Continental AG 2017年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年 12月期 |
2016年 12月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 44,009.5 | 40,549.5 | 8.5 | 1) |
EBITDA | 6,678.9 | 6,057.4 | 10.3 | - |
シャシー・安全 | ||||
売上高 | 9,767.8 | 8,977.6 | 8.8 | 2) |
EBITDA | 1,301.6 | 954.6 | 36.4 | - |
パワートレイン | ||||
売上高 | 7,660.9 | 7,319.5 | 4.7 | 3) |
EBITDA | 854.8 | 756.2 | 13.0 | - |
インテリア | ||||
売上高 | 9,305.2 | 8,324.7 | 11.8 | 4) |
EBITDA | 1,140.0 | 904.2 | 26.1 | - |
タイヤ | ||||
売上高 | 11,325.8 | 10,717.4 | 5.7 | 5) |
EBITDA | 2,748.7 | 2,828.7 | (2.8) | - |
ContiTech | ||||
売上高 | 6,246.4 | 5,462.5 | 14.4 | 6) |
EBITDA | 750.9 | 730.9 | 2.7 | - |
要因
1) 全社
-2017年12月期売上高は、前年比8.5%増の44,009.5百万ユーロ。連結決算の範囲の変更や為替の影響を除くと前年比8.1%の増加となった。売上増の主要因は特に中国における自動車部門の営業成績の向上による。連結決算の変更は売上増に貢献した。一方為替のマイナスの影響が一部相殺した。
2) シャシー・安全
-同部門の2017年12月期売上高は、前年比8.8%増の9,767.8百万ユーロ。電子ブレーキシステムやブレーキブースターの売上がそれぞれ9%、6%伸び部門の成長に貢献した。電動パーキングブレーキ付きブレーキキャリパーの売上は前年比33%増であった。先進運転支援システムの売上は前年比41%増であった。さらにエアバッグコントロールユニットの販売量は前年比21%伸びた。
3) パワートレイン
-同部門の2017年12月期売上高は、前年比4.7%増の7,660.9百万ユーロ。売上増の製品はエンジンコントロールユニット、インジェクター、ポンプおよびターボチャージャー。厳しい排気規制が排気ガスセンサーの売上を押上げた。ハイブリッドEVビジネスではパワーエレクトロニクス、オンボードパワーサプライシステムやバッテリーシステム全てが伸びた。またフューエル&エキゾーストマネージメント事業も前年に比べ伸びた。
4) インテリア
-同部門の2017年12月期売上高は、前年比11.8%増の9,305.2百万ユーロ。アジア、欧州での需要増に伴いボディ&セキュリティ事業が著しく伸びた。インフォテイメント&コネクティビティ事業は需要増や新製品導入により伸びた。商用車&アフターマーケット事業は東欧や北米での強い需要により販売量が増えた。計器&ドライバーHMI事業は欧州市場での開拓やディスプレー、HUDsの需要増により売上が伸びた。
5) タイヤ
-同部門の2017年12月期売上高は、前年比5.7%増の11,325.8百万ユーロ。乗用車および小型トラック用OEタイヤの売上は前年並みだったが、乗用車や小型トラック用補修用タイヤの売上が前年比4.0%増となった。商用車用タイヤ事業は前年比5%伸びた。
6) ContiTech
-同部門の2017年12月期売上高は、前年比14.4%増の6,246.4百万ユーロ。産業および自動車事業が部門の成長に貢献した。
企業買収
-同社は、車両サイバーセキュリティ分野の拡大と強化に向け、同分野で世界有数の企業であるArgus Cyber Security (Argus)を買収すると発表した。サイバーセキュリティの専門家らが2013年に設立したArgusは、イスラエルのTel Avivに本拠を置き、70人以上の従業員を擁する。取得済みおよび申請中の特許38件を基盤に、市場ニーズの高い汎用ソリューションスイートを提供。サイバーセキュリティソリューションの需要が急激に増加する中、同社は業界屈指の企業と強固な協業関係を構築し、世界中の自動車メーカーやサプライヤーへのプロジェクトを成功させている。今後は、同社のソフトウェア会社であるElektrobit (EB)の一部となるが、今後も世界中の自動車サプライヤーとの取引関係は継続するとしている。(2017年11月3日付プレスリリースより)
-同社は、シンガポールに本拠を置くモビリティインテリジェンスのプロバイダーであるQuantum Inventionsを買収したと発表した。Quantum Inventionsの事業は自動車、テレマティクス、インテリジェントモビリティの3分野で構成されている。同社は、シンガポール、マレーシア、インドネシアの3拠点とインドにあるQuantum Inventions Development Center (QIDC) にスタッフ120名を雇用している。同社は、この買収によって、都市データを扱う次世代型インテリジェント交通システムのポートフォリオを強化する。同交通システムは同社の成長分野の事業であり、道路状況、交通事故、道路利用料金等のリアルタイムな情報に対応する次世代型ナビゲーションシステムを含む。 (2017年7月7日付プレスリリースより)
-同社は、無人電動シャトル開発を行うフランスの自動運転関連企業EasyMileの株式取得に合意したと発表した。自動運転車両の開発および新分野の開拓が目的。両社は現在、EasyMileの自動運転ナビゲーションシステムを使用した同社の技術を試験中。また、環境センサー、ブレーキシステムおよび安全運転技術分野についても協業する。EasyMileの「EZ10」は、2014年に市場投入された12人乗りの自動運転シャトルで、アジア太平洋、北米、中東および欧州の17カ国50都市で展開している。Continentalは2012年にネバダ州で公道での自動運転の試験を開始しており、現在はドイツ、米国、日本、中国で自動運転車両を開発中。(2017年7月4日付プレスリリースより)
事業再編
-同社は、デジタルソリューションの開発とマーケティングを目的として、同社の商用車タイヤ事業部門を再構築すると発表した。新組織では、トラック、バス、特殊車両用デジタルソリューションに関する事業開発、研究開発、ヒューマンリソース等の機能を集約する。また、世界中の商用車向けデジタルソリューションの創造と開発もサポートする。さらに、輸送会社が出来る限り効率的にタイヤを使用できるようにサポートも行う。(2017年9月13日付プレスリリースより)
合弁事業
-同社とOsramは、両社の折半出資による合弁会社「Osram Continental」の設立計画を発表した。革新的なライティング技術とエレクトロニクス、ソフトウェアを統合し、自動車向けライティングソリューションの開発や製造、マーケティングを行うのが目的。合弁会社はドイツ・ミュンヘンに本拠を置き、世界17拠点で事業を展開。従業員数は約1,500人で、年間売上高5億ユーロ前後を目指す。契約合意やカルテル法の承認などを経て、2018年に事業を開始する予定。 (2017年11月6日付プレスリリースより)
