Kongsberg Automotive 2009年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年 12月期 |
2008年 12月期 |
増減率(%) | 要因 | |
全体 | ||||
売上高 | 622.8 | 905.9 | (31.3) | - |
営業利益(損) | (46.3) | (1.1) | - | |
事業部門別売上高 | ||||
自動車部品システム | 385.4 | 528.6 | (27.1) | 1) |
商用車部品システム | 147.9 | 267.7 | (44.8) | 2) |
要因
1)
自動車部品システム
-2008年後半から2009年にかけての自動車市場の販売台数下落を背景に同部門の売上は大幅に減少。北米の2009年12月期の売上は前年比で37% の減少、EUでは同じく30%減少。一方、アジアは好調を持続し、新規受注製品の生産立ち上げもあって前年比で30%の増収となった。
-2009年12月期は、SUVと高級車販売が激減したが小型エコカーに人気がシフトした結果、自動車市場の販売車種構成に大きな変化が見られた。同社 は、2007年後半にGlobal Motion Systems (GMS)社を買収したが、この事業買収により小型車向けと高級車向けのバランス良い製品構成を保持することができた。一部の小型車は国の政策もあり販売 が伸びており、高級車の販売不振分を一部埋めあわせた。ともあれ自動車部門全体ではこうした市場の販売車種構成変化の結果、市場の全般的動向をベースに同 社が想定していた販売量を下回り売上を大幅に落とした。
-2009年下半期になると、メーカーの生産計画に販売回復傾向の兆候が現れ始めた。これは、米国のエコカー買い替え補助金政策がディーラーの在庫一掃に寄与しメーカーの増産を促すこととなったため。
2)
商用車部品システム
-2009年12月期は経済危機の煽りを受け、前年比で45%減少。2009年の商用車販売はー20%からー95%と落ち込む市場もあった。もっとも影響 が大きかったのは欧州のトレーラーメーカー。商用車メーカーが生産能力と在庫水準の削減に注力した結果が2009年の販売に影を落とした。尚、販売は 2009年末からわずかながら回復傾向が現れ始めた。
受注
自動車部品システム-いくつかの製品領域で新製品を立ち上げ、受注を獲得。「最新折り畳み式ヘッドレスト」を北米市場で受注、また市場が大きい中型車分野では大手OEMのプ ラットフォームに搭載する「空気式ランバーサポート・システム」を受注。 空気式ランバーサポートの受注は北米市場での新技術に関する重要な突破口となった。これらの製品は従来はEUのメーカーが取引先となっていた。
-欧州市場については、空気式ランバーサポートと調整式マッサージ機能を備えたモジュラーコンフォートシートを開発。納品先との交渉はスタートしており10年度中に初の受注を見込んでいる。省エネタイプの発進・停止機能付きシフトタワーについては欧州で大口受注が決定。
商用車部品システム
-すべての主な製品領域で受注を獲得。燃料システムでは複数案件を受注、及びシャシーとアクスルサスペンション製品では過去2番目の規模の受注等。
事業再編
自動車部品システム部門-売上げ減少の対策として2008年同様、2009年もリストラを継続。Van Wert(オハイオ州)とHaysville(カンサス州)の自動車部品工場を完全閉鎖し、生産ラインはメキシコへ移転。メキシコ工場は従業員2,300 名(2009年12月末時点)となり、同社では最大人員を抱える工場となった。
商用車部品システム
-2009年12月期に計画されたリストラの実施は同年中に完了。主な施策のひとつがEnschede工場(オランダ)の閉鎖で、2009年11月までに生産ラインのEpila工場(スペイン)への移転を完了した。
開発動向
研究開発体制
-開発センターは本拠地ノルウェーKongsberg工場におかれている。研究開発活動
-2009年6月、電気自動車とハイブリッド自動車向けのドライブライン製品に関して、ノルウェーの2社と共同開発することで合意。提携パートナーは自動 車部品の開発メーカーのKongsberg Devotekと、再生可能エネルギーを扱うKongsberg Innovation。(2009年6月26日付プレスリリースより)設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | |
自動車部品システム | 7.8 | 18.7 |
商用車部品システム | 4.6 | 14.7 |
パワープロダクトシステム | 0.4 | 3.8 |
社内調整 | 0.0 | 2.1 |
合計 | 12.8 | 39.3 |