西川ゴム工業 (株) 2011年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2011年 3月期 |
2010年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 52,019 | 46,938 | 10.8 | -主力の自動車部品で軽量化ドアインナーウェザーストリップを開発するなど、環境対応部品を強化し積極的に拡販。 -アジア諸国の好景気により増収。 |
営業利益 | 4,775 | 3,573 | 33.6 | - |
経常利益 | 5,453 | 4,120 | 32.4 | - |
当期純利益 | 3,828 | 4,069 | (5.9) | - |
自動車部品事業 | ||||
売上高 | 47,811 | 43,446 | 10.0 | -新製品の受注などにより市場成長率を上回る売上高を達成し増収。 |
営業利益 | 4,281 | 3,315 | 29.1 | -総コスト低減活動が奏功し増益。 |
事業再編
-2011年3月、自動車用ゴムシール事業における米クーパー・スタンダード・オートモーティブ(CSA)との協業関係を強化すると発表した。グローバル市場での事業拡大と企業運営の円滑化が狙い。米国の西川ゴムとCSAの折半出資会社であるニシカワ・スタンダード・カンパニーについては、同社の出資比率を10%引き上げて連結子会社化する。出資比率を引き上げることで米国事業のさらなる拡販強化を図るとともに、グローバル展開の重要拠点としてより円滑な事業体制の構築を目指す。連結子会社化にあわせて、会社名をニシカワ・クーパーに変更する。タイでは西川ゴムの現地法人であるニシカワ・タチャプララート・ラバーの発行済み株式の20%をCSAに譲渡し、グループ全体のアライアンス関係を拡大強化する。また社名をニシカワ・タチャプララート・クーパーに変更する。CSAのポーランド法人であるクー パー・スタンダード・オートモティブには、西川ゴムが資本参加する。また、メキシコの合弁会社クーパー・スタンダード・オートモーティブ・メシキコの資本構成を変更することで合意した。ポーランドとメキシコ事業の具体的内容については改めて発表するとしている。(2011年3月11日付日刊自動車新聞よ り)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
自動車用部品事業 | 149 | 162 | 106 |
研究開発活動
1)軽量化技術の開発-各自動車メーカーから要請を受けている、燃費向上を目的とした部品軽量化に対応するため、樹脂化や発泡技術を活用駆使した各シール製品の軽量化開発に取り組んでいる。
-ドアインナーシールの軽量化を微細セル化発泡技術およびインサートメタルの極限薄肉化により実現。これにより従来品との質量比25%減(同社比)という世界最軽量クラス品(同社調査)を開発・製品化した。
2)防音性向上技術の開発
-従来製品の防音性向上や防音新製品の創出に向けて、従来から培ってきた発泡技術を駆使した開発を継続して実施。
3)環境対応技術の開発
-シール材製造ラインの省エネ化や、電気自動車(EV)などの環境対応車に向けた次世代シール材の開発、および植物由来資源を活用した材料開発を継続実施。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 2,324 | 2,091 | 5,493 |
-同社は韓国に自動車内装に用いるシール、パッキンの工場を設立すると発表した。同社が韓国に生産進出するのは初めて。資本金は7億ウォン(約5100万 円)。4月に生産を開始する予定。これまで日本国内で生産、納入していた部品の一部生産を、取引先である日系部品メーカーの要請に応えて現地化する。同社 子会社の西川物産の子会社として、新会社「ニシカワ・ブッサン・コリア(西川物産韓国)」を3月に設立する予定。所在地は慶尚南道金海市。内装部品用の シール、パッキンのほか、土木及び建築用のゴム、プラスチック部品を製造、販売する。代表者には澤本光明西川物産専務取締役が代表理事として就任する。 (2011年2月12日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画
事業所名 | 設備の内容 | 投資 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
西川ゴム | ||||
白木工場 (広島市安佐北区) |
自動車用シール製品および一般産業資材製品生産設備 | 297 | 2010年 12月 |
2012年 3月 |
安佐工場 (広島市安佐北区) |
自動車用シール製品および一般産業資材製品生産設備 | 673 | 2010年 11月 |
2012年 3月 |
吉田工場 (広島市安芸高田市) |
自動車用シール・内外装製品及び住宅用外壁製品生産設備 | 567 | 2010年 12月 |
2012年 3月 |
三原工場 (広島県三原市) |
自動車用シール製品および住宅用外壁製品生産設備 | 291 | 2010年 11月 |
2012年 3月 |
その他 | 本社建物、研究開発設備およびその他設備 | 836 | 2011年 1月 |
2012年 3月 |
国内子会社 | ||||
西川物産(株) (広島市安佐南区) |
自動車用シール製品および金型の生産設備 | 170 | 2011年 4月 |
2012年 3月 |
西和工業(株) (広島市安佐北区) |
自動車用シール製品および一般産業資材製品生産設備 | 55 | 2011年 1月 |
2012年 3月 |
(株)西川ビッグオーシャン (広島市安佐北区) |
自動車用シール製品生産設備 | 108 | 2011年 1月 |
2012年 3月 |
(株)西川ゴム山口 (山口県下関市) |
自動車用シール製品生産設備 | 175 | 2011年 3月 |
2012年 3月 |
(株)西川ビックウェル (広島市安佐北区) |
自動車用シール製品生産設備 | 68 | 2011年 3月 |
2012年 3月 |
在外子会社 | ||||
Nishikawa Cooper LLC. | 自動車用シール製品生産設備 | 773 | 2010年 12月 |
2011年 12月 |
Nishikawa Tachaplalert Rubber Co., Ltd. (タイ コラート市) |
自動車用シール製品生産設備 | 991 | 2010年 12月 |
2011年 12月 |
上海西川密封件有限公司 [Shanghai Nishikawa Sealing System Co., Ltd.] (中国 上海市) |
自動車用シール製品生産設備 | 502 | 2010年 12月 |
2011年 12月 |
-国内投資は新製品対応のための設備更新、合理化投資が中心であり、完成後の生産能力の増加はほとんどない。
-在外子会社の投資は、主に受注増に対応するための増設。