-同社グループは2017年10月19日、中国聯通[China Unicom]の子会社聯通智網科技有限公司[China Unicom Network Technology Co., Ltd.]と合弁会社「聯陸智能交通科技(上海)有限公司[Unicom Continental Intelligent Transportation Technology (Shanghai) Co., Ltd.] を設立したと発表した。合弁会社の登録資本金は40百万元。持ち株比率は各50%。世界レベルのITS(Intelligent Transportation System)プラットフォームを打ち立て、中国市場にモビリティサービスを提供する。同社とChina Unicomは2011年に早くも提携関係を結んでおり、2017年4月には戦略的提携契約書に調印し、モビリティサービスの合弁会社設立を計画していた。(2017年10月20日付け各種リリースより)
-同社と華域汽車系統股份有限公司が折半出資して設立した合弁会社「華域大陸汽車制動系統(重慶)有限公司 [Huayu Continental Brake Systems (Chongqing) Co., Ltd.]」は、2017年5月18日、正式に稼働を開始した。 合弁会社の所在地は重慶市両江新区魚復工業区 (Chongqing Liang Jiang New Area Yufu Industrial Zone)。敷地面積は8万平方メートル超。投資額は600百万元超。ブレーキキャリパー、バキュームブースター、電動パーキングブレーキ等の自動車ブレーキ部品を生産する。(2017年5月18日付け各種リリースより)
-同社は、合弁会社設立に向けChina Unicom Smart Connection (CUSC) と戦略的契約を締結したと発表した。CUSCは、China Unicomの100%子会社。合弁会社の名称は「Unicom Continental Intelligent Transportation Technology (Shanghai) Co., Ltd.」とし、本社を上海におく。同社とCUSCが折半出資する。事業内容として、中国で拡大する市場ニーズに応える為に、Intelligent Transportation Systems (ITS) ソリューションを提供する。特に、車両データサービス、インテリジェント車両アプリケーション、コネクテッド車両ソフトウェア、ハードウェア融合ソリューションに注力していく。vAnalytics関連製品とTSP2.0テレマティクスサービスプラットフォームを中国市場に最初に投入する。vAnalytics関連製品には「Fleet+」が含まれる。「Fleet+」は、完成車メーカー向けのオンデマンド・カーシェアリングプラットフォームを提供するモビリティサービス製品。TSP2.0テレマティクスサービスプラットフォームは、完成車メーカーとパートナー企業向けに車両データを提供するサービス。 (2017年4月19日付プレスリリースより)
-Nexteer Automotiveと同社は、自動運転に向けたモーションコントロールシステムおよびアクチュエーター部品の合弁会社設立に合意したと発表した。両社折半による出資で、製品評価、設計、試作等の研究開発活動を行う。今回の合弁事業でNexteer のADAS技術と同社の自動運転およびブレーキ技術を統合することにより、モーションコントロールシステム開発の早期化を目指す。新会社は2017年第1四半期から稼働を開始する計画。(2017年1月11日付プレスリリースより)
最近の動向
-同社は、自動運転「レベル3」 (システム要請時のみ手動運転) を実現する自動運転に必要となる技術をパッケージで提案する体制を整えた。既に複数の自動車メーカーとプロジェクトの検討を開始している。同社はセンサーやブレーキシステムといったハードウエアから、ソフトウエアまでをトータルに手掛けており、自動運転技術をトータルシステムで提供することが可能。自動運転の開発に出遅れている自動車メーカーなども支援する。(2017年11月9日付日刊自動車新聞より)
-同社は、今までヘッドユニットに搭載されていたアプリケーションが、クラウドに移行していると発表した。これによりシステムは常に最新で、新機能がいつでも追加できることになる。このターミナルはHTML5技術を使用し、プラットフォームに依存しないアプリケーション開発をできるだけでなく、異なる解像度の異なるディスプレイにデータを表示することができる。新機能やサービスが製品の販売後でもシステムに追加でき、最新の状態を維持できることになる。これらは通常のIoTソリューションと、MQTT、RESTなどのオープンプロトコルや標準インターフェースによって構築されている。(2017年7月27日付プレスリリースより)
-同社は、自動運転車が車両の内装に大きな影響を及ぼす傾向にあるとの予測を発表した。自動車は今後、短なる輸送手段以上にものになると予測し、プライバシー、リラクゼーション、コミュニケーション等に焦点が当てられるという。それに伴い内装の目的もそれぞれ違うものになる。同社はパーソナル化、デザインの自由度、カラーバリエーションやその他の機能を統合した多様性のある内装を提供する。そのためコンパートメントの軽量化はさらに必要不可欠なものとなり、同社の軽量化製品によって燃費効率の向上とCO2削減を目指す。(2017年7月10日付プレスリリースより)
-同社グループは2017年3月天津で、AセグメントからCセグメントまでのマイクロハイブリッド車用12ボルトデュアルバッテリーマネージメントソリューション (DBM) の生産を開始した。DBMをリチウム電池に組み合わせることにより、WLTC (Worldwide Harmonized Light Duty Driving Test Cycle) モード、スタートストップ機能付き条件で、従来のマイクロハイブリッド車に比べ燃費を4%向上させることができた。(2017年5月26日付け各種リリースより)
ー同社の子会社である陸馬碑輪胎(中国)有限公司 [Continental Tires (China) Co., Ltd.] は2017年5月8日、傘下の「将軍輪胎 [General Tire]」が中国市場に進出すると発表した。SUV、セダンに適したGrabberとAltimaxの2シリーズ、6種類の製品を発売する。(2017年5月9日付け各種リリースより)
-同社は、「Powertrain Strategy 2020+」の一環として2021年までに電動化事業に300百万ユーロを追加投資すると発表した。同社は過去5年間でパワートレイン電動化に10億ユーロを投資している。同社のハイブリッド車 (HEV)事業は成長が見込まれ、現在の売上高130百万ユーロから2020~2021年には10億ユーロに、2025年までには20億ユーロ規模に増加するとしている。同社ではHEV事業の研究開発に焦点を置き、当初の2021年までの投資計画よりさらに300百万ユーロを追加する。2025年、同社は完全電動システムの市場シェアを10%に、ハイブリッドシステムの市場シェアを30%に引き上げる見込み。内燃エンジンについては、2025年以降も引き続き減退することはないと見ている。同社はパワートレイン部門の年間売上高を現在の80億ユーロから2019年には100億ユーロに引き上げる計画。2017年度のパワートレイン部門の営業利益率は9%に達する見込みで、2018年度には約10%に伸びるとしている。(2017年4月25日付プレスリリースより)
