富士機工株式会社 2009年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
2009年
3月期
2008年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 92,943 116,324 (20.1) -ステアリング部品事業で株式会社ジェイテクト、シート部品事業で株式会社タチエスとのシナジー効果等あったが、第3四半期以降に顕著となった顧客各社の世界規模での販売不振と減産により減少。

<北米>
-ステアリング部品及びシート部品事業会社の販売の落ち込みにより減収。

<欧州>
-ステアリング部品事業会社の販売の落ち込みにより減収。

<その他地域(中国、インドネシア、タイ等のアジア地域)>
-ステアリング部品及びシート部品事業会社の販売が増加、並びにシフター部品事業会社の販売が寄与し、増収。
営業利益 (2,213) (43) -
経常利益 (3,600) (1,959) -
当期純利益 (3,720) (3,411) -
ステアリング部品事業
売上高 42,386 52,395 (19.1) -顧客各社の生産台数減少。
営業利益 (2,343) 214 -
シート部品事業
売上高 33,678 42,087 (20.0) -顧客各社の生産台数減少。
営業利益 (97) 1,534 -
シフター部品事業
売上高 7,144 7,923 (9.8) -顧客各社の生産台数減少。
営業利益 99 (131) -
機関駆動部品事業
売上高 5,301 6,297 (15.8) -顧客各社の生産台数減少。
営業利益 102 328 (68.9)
大型車部品事業
売上高 1,338 1,720 (22.2) -顧客各社の生産台数減少。
営業利益 54 15 (64.0)
その他自動車部品事業
売上高 1,063 1,278 (16.8) -
営業利益 (37) 80 - -


リストラクチュアリング
-役員報酬などの一部返上や人員削減などを盛り込んだ緊急対策を実施すると発表。静岡県湖西市の本社部門も新居事業所に移転するとともに、土地・建物も売却。国内外の生産拠点も統廃合する。(2009年2月5日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全体 1,528 1,301 1,394
自動車部品 1,491 1,238 1,371
-ステアリング部品 581 453 498
-シート部品 573 514 525
-シフター部品 139 117 168
-機関駆動部品 136 101 116
-大型車部品 34 29 32
-その他自動車部品 26 21 29

-研究開発には345名が携わっており、うち自動車部品事業は330名。

-2009年3月末時点の産業財産権は、全て自動車部品事業に係るもので、総数は148件。


研究開発活動
ステアリング部品
-ステアリングコラムに要求される機能・性能を最も合理的な機構・構造で実現するために、塑性加工技術の水準向上をはかりコスト低減、軽量化及び安全性・商品性の向上に取り組んでいる。

-グローバル化に対応し、日、米、欧の三極開発体制強化を図り、米国・欧州の顧客も考慮した競争力の強化と品揃えの充実に取り組んでいる。

-自動車メーカー及びシステムメーカーと走行性能向上に関する将来技術、製品の開発を共同で実施。

-株式会社ジェイテクトとは、開発スピードの短縮等シナジー効果を狙って、ジェイテクト設計陣の受入れによる共同開発を実施。

シート部品
-シートのリクライナー、ハイトアジャスター、スライドをはじめとするシート機能のコア部品開発及びシステム開発を実施。環境対策と安全・快適性ニーズの高まりを受けて、小型・軽量・高強度・高機能化とコスト低減活動に取り組み中で、車両の使い勝手向上のためRV車等のシートアレンジ対応製品開発にも取り組み、多様化してきた顧客の要望に沿う製品を開発中。

-株式会社タチエスとは、開発スピードの短縮等シナジー効果を狙って、タチエス設計陣の受入れによる共同開発を実施。

シフター部品
-A/Tシフターの構造合理化によるコスト低減・軽量化に取り組み一段の競争力強化を図るため、普及型シフター開発に取り組んでいる。

-操作感、操作音などの操作フィール改善を図る商品力向上対応にも継続的に取り組んでいる。

-将来の小型化対応に備えた商品開発も推進中。

機関駆動部品
-プーリー、ドライブプレート等の機関駆動部品については、板材の増肉成形工法やすり割り成形工法に代表される独自の塑性加工技術と解析技術、ノウハウを活用し、市場の板金化へのニーズに対応した各種形状プーリーの開発に継続的に取り組んでいる。

大型車部品
-M/T、A/Tコントロール部品を中心に、顧客の仕様を基本とした開発に取り組んでいる。


技術導入(2009年3月現在)
国名 契約先 内容 契約期間
ドイツ Keiper GmbH&Co. シートリクライニングメカニズム及び
ヘッドレストアジャスターの製造技術
1987年9月25日-
2009年4月11日
(自動継続)
くさび使用タイプ・シートリクライニング
メカニズムの特許実施権
1997年4月18日-
2010年3月31日
(自動継続)
ドイツ Winkelman Pannhoff GmbH 一体成型ドライブプレートの製造技術 1996年1月29日-
2010年1月28日
(自動継続)
リヒテンシュタイン ThyssenKrupp Presta AG ステアリング・コラムの特許クロス
ライセンス契約
2007年7月30日-
2017年4月17日
*ThyssenKrupp Presta AGとの契約については、下記技術供与の内容も含まれている。


