Donaldson Co. Inc. 2010年7月期までの動向

ハイライト

近年の動向

受注

-2010年、同社はDaimler Trucks North America LLC (DTNA)にエアフィルター「PowerCore(R) G2」を供給している。Freightlinerの大型トラック「Coronado」2010年モデルに採用されたもの。同社「PowerCore」エア フィルターに比べて30%、従来のセルロース製フィルターに比べて60%の小型化を実現した。(2010年2月23日付プレスリリースより)

受賞

-2010年、同社は、Case New Holland (CNH) Global Parts & Serviceからは、2009年サプライヤーオブサイヤーに選定されている。(2010年4月5日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2010年7月期 2009年7月期
全社 44.5 40.6

研究開発体制

-米国にグローバル研究開発センターを保有。

製品開発

-2005 年10月、燃料電池陰極での空気汚染制御用途に新しいフィルターメディアを専用に開発。このメディアは、様々なフィルター形状でOEMに供給でき、従来の フィルター同様空中浮遊微細物質を取り除き、さらに燃料電池の性能に悪い影響を及ぼす空気中の化学物質も除去する。

-2004年11月、Donaldson Endurance Plusと呼ばれる組み込み型添加剤補充技術を発表。従来型のセルロース製オイルフィルターに比べてオイル及びオイルフィルターの耐用年数を格段に延ばす ことができる。既存の標準型ねじ込み式フィルターを直接代替できるので、ほぼ全てのオンロード用トラックエンジンに使用できる。

技術提携

-2005年7月、Hollingsworth&Vose (H&V)と道路走行用プリーツフィルターに使われる同社のナノファイバーメ ディア技術"Ultra-Web"に関して、グローバルな特許ライセンス契約を締結したと発表。同社では、H&Vが他のフィルターメーカーにグ ローバルにアクセスできることが、同社の特許と相俟って、ナノファイバーろ過製品が市場でより受け入れられやすくなるとしている。同社は、米国および世界 で、ナノファイバー技術に関する取得済ないしは出願中の特許を80件以上もっている。

設備投資

海外投資

<ブラジル>
-ブラジルのサンパウロ州Atibaiaに、エンジン用フィルターの生産拠点を開設。主にエアクリーナーやエアエレメントの生産を行う。(2008年11月11日付プレスリリースより)

<インド>
-2007年2月、インドの生産拠点を拡大すると発表。これにより、インドにおける同社のエンジンおよび産業用フィルター事業の生産能力は3倍に拡大する見込み。

<中国>
-2006年11月、中国に新たに2工場を開設すると発表。これにより、同社のエンジンおよび産業用フィルター事業の生産能力は2倍以上に拡大。また、新製品の設計・開発をサポートする技術センターも併せて建設された。

-2005年3月、中国にディーゼルエンジン(DE)用フィルターの生産拠点を設立すると発表。2006年春からエアフィル ターの生産を年間100万個の規模で開始、中期的には200万-300万個に拡大する計画。さらに、2007年からオイルフィルターの生産を予定する。これに合わせて、日本拠点との製品の相互補完体制を構築、アジアにおける競争力を高めて日系トラックメーカーなどの新規需要の吸収を目指す。中国工場は、上海近郊の無錫にある同社精密機器用フィルター工場の隣接地に設置する。フィルター本体から生産を開始し、順次、金属や樹脂製のケース類を現地化して一貫生 産体制を構築する。群馬工場をマザー工場として、日本の生産、管理手法を現地に移転し、品質と価格競争力の両立につなげる。

国内投資

-2004年8月、乗用車、トラック、オフロード車用"PowerCore"フィルター技術製品を 生産するアイオワ州Cresco拠点へ、2番目の生産ラインを追加すると発表。新ラインは、2004年8月に完成し、PowerCoreの合計生産能力は年間1.5百万個となる見込み。これまでのPowerCoreフィルター生産数は1.2百万個。Cresco拠点ではアクスルシール、ラジアルシール、V-パックエアーフィルターも生産している。従業員数は約400名。