Continental Emitec GmbH 2014年度までの動向

Continentalによる買収

-2014年7月、Continentalは、Emitecを完全子会社化したと発表した。Emitecはこれまで、GKNとの折半出資による合弁会社だった。買収手続きは2014年7月31日付で完了し、EmitecはContinentalのパワートレイン部門に統合された。今後、Emitecは同部門で新たに燃料・排ガスマネジメント (Fuel & Exhaust Management) 事業部門を構成することになる。同社製品は引き続き、「Emitec」の名称で販売される予定。Continentalは、中国・安徽省の蕪湖 (Wuhu) 拠点で年内にEmitec製品の生産を開始するとしている。(2014年7月31日付プレスリリースより)

海外動向

<フランス>
-2012年9月、フランス初の工場となるFaulquemontにおける尿素SCRシステム工場が生産を開始した。2010年に同社はGrundfos NoNOx A/Sより工場を買収しており、今後オートメーション化の導入などにより生産能力を2倍にする計画。現在、大型商用車向けに生産しており、将来的にはバン及び乗用車向けにも供給する。

買収

-2010年9月、同社はデンマークのGrundfos NoNOx A/Sを買収した。Grundfos NoNOxはSCRシステム、トラック・バス用のディーゼルエンジンの生産を主に行っており、フランスに研究開発施設を有する。この買収を通じて、同社はSCR分野での製品ポートフォリオを拡大した。

受注

-2010年、Emitech GmbHの米国子会社Emitec Inc.は、オーストラリアのFord Performance Vehicles (FPV)に触媒コンバーターを供給する契約を締結した。2010年6月から「F6」(Euro4対応)、2010年10月から「Boss V8」エンジン搭載車に採用されている。

 

研究開発拠点

-Lohmar(ドイツ)
-Eisenach(ドイツ)

特許

-グローバルで2,700の特許を保有。

 

研究開発活動

-Continental EmitecはIAA国際商用車ショー2014において、欧州排出ガス基準「Euro 6」に対応する排ガス後処理システムのコンセプトを出展すると発表した。このコンセプトでは、小型軽量化を実現しながら最大積載量や車両設計、燃費を向上させるシステムを展示する。Continental Emitecの触媒コンバーター用金属基板が持つ設計柔軟性により、商用車のエンジンとシャシーの間のスペースに触媒コンバーターを統合するという初の試みを実現。これにより熱損失を軽減し、システムの効率をアップさせることができるという。このほかにも、商用車部品に個別に設定されるContinentalのAdBlueディーゼルインジェクターや、AdBlueタンクに統合されたドージングシステムなどもこのコンセプトの特徴となる。(2014年9月23日付プレスリリースより)

-2012年、中国、ブラジル、インド、ロシア及びその他の国等向けのSCR製品の強化を発表した。同社のEisenachにおけるテストセンターでは、欧州排ガス基準「Euro 4」及び「Euro 5」を満たしており、あらゆる気象条件、燃料、圧力及び市場に適した製品を開発する。(2012年9月リリースより)

製品開発

小型および中型燃料タンク用のSCRシステムモジュール
-2014年、同社はCumminsとの共同で、中小型燃料タンク向け組み込み型SCRシステムモジュールの開発を完了したと発表した。同モジュールは配管、タンクヒーター、フィルター、各種センサー、コントロールユニット、ワイヤーハーネス等の電子部品などが統合可能。同製品は、2014年第4四半期にCumminsエミッションソリューション部門より量産される。

燃料タンク内蔵型SCRモジュール

-SCRシステムモジュールGenIII及びGenIVは、燃料タンクAdBlue内に搭載された、小型かつメンテナンスが容易なモジュール。従来品比で30%小型化した。本製品のインジェクションノズルは親会社Continentalとの共同開発。内蔵ポンプは、GenIIIで1時間あたり8リットル、GenIVでは1時間あたり3リットルの容量を有する。 同社は、この製品の開発および生産において、2012年初頭にフランスFaulquemontに新しい工場を建設している。(2013年9月プレスリリースより)

センサー内蔵型触媒コンバーター (Sensorkat)
-センサーを内蔵することによって小型化及び、10秒程度での適温到達を実現。NOx排出量は40%削減となる。同製品はVolvo北米生産モデルに採用されている。2013年9月プレスリリースより)

空力AdBlue尿素ドージングシステム (UDA 2 SCR Dosing system)
-同社はEuro 6に対応した次世代空力アシスト尿素ドージングシステムを開発した。Euro 6基準は2013年及び2014年からすべてのトラックに適用される。MANのTGXにて初の搭載となる。(2012年9月プレスリリースより)

圧縮天然ガスエンジン向け触媒コンバーターキャリアー
-圧縮天然ガス使用の商用車向け触媒コンバーターキャリアーを開発。三元触媒(または酸化触媒)コンバーター用のキャリアーとなる。(2012年9月プレスリリースより)

加熱式触媒コンバーター
-近年の高効率エンジンにおける排気ガス温低下の傾向により加熱式触媒コンバーターの需要が再び高まっているのを受け、E-Kat3シリーズの量産を開始した。商用車、小型バン、また大型トラックやバス等に向け供給が可能。(2012年9月プレスリリースより)

軽量触媒
-2011年、同社は、触媒ジャケットを1~2㎝から0.5㎜への厚さ削減に成功したと発表した。同技術では、圧力、温度変化、衝撃に対する性能も向上しているという。同開発により、重量は30%削減され、剛性および安定性を65%向上させている。今回の技術は、同社の製品すべてに適用可能。(2011年9月プレスリリースより)

クロースカップルドタイプ触媒
-2008年、小型/中型ディーゼル車のターボチャージャー付近に取付け可能な次世代クロースカップルドタイプ触媒を開発した。同社は、ターボチャージャーのごく近くに装着できる新開発のこの小型クロースカップルドタイプ触媒に、担体内に乱流パターンを発生させることにより触媒効率を向上する効果をもつLS金属箔(同社特許)を採用。担体の効率を高めたことで、従来品に比べ容積がおよそ4分の3と、小型化も実現した。この新型触媒は欧州系自動車メーカーと共同開発したもので、2008年夏から小型ディーゼル車への搭載を開始する予定。(2008年4月14日付プレスリリースより)