CIE Automotive, S.A. 2015年12月期の動向

近年の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 2,631.5 2,209.5 25.5 -
純利益 365.5 81.0 34.8 -
自動車部門
売上高 2,106.5 1,916.8 19.5 1)


要因
1) 全社
-2015年12月期の全社売上高は前年比19.1%増の2,631.5百万ユーロ。主な増収要因は、2014年にAutometalを完全子会社化したこと、またMahindraグループ傘下の複数企業を統合しMahindra CIEとして連結化したことが影響している。

2) 自動車部門
-2015年12月期の自動車部門売上高は、前年比9.9%増の2,106.5百万ユーロ。欧州およびNAFTA市場における売上拡大および為替変動の影響が主な増収要因。

企業買収

-2015年3月、子会社CIE Berrizが、CIE Automotive Hispamoldesの残りの株式50%を取得し完全子会社化。

-2014年1月、フランスのAdvanced Comfort Systems (ACS) の株式50%を親会社のRS Automotiveより取得し、完全子会社化すると発表。取得金額は10.7百万ユーロ。CIE Automotiveは、2009年9月にACSの株式を取得し、ルーフシステム、ウィンドウシステム、シェードシステム、ルーフラックシステムなど乗員快適性分野に参入した。ACSは、フランス、スペイン、中国、ルーマニア、メキシコに5つの工場を保有しており、従業員数は442名。2013年の売上高は67百万ユーロ。主な納入先には日産、PSA、Renault、GM、Opelなどが含まれる。 (2014年1月28日付プレスリリースより)

-2014年4月、ブラジル子会社であるCIE Autometal社の株式を100%取得した。

-2012年、子会社Autometal S.A.は米国のCentury Plastics llcの株式65%を取得。価格は23.5百万ドル (18.7百万ユーロ) で残りの株式35%を購入するオプションが付与されている。Century Plasticsは内装用樹脂部品を製造しており、2012年の売上高は68.6百万ドル (53.3百万ユーロ)。

合弁事業

-2013年6月、Mahindraグループとグローバル提携契約を締結したと発表。Mahindra Systechの自動車部品事業とCIE Automotive傘下のAutometalが、グローバルで自動車部品の供給ネットワークを構築する。スペイン・ブラジル・インドの上場企業が展開する北米・南米・欧州・アジアの事業が対象で、これらの事業の売上額は約1500億ルピー (30億ドル)。今回の契約においてCIE Automotiveは、MahindraグループよりSystechの自動車部品関連の上場・非上場子会社を買収するほか、同社のスペインおよびリトアニアの鍛造事業とMahindra Forgings傘下の全子会社を統合する。これにより、Mahindra Forgingsは社名を「Mahindra CIE」へ変更した。

-2013年、Grupo AntolinとチェコのValasske Meziriciに新たに合弁会社を設立。新会社「Antolin-CIE Czech Republic s.r.o.」は、自動車用の金属製シートストラクチャーの開発・組立・販売を行う。資本金は1百万ユーロで、出資比率はGrupo Antolinが70%、CIE Automotiveが30%となる。(2013年2月25日付プレスリリースより)

-2012年、ブラジル子会社Autometal S.A.は中国のDonghua Automotive Industrialと合弁会社 Nanjing Automotive Forging Co. Ltd.の設立に合意。中国でクランクシャフトの生産を増強する。 Autometalによる投資は140百万元 (17百万ユーロ) で、合弁会社の株式を50%取得。同合弁会社の2012年の売上高は290百万元 (34百万ユーロ)。

-2011年、ロシアのAvtocom、スペインのDogaと共にロシアに合弁会社を設立すると発表。新会社「Doga Avtocom CIE Ltd (DAC)」は、自動車フロントガラス用ワイパー部品・システムを生産する。出資比率はAvtocomが50%。同社がEkarpenとの合弁会社CIE Automotive Nuevos Mercadosを通じて25%、Dogaが25%。新会社における設立当初の資本金は、40百万ルーブル (約1百万ユーロ) で、最終的には400百万ルーブル (約10百万ユーロ) が投じられる見込み。(2011年10月4日付プレスリリースより)

-2011年、同社とスペインのGrupo Hispamoldesは、折半出資による合弁会社を設立することで合意した。

  • 第1フェーズ:自動車用プラスチック部品に注力し、プラスチック射出成形部品の工場を建設する計画。この段階ではまず、1.1百万ユーロを投資する。2011年10月にフル稼動を予定する新工場は、モロッコのTangier free zoneに建設される予定。
  • 第2フェーズ:同じくTangier拠点内に射出成形金型工場を建設する。第2フェーズは2011年末より実施される見込み。(2011年6月7日付プレスリリースより)

