大豊工業 (株) 2017年3月期の動向
業績 |
(単位：百万円) |
| 2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 | 備考 | |
| 全社 | ||||
| 売上高 | 108,953 | 107,288 | 1.6 | - |
| 営業利益 | 6,357 | 6,629 | (4.1) | - |
| 経常利益 | 6,265 | 6,297 | (0.5) | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,454 | 3,772 | 18.1 | - |
| 自動車部品関連事業 | ||||
| 売上高 | 89,400 | 88,427 | 1.1 | - |
| 営業利益 | 9,750 | 10,245 | (4.8) | - |
中期経営計画
VISION2020
-トライボロジーをコアに、軸受をはじめとした環境に貢献する製品を迅速に生み出し、グローバルに顧客へ提供する。
中期経営方針（2017年3月期期 - 2019年3月期）
-技術・品質・原価の徹底追及により、世界トップの競争力を持つ企業となる。
-人財・組織づくりとリソースの最大活用により、グローバル基盤をさらに強化する。
VISION2020と新中期経営計画の位置付け
-2018年3月期は、将来方針「VISION2020」と昨年度策定した中期経営計画の中間年度として企業の持続的成長および躍進に向けた取り組みを推進。
各事業分野の方針
| 製品 | 方向性 | |
| 軸受 | エンジンベアリング | -ボリュームゾーン：次世代加工ラインの開発、低燃費対応軸受けのラインナップ拡充 -ハイグレードゾーン：実証ラインによる高性能材料開発 |
| 軸受以外 | ダイカスト製品 | -鋳造・加工機のコンパクト化による競争力強化 |
| システム製品 | -バキュームポンプのコスト低減とグローバル対応 -同社グループ現有技術を生かした将来技術への着手 |
|
| ガスケット | -グローバル拡販強化 | |
| 設備・金型 | -同社グループ一体活動による相乗効果の創出 |
脱内燃機関への取り組み
| バテリー | コンバーター | モーター | FCV | |
| 滑り軸受 | 樹脂コーティング 圧接 |
圧接 | 樹脂コーティング 摺動材料技術 |
樹脂コーティング 摺動材料技術 |
| コンプレッサー | - | - | - | 樹脂コーティング 摺動材料技術 |
| システム製品 (バルブ、ポンプ、ターボ) |
- | 流体制御技術 熱エネルギー回収 |
熱マネジメント(冷却系) | 切り替えバルブ ソレノイドバルブ ポンプ |
| ダイカスト、樹脂 | 樹脂成形 | 抄造 薄肉精密鋳造 樹脂成形 |
抄造 軽量化 樹脂成形 薄肉精密鋳造 |
抄造 スクロール 樹脂成形 薄肉精密鋳造 |
| ガスケット製品 | シール技術 ゴムコーティング |
シール技術 | シール技術 | シール技術 ゴムコーティング |
2018年3月期の見通し |
(単位：百万円) |
| 2018年3月期 (予想) |
2017年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
| 売上高 | 110,000 | 108,953 | 1.0 |
| 営業利益 | 6,100 | 6,357 | (4.0) |
| 経常利益 | 6,000 | 6,265 | (4.2) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,000 | 4,454 | (10.2) |
-売上高は増収をみこむが、円高の影響により減益の予測
| 製品別売上高 | (単位：百万円) |
| 2018年3月期 (予測) |
2017年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
| 軸受製品 | 45,800 | 43,974 | 4.2 |
| システム製品 | 15,300 | 15,334 | (0.2) |
| ダイカスト製品 | 9,300 | 9,558 | (2.7) |
| ガスケット製品 | 14,600 | 14,982 | (2.6) |
| 設備/金型 | 20,100 | 19,329 | 4.0 |
-2018年3月期の軸受製品売上高は458億円で全体の41.5%を占める見通し。
-エンジン用滑り軸受は主に中国で受注拡大、ミッション用軸受けは海外市販が拡大。
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
設備の新設
-国内にエンジンベアリングを製造する工場を新設すると発表した。子会社の大豊岐阜（岐阜県御嵩町）の第3工場となる。2017年4月の建屋完成後、第2工場から軸受の加工ラインを順次移設する計画で、同年夏の操業開始を目指す。第2工場の余剰スペースには、大豊グループとして初となる軸受材料の研究開発専用ラインも設ける。研究開発のスピードアップと将来の需要拡大を見据えた生産能力を確保することで、収益増を図る。新工場の投資額は約15億円で、16年9月中に着工する。建屋面積は約9800平方メートルとなり、第2工場にあった生産設備を移設する形でエンジン軸受を生産する。(2016年9月7日付日刊自動車新聞より)
-100％子会社である大豊岐阜株式会社が同社敷地内に第3工場を建設すると発表した。エンジンベアリングなど自動車部品の生産能力拡大、新製品の生産スペース確保、軸受の新材料開発設備の設置を目的としている。工場面積は9,800平方メートルで、投資額は総額約15億円となる見込み。2016年9月に着工し、2017年4月に完成を予定している。(2016年8月31日付プレスリリースより)
-2018年3月期、同社グループの設備投資予定額は13,000百万円。主な内訳は以下の通り。
