現代モービス 2006年12月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:億ウォン) |
2006年 12月期 |
2005年 12月期 |
増減率 |
要因 |
|
売上高 | 81,680 | 75,477 | 8.2% | 2006年度は起亜New Carens、現代Avante、現代Veracruz向けにモジュールやコア部品の納入を開始し、OEM市場でのシェア増加とコア部品の納入数増加が増収に繋がった。今年度は過去最高の売上高を記録。 |
営業利益 | 8,166 | 7,860 | 3.9% | - |
経常利益 | 10,228 | 10,532 | (2.9%) | - |
純利益 | 6,867 | 7,896 | (13.0%) | - |
韓国動向
-2006年2月、同グループの現代オートネットに対し、カートロニクス研究所を386億8,749万ウォンで売却すると発表。「同業種の研究開発活動を統合することにより、グループ内の効率性を高めるのが狙い」と同社は説明。
-2006年3月、子会社KASCOのCBS(油圧ブレーキシステム)新工場が起工式を開催。なお、2007年6月に同社はKASCOを吸収合併。
>>> 詳細は設備投資 参照
-2006年5月、京畿道の浦升(Poseung)に位置するMDPS(モーター駆動電子制御ステアリングシステム)工場がフル稼働を開始。現代自動車のHD(新型Avante)を皮切りに、現代・起亜の全車種に同工場から部品が供給される。2006年は15万ユニット、2007年は75万ユニット、そして2010年には200万ユニットの納入が見込まれている。
海外動向
米国
-米国オハイオ州トレドに位置するDaimlerChryslerのサプライヤーパーク内に建設された、同社のモジュール工場(Ohio
Module Manufacturing Company)が、2006年6月に本格稼動を開始。同工場ではJeep Wrangler向けのコンプリートシャシーモジュールを生産している。
中国
-2006年3月、江蘇摩比斯汽車零部件有限公司[Jiangsu Mobis Automotive Parts Co., Ltd.]が第2工場の起工式を開催。
>>> 詳細は設備投資 参照
-2006年9月、北京摩比斯変速機有限公司[Beijing Mobis Transmission Co., Ltd.]の第2工場がパイロット生産を開始。2007年1月より大量生産に乗り出し、同工場で生産されるマニュアルトランスミッションは現代Verna、現代Avante、起亜Pride向けに納入される予定。
スロバキア
-2006年12月より、起亜自動車スロバキアの戦略車Cee'd向けにシャシーモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール、バンパー等を供給開始。
開発動向
名称 | 所在地 |
竜仁(Yong-in)技術研究所 | 韓国 竜仁(Yong-in) |
上海R&Dセンター | 中国 上海 |
デトロイトR&Dセンター | 米国 デトロイト |
フランクフルトR&Dセンター | ドイツ フランクフルト |
研究分野
事業部門 | 内容 |
モジュール |
モジュール部品開発 -シャシーモジュール開発 -運転席モジュール開発 -フロントエンドモジュール開発 システム部品開発 -CBS/ABS/ESC部品開発 -MDPS/プロペラシャフト/パワーステアリングポンプ -エアバッグシステム開発 先行研究開発 -燃料電池自動車用 部品開発 -部品開発用 新素材開発 -海外完成車メーカー モジュール開発 モジュール設備開発 -シャーシ/運転席/フロントエンド設備開発 部品設備開発 -CBS/ABS/ESC/MDPS/ABS設備開発 -射出およびIP設備開発 部品金型開発 -射出およびIP金型開発 |
部品 | - 自動車用部品開発 - ディーゼル車排出ガス低減装置開発 |
研究開発費 | (単位:億ウォン) |
- | 2006年度 | 2005年度 |
2004年度 |
金額 | 806 | 983 | 880 |
対売上高比 | 0.99% | 1.30% | 1.37% |
主な研究開発活動(2006年度)
-電子制御式ブレーキの世界市場でトップを目指し、次世代ブレーキシステム(FBS)を開発中。2006年度はスウェーデンとスペインにて様々な性能テストを実施した。
-韓国の素材メーカー Hosung Chemexとの5年間に渡る共同開発の末、2006年10月に環境負荷の少ない素材であるTPUの開発を発表。この素材は耐久性、耐熱性に優れるだけでなく、無臭で再利用が可能。韓国メーカー各車種のコックピットモジュール全般に同素材を採用することにより、同社は今後5年間で5,000億ウォンを超える売上増加を見込んでいる。
主な研究開発実績
研究課題 | 研究結果 等 |
ステアバイワイヤ | 次世代車両のXバイワイヤーステアリングシステム開発 |
センターフェイシア(ダッシュボード)モジュールの開発 | センターフェイシア部の電装および意匠部品の統合モジュール開発 |
アルミニウム部品の開発 | シャシーモジュール アルミニウム部品開発 (押出成形/複合成形 他) |
乗員検知感知システムの独自開発 | アドバンストエアバッグの乗員検知感知システムに関する独自ロジックおよびシステム開発 |
EPB(電子式駐車ブレーキ)開発 | 性能シミュレーションプログラム開発(静・動的駐車制動力計算) 部品設計/ロジック開発(制御ロジック&フェイルセーフ) |
対向型キャリパーの開発 | 部品設計/解析(最適化方案の確立) 独自モデルおよび製品製作 |
バンパー | シミュレーションを通じた最適化設計、製品製作 |
水性塗料の開発 | VOC(揮発性有機化合物)等、環境課題の解決 |
ディーゼル車用排出ガス低減装置の開発(DePF、DeOC) | -大型ディーゼル車用連続再生式DPFが日本、韓国で認証取得、販売中 -小型ディーゼル車用DOCが韓国で認証取得、販売中 |
フェンダープラスチック技術の開発 | 車体のフェンダースチールをプラスチックに代替、BHフェンダー金型の開発 |
射出最適プログラム技術の開発 | 均一な金型冷却の実現、製品最適プログラムの開発、プログラム検証用の金型開発、成形サイクルタイムの短縮 |
HARD IP無塗装技術の開発 | 無塗装金型の開発、外観品質の改善 |
超微細発泡成形技術の開発 | 部品軽量化、材料費節減 |
技術導入契約
相手方 (国名) |
契約内容 |
契約期間 |
TRW (英国) |
電動ステアリング装置 生産契約 |
2005年2月17日 ~ 2015年2月16日 |
設備投資
2006年3月、子会社KASCOのCBS(油圧ブレーキシステム)新工場が起工式を開催。慶尚南道の昌原(Changwon)に建設される新工場は年産100万台の生産キャパを持つ見込みで、同工場が完成すればKASCOのCBS生産規模は年産250万台に増強される。このCBS新工場への投資額は約500億ウォン。なお、2007年6月に同社はKASCOを吸収合併。
海外投資
中国
2006年3月、江蘇摩比斯汽車零部件有限公司[Jiangsu Mobis Automotive Parts Co., Ltd.]が第2工場の起工式を開催。この新工場には362億ウォンが投資され、2007年2月に完工予定。コックピットモジュール、フロントエンドモジュール、リアシャシーモジュール等、年間30万ユニットの生産能力を持ち、製品は東風悦達起亜自動車向けに納入される。