日清紡ホールディングス (株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 325,555 242,409 34.2 -
営業利益 19,842 3,569 455.9 -
経常利益 25,268 9,548 164.6 -
当期純利益 11,184 1,896 489.8 -
ブレーキ製品
売上高 46,118 41,045 12.3 -上期はエコカー減税や補助金政策により国内自動車販売台数が増加したため、受注が大幅に伸びた。下期はエコカー補助金終了に伴う反動減や東日本大震災によるカーメーカーの一部操業停止の影響があったが、年度を通じて好調に推移した輸出にも支えられ、増収増益。
営業利益 5,090 3,879 31.2
エレクトロニクス製品
売上高 112,820 51,699 118.2 -株式公開買付け(TOB)により子会社化した日本無線に加えて実質支配力基準により子会社として長野日本無線が第4四半期から連結範囲に加わったことにより、大幅な増収増益。
営業利益 6,183 (2,654) -
化学品
売上高 7,283 6,308 15.4 -
営業利益 (294) (512) - -
精密機器
売上高 32,020 24,907 28.5 -自動車向け精密部品加工は需要回復とコスト削減により増収増益。
営業利益 1,413 (526) -

企業買収

-持分法適用会社の日本無線を子会社化すると発表した。年末までにTOB(株式公開買付け)を実施し現在の34.02%の出資比率を50%超に引き上げる。 資本関係の強化を機に同社のメカトロニクスの強みと日本無線のエレクトロニクスのノウハウを一体化する基盤を整え環境、エネルギー分野の事業強化に結び つける。日清紡が中期経営計画で力を入れている太陽電池の製造装置、燃料電池のセパレーター、ハイブリッド車および電気自動車向けの電気二重層キャパシタ とともに、スマートグリッド(次世代送電網)などに重点を置き早期の相乗効果の創出を目指す。 (2010年11月10日付日刊自動車新聞より)

合弁事業

-100%子会社である日清紡ブレーキが韓国の上場子会社セロンオートモーティブと合弁で中国・上海近郊に自動車用摩擦材 製造・販売会社を設立すると発表した。中国ではセロンオートモーティブの子会社である賽龍(北京)汽車部件有限公司が摩擦材生産設備の増強を進めている が、現地市場の拡大に対応して新たな生産拠点を合弁で設立することにした。新会社の日清紡賽龍汽車部件有限公司(仮称)の資本金は約10億8千万円で、持 株比率は日清紡ブレーキとセロンオートモーティブが各50%。設立予定は9月で、事業計画は現在策定している。(2010年7月27日付日刊自動車新聞より)

2012年3月期業績予想

(単位:百万円)
  2012年3月期
(計画)
2011年3月期
(実績)
売上高 405,000
325,555
-ブレーキ 46,500
46,118
-エレクトロニクス 194,600
112,820
-化学品 7,800
7,283
-精密機器 31,900 32,020
営業利益 14,000
19,842
経常利益 18,000
25,268
当期純利益 12,000
11,184

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 11,608
8,817 11,932
ブレーキ製品 2,948
2,915 3,755
エレクトロニクス製品 7,025
4,538 6,095
化学品 352
455 980
精密機器 299 151 -

研究開発拠点

ブレーキ製品
開発センター、実験センター(館林事業所内) 群馬県邑楽郡
化学品
中央研究所 千葉県千葉市

研究開発活動

ブレーキ製品
1. ローカル化を踏まえたグローバル事業戦略の推進
2. 価格競争力のある差別化商品の開発
3. 将来技術動向を踏まえた開発体制の整備
4. 連結経営体制の確立
5. 事業リスクへの確実な対応
6. グローバル人材の育成
を品質目標に製品・技術の開発に取り組む。

