Delphi Automotive LLP 2010年12月期の動向

ハイライト

受注

2009年から2012年のプロジェクト件数:
製品群 顧客件数
自動車用サーマル製品 10
電子制御 11
インフォテイメント及びドライバーインターフェース 13
電気及び電子配電 12
接続システム 11
ガソリンエンジンマネージメント 12
ディーゼルエンジンマネージメント 9

 

売却(2010年度)

同社の再建プロセスに沿って下記の事業・資産の売却を行った。
  
<Autoliv社への売却>

-乗員パッシブセーフティ事業
韓国と 中国の 乗員パッシブセーフティ(OPS)事業を売却。この事業は現代・起亜自動車グループ、奇瑞汽車(Chery)、Tataなどが既存顧客(2010年1月28日付プレスリリースより)

-パイロテクニック・セーフティスイッチ(PSS)事業
パイロテクニック・セーフティースイッチ(PSS)事業の欧州資産をAutolivへ売却すると発表。PSSは衝突事故の際にエアバッグ展開により作動する装置。バッテリーとスターター、オルタネーターなどを結ぶ回路を遮断することで、ショートを防ぎ発火などの可能性を軽減する。電気自動車やハイブリッド車では、回路配線や蓄電システムを保護する目的などで使用される。Delphiの同事業はDaimler、Audi、 Porscheなどを納入先としていた。(2010年4月9日付プレスリリースより)

-北京徳爾福汽車安全産品有限公司(中国のシートベルト合弁会社)
中国のシートベルトメーカー北京徳爾福汽車安全産品有限公司(Beijing Delphi Automotive Safety Products Co., Ltd. : BDS)の株式51%をAutoliv へ売却。BDSはDelphiと北京海納川汽車部件股份有限公司(Beijing Hainachuan Automotive Parts Co., Ltd : BHAP)との合弁により、2008年に設立された。BDSの主な納入先は東風悦達起亜や北京現代など。(2010年10月19日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:億ドル) 2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
金額 10 13 18

研究開発体制
-米国インディアナ州Kokomoの「Delphi Electronics & Safety」事業本部で施設拡張工事を開始した。投資額は2,500万米ドル超。今回の拡張には面積7万平方フィートの研究施設が含まれ、ハイブリッド車・電気自動車向けパワーエレクトロニクス部品などの技術開発および検証を行う。2011年末までに稼動を開始する見込み。(2010年12月13日付プレスリリースより)


製品開発

 K-合金 SP
自動車用アルミ合金ダイカスト素材「K-Alloy SP」を開発。2003年に導入した「K-Alloy」に次ぐ製品で、砂型鋳造、永久型鋳造向け。(2010年2月9日付プレスリリースより)

SCR(選択還元触媒)式排ガス後処理システム用のアンモニアセンサー
2012年から、SCR(選択還元触媒)式排ガス後処理システム用のアンモニアセンサーを生産開始する。まずは欧州の商用車メーカーに供給する計画。クローズドループ型SCRシステム用としては初となるアンモニアセンサーで、排ガス内に噴射する尿素量の最適化に寄与するという。(2010年4月14日付プレスリリースより)

低価格駐車支援システム
カメラ画像を利用して車両の誘導方向を計算する低価格タイプの駐車支援システムを開発。独自のアルゴリズムを確立し、画像認識だけで距離や障害物の検知、推定を可能にした。これによって従来、駐車支援システムに欠かせなかった超音波センサーの搭載を不要とし、原価低減と搭載性の向上に結びつけた。2011年から供給を開始する計画。(2010年5月7日付日刊自動車新聞より)

Smart Fob
キーフォブ型のデータ送受信機「Smart Fob」を開発。近距離無線通信(NFC)技術を利用するもので、ドライバーは車両情報に常時アクセスできる。データ送受信は車両に組み込まれた NFCモジュールを介して行う。このシステムの13.56MHz帯アンテナによって車両からキーフォブにデータを送信。このデータは携帯電話、コンピューター、PDA(携帯情報端末)などNFC対応機器のディスプレイに表示される。(2010年6月18日付プレスリリースより)

新型ディーゼルエンジン用SCR(選択還元触媒)式排出ガス後処理システム
ディーゼルエンジン用SCR(選択還元触媒)式排出ガス後処理システムの新製品を開発。このSCRシステムは高圧ポンプ付き尿素インジェクター、尿素水供給モジュール(Urea Delivery Module)、ECUの3つの基本モジュールで構成する。従来のシステムと比べて尿素水溶液の噴射圧を最大4倍に高め、走行距離1kmあたり最大1gの CO2排出低減を実現した。これにより、欧州「EU6」、米国「Tier2 bin5」、日本「ポスト新長期規制」といった排出ガス規制のクリアに貢献する。なお、販売は2012年から開始する予定。(2010年7月21日付プレスリリースより)

EV用ケーブル付充電カプラーと充電インレット
同社のEV用ケーブル付充電カプラーと充電インレットが、製品安全認証機関のUnderwriters Laboratories (UL)から認証を取得。この結果、本製品は米国とカナダで使用可能となる。なお同社は、UL認証を取得済みのポータブル充電器も、今年に入って販売開始している。(2010年12月9日付プレスリリースより)

技術提携
-2010年4月、ClipperCreek, Inc.と電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッド車(PHEV)向け充電システムの開発・製造・販売を共同で行うことで合意した。ClipperCreekは米国のEV用充電スタンド/充電器メーカー。(2010年4月13日付プレスリリースより)

 

共同開発プロジェクト
-2010年2月、米国エネルギー省(DOE)から748万ドルの助成金を受領。Hyundai America Technical Center等と共同で、ガソリン直噴・圧縮着火による低温燃焼技術の開発を行う。開発期間は4年間の予定。(2010年2月3日プレスリリースより

-WiTricity Corpと共同で、ハイブリッドおよび電気自動車用ワイヤレス充電システムを開発すると発表。WiTricityは米国に本拠とし、無線電力伝送技術の開発を行っている。この充電器は、ガレージフロアあるいは駐車スペースなどに設置された充電源をカバーするように車両を駐車させると、自動的に充電が行われる仕組み。またDelphiは、トランクに搭載可能なポータブルタイプの充電器も生産する計画。この充電器は120ボルトのコンセントを使用する。(2010年9月29日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資費

    後継会社 旧Delphi
(単位:百万ドル) 2010年12月期 09年8月19日から12月31日まで 09年1月1日から10月6日まで 08年12月31日
設備投資額 500 88 321 771