-同社は、メキシコGuadalajaraでヘッドアップディスプレイ(HUD)の生産を開始したと発表した。このHUDは世界初のマイクロミラーデバイス技術を使用した製品。同技術の使用により、HUDは車両速度やドライバーの視線を車道に向ける関連情報などをフロントガラスに表示する。(2017年3月24日付 Mexico-Nowより)
-同社は、パワートレインからインフォテインメントまで車両全体の電子制御部品を、OTA経由で更新する製品およびサービスを拡大する。Inmarsatと協力して本製品・サービスのデモンストレーションをCES2017にて実施。Inmarsatは、グローバルに展開する大手移動衛星通信社。同社のグローバル通信ネットワークは、効率的でコスト効果に優れた衛星放送と双方向データサービスを組み合わせて提供しているため、あらゆる地点の車両に接続することができる。 (2017年1月3日付プレスリリースより)
業務提携
-同社は、ベルギーの商用車メーカーMOLとの提携を発表した。この提携によりMOLのターミナル・RoRoトラクターは同社のiTire「TractorMaster」を装着する。iTireは、プレインストールされたセンサーがContiPressureCheck システムを介してリアルタイムでタイヤの空気圧と温度をモニターし、ドライバーに情報を伝達する。(2017年6月27日付プレスリリースより)
-同社は、自動車向けの高速で信頼性の高いネットワーク接続を自動車メーカーおよびドライバーへの供給を目的として、ワイヤレスコネクティビティ・ソリューションプロバイダーのCarnegie Technologiesと提携すると発表した。今回の合意により、同社はCarnegie Technologiesのネットワーク収束プラットフォームを再販し、同社の自動車メーカー向けテレマティクスソリューションに統合する。このソリューションは、同社の分析・診断用新型テレマティクスコントロールユニット(TCU)に組み込まれる。(2017年6月13日付プレスリリースより)
受注
-同社は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)技術採用のヘッドアップディスプレイが、Lincolnに初採用されたと発表した。Lincoln「Continental」2017年モデルおよび「Navigator」2018年モデルに装備される。ヘッドアップディスプレイは、ドライバーの視界情報の表示や注意散漫の低減など快適で安全な運転をサポートする。DMDはミラー光学と画像生成ユニットを基盤とし、デジタルシネマ用プロジェクターと同じ方法で画像を生成するため、従来のヘッドアップディスプレイと比較して明るくシャープな画像が表示されるという。(2017年11月14日付プレスリリースより)
-同社は、同社のタイヤ「ContiEcoContact 5」、「ContiSportContact 5」、「ContiCrossContact LX Sport」がVolvoの新型「XC 60」に標準装着されたと発表した。タイヤサイズは「235/60 R 18」、「235/55 R 19」、「255/45 R 20」の3種類。(2017年8月30日付プレスリリースより)
-同社は、パートナーのTranscomfortと共同でポーランドの自動車メーカー向けにサスペンションシステムおよびゴム金属部品を供給すると発表した。これらの車両はポーランドの大都市の公共交通機関プロジェクトで使用される。傘下のContiTechでは現在、耐久性があり安全性の高い公共交通機関向け製品を開発中。公共車両を火災から守るため、同社では欧州規格EN 45545の要件を満たす製品を供給している。(2017年8月1日付プレスリリースより)
-ホンダは、2020年に実用化する高速道路の自動運転に同社製のシステムを採用する。カメラやレーザースキャナー(ライダー)などのセンサーから電子制御ユニット(ECU)まで同社製で統一することで開発スピードを高める狙い。高度化が進む自動運転技術では開発効率の向上が課題となっている。自動運転に関する幅広いノウハウを持つ同社を採用することで、競争激しい自動運転技術の開発を有利に進めていく。(2017年7月26日付日刊自動車新聞より)
-同社は、2017年5月23日、長城汽車の7速ダブルクラッチトランスミッションにセンサーコントロールユニット、トランスミッションコントロールユニットから応用ソフトウェアおよび先進的システムソリューションまでを提供すると発表した。このトランスミッションは長城汽車が中国で初めて自主開発した7DCTで、現在長城汽車の高級ブランド「WEY」に搭載されている。(2017年5月23日付けプレスリリースより)
-同社は15日、マツダのコンパクトカーにコンバイナー式ヘッドアップディスプレー(HUD)が採用されたと発表した。コンバイナー式HUDは、実装サイズが従来のHUDの半分で、コンパクトカーやスポーティーモデルに適している。マツダの「デミオ」や「CX-3」「CX-5」のオプションに採用され、量産を開始した。コンバイナー式は、小型で半透明なプラスチックディスクに情報を表示する。このため、従来システムと同じ機能を、アプリケーションの活用で鏡1枚で作動する。また、コンバイナー式HUDはボンネットの先にフルカラーのディスプレーを表示させることも可能で、ドライバーの視線を変えることなく重要な情報を取得できる。(2017年5月16日付日刊自動車新聞より)
-同社は、新型Mercedes-Benz 「E-Class」のガソリン車、ディーゼル車およびPHVの全モデルに同社のセントラルパワートレインコントローラー(CPC)が採用されたと発表した。新開発のコントロールユニットは、同社の新たなエンジンコントロールユニットプラットフォームであるエンジンマネジメントシステム3(EMS3)をベースに、高性能マルチコアプロセッサーと多様な通信規格に対応するアーキテクチャーを搭載している。(2017年3月28日付プレスリリースより)
-同社グループは上海汽車栄威(Roewe) RX5向けに7インチカラーディスプレイクラスターを開発した。2016年9月より栄威(Roewe) RX5に装備されている。大陸汽車車身電子系統(蕪湖)有限公司[Continental Automotive Body Electronics System (Wuhu) Co., Ltd.]が開発した。同社にとって初めて現地で開発された大型ディスプレイインストパネルである。解像度800X480、高コントラストのフルカラー液晶ディスプレイを採用している。また上海汽車とアリババが開発したインテリジェントネットワークを介して、このインストパネルはマルチメディアシステムとつながり、スマホ、センターコンソール、インストパネルの3つのディスプレイを連動させることが可能である。同時にこの7インチカラーインストパネルは一体型のデザインを採用し、フィジカルインジケーターとバーチャルディスプレイの自然な融合を可能にしている。(2017年1月11日付けプレスリリースより
受賞
-同社は、車両技術とモバイルの2つのカテゴリーで2017年CES Asiaを受賞した。車両技術のカテゴリーで認められたインテリジェントガラス制御は、ボタン1つで車両のほぼ全てのウィンドウの遮光を調節することを可能にする技術で、CO2削減とドライバーの快適性に貢献し、ドライバーが遮光を調整するために道路から目を離す時間を最小限にして安全性を高めている。モバイルのカテゴリーで認められた3Dディスプレイは、ブランドやドライバー毎にカスタマイズすることができる。CES Las Vegasが拡大して2015年にCES上海が創設された。CES Asia Awardの授与は2017年が初めてとなる。 (2017年5月23日付プレスリリースより)
