Hyundai Mobis Co., Ltd.[現代モービス (株)] 2017年12月期の動向
業績 (連結) |
(単位:億ウォン) |
2017年 12月期 |
2016年 12月期 |
増減率 (%) |
備考 |
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売上高 | 351,445 | 382,617 | (8.1) | -韓国内外でSUV等の車種増加およびアフターマーケット用部品の販売で売上は好調だったが、新規拠点の初期費用、品質向上の費用増加等の影響を受けて営業利益は減少。 -2016年12月期はモジュール事業の売上が315,748億ウォンで、全体の82.5%を占める。 |
営業利益 | 20,249 | 29,046 | (30.2) | |
当期純利益 | 15,577 | 30,400 | (48.7) | - |
国内事業
自動駐車技術を量産
-同社が独自開発したブレーキおよび自動駐車の技術を量産に適用し本格的に供給を開始する。それに先立って現代モービスは、韓国の天安 (Cheonan) 工場および鎮川 (Jincheon) 工場において、次世代の電動統合型回生ブレーキシステム (iMEB : integrated MOBIS Electronic Brake) およびリモート全自動パーキングシステム (RSPA : Remote Smart Parking Assist) の量産準備を完了した。iMEBの制御部には、前方追突防止支援システム (FCA : Front Collision Avoidance)、アダプティブクルーズコントロールシステム (ASCC : Advanced Smart Cruise Control) などのADAS機能に加えて、電動パーキングブレーキ (EPB : Electronic Parking Brake) を統合させた。一方のRSPAは駐車時の変速、ハンドリング、加減速を自動化したほか、スマートキーによるリモートコントロール機能を追加している。現代モービスはまず、このiMEBおよびRSPAを環境対応車向けに量産するとともに、今後は内燃機関自動車にも供給範囲を拡大する計画。(2018年2月6日付プレスリリースより)
海外事業
<インド>
-同社は設立10周年を迎えたインド研究所を、マルチメディア、DAS (運転補助システム)、自律走行など、未来型自動車向けソフトウェアの専門研究所として育成するという方針を明らかにした。同研究所では今後、ソフトウェアの設計能力を高度化するとともに、韓国の龍仁に位置する研究所との緊密な協力を通じて、ソフトウェア開発を加速させる計画。なお、現代モービスのインド研究所は、スマートクルーズコントロール (SCC)、車線維持補助システム (LKAS)、半自動駐車支援システム (SPAS)、エアバッグ制御装置 (ACU)、電子ブレーキシステム (MEB4) などのソフトウェア開発と検証を主導しており、同社のISO26262認証取得に貢献した。(2017年4月13日付プレスリリースより)
受注
<北米および中国>
-2017年に入って北米および中国市場で約5兆3千億ウォン (48億米ドル) 規模の部品を受注したと発表した。同社が北米で受注したのは、ピックアップトラック用シャシーモジュール、電装部品であるDCSD (Disassociated Center Stack Display)、ICS (Integrated Center Stack) の3点。また、中国ではカーオーディオ用の外付けアンプ、電子式パーキングブレーキ (EPB)、リアランプを受注している。(2017年9月25日付プレスリリースより)
研究開発拠点
拠点名 | 所在地 |
麻北 (Mabuk) 技術研究所 | 韓国 京畿道 龍仁 (Yong-in) 市 |
義王 (Uiwang) 研究所 | 韓国 京畿道 義王 (Uiwang) 市 |
上海R&Dセンター | 中国 上海 |
デトロイトR&Dセンター | 米国 ミシガン州デトロイト |
フランクフルトR&Dセンター | ドイツ フランクフルト |
インドR&Dセンター | インド ハイデラバード |
研究開発費
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(単位:百万ウォン) |
2017年12月期 | 2016年12月期 | 2015年12月期 | |
金額 | 769,569 | 696,779 | 625,788 |
対売上高比率 | 2.2% | 1.8% | 1.7% |
研究開発活動
双方向充電器 (Bi-directional On Board Charger)
-同社はV2G (Vehicle To Grid) 実現に必要な電気自動車搭載用の双方向充電器 (Bi-directional On Board Charger) を韓国で初めて開発した。V2GはEV、PHEVなどを電力網と接続し、走行後に残った電気を電力網に再送電するもの。これにより、電気自動車が動くエネルギー貯蔵装置 (ESS: Energy Storage System) としての役割を果たす。(2017年8月16日付プレスリリースより)
製品開発
-同社は世界初のパノラマサンルーフ用エアバッグシステムを開発したと発表した。事故時に乗員がサンルーフから車外に放り出されるのを防止し、傷害を軽減できるという。サンルーフの内側に設置されるこのエアバッグは、車両の後部から前方に向かって展開する。側面衝突時に車の窓沿いに展開するカーテンエアバッグと似た仕組みで、横転事故によって車両の回転角が変わるとセンサーが検知し、インフレーターがエアバッグを膨らませる。展開完了までに要する時間は0.08秒。(2017年12月29日付プレスリリースより)
-同社は後方走行支援技術を開発した。同社が今回開発したのは、車が前進する時の速度と走行ルートをコンピューターに保存し、バックする際そのデータに基づき計算を行って自動的にハンドルを切る技術。同社は今後、カメラやレーダーセンサーなどを追加し、始動や制動もサポートする完全後方自律走行技術を開発する計画。(2017年11月21日付プレスリリースより)
技術提携
-同社は韓国のSamwha ElectronicsおよびAmogreentechと共同で軟磁性コアの国産化開発に成功した。軟磁性コアは環境対応車用のバッテリー充電器 (OBC) と低電圧直流変換装置 (LDC) に使用される中核素材。今回の共同開発は、現代モービスが開発企画、仕様確定、素材開発、実車信頼性の検証などを主導した一方、Samwha ElectronicsおよびAmogreentechがプロセス開発と試作を担当した。なお、Samwha Electronicsは2016年末から、エネルギー損失率と価格競争力を改善したフェライトコアを現代自動車「Sonata Hybrid」など5車種向けに量産供給している。一方、Amogreentechは価格競争力を大幅に高めたナノ結晶粒リボンコアを2016年末に開発しており、2018年の量産に向けて準備している。(2017年11月29日付プレスリリースより)
設備投資額 |
(金額:億ウォン) |
品目 | 投資効果 | 2017年 12月期 |
2018年 12月期 (計画) |
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国内法人 | 工場新設・補完投資 等 | 生産設備増設により 稼働率向上 等 |
4,032 | 5,771 |
海外法人 | 2,603 | 3,865 | ||
合計 | - | - | 6,635 | 9,636 |
海外投資
<チェコ>
-同社はチェコのモシュノフにランプ工場を新設し、量産を開始した。同工場ではヘッドランプとリアランプをそれぞれ年間75万個生産し、現代自動車のチェコ工場および起亜自動車のスロバキア工場に供給する。なお、今回の設備投資額は約1,400億ウォン。(2017年4月19日付プレスリリースより)