八千代工業 (株) 2019年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2019年 3月期 |
2018年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
全社 | ||||
売上収益 | 161,160 | 165,562 | (2.7) | -日本およびアジアでの受注増はあったが、米州および中国における受注減や、メキシコで発生した主要顧客の生産休止影響などにより減収。 |
営業利益 | 701 | 9,369 | (92.5) | -減収に伴う利益減や、米国子会社の生産安定化対応の追加費用、一部燃料タンクの不具合によるリコール関連費用計上などにより減益。 |
税引前利益 | 928 | 9,223 | (89.9) | |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | (4,335) | 4,796 | - |
完成車事業の譲渡
-同社は2018年2月20日、ホンダへの完成車事業の譲渡に伴って、経営資源を部品事業に集中、拡大していくため、生産機能などを強化する組織改正を4月1日付で実施すると発表した。自動車部品の生産機能を強化するため、グローバルで生産現場を束ねる「生産本部」を新設する。同時に、現在の事業管理本部の業務は生産本部に移管する。八千代工業は今年4月に完成車事業をホンダに譲渡することで合意した。これに伴って八千代工業は自動車部品事業に経営資源を集中して持続的な成長を図る方針で、グローバルで部品生産体制を強化する組織体制を構築する。(2018年2月22日付日刊自動車新聞より)
事業動向
-中国の現地自動車メーカー向けに対応力を強化するため、広東省・中山に置く中国拠点の開発力を高める。2019年度に駐在スタッフの増員などで中国拠点の開発、営業力を充実させる。ホンダ向けにとどまらず、コスト要求の厳しい中国市場で闘える競争力の高い製品開発を進める。中長期的には、成長市場であるインドなどへの横展開も視野に入れ、グローバルスタンダード製品を中国から発信していくことも検討していく。同社の中国拠点は湖北省・武漢と広東省・中山の2カ所に展開し、主に燃料タンクとサンルーフを生産している。ホンダとの取引に加え、吉利汽車にサンルーフを供給するなど、現地メーカーへの拡販ルートを確保している。(2019年4月23日付日刊自動車新聞より)
-米生産子会社のUSヤチヨ(オハイオ州)で樹脂製燃料タンクの生産体質改革に乗り出す。約28億円を投じて、建屋を一部拡張するとともに、新しい製造方法に対応した新型成形機に更新する。USヤチヨは老朽化している設備で増産を続けてきたことから収益率が悪化している。樹脂製燃料タンクの需要拡大が見込まれることから本格的な設備投資に踏み切って収益を確保する。既存の設備のメンテナンスを継続しながら20年初頭には新型成形機を本格稼働して生産効率を向上して収益率の改善を図る。樹脂製燃料タンクは軽量化や燃料蒸散量低減など、高機能化している。同社では、今後、プラグインハイブリッド車(PHV)向け電動車用タンクの開発・製造も視野に入れている。生産体質改革を断行することで、これら高機能樹脂製タンクを米国製造拠点でも柔軟に製造できる体制を整える。(2018年5月11日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
- 国内・海外の排ガス規制対応の二輪車用メタルハニカム高密度セル担体の開発
- 新構造樹脂製燃料タンクの研究と開発
ー外装部品を中心に新規樹脂部品を開発する。自動車部品の軽量化ニーズの高まりを受け、新規樹脂部品で2、3種類を開発する予定で、2025年までに量産化技術の確立を目指す。外装部品は車両の電動化が加速してもなくならず、今後も軽量化が要求され続ける。同社は自社が保有する樹脂領域のコア技術を生かし、新規部品への参入を狙い、新規事業として成長させる方針だ。一方で、燃料電池車(FCV)用の国産樹脂タンクの生産技術開発に注力しているほか、プラグインハイブリッド車(PHV)向け樹脂タンクの開発も進めている。(2019年4月9日付日刊自動車新聞より)
- 新型サンルーフおよび周辺技術の研究と開発
- 自動車部品の環境対応技術の研究と開発
- 福祉車両の運転補助装置の研究と開発
研究開発拠点
拠点名 | 所在地 | 内容 |
第1研究開発部 (栃木研究所) |
栃木県さくら市 | 量産車に搭載する燃料タンク、サンルーフなどのシステム・製品の開発。 |
第2研究開発部 (埼玉研究所) |
埼玉県狭山市 | 次世代研究開発。2012年4月設立。 |
合志技研工業 | 熊本県合志市 | 二輪車部品 |
北米研究開発センター (Yachiyo of America Inc.) |