-同社は、同社の統合ブレーキシステム「MK C1」が2017年「Automotive News PACE Award」を受賞したと発表した。今回の受賞により、同社は9年連続で同賞のファイナリストに選出されている。(2017年4月4日付プレスリリースより)
見通し
-同社は2018年8月、装着用タイヤ事業の業績が市場の期待を下回っていること、欧州・中国市場で需要が弱まりつつあることをうけて、2018年12月期の業績予想を修正した。同社は、2018年12月期の全社売上高を前回見通しより1,000百万ユーロ減の約46,000百万ユーロと予想する。全社売上高の内訳は、自動車部門が約28,000百万ユーロ、タイヤ部門が約18,000百万ユーロで、各部門で500百万ユーロの減。(2018年8月22日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 2015年12月期 | |
シャシー・安全 | 913.8 | 773.4 | 691.2 |
パワートレイン | 699.0 | 701.5 | 708.7 |
インテリア | 1,062.7 | 956.0 | 697.3 |
タイヤ | 289.8 | 260.9 | 244.9 |
ContiTech | 138.4 | 119.7 | 107.5 |
合計 | 3,103.7 | 2,811.5 | 2,449.6 |
-全社売上の約7%が毎年研究開発費として投資されている。
-エレクトリックモビリティ、自動運転、コネクティビティ、デジタル化および都市化の分野に集中し研究開発費の割合を増加している。
研究開発体制
-2017年12月末現在、78拠点で研究開発を実施。
-同社は、グループ傘下のContinental Reifen DeutschlandがドイツMecklenburg-Western Pomerania州で研究試験ラボ「Taraxagum Lab Anklam」の起工式を行ったと発表した。投資額は35百万ユーロ。ラボ建設にあたり、ドイツ経済省から11.6百万ユーロの補助金を受ける。新ラボは2018年秋に操業を開始し、約20名の雇用を創出する見込みで、ゴムの木の代替材料となるタンポポの栽培・加工に注力する。(2017年11月13日付プレスリリースより)
-同社は、2017年6月8日、重慶研究開発センター建設の鍬入れ式を行った。このセンターは自動車エレクトロニクス製品の応用、新エネルギー車及び工業分野の製品とソリューションの開発に注力するものとし、エレクトロニクス設計、機械設計、システム要求開発、ソフトウェア開発及び相応のシステムと製品測定試験などの能力を備える計画である。投資金額は2.8億元。第1期建設の敷地面積は15,000平方メートル。2018年末に運用を開始する予定。2020年までにエンジニアを400名雇用し、2025年には1,000名まで増やす計画である。(2017年6月9日付けプレスリリースより)
-同社は、R&Dセンターのワールドワイドネットワークを強化すると発表した。カリフォルニア州Silicon ValleyのSan Joseに新たにR&Dセンターを開設し、同社の全部門から最大300名の専門家が未来のモビリティ開発に従事する。自動運転、電動モビリティ、コネクティビティおよびモビリティサービスに関するプロジェクトを行う。数百万ドルを投資した約6,000平方メートルの新センターは最新のラボ、ワークショップおよびオフィスを備える。同社lは近年Silicon Valleyに注力しており、2014年以降はIntelligent Transportation Systems (ITS)部門が拠点を置いている。同社の米国における従業員数は18,000名超、過去5年間で19億ドル超を米国に投資しており、今後5年間でも巨額の投資を行う予定。(2017年4月12日付プレスリリースより)
-同社は、同社の「Taraxagum Lab Anklam」プロジェクトがドイツ北部の都市Anklamから支援を受けると発表した。今後Anklamの認可を得てLilienthalringビジネスパーク内の約30,000平方メートルの土地を取得し、新たにビルを建設する。Taraxagum Lab Anklamは、タイヤ生産にタンポポから生成したゴムの工業利用を目指す研究プロジェクト。2016年8月、同社は今後5年間35百万ユーロを同プロジェクトに投資すると発表している。2021年までに従業員を20名増員し、作付面積を現在の15ヘクタールから800ヘクタールに拡張する。(2017年3月28日付プレスリリースより)
-同社は、2017年にインドBengaluruのR&Dセンターでエンジニア500名を追加採用すると発表した。この増員により同センターの従業員数は約2,500名となる。同社はHMI (Human-Machine Interface)、コネクティビティおよびシステムインテグレーションの研究に注力している。(2017年2月各種報道より)
研究開発活動
-同社は、通信機器大手の華為技術有限公司(Huawei)と中国・上海でセルラーV2X(車車間・路車間通信)技術の実証実験を行い、良好な結果を得たと発表した。実験が行われたのは、自動運転車やコネクテッドカー向けの国家試験区。HuaweiのC-V2Xプロトタイプを用いて、緊急ブレーキ灯や駐車車両警告が使用された場合のC-V2Xの信頼性や低遅延性などについて検証した。平均的な反応時間は11ミリ秒だったが、シングルイベントでは最長8ミリ秒の反応時間を達成。実験を通じて、パケット受信率はほぼ100%だった。同社は、 この実証実験の結果を2018年1月9日から米ラスベガスで開催される「CES 2018」で披露する予定。(2017年12月18日付プレスリリースより)
-Magna Internationalと同社は、Cadillac「ATS」およびChrysler 「300」で米国-カナダ間の自動運転走行試験を実施した。自動運転車はデトロイト川下のWindsorトンネルを通ってカナダのオンタリオ州へ入りミシガン州Blue Water Bridgeへ、その後引き返して米国のPort Huronまで走行した。今回の車両は自動運転レベル3の機能を装備しており、全行程の約92%を自動運転で走行した。また国境付近で自動運転走行するためのデータ収集も行った。その後車両は自動車研究管理セミナー(Automotive Research Management Briefing Seminars)が開催されたミシガン州Traverse Cityまで赴いた。セミナーでは、ミシガンおよびオンタリオ両州の運輸省がコネクテッドおよび自動運転技術の研究開発を促進する合意書にサインした。(2017年7月31日付 Detroit Newsより)
-同社は、都市型無人の運転デモ車両「CUbE (Continental Urban Mobility Experience)」を開発したと発表した。同社のFrankfurtの拠点で自動運転の試験と研究を行う。現在量産されている車両に搭載済みの運転支援システムとセンサーなどの既存の技術を使用するとともに、レーザーセンサーなどの新技術も採用する。これらの技術に基づき、今後は完全自動運転を目指し更なる開発を進めていく。ロボタクシーは、都市における渋滞、事故、大気汚染、駐車問題などを解決するとされる。今回開発した「CUbE」は、9月に開催されるフランクフルト・モーターショーでデモ走行が行われる。(2017年7月20日付プレスリリースより)