<摩擦材>
-重要保安部品としての高い安全性の確保、音・振動などの顧客への対応、銅規制等に対応した環境負荷物質低減材質の開発。

-海外子会社への開発支援体制の強化や、開発・製造・生産技術の連携による原価低減活動を促進し、競争力強化を図っている。

<ブレーキ>
-グローバルビジネスの受注・拡大のため、海外子会社への開発支援体制を強化するとともに、海外技術提携先との協業を推進。

-環境対応技術の実用化や、将来を見据えた新技術の実用化にも注力。

-部品の標準化、開発業務の効率化を進め、開発段階からの原価低減により競争力強化を図っている。

エレクトロニクス製品
<日本無線グループ>
海上機器、通信機器、ソリューション・特機などの各事業セグメントにおいて、中長期的な基礎研究から、事業活動に直結した新技術の開発まで、総合的な研究開発活動を行っている。
<新日本無線グループ>
半導体製品やレーダー、衛星通信、地上通信向けマイクロ波関連製品の企画、設計から生産技術に至るまでの総合的な研究開発を行っている。

化学品
<燃料電池部門>
-カーボンの特長を生かした燃料電池セパレータの高性能化の研究開発に取り組んでいる。

<キャパシタ部門>
-電気二重層キャパシタの耐久性向上を進め、展開中。

主な技術導入契約

(2011年3月31日現在)

会社名
(国名)
内容等 締結年月
(有効期間)
TMD Friction Holding GmbH
(ドイツ)
ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術及び原料配合に関するノウハウの提供並びに製品の販売に対する援助(クロスライセンス契約) 1991年11月から10年間
(2001年11月以降1年毎自動延長)
TRW Automotive Inc.
(英国)
乗用車用ドラムブレーキアッセンブリィ、ブレーキバルブ及びその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供並びに製品の販売に対する援助(クロスライセンス契約) 2009年10月 - 2012年10月
Meritor Heavy Vehicle Braking Systems (UK) Limited.
(英国)
ディスクブレーキアッセンブリィ、ドラムブレーキアッセンブリィ及びその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供 2003年11月 - 2008年11月
(2008年11月以降1年毎自動延長)

主な技術供与契約

(2011年3月31日現在)

会社名
(国名)
内容等 締結年月
(有効期間)
Rane Brake Linings Limited
(インド)
ブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェーシングの製造技術、原料配合及び製造設備技術情報に関するノウハウの提供 2010年1月 - 5年間
TMD Friction Holding GmbH
(ドイツ)
ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術及び原料配合に関するノウハウの提供並びに製品の販売に対する援助(クロスライセンス契約) 1991年11月から10年間
(2001年11月以降1年毎自動延長)
亨通機械股份有限公司
[Heng Tong Auto Parts Inc.]
(台湾)
ブレーキライニング、ディスクパッドの製造技術、原料配合及び製造設備技術情報に関するノウハウの提供提携製品の工場建設の指導 2010年12月 - 3年間
亨通機械股份有限公司
[Heng Tong Auto Parts Inc.]
(台湾)
ドラムブレーキ及びその部品の設計並びに製造技術に関するノウハウの提供 2010年6月 - 3年間
TRW Automotive Inc.
(英国)
乗用車用ドラムブレーキアッセンブリィ、ブレーキバルブ及びその部品の設計ならびに製造技術に関するノウハウの提供並びに製品の販売に対する援助(クロスライセンス契約) 2009年10月 - 2012年10月

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 12,800
13,027 16,872
ブレーキ製品 936
1,031 N.A.
エレクトロニクス製品 3,419
N.A. 2,843
化学品 N.A. 945 1,380

ブレーキ製品
- 連結子会社Saeron Automotive Corporation及び賽龍北京汽車部件有限公司 (Saeron Automotive Beijing Corporation)の摩擦材製造設備の増強等を中心に投資。

設備の新設計画(自動車関連)

(2011年3月31日現在)

会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
新日本無線(株)
川越事業所
(埼玉県ふじみ野市)
電子部品製造設備 1,584
2010年
12月
2012年
3月
-