最近の動向

-2015年初めにMahindra CIEの前身となる複数企業を統合。

受注

-2013年、ブラジルのAutometal San Bernardo 第一工場が奇瑞汽車のサプライヤー審査に合格。奇瑞汽車がブラジルで初めて生産するモデルに同社のハブキャップを供給する。

受賞

-2015年の受賞

授与者 受賞拠点 受賞名
FCA CIE PEMSA (メキシコ) Best supplier 2015
GM CIE Norma (スペイン) Excellent supplier status
GM CIE Inyectametal (スペイン) Excellence awards
PSA CIE Egana 2 (スペイン)
CIE Inyectametal (スペイン)
CIE Compiegne (フランス)
CIE Metal (チェコ)
Best supplier plant
Ford Autometal Diadema (ブラジル) Best stamping provider
Tata Mahindra CIE Stampings Award for best runner
Nexteer Nova Recyd Perfect Quality 2015



中期計画 (2013-2017年)

2017年度目標

  • 売上高:  3,000百万ユーロ以上
  • EBITマージン: 9%以上
  • 負債/EBITDA: 1.5倍未満
  • 設備投資額2013-2017年累計: 1,000百万ユーロ

-施策として、アジア地域での売上を伸ばし、全社売上高の1/3を目指す。
-「低燃費」、「安全」、「快適」分野での製品開発を行う。

研究開発体制

-主要R&Dセンターを4カ所、サポートR&Dセンターを3カ所保有:

主要R&Dセンター

  • スペイン Bizkaia
  • ポルトガル Figueira da Foz
  • ブラジル Sao Paulo
  • メキシコ Guanajuato

サポートR&Dセンター

  • フランス Bressuire
  • ルーマニア Targu Mures
  • チェコ Valasske Mezirici

-研究開発要員の70%はテクニカルおよびデザインエンジニアリングに従事。

-2015年の研究開発活動は、自動車の軽量化、パワートレイン効率向上、新しい推進力や製造技術の開発に注力。

研究開発活動

部品統合による駆動システムの最適化
-2013年、開発プロジェクト 「ODIN (Optimized electric Drivetrain by Integration)」 に参画。Bosch、Fuchs、GKN DrivelineおよびRenaultを始めとしたコンソーシアムが主導するこのプロジェクトは、高速電動モーターを用いた駆動システムの開発を行なっている。同プロジェクトの最終目標は低コスト・高効率な駆動システムの開発で、次世代ギアボックス、高速電動モーターおよび関連電子製品を一つのシステムとして統合するという。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
合計 166.6 127.9 130.1


-2015年12月期の設備投資額は155百万ユーロ。このうち66百万ユーロは新工場建設を含む能力拡大プロジェクトに、残りの89百万ユーロは既存工場の生産性、フレキシビリティ向上のための費用に充てられた。

海外投資

<ロシア>
-2015年11月、ロシアTogliattiの新工場が稼働開始。アルミ部品 (射出成形、機械加工) の生産に特化。

-2013年、ロシアのTogliattiに新工場を建設すると発表。AvtoVAZの工場近郊に位置し、RenaultのH4Mエンジン向けにアルミ部品を生産する。完成時のアルミ部品の年産能力は6,500トンで、従業員は約230名となる見通し。

<ブラジル>
-2015年7月、ブラジルPernambucoの新工場が稼働開始。FCA やTier 1サプライヤー向けに樹脂部品を生産する。

<中国>
-2014年、中国南京にある工場スペースを2倍に拡張。クランクシャフトの生産を新規開始、鍛造工場としての地位を確立。最初の電動パワーステアリング部品の供給を開始した。

<メキシコ>
-2014年、4工場 (機械加工、鍛造、プレス、アルミニウム) の着工開始。2017年の売上に寄与予定。

-2013年、子会社CIE Celayaの3,100平方メートル規模の工場拡張が終了。新規に受注した部品製造用の設備が設置された。

-Celayaに鍛造クランクシャフト専用のGreenfield熱間鍛造工場の建設を進めている。2013年第1四半期に建設が開始し、クランクシャフトの生産は2014年8月に開始予定。

<リトアニア>
-2012年、子会社CIE LT Forgeがクランクシャフト生産に関する公的機関からの認証を取得したことをうけ、クランクシャフト製造用の鍛造プレス機のラインを稼働。

国内投資

-2015年11月、子会社 CIE Galfor (スペイン Ourense) が、5本目のクランクシャフト鍛造ライン稼働開始。

-2011年12月、子会社CIE Galforがスペインで4番目のクランクシャフト製造ラインを稼働した。投資額は7百万ユーロ。同ラインの稼働により、年産能力が1百万ユニット増加し、2012年の生産能力は3.2百万ユニットになった。