-同社は、「スマートシティ」とインテリジェント輸送システムの開発推進のために、Urban Software Instituteと提携したと発表した。同社はUrban Software Instituteの監査役会を引き継ぐことにより、車載エレクトロニクスと相互接続性を活用して自動車テクノロジーと都市型アプリケーションの合理化を図る。Urban Software Instituteは、世界の都市のデジタル化支援を目的として2012年に設立された。(2017年1月10日付プレスリリースより)
技術提携
-同社とフランスの自動運転関連企業EasyMile SASは電動シャトルの開発に焦点を当て、環境センサー、ブレーキシステムおよび安全運転技術の開発において緊密に協力している。(2017年7月4日付プレスリリースより)
-同社は、BMWグループ、Intel、Mobileyeと自動運転分野で開発パートナーおよびシステムインテグレーターとして提携すると発表した。BMWグループ、Intel、Mobileyeの3社はすでに2016年7月に提携、2021年までに完全自動運転車の量産を目指している。同社は、多機能カメラ、サラウンドビュー機能付き魚眼カメラ、短距離および長距離レーダーセンサー、高解像度3D LiDAR技術を用いた自動運転用セントラルコントロールユニットなどの先進運転支援システム(ADAS)分野に強みを持っている。同社の2016年のADAS関連の売上高は12億ユーロで、2020年までに20億ユーロ超の売上を見込む。(2017年6月20日付プレスリリースより)
-同社は、2017年5月31日、百度(Baidu)と戦略的提携の合意書を結んだ。両社は自動運転、コネクテッドカー、インテリジェントモビリティなどの分野で提携する。先進運転支援システム (ADAS) 、自動運転用センサーシステム及びソフトウェア応用などで協業し、人工知能、サイバーセキュリティ、コネクテッドカー技術、道路試験、自動運転時のデータ収集と分析など、百度のApolloプラットフォームを活用する。(2017年5月31日付けプレスリリースより)
-同社は2017年5月31日、蔚来汽車(NIO、旧称NextEV)とベルリンで戦略的提携枠組み合意書を締結した。両社はEV、インテリジェント交通システム、自動運転などの分野で緊密に連携する。両社はNIOの新型車プラットフォームで業務展開する計画で、その第一歩として同社はNIOの電動SUV ES8にエアサスペンションシステム、タイヤを供給する。(2017年5月31日付けプレスリリースより)
-同社オートモーティブ・ジャパン(横浜市神奈川区)は、NTTドコモと、コネクテッドカーの実現に向けて第5世代移動通信方式(5G)とセルラーV2X(車車間・路車間通信)技術の共同研究やデモで提携すると発表した。同社が持つコネクテッドカー向け制御ソフトウエアと、ドコモの5G、セルラーV2X技術を組み合わせることで、安全で快適なコネクテッドカーの実現を目指す。また、両社は24日から東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」とパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」で共同デモを行う。(2017年5月18日付日刊自動車新聞より)
製品開発
「CES 2018」バッテリーチャージングシステム
-同社は、2018年1月9-12日に米ラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市「CES 2018」で、新たな2種類のEV用充電システムを披露する発表した。1つは、完全自動のワイヤレス充電が可能な電磁誘導方式の充電システムで、2つ目は、どんな充電ステーションでも利用できるようにする「AllCharge」システム。EVが300km走行できる電力を10分で充電し、また、交流電力の外部給電が可能になるという。 (2017年12月13日付プレスリリースより)
包括コネクティビティ体験
-同社は、同社の包括的コネクティビティを体験できるデモカーを米ラスベガスで開催される「CES 2018」で披露すると発表した。デモカーには、センターコンソールのタイムラインまたは音声を利用して、ナビゲーションやインフォテインメント、旅行サービス、車両アシストに関する、状況に応じたインタラクティブな情報をドライバーに提供するデジタルトラベルガイドを搭載し、車内コネクティビティがもたらす利便性を実証するとしている。 (2017年12月7日付プレスリリースより)
「ProViu」デジタルサイドビューミラー
-同社は、デジタルサイドビューミラー「ProViu Mirror」を開発したと発表した。運転席にあるカメラが様々な画像を「ProViu Mirror」によって1つの画像に統合してディスプレイに表示し、可視領域を広げて死角を減少させる。このシステムによって燃料消費量を1-2%削減し、コストの効率化や環境への影響の削減にもつながるとしている。(2017年12月6日付プレスリリースより)
第5世代レーダーセンサー
-同社は、将来の自動運転向けとなる第5世代の短距離・長距離レーダーを開発したと発表した。2019年から量産を開始する予定。新世代レーダーは、性能の向上に加え、自動車メーカーの様々な要求に柔軟に対応できるよう、拡張可能なモジュール構成を基本とした。世界中の需要増に対応するため、同社は生産能力を拡大。2017年10月に中国の上海で長距離レーダーセンサーの生産を開始したほか、ドイツや米国、フィリピンでもセンサーを生産している。(2017年11月28日付プレスリリースより)
タイヤ技術コンセプト
-同社は、路面に応じて最適な接地面積を実現する「コンチアダプト」や、内蔵されたセンサーがトレッドの溝の深さや温度を測定してこれらデータを伝送する技術「コンチセンス」など、次世代タイヤ技術のコンセプトを発表した。今回開発した二つのコンセプト技術を組み合わせれば、濡れた路面や滑りやすい路面、乾いた路面のそれぞれに応じて、空気圧やリム幅を適切に変化させることができるようになるとしている。(2017年10月17日付日刊自動車新聞)
スマートコントロール中央入力装置
-同社は、自動運転車向けの中央入力装置「Smart Control」を開発したと発表した。新装置は、ドライバーから自動運転モードへの役割変更を直感的に制御し、レベル4及びレベル5の自動運転では、運転者と車の安全な役割分担を実行する。また、センターコンソールには、現在の運転モードを伝える機能が備わっている。手動運転中は、センターコンソールに収納されるため、装置上部のタッチパッドを使ってインフォテインメントを操作できる。現在、同社の試験車やシミュレーターで新装置のトライアルが行われている。(2017年10月11日付プレスリリースより)
EVチャージングシステム
-同社は、拡張性があり、グローバルに互換性のあるEV充電用製品を開発したと発表した。ドイツのStuttgartで開催される電気自動車シンポジウム展示会 (EVS)で、あらゆる電圧や電流レベルに対応した、ケーブル付きとワイヤレスの充電システムを披露する。同社は3つの充電システムにアプローチ。ケーブルを使用するコンダクティブ充電として、交流充電式の従来の車載充電器と、急速充電設備での直流充電もサポートする新「AllCharge」システムを提供。ワイヤレス充電に加え、グリッド(電力網)への電力供給源としてEVを使用する方法も可能になるとしている。(2017年10月8日付プレスリリースより)
