-アルミ化

  • 素材~電線~ハーネス化の全プロセスをグループ内に保有。グループ内の一貫生産体制により、合金開発/工程設計の最適化が可能。


<車載部品事業>
-ステアリング・ロール・コネクター (SRC)

  • 中国とASEANに地域統括会社を設置。
  • 法規制に伴い拡大が見込める地域 (インド/ブラジル) での拠点設立。
  • シェア拡大の余地が大きい欧州カーメーカーへの営業拠点設立。

-バッテリー状態検知センサー (BSS)

  • 北米/中国/フィリピン (日本向け) の3拠点の供給体制を構築。
  • バッテリー容量の劣化進行を高精度に検出可能な第2世代を2017年に投入。