西川ゴム工業 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 70,721 60,384 17.1 -
営業利益 6,805 3,026 124.9 -グループ総コスト低減活動を強力に推進し、増益となった。
経常利益 7,151 3,140 127.7 -
当期純利益 4,483 1,655 170.9 -
自動車部品
売上高 66,281 55,799 18.8 1)
営業利益 6,154 2,482 147.9

要因
1) 自動車部品
-国内自動車生産が、2012年上期は政府による補助金制度が寄与し、補助金制度終了後の下期においても急激な需要後退とならず、通期実績は前年を若干上回る生産台数となった。

-海外における自動車生産台数は、北米市場が急速に回復したことに加え、アジア新興国での市場が堅調に拡大したことにより、対前年を大きく上回った。

中国民族系メーカーへ車体シール部品の納入開始

-中国の民族系メーカーから車体シール部品を受注し、2013年から供給を始める。同国の生産拠点ではこれまで、日系の合弁工場向けに車体シール部品を生産しており、民族系メーカーへの納入は初めての取り組みになる。同社は中国では上海市と広東省広州市で車体シール部品を生産している。上海ではトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダの合弁工場、広州ではホンダの合弁工場向けに製品を供給している。中国での安定した成長を可能にする事業基盤を構築するため、民族系メーカーとも取り引きを広げていきたい考えだ。 (2012年4月17日付日刊自動車新聞より)

クーパースタンダードとのアライアンスを維持

<メキシコ>
-同社は、米完全子会社「ニシカワ・オブ・アメリカ (NOA)」が20%を出資する「クーパー・スタンダード・オートモーティブ・メキシコ (CSM)」の持分を、合弁先であるクーパー・スタンダード・オートモーティブ (CSA) に譲渡した。2011年11月にNOAが設立した「ニシカワ・クーパー・メキシコ (NCM)」の中南米圏における基盤確立にめどが立ったため。CSMは1995年に設立、CSAが80%を、NOAが20%を出資していた。また、NCMでは2013年3月現在、NOAが100%を出資しているが、量産を開始する2013年中にCSAが20%を出資する予定で、西川ゴムとCSAのアライアンス関係を維持する。

-2013年2月、メキシコのグアナファト州シラオ市で、「ニシカワ・クーパー・メキシコ (NCM)」の開所式が行われた。

海外事業

<インドネシア>
-2013年1月、インドネシア共和国西ジャワ州スメダン県に現地企業と合弁で「PT・ニシカワ・カルヤ・インドネシア」を設立した。現地自動車市場の拡大に伴なう主要顧客のニーズに応えるため、現地の生産基盤の確立を目指す。新会社を足ががりに、自動車用ゴム・樹脂製品を中心にASEAN諸国への対応強化と製品拡販を狙う。資本金1,600万ドル (約12億5千万円) で西川ゴムが80%を、PT・カルヤ・プトラ・サンクリアンが20%を出資している。

<韓国>
-同社は、2012年8月31日付けで韓国孫会社の西川物産コリア株式会社を解散すると発表。西川物産コリアは2011年3月に設立され、自動車、土木、建築用ゴムおよびプラスチック製品の製造加工・販売を行っている。 (2012年8月23日付プレスリリースより)

2014年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2014年3月期
(予測)
2012年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 73,900 70,721 4.5
営業利益 6,700 6,805 (1.5)
経常利益 7,000 7,151 (2.1)
当期純利益 4,400 4,483 (1.9)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 250 214 230
自動車用部品 171 140 149

研究開発活動

化技術の開発
-軽量化のニーズに対し、シール材の中でも重量低減効果が高いグラスランチャンネルやドアインナーシール、トランクシールなどについては既に樹脂化、薄肉化および発泡化などの技術開発により、軽量化水準仕様を確立しており、量産および新モデルへの適用が拡大中。
-レス化、ハイブリッド化、モジュール化などによる、更なる軽量化への研究を実施。
-シール材についても、それぞれ軽量化改善を行っている。

防音性向上技術の開発
-ドアホールシールの防音性向上とドア部以外への発展を図るため、発泡技術の深耕や異種材料との複合化などの研究を継続実施しており、2013年3月期にはドア部以外で2つの防音新製品を上市した。
-ドア周りのシール材においては、コストパフォーマンス向上を狙って、防音性能を低下させない部品組合わせの最適化研究を推進。

環境対応技術の開発
-資源の有効活用を図るため、マテリアルリサイクルの検討を推進。
-材料のロス低減やシール材製造ラインの省エネ化、電気自動車 (EV) などの環境対応車に向けた次世代シール材の開発および植物由来資源を活用した新規材料開発を継続実施している。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 5,409 3,617 2,324
自動車用部品 5,305 3,483 -

自動車用部品
-主に、新製品のためのシール製品生産設備および原価低減を目的とした合理化投資のための生産設備に投資。

設備の新設

(2013年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了
予定
同社
白木工場
(広島市安佐北区)
自動車用シール製品および一般産業資材製品生産設備 424 2012年
12月
2014年
3月
安佐工場
(広島市安佐北区)
自動車用シール製品および一般産業資材製品生産設備 958 2012年
12月
2014年
3月
吉田工場
(広島市安芸高田市)
自動車用シール・内外装製品および住宅用外壁製品生産設備 579 2012年
12月
2014年
3月
三原工場
(広島県三原市)
自動車用シール製品および住宅用外壁製品生産設備 453 2012年
11月
2014年
3月
その他 本社建物、研究開発設備およびその他設備 743 2013年
1月
2014年
3月
国内子会社
西川物産 (株)
(広島市安佐南区)
自動車用シール製品および金型の生産設備 124 - 2014年
3月
西和工業 (株)
(広島市安佐北区)
自動車用シール製品および一般産業資材製品生産設備 52 2013年
3月
2014年
3月
(株) 西川ビッグオーシャン
(広島市安佐北区)
自動車用シール製品生産設備 146 2013年
3月
2014年
3月
(株) 西川ゴム山口
(山口県下関市)
自動車用シール製品生産設備 142 2013年
3月
2014年
3月
在外子会社
Nishikawa Cooper LLC
(米国デラウェア州)
自動車用シール製品生産設備 1,661 2012年
12月
2013年
12月
Nishikawa Tachaplalert Cooper Ltd.
(タイ ナコンチャラシマ県)
自動車用シール製品生産設備 991 2012年
12月
2013年
12月
上海西川密封件有限公司
[Shanghai Nishikawa Sealing System Co., Ltd.]
(中国上海市)
自動車用シール製品生産設備 651 2012年
12月
2013年
12月
広州西川密封件有限公司
[Guangzhou Nishikawa Sealing System Co., Ltd.]
(中国広州市)
自動車用シール製品生産設備 105 2012年
12月
2013年
12月
Nishikawa Cooper Mexico S.A. de C.V.
(メキシコ グアナファト州)
工場建設および自動車用シール製品生産設備 1,125 2012年
9月
2013年
12月
PT. Nishikawa Karya Indonesia
(インドネシア 西ジャワ州)
工場建設および自動車用シール製品生産設備 1,360 2013年
1月
2013年
12月