米国オハイオ州 | 北米生産のサンルーフ、燃料タンクなどの設計、試験研究。2008年7月設立。 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2019年3月期 | 2018年3月期 | 2017年3月期 | |
全社 | 4,282 | 4,305 | 3,838 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2019年3月期 | 2018年3月期 | 2017年3月期 | |
日本 | 3,308 | 3,114 | 2,431 |
米州 | 3,580 | 2,402 | 989 |
中国 | 3,356 | 2,083 | 1,317 |
アジア | 2,982 | 1,860 | 1,601 |
その他の地域 | 1 | - | - |
合計 | 13,227 | 9,460 | 6,340 |
-2019年3月期実績: 新規受注対応、能力拡充、設備更新および試験装置等
設備の新設計画 |
(2019年3月31日現在) |
会社名・事業所名/ 所在地 |
設備の内容 | 投資予定総額 (百万円) |
着手 | 完了予定 | 備考 |
柏原工場 (埼玉県狭山市) |
生産関連設備 | 628 | 2018年3月 | 2020年3月 | 新規受注対応、設備更新等 |
鈴鹿工場 (三重県鈴鹿市) |
生産関連設備 | 504 | 2019年3月 | 2020年3月 | 設備更新、新規受注対応 等 |
亀山事業所 (三重県亀山市) |
生産関連設備 | 461 | 2019年5月 | 2020年3月 | 能力拡充、設備更新等 |
本社 (埼玉県狭山市) |
事務管理施設 | 148 | 2019年6月 | 2020年3月 | 設備更新、環境改善等 |
栃木研究所 (栃木県さくら市) |
研究開発設備 | 145 | 2018年9月 | 2020年1月 | 試験装置等 |
埼玉研究所 (埼玉県狭山市) |
研究開発設備 | 578 | 2018年10月 | 2020年3月 | 試験装置、省力・合理化等 |
合志技研工業株式会社 (熊本県合志市) |
生産関連設備、研究開発設備 | 892 | 2019年4月 | 2020年3月 | 設備更新、試験装置、新規受注対応等 |
株式会社ウエムラテック (熊本県球磨郡) |
生産関連設備 | 146 | 2019年4月 | 2020年3月 | 設備更新、省力・合理化等 |
株式会社合志テック (熊本県合志市) |
生産関連設備 | 305 | 2019年4月 | 2020年3月 | 設備更新、新規受注対応等 |
US Yachiyo, Inc. (米国 オハイオ州) |
生産関連設備 | 4,084 | 2018年3月 | 2020年1月 | 設備更新、新規受注対応等 |
Yachiyo Manufacturing of America, LLC (米国 ジョージア州) |
生産関連設備 | 1,241 | 2019年3月 | 2020年12月 | 設備更新、省力・合理化等 |
AY Manufacturing Ltd. (米国 オハイオ州) |
生産関連設備 | 500 | 2019年4月 | 2020年3月 | 能力拡充、新規受注対応等 |
八千代工業 (中山) 有限公司 [Yachiyo Zhongshan Manufacturing Co., Ltd.] (中国 広東省) |
生産関連設備 | 2,182 | 2019年4月 | 2020年2月 | 新規受注対応、能力拡充等 |
八千代工業 (武漢) 有限公司 [Yachiyo Wuhan Mfg. Co., Ltd.] (中国湖北省) |
生産関連設備 | 1,493 | 2019年4月 | 2020年3月 | 新規受注対応、能力拡充等 |
Siam Goshi Manufacturing Co., Ltd. (タイ ラヨン県) |
生産関連設備 | 753 | 2019年4月 | 2020年3月 | 新規受注対応、設備更新等 |
Goshi-Thanglong Auto-Parts Co., Ltd (ベトナム ハノイ) |
生産関連設備 | 857 | 2019年4月 | 2020年3月 | 省力・合理化、設備更新等 |
Yachiyo India Manufacturing Private Ltd. (インド ラジャスタン州) |
生産関連設備 | 1,249 | 2019年4月 | 2020年3月 | 能力拡充、新規受注対応等 |
主要分野の売上収益見通し |
(単位:億円) |
2020年3月期 (予想) |
2019年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
自動車部品 | 1,580 | 1,612 | (2.0) |
-サンルーフ | 450 | 483 | (6.8) |
-燃料タンク | 463 | 395 | 17.2 |