シンクロフォースカーボンラバータイミングベルト
-同社は、傘下のContiTechが同製品市場最強レベルのゴム製タイミングベルト「Synchroforce Carbon」を発売したと発表した。新製品はグラスカーボン製ハイブリッドテンションメンバー付きで、高い耐引裂性と動的負荷能力を持つ。正確な角度で回転運動を伝えるほか、素材の特性により、メンテナンスも不要だという。 (2017年10月2日付プレスリリースより)
スマ―トアクセス技術
-同社は、独フランクフルトで開催中の2017年国際モーターショー (IAA)で、同社の最新のスマートアクセス技術を披露した。スマートデバイスを介して無線でドアロックの解除・施錠や車の始動をサポートする「Continental Smart Access」や「Remote Cloud Key」も含まれる。また、同社はD'Ieterenとの合弁会社からOTA keysの全権利を取得。モビリティサービスの重要なコンポーネントと位置付ける「Key as a Service」の開発を進める。(2017年9月20日付プレスリリースより)
半透明の表面材
-同社は、車内インテリアの照明に用いることができる半透明の表面材を開発すると発表した。光透過性の高い素材を照明と組み合わせることで、素材自体とその周囲の両方に光を照射することができるようになり、照明デザインに新たな可能性を与えられるという。光源の色や強度で車内のムードを照明で変化させることも可能。同社では今後、半透明の表面材が電気自動車や自動運転で重要な役割を果たすとみている。独フランクフルトで開催中の2017年国際モーターショー (IAA) で製品のコンセプトを公開した。 (2017年9月19日付日刊自動車新聞より)
経済性とエコロジー性を両立させるモビリティコンセプト
-同社は、独フランクフルトで開催中の2017年国際モーターショー (IAA)で、未来都市型の小型EVコンセプトモデル「BEE」を公開すると発表した。BEEは「Balanced Economy and Ecology mobility concept」の頭文字。未来の都市で、個々のニーズに合った、ストレスのない、快適な移動を提供することを目的にデザインされた。乗車定員1~2人で、最高速度は時速60キロ。1日につき350km以上の距離を走行でき、スマートフォンで呼べば、指定の場所に来てくれる。同社によると、今後10年以内に公道で走らせる予定はない。未来型モビリティには、車両と道路双方において適切なインフラが必要となることから、整備に時間がかかるというのがその理由という。(2017年9月15日付プレスリリースより)
IAA 2017での技術
-同社は、独フランクフルトで開催される2017年国際モーターショー (IAA)で、eモビリティ向けの新技術を公開すると発表した。48Vマイルドハイブリッドシステムや、EV・ハイブリッド車向けの高電圧ドライブに加え、高度に統合された電動パワートレインモジュールなどのEV向けシステムを紹介。48Vシステムは、ガソリンエンジン車にもディーゼルエンジン車にも搭載可能で、実際の市街地走行では約21%の燃費削減を実現するという。ほかに、充電システムや、軽量化したホイールとブレーキの新デザイン「New Wheel Concept」も披露する予定。(2017年9月5日付プレスリリースより)
スマートアクセススマートフォンソリューション
-同社は、スマートフォンを介したパッケージサービスのスマートアクセスソリューションを拡張すると発表した。同社の緊急ロック解除ソリューションは車両のバッテリーが切れた時でもユーザーは車両にアクセスでき、機械式の緊急キーに頼ることなくデジタルでロックが解除できる。「Continental Smart Access」システムとの組み合わせにより、全てのドアの開閉が独立して行えるという。さらにインテリジェントドアにより、ドアハンドルも不要になる。同社はこのインテリジェントドアをIAA Frankfurt 2017に出展する。(2017年8月29日付プレスリリースより)
MFC 500カメラプラットフォーム
-同社は、様々な車両アーキテクチャに対応したカメラ機能を有するプラットフォーム「MFC 500」を開発したと発表した。このプラットフォームはインテリジェントカメラ、サテライトカメラ、運転支援・自動運転(Assisted & Automated Driving Control Unit:ADCU)用セントラルコンピューターで構成される。ハードウェアおよびソフトウェアは、自動運転用ニューラルネットワークにより、複雑な状況を瞬時に分析して物体を検知する。カメラは最大8メガピクセルの解像度で、最高125度の広範囲を映し出す。オプションで「eHorizon」および「Road Database」機能を選択すると、クラウドを通じて道路や目印の情報を送受信することもできる。(2017年7月25日付プレスリリースより)
クルージングショーファー機能
-同社は、自動運転システム「クルージングショーファー」の開発について発表した。このシステムでは交通法規に従い、高速道路での自動運転を可能にする。高速道路を出ると自動運転モードはオフになり、手動運転に切り替わる。運転手が反応しなかった場合は、車両が独自で判断して安全な場所まで移動する。同社では2020年までにシステムの生産を目指す。(2017年7月13日付プレスリリースより)
切り替え可能電子制御エンジンマウント
-同社は、高級スポーツセダン向けの切り替え可能な新型電子制御エンジンマウントを開発したと発表した。エンジンマウントはパワートレインと車体をつなぎ、道路状況によるエンジンの振動を削減し、車体や車内の振動を防止する。(2017年7月5日付プレスリリースより)
「Trained Parking」機能
-同社は、ドライバーの駐車ルーティンを軽減するソリューションを開発したと発表した。「Trained Parking」機能が駐車時の手順を記録し、データを保持する。同じ駐車手順を繰り返す場合、ドライバーは記録を開始した場所の近くでボタンを押すだけで、車両は以前学んだ駐車手順を独自で実行する。「Trained Parking」機能は、既存の周辺検知用カメラ・レーダーを使用。初めて手動で操作する場合は、システムがセンサーによって周辺を検知して精密な地図を起動し記録する。車両が記録されたエリアにあるときは、学習したルートを自動で運転するため、ドライバーはシステム起動前に降車することができる。(2017年6月29日付プレスリリースより)
スピーカーレスオーディオシステム
-同社は、振動によって音を生成する従来の車両スピーカーに代わる、新たな音響技術を発表した。新システムは小型のスピーカーレスオーディオシステムで、既存のハイエンドオーディオシステムと比較して、大きさを1/10に削減して軽量化を実現した。このオーディオ技術は、高級セダンから小型電動車まで幅広いモデルに対応できる。またスピーカーレス技術は、カーオーディオのみでなくナビゲーションの指示やインジケーター音など人間と機械がコミュニケーションをとるうえで活用できるなど、さらなる可能性も併せ持つ。(2017年6月28日付プレスリリースより)
「2025AD.cn」中国インターネットプラットフォーム