| 事業所名 | 主要設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
目的 |
| 本社および本社工場 (愛知県豊田市) |
ダイカスト製品製造設備等 | 2,132 | 新製品切替・更新・拡張・能力増強 |
| 細谷工場 (愛知県豊田市) |
軸受製品製造設備等 | 2,849 | 新製品切替・更新・拡張・能力増強 |
| 篠原工場 (愛知県豊田市) |
組付製品製造設備等 | 1,232 | 新製品切替・拡張・能力増強 |
| 九州工場 (鹿児島県出水市) |
軸受製品製造設備等 | 863 | 新製品切替・拡張・能力増強 |
| 幸海工場 (愛知県豊田市) |
軸受製品製造設備等 | 254 | 新製品切替・拡張・能力増強 |
| 大豊精機 (株) 本社および本社工場 (愛知県豊田市) |
軸受製品製造設備等 | 900 | 拡張・能力増強・合理化 |
| (株) ティーイーティー 春日井工場 (愛知県春日井市) |
加工設備 | 117 | 新製品切替・拡張・能力増強 |
| 大豊岐阜(株) 本社および本社工場 (岐阜県可児郡) |
軸受製品製造設備等 | 1,228 | 拡張・能力増強・合理化 |
| 日本ガスケット (株) 滋賀工場 (滋賀県米原市) |
軸受製品製造設備等 | 882 | 新製品切替・拡張・能力増強 |
| Taiho Corporation of America 本社および本社工場 (米国 オハイオ州) |
軸受製品製造設備等 | 712 | 新製品切替・拡張・能力増強 |
| PT. Taiho Nusantara 本社および本社工場 (インドネシア 西ジャワ州) |
軸受製品製造設備等 | 33 | 拡張・能力増強 |
| Taiho Corporation of Europe 本社および本社工場 (ハンガリー Ujhartyan) |
軸受製品製造設備等 | 195 | 拡張・能力増強・合理化 |
| 韓国大豊 (株) [Taiho Corporation of Korea] 本社および本社工場 (韓国 Daegu) |
軸受製品製造設備等 | 279 | 拡張・能力増強 |
| 大豊工業 (煙台) 有限公司 [Taiho Kogyo Corporation of Yantai] 本社および本社工場 (中国 煙台市) |
軸受製品製造設備等 | 820 | 新製品切替 |
| 常州恒業軸瓦材料有限公司 [Hengye Bearing Materials Co.,Ltd (Changzhou)] 本社および本社工場 (中国 常州市) |
軸受製品製造設備等 | 433 | 拡張・能力増強・合理化 |
| Taiho Corporation of Thailand 本社および本社工場 （タイ、パトムタニ県） |
軸受製品製造設備等 | 35 | 拡張・能力増強 |
設備投資額 |
(単位：百万円) |
| 2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
| 全社 | 6,904 | 6,548 | 10,393 |
| 自動車部品関連事業 | 6,559 | 6,266 | 9,809 |
自動車部品関連事業
-新製品切替や生産能力増強、維持更新を目的とした設備投資を実施。国内、海外の投資は以下の通り：
- 国内の連結子会社：大豊岐阜 (株) による軸受製品製造設備への新製品切替や生産能力増強を目的とした投資を中心に実施。
- 海外子会社：Taiho Corporation of Americaによる軸受製品製造設備への新製品切替や生産能力増強目的の投資を中心に実施。
研究開発費 |
(単位：百万円) |
| 2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
| 全社 | 3,549 | 3,398 | 3,209 |
| 自動車部品関連事業 | 3,176 | 3,067 | 2,999 |
研究開発体制
-トライボロジー (摩擦/磨耗/潤滑技術) をはじめとする基礎研究部門、製品開発部門、生産技術開発部門を愛知県豊田市の「技術開発センター」に集約し、さまざまな課題に対応できる体制を確立。その他に、摩擦技術研究センター、エンジン試験センター、生技開発センターを有している。
研究開発活動
-同社は、潤滑システム製品の開発を加速する。新規事業として日系自動車メーカーと共同で、潤滑油の通る油路の設計を最適化することでカムシャフト全体に均一にオイルを供給できるカムシャワーを開発する。油量低減に加え、潤滑油を供給するオイルポンプの駆動量を抑えることにつながり、従来のものと比べて約1％の燃費向上効果が見込まれる。クルマの電動化技術の開発が進んでいるものの、同社では内燃機関の燃費を向上する技術が依然として強く求められていると判断、これらニーズに対応するため、主力の軸受から潤滑システムへと事業領域を拡大する。(2017年6月20日付日刊自動車新聞より)
軸受製品
-高性能エンジンに対応したエンジン用軸受、ブシュ、コンプレッサ用特殊軸受、各種軸受などを継続し開発、低燃費化のための摩擦低減を実現すべく様々な取組みを実施。
-低摩擦効果が得られる樹脂コーティング付きクランクワッシャーを開発・量産化。
-油量を制御する新溝形状エンジン用軸受けを開発・量産化。
-ブッシュでは、高性能新アルミ軸受材料、高性能新カーボン軸受材料を開発中。
-カーエアコン用コンプレッサー向けの特殊軸受では、高性能、軽量新シュー・低コスト新斜板を開発・量産化。
ダイカスト製品
-CAE (流動解析) を用いて冷却・湯流れを最適化し、薄肉鋳造および鋳造精度向上を実現、高精度で低コストな製品を提供。
システム製品
-EGRバルブを応用し、ターボチャージャーの多段化に必要となる高温排ガスの切替えバルブの量産を開始。
-ウエイストゲートバルブ用アクチュエータは構成部品削減の新設計で生産開始。