技術供与(2009年3月現在)
国 名 契約先 内 容 契約期間
台湾 台湾厚木工業股份有限公司
(Taiwan Atsugi Co., Ltd.)
ステアリング・コラムの製造技術 1992年10月6日-
2009年10月5日
(自動継続)
台湾 常裕富士機工股份有限公司
(Joyu-Fuji Machinery Co., Ltd.)
ATデバイス・MTリンケージ・
プーリーの製造技術
1996年10月8日-
2009年10月7日
(自動継続)
タイ Thai Steel Cable Co., Ltd. ウインドウ・レギュレーターの製造技術 2000年1月12日から10年間
マレーシア Auto Parts Manufacturers
Co. SDN. BHD
シート・リクライニング装置及び
シート・リフター装置の製造技術
2003年3月25日から5年間
(その後自動継続)
中国 協富光洋(厦門)機械工業有限公司
(Shye Fu Koyo (Xiamen) Mechanical Industry Co., Ltd.)
ステアリング・コラム及び
中間シャフトの製造技術
2005年12月1日から5年間
(その後自動継続)
米国 Douglas Autotech Corporation ステアリング・コラム及び
ATデバイスの製造技術
2006年4月1日から5年間
又は該当車種の製造期間
米国 Fuji Autotech U.S.A L.L.C. シート・リクライニング、シート・リフター
及びシート・スライド機構の製造技術
2006年4月1日から5年間
又は該当車種の製造期間
チェコ Fuji Koyo Czech s.r.o. ステアリング・コラム及び
中間シャフトの製造技術
2006年4月1日から5年間
又は該当車種の製造期間
フランス Fuji Autotech France S.A.S. シート・リクライニング、シート・リフター
及びシート・スライド機構の製造技術
2006年4月1日から5年間
又は該当車種の製造期間
インドネシア PT. Autotech Indonesia ステアリング・コラム及び
中間シャフトの製造技術
2006年4月1日から5年間
又は該当車種の製造期間
中国 広州富士機工汽車部件有限公司
(Fuji Autotech Guangzhou Co., Ltd.)
シート・リクライニング、シート・リフター
及びシート・スライド装置の製造技術
2007年1月1日から9年間
タイ Summit Fujikiko Kurata Manufacturing Co., Ltd. ステアリング・コラム及び
中間シャフトの製造技術
2007年1月1日から5年間
又は該当車種の製造期間
インド Sona Fuji Kiko Automotive Ltd. ステアリング・コラム及び
中間シャフトの製造技術
2008年2月28日から7年間又は該当車種の製造期間
台湾 信昌機械廠股份有限公司
(Hsin Chong Machinery Works Co., Ltd.)
シート・リクライニング機構の製造技術 2008年3月18日から5年間又は該当車種の製造期間

設備投資

設備投資額 (単位:百万円)
2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全体 3,587 9,581 7,165
自動車部品事業
-ステアリング部品 2,343 6,086 3,303
-シート部品 617 1,286 3,234
-シフター部品 - 1,590 245
-その他自動車部品 627 618 382

-自動車部品事業(ステアリング部品事業、シート部品事業)を中心に、新規受注、モデルチェンジによる新製品製造対応の生産体制整備等を実施。


設備の新設計画 (自動車部品生産設備) (単位:百万円)
会社名
事業所名
所在地 事業 投資予定
金額
着手 完了 完成後の
増加能力
富士機工
鷲津工場
静岡県
湖西市
シート部品事業、
機関駆動部品事業
1,123 2008年
7月
2010年
3月
変動なし
富士機工
新居工場
静岡県
浜名郡
ステアリング部品
事業
380 2008年
7月
2010年
3月
変動なし
富士機工
本庄工場
埼玉県
本庄市
シフター部品事業、
大型車部品事業
108 2008年
7月
2010年
3月
変動なし
Fuji Autotech France S.A.S フランス
バランティネ市
ステアリング部品
事業
288 2009年
1月
2009年
12月
変動なし
Douglas Autotech Corporation 米国
ミシガン州
ステアリング部品
事業
244 2009年
1月
2009年
12月
変動なし


設備の改修 (自動車部品生産設備) (単位:百万円)
会社名
事業所名
所在地 事業 投資予定金額 着手 完了 完成後の
増加能力
富士機工
新居工場
静岡県浜名郡 ステアリング部品事業 37 2009年
3月
2010年
3月
変動なし