-同社は、中国向けインターネットプラットフォーム「2025AD.cn」を開始した。「2025AD.cn」は、中国の自動運転に関する情報の共有を促すように設計された独立型オンラインプラットフォームで、グローバル展開されている「2025AD.com」の中国版となる。「2025AD.com」は、2016年1月に開始され、毎月10,000人以上の顧客、専門家、産業界、政府関係者が自動運転に関する意見、懸念、期待を共有する場として貢献している。同社は、「2025AD.cn」を開始した背景として、近年中国の自動車・技術産業界が自動運転技術に注力しており、中国で自動運転に関する議論が活発になっていること、また中国が世界最大の自動車市場として、自動運転技術の開発に大きな役割を担っていることを挙げている。「2025AD.cn」は、微信 (WeChat)、微博 (Weibo)、QQ空間 (QQ Zone) 等中国の大手ソーシャルメディアからアクセスすることができる。 (2017年6月9日付プレスリリースより)
標準化されていない電気自動車用充電電動パワートレーン
-同社は、標準化されていない電気自動車用充電ステーション問題に対する解決策を2017年6月開催の同社Tech Showおよび9月開催のIAAフランクフルトモーターショーで公開すると発表した。充電ステーションの全ての種類に合わせて余分な技術を車両に詰め込むのではなく、電動パワートレインそのものを充電器として活用する。「AllCharge」システムと名付けられたこのシステムは、従来の電動パワートレインの構成要素に基づく。これにより同社は、車載ソリューションの利用によって異なる充電技術の相互運用性の提供を可能にした。(2017年5月29日付プレスリリースより)
タッチジェスチャー機能
-同社は、ドライバーと車両の間の非言語コミュニケーションを改善する為に、コックピットに搭載するユーザーフレンドリーなタッチジェスチャー機能を開発した。ジェスチャー入力とタッチスクリーンが組み合わさった入力ディスプレイに、ドライバーが登録済みの記号を描くことで様々な機能が即座に起動し、利用可能になる。2本の指でディスプレイに触れるとタッチジェスチャー入力が起動する。2本指でハート記号を描くとお気に入りの場所へアクセスし、屋根の絵を描くとナビゲーションシステムに帰宅指示を出すことができる。 (2017年4月7日付プレスリリースより)
フリート車両管理サービス
-同社は、新しいトレーラー向けソリューション「VDO TrailerLinc」を発表した。「VDO TrailerLinc」は、同社のフリート車両管理ソリューション「VDO FleetVisor」の一部。最初にハードウェアをトレーラーに搭載して使用する。常時作動して、トレーラーの位置についてGPSデータを「VDO FleetVisor」に規則的に送信する。その為、セミトレーラーや交換トレーラーの位置を確認したり、トレーラーの牽引車両を交換したりすることが可能になる。ハードウェアは頑丈かつ防水機能を兼ね備え、バッテリーはトレーラーの運転中に自動的に充電される。ソフトウェアはワイヤレスで簡単にOTA更新することができる。将来はCANに接続してより多くの情報を扱う予定。 (2017年3月14日付プレスリリースより)
市内バスタイヤ
-同社は、新型タイヤ「Conti Urban HA3 245/70 R 19.5」を開発したと発表した。中型の市内バス向けの19.5インチタイヤで、輪郭が補強され、バス停の縁石への頻繁な接触に耐えることができる。接地面に使用されているゴム素材・デザインにより、従来品に比べて最大20%走行距離が延長。また、溝が深く、寿命に関係なく濡れた路面も最適に走ることができる。欧州の多くの地域では通年で装着することが可能。ハンドリングおよびグリップ力を兼ね備え、快適で安全な運転に貢献する。 (2017年2月24日付プレスリリースより)
超薄型拡張現実感ヘッドアップディスプレー(HUD)
-同社は、米DigiLensと提携し、超薄型拡張現実感ヘッドアップディスプレー(HUD)を開発したと発表した。ホログラムによるHUDで、既存システムと比べて3分の1にコンパクト化したHUDを開発したという。同テクノロジーは自動運転で求められる、より安全で直感的なヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)にも活用していく。(2017年1月27日付日刊自動車新聞より)
高解像度3Dフラッシュ LiDAR
-同社は、車両の周囲360度をシームレスに映し出す次世代の環境モデルに取り組んでいる。高解像度3D Flash LiDARは、包括的な3D環境モデルを作り出すためのコアコンポーネントとなる。3D Flash LiDARは、高度運転支援システム (ADAS) に向けた同社のサラウンディングセンサーの範囲を拡大するものであり、他のセンサーと組み合わせることで、高度/完全自動運転をサポートする。今日使用されている多くのスキャナー部品とちがい、高解像度3DフラッシュLiDARはわずか2つの主要部品で構成されている:1つは車両の周囲を200m以上先まで照らし出す発光源としてのレーザー、もう1つは高度に統合された受容体チップ。シリーズ生産は2020年に開始する予定。また、同社のアシスト&自動運転制御ユニット (ADCU) は、収集したデータを評価および解釈し、最終的に包括的な周辺環境モデルを構築するために使われる。これは複数の異種処理ユニットのネットワークを持つ中央制御ユニットとなる。2019年までに最も厳しい安全要件 (ASIL D) にも適合する拡張性が高い製品ラインナップをアシスト&自動運転向けに提供することを目指している。この制御ユニットはEthernetおよび低電圧差動信号 (LVDS) に接続する様々な端子があり、必要に応じてデータの流れを管理する。(2017年1月4日付プレスリリースより)
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 2015年12月期 | |
シャシー・安全 | 682.5 | 523.7 | 470.3 |
パワートレイン | 653.7 | 544.4 | 468.4 |
インテリア | 453.3 | 428.9 | 336.0 |
タイヤ | 847.0 | 882.1 | 658.2 |
ContiTech | 213.2 | 212.0 | 245.2 |
その他 | 4.7 | 1.9 | 0.7 |
合計 | 2,854.4 | 2,593.0 | 2,178.8 |
-2018年12月期の設備投資は売上の約7%あるいは32億ユーロを見込んでいる。
海外投資
<タイ>
-同社は、タイ東部Rayongでタイヤ工場の建設を開始したと発表した。第1段階として、同社は250百万ユーロを投資し、2020年までに年間400万本の乗用車・小型トラック用タイヤ(PLT)の生産を目指す。工場は2019年に稼働を開始し、約900人を新規雇用する見通し。工場の敷地面積は約75万平方メートルと、年産能力を最大で2,500万本まで拡張できる広さという。(2017年11月21日付プレスリリースより)
-同社は、2019年初頭からRayongの新工場で操業を開始し、タイのタイヤ市場で2025年までに上位3ブランドになるようシェア拡大を図ると発表した。現在同社のタイでのタイヤ市場シェアは3%。Rayong新工場への投資額は250百万ユーロで900名の新規雇用を創出する。同工場はアジア太平洋地域向け乗用車および小型トラック用タイヤを生産する。生産能力は年間400万本。(2017年6月12日付 Bangkok Postより)
