TPR (株) 2017年3月期の動向
業績
(単位:百万円)
2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 175,398 | 174,628 | 0.4 | - |
営業利益 | 20,514 | 21,334 | (3.8) | - |
経常利益 | 23,313 | 24,134 | (3.4) | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,281 | 11,810 | 4.0 | - |
日本 | ||||
売上高 | 42,076 | 42,909 | (1.9) | - |
営業利益 | 5,663 | 6,919 | (18.2) | -円高による為替の影響で減益 |
アジア | ||||
売上高 | 32,580 | 32,191 | 1.2 | -中国での小型車減税による販売数量の増加が増益に寄与。 |
営業利益 | 10,834 | 10,031 | 8.0 | -中国での増産が寄与。 |
北米 | ||||
売上高 | 15,008 | 14,670 | 2.3 | -米国経済の好調により増収 |
営業利益 | 2,082 | 1,609 | 29.4 | - |
その他地域 (*1) | ||||
売上高 | 2,245 | 2,439 | (8.0) | -欧州市場での円高による為替の影響を受け減収 |
営業利益 | 517 | 538 | (3.9) | - |
ファルテックグループ | ||||
売上高 | 83,487 | 82,416 | 1.3 | -中国拠点の新規連結効果により増収。 |
営業利益 | 1,581 | 2,564 | (38.3) | -日本や英国子会社での新車立ち上げ費用増等により減益。 |
*1:欧州および南米の現地法人の事業活動
受注
-新開発のアルミ合金製ブレーキドラムが電気自動車(EV)向けに受注を獲得、2018年に供給開始する。新しいブレーキドラムは、軽量ながら鋳鉄製と同等の高い制動性能を確保できる。四輪すべてをアルミ合金製に置き換えた場合、車一台当たり約5キログラムの重量低減に貢献する。欧米自動車メーカー向けにも開発を進めており、20年にも実用化する計画だ。ドラムブレーキは、排気量1.3リットル級の小型車や軽自動車など、低価格モデルに採用されるケースが多い。高性能と軽量化を両立する製品として提案して受注拡大を狙う。(2017年2月24日付日刊自動車新聞より)
2018年3月期の見通し
(単位:百万円)
2018年3月期 (予測) |
2017年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 178,200 | 175,398 | 1.6 |
営業利益 | 22,000 | 20,514 | 7.2 |
経常利益 | 24,700 | 23,313 | 5.9 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,500 | 12,281 | 1.8 |
中期経営計画 「17中計」
-2015年、中期経営計画 (2016年3月期~2018年3月期) を発表。主な数値目標は以下の通り:
- 連結売上高:193,300百万円 (内、TPR分105,000百万円、ファルテック分88,300百万円)
- 営業利益:26,000百万円 (内、TPR分 20,400百万円、ファルテック分 5,600百万円)
-2017年3月期は中間年度であった。「革新と拡大(Innovation & Expand)をスローガンに掲げ、グローバルシナジーを発揮し更なる拡大を図り、「イノべーション企業」「グローバル多角化企業」「最高品質企業」の実現に向けて取り組んでいる。
長期目標
-2013年3月に東京証券取引所に上場を果たした株式会社ファルテックと力を合わせて、
「T&F GOAL2220」を目標として、以下の数字を掲げて邁進している。
- 連結売上高:220,000百万円
- 親会社純利益:20,000百万円
研究開発費
(単位:百万円)
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 5,335 | 4,736 | 3,858 |
-TPRグループ (ファルテック除く) | 2,770 | 2,568 | 1,881 |
-ファルテックグループ | 2,564 | 2,167 | 1,977 |
主要研究開発拠点
-技術センター (長野工場内、長野県岡谷市)
研究開発活動
-低フリクション化、熱制御、軽量化への取り組みに加え、排気ガスクリーン化、代替燃料 (バイオ、CNG) 使用に対応した新製品の開発を推進している。
-製品の高精度化に対応したインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、生産エネルギーの極小化へ対応した新工法の開発を進めている。
-海外拠点への新技術の移転構築、海外提携会社との協業による世界同一品質の実現、海外顧客への新製品および新技術PRを積極的に行っている。
-急速なEV化に対応し、非パワートレイン部品への取り組みを強化。アルミ、樹脂を中心とした軽量化複合製品とゴムを中心としたシール製品への新技術導入を積極的に実施している。
開発の主な成果
<パワートレイン部品>
- ピストンリング
-超低フリクション & 低LOCリングの開発 (低燃費対応)
-高機能オイルリングの製品化 (信頼性向上)
-ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応) - シリンダーライナー
-小型エンジン用小径薄肉、高熱伝導ライナーの製品化 (低燃費対応、信頼性向上)
-熱制御ライナーの製品化 (低フリクション対応)
-高強度ライナーの製品化 (信頼性向上) - バルブシート、バルブガイド
-高耐摩耗バルブシート材料の製品化 (代替燃料対応)
-バルブシート革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応)
-焼結バルブガイドの製品化
<非パワートレイン部品>
- アルミ製品
-新鋳造方案構築および設備導入実施による、4輪アフター向けアルミホイールの製品化
-遠心鋳造スパイニ形状FC材の応用による、アルミブレーキドラムの製品化 - 焼結機械部品
-ターボチャージャー用小径シールリング革新的コストダウンライン構築 (低価格対応) - 樹脂、ゴム製品
-変速機用樹脂シールリングの製品化
-電磁弁スプール樹脂化およびゴムシール部品の高精度化
設備投資額
(単位:百万円)
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
日本 | 3,986 | 3,891 | 3,357 |
アジア | 4,585 | 3,997 | 2,202 |
北米 | 378 | 623 | 582 |
その他 | 144 | 1,159 | 11 |
ファルテックグループ | 4,446 | 4,593 | 3,936 |
合計 | 13,541 | 14,266 | 10,089 |
-2017年3月期は、海外生産拠点の拡充整備を引き続き実施し、増産投資を中心に13,541百万円の設備投資を実施した。
設備の新設計画 (自動車関連製品事業)
(2017年3月31日現在)
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の内容・ 目的 |
投資予定 金額 (百万円) |
着手予定 年月 |
完了予定 年月 |
完成後の 増加能力 |
同社 長野工場 |
長野県 岡谷市 |
研究開発、ピストンリング生産設備等 | 4,000 | 2017年 4月 |
2018年 3月 |
生産能力に影響を及ぼさない |
ファルテック アメリカ社 |
米国 ジョージア州 |
自動車部品生産設備等 | 1,500 | 2017年 4月 |
2017年 12月 |
100%能力増強 |
TPR工業 (株) | 山形県 寒河江市 |
研究開発、シリンダーライナー生産設備等 | 1,100 | 2017年 4月 |
2018年 3月 |
生産能力に影響を及ぼさない |
安慶帝伯格茨缸套有限公司 [Anqing TP Goetze Liner Co., Ltd.] |
中国 安徽省 |
シリンダーライナー生産設備 | 1,000 | 2017年 1月 |
2017年 12月 |
15%増加 |
安慶帝伯粉末冶金有限公司 |
中国 |
焼結部品生産設備等 | 800 | 2017年 1月 |
2017年 12月 |
生産能力に影響を |