(株) ミツバ 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)

  2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 306,030 272,543 12.3 -
営業利益 22,096 17,054 29.6 -
経常利益 25,231 20,441 23.4 -
当期純利益 11,434 7,028 62.7 -
輸送用機器関連事業
売上高 293,601 261,005

12.5

-北米および中国の自動車生産が増加。
営業利益 21,246 16,275 30.5 -増収効果と合理化改善効果。

会社設立

<メキシコ>
-メキシコのヌエボレオン州に製造子会社を設立すると発表した。2016年1月から二輪車・四輪車用電装部品、ブレーキ部品を生産する。新会社 「Corporacion Tatsumi de Mexico, S.A. de C.V.」 を同社が40%、子会社のタツミが60%を出資し、資本金1千万ドル (約11億8千万円) で15年2月に設立する。社長にはタツミの岡嶋茂社長が就く。メキシコにはすでに小型モーターやワイパーシステムを生産する子会社がある。同国を含む北米地域の自動車市場の拡大と、北米でのさらなる競争力向上のため、新会社を設立して、生産体制を増強することにした。(2014年12月22日付日刊自動車新聞より)

中期経営計画

-2016年度に売上高を13年度比11.7%増の3,200億円に引き上げる中期経営計画 「第10次中期経営計画」 を策定したと発表。自動車メーカーによる現地生産、現地開発に対応する取り組みを強化し、グローバルでの売り上げ拡大を目指す。(2014年5月10日付日刊自動車新聞より)

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 320,000 306,030 4.6
営業利益 23,000 22,096 4.1
経常利益 23,000 25,231 (8.8)
当期純利益 13,000 11,434 13.7


-2016年3月期の売上高は、ホンダ向け製品が伸長し、前期比4.6%の増加を計画。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 10,631 10,364 N/A

-2015年3月期より、従来の研究開発費の他に、新製品の試作設計、および既存製品に係る著しい改良等の開発費を含める表示に変更。

研究開発体制

-グループにおける開発のセンター機能として、国内にミツバ研究開発センター (群馬県桐生市) と横浜研究センター (神奈川県横浜市) を有する。
-海外では米国、イタリア、ドイツ、タイ、フィリピン、インド、ベトナム、中国に開発拠点を保有し、国内との緊密な連携を保ちながら、研究・開発のグローバル化を図る。
-先端技術の研究として、大学やつくば市の物質・材料研究機構等、社外との共同研究を行っている。

研究開発活動

-主要なテーマとして、モーター技術と制御技術をコア技術とした新アクチュエーターの研究開発、およびそのキーとなる要素技術の開発を進めている。また、先進の制御技術、新センサー技術や駆動原理を応用したシステム商品の研究開発を推進。

-2015年3月期において立ち上げた主な商品は、以下の通り:

  • フロントワイパーシステム
  • リアワイパーシステム
  • ウィンドウォッシャーシステム
  • ドアミラー
  • ホーン
  • パワーウィンドモーター
  • シートモーター
  • サンルーフモーター
  • パワースライドドアシステム
  • ファンモーター
  • 電動パワーステアリングモーター
  • 四輪用スタータモーター
  • ACジェネレーター
  • 各種コントローラー

-現在は、各種システム商品の次世代開発と次世代アクチュエーターの開発を、信頼性向上の為の要素技術開発とともに推進している。

製品開発

機電一体電動オイルポンプ
-小型で高出力の電動オイルポンプを上市。この製品は機電一体ブラシレスモータータイプで、ハイブリッドシステムの駆動伝達クラッチの油圧供給、冷却、潤滑の機能を1台で担い、これまでの油圧作動を電動化することで自動車の燃費向上に貢献する。2014年9月より量産ハイブリッド車に搭載。

技術導入契約

(2015年3月31日現在)
契約会社 相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
同社 Donnelly
(米国)
ターンシグナルライトを含む車両外部バックミラーシステムについてのライセンス契約 2005年10月 - 2022年9月

技術供与契約

(2015年3月31日現在)
相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
士林電機社
[Shihlin Electric & Engineering Corp.]
(台湾)
二輪・四輪車用電装品の製造技術の供与および実施許諾 1998年8月 - 自動延長
Armstrong Auto Parts Sdn. Bhd.
(マレーシア)
二輪・四輪車用電装品の製造技術の供与および実施許諾 1992年5月 - 自動延長
Smith
(南アフリカ)
四輪車用ワイパーモーターの製造技術の供与 1979年3月 - 自動延長
APM Automotive Holdings Berhad
(マレーシア)
四輪車用ワイパーモーター、ウォッシャー等の技術の供与 2007年4月 - 2017年4月
ACS
(韓国)
四輪車用電装品の製造技術の供与 2008年 - 自動延長

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 16,854 17,536 18,093
-輸送用機器関連 16,511 17,043 17,874


-2015年3月期、輸送用機器関連事業では主に、四輪車用パワーウィンドモーターおよびワイパーモーター等に投資。

海外投資

<ベトナム>
-ASEAN地域の市場拡大に対応するため、アマタ・プラントの拡張を行い、2014年10月に稼働開始した。今回の拡張により、ロテコ・プラントが四輪電装製品を、アマタ・プラントが二輪電装製品を集中生産する体制が整備された。

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)
事業所名 設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
同社
研究開発センター 研究開発設備 734 2015年4月 2016年3月
赤城工場 新製品の生産設備ほか 403 2015年4月 2016年3月
新里工場 新製品の生産設備ほか 818 2015年4月 2016年3月
鬼石工場 新製品の生産設備ほか 117 2015年4月 2016年3月
利根工場 新製品の生産設備ほか 404 2015年4月 2016年3月
富岡工場 新製品の生産設備ほか 697 2015年4月 2016年3月
福島工場 新製品の生産設備ほか 101 2015年4月 2016年3月
新潟工場 新製品の生産設備ほか 235 2015年4月 2016年3月
在外子会社
Mitsuba M-Tech Vietnam Co., Ltd. 建物および生産設備ほか 1,254 2015年4月 2016年3月
Corporacion Mitsuba de Mexico, S.A. de C.V. 新製品の生産設備ほか 816 2015年4月 2016年3月
Mitsuba Philippines Corporation 新製品の生産設備ほか 780 2015年4月 2016年3月


-2014~16年度までの3年間に、総額540億円の設備投資を行う。過去3年間に比べると13.2%の増加となるもので、日系自動車メーカーを中心に受注が増加し、特に中国、インドなどアジアの拠点で生産能力の増強が必要になる。フィリピンでは、米国での需要拡大に伴い、小型モーターの生産量が1.8倍となる見通しだ。電装化の進展や、ドイツ自動車メーカーへの拡販も進んでおり、海外での生産をさらに拡大する。(2014年12月12日付日刊自動車新聞より)