-同社は、タイのRayongに250百万ユーロを投資して設立する乗用車およびライトトラック向けタイヤの新工場建設を開始したと発表した。タイヤの生産能力は年間約4百万本で、アジア太平洋市場に供給する。新工場はBangkokから140km、Laem Chabang港から60kmの立地条件。約750,000平方メートルの敷地で、年間最大25百万本までタイヤの増産が可能。2018年中頃竣工、2019年に操業開始予定で900名の雇用を見込む。(2017年3月22日付プレスリリースより)
-同社は、タイのRayongに乗用車および小型トラック用のタイヤ工場を建設すると発表した。2019年操業開始予定。第1フェーズの投資額は250百万ユーロ、2022年までに年間400万本のタイヤ生産を計画する。今回の投資は同社タイヤ部門が掲げる長期成長戦略「Vision 2025」の一環で、世界的な生産拠点の増強と各地域への供給バランスを整備することが狙いとしている。(2017年1月25日付プレスリリースより)
<中国>
-同社は、上海でターボチャージャー「RAAX」を生産すると発表した。欧州以外では初となるターボチャージャー工場で、上海の嘉定区に工場を開設する。新工場は2017年11月に操業開始予定で、VWグループのEA888 Gen.3Bエンジンプラットフォームおよび欧州で生産されるAudi「A3」向けターボチャージャーを製造する。中国市場では、VWのSUV「Teramont」、「Tiguan」などの2.0Lターボガソリンエンジンに搭載される。同社は2018年にメキシコSan Luis Potosi工場でも同様に、VWグループ向けターボチャージャー「RAAX」を生産予定。(2017年11月20日付プレスリリースより)
-同社グループ傘下の大陸馬牌輪胎[Continental Tires]が約2.5億ユーロを投じて実施した合肥工場[Hefei Plant]第3期拡張工事が完成し、2017年3月28日、正式に生産を開始した。合肥工場の年産量は2019年までに現在の8百万本から14百万本まで引き上げられる。合肥工場は2011年に生産を開始。敷地面積は340,000平方メートル、累計投資額は5.7億ユーロに達する。中国市場向けに中高級乗用車の新車装着用タイヤ及び補修用タイヤを生産している。(2017年3月28日付けプレスリリースより)
<メキシコ>
-同社は、傘下のContiTechがメキシコSan Luis Potosiにターボチャージャー用エアインダクションシステムの生産施設を開設したと発表した。San Luis Potosiでは、油圧ブレーキシステムとターボチャージャーを生産する工場の新設からわずか7カ月後の開設となる。同社はこの他San Luis Potosiに5カ所の生産拠点を有しており、商用車向けエアバッグ、コンベアベルト、内装部品、トランスミッション部品およびマウント部品を製造している。(2017年11月3日付 Mexico-Nowより)
-同社は、同社傘下のContiTech のメキシコTlalnepantla工場に114百万ドル超を投資して、2018年までに生産能力を3倍に増強すると発表した。ContiTechはTlalnepantla工場でエアコン用高圧ホースおよび油圧ステアリングシステムを生産しており、現在の年間生産能力200万個から600万個に引き上げる予定。2017年の同工場の売上高は40百万ドル、2018年には114百万ドルに成長する見込み。同工場は12,000平方メートルから17,000平方メートルに拡張される。メキシコでは、2019年にはInfinitiのAguascalientes工場が開設し、VolkswagenのPuebla工場も拡張予定で、同社は更なる売上増を目指す。同工場は1997年設立、メキシコで生産されるVolkswagen「Beetle」への製品供給を開始、現在はBMW、Mercedes-Benz、日産、Ford、Daimler Trucks、Packardなどに製品を供給している。(2017年7月11日付 Mexico-Nowより)
-同社は、メキシコSan Luis Potosiに167百万ドルを投資してブレーキ部品工場を新設したと発表した。新工場では油圧式ブレーキシステムを生産する。同システムは、アクチュエーター、モジュレーター、ブレーキ圧などのソリューションを統合しており、車両電子システムへの情報提供を行う。また、ターボチャージャーの組立も行う予定。操業開始時の従業員数は97名で、2018年には250名、2019年には518名と順次増員する予定で、最大990名までの増員が可能となっている。新工場開設により、同社はメキシコに16の工場と2つのR&Dセンターを持つこととなる。(2017年3月29日付 Mexico-Nowより)
-同社はメキシコCiudad Juarezの2工場のうち、1工場を拡張する計画。投資額は約8百万ドルで、センサーおよびアクチュエーターを生産するパワートレイン部門のコンピテンスセンターを10,000平方メートル拡張して総面積26,000平方メートルにし、生産能力を年間40百万ユニットに引き上げる。同工場は今後2年間でブラシレスDC(BLDC)モーターおよびマスエアフロー(MAF)測定センサーの生産を開始する。Ciudad Juarezの2工場には現在2,000名の従業員がおり、拡張に伴い300名を増員する予定。(2017年2月9日付Mexico-Nowおよび各種報道より)
<リトアニア>
-同社は、自動車向け電子部品の生産工場をリトアニアのKaunasに建設し、欧州市場向け電子部品の生産を拡大すると発表した。新工場は、2018年半ばに起工式を行い、2019年半ばに生産を開始する予定。今後5年間に95百万ユーロを投資し、約1,000人の新規雇用を見込む。生産設備の面積は当初1万6,000平方メートルで、ドアやシートコントロールユニット、ゲートウェイ、アダプティブクルーズコントロール用のレーダーなど、同社のBody & Security事業部門と先進運転支援システム (ADAS)事業部門の製品が生産される予定。(2017年10月30日付プレスリリースより)
<米国>
-オハイオ州経済開発協会(Ohio Economic Development Association)は、同社傘下のContiTech USAが同州のFairlawn工場を拡張すると発表した。ContiTechは50名の雇用を創出し、既存の年間人件費17.3百万ドルに加えて4百万ドルを生成する。同社はゴム製品と技術を自動車業界およびその他産業に供給している。(2017年8月15日付プレスリリースより)
将来の投資
-2018年12月期の間に以下の設備投資を計画している:
- ビークルダイナミクス部門のMK 100およびMK C1世代のブレーキの生産能力の世界的規模での拡張
- 先進運転支援システム部門の長距離および短距離レーダーセンサー、360度および多機能カメラの生産能力の世界的規模での拡張
- 先進運転支援システム部門の高解像度の3D Lidarセンサーの生産能力の拡張
- パワートレーン事業部の中国での新工場造成
- ハイブリッドEV部門の電動モーターと48Vのベルト駆動スタータージェネレータの生産能力の拡大
- インテリア部門の東欧および北米での新工場建設
- タイヤ部門の南欧、東欧、アジアおよび北米での乗用車用タイヤの生産能力の拡大
- タイヤ部門の東欧、北米での商用車用タイヤの生産能力の拡大
- モバイルフルイドシステム部門の工場の移転
- Benecke-Hornschuch Surface グループ部門の中国の生産能力の拡張