(株) エフ・シー・シー 2016年3月期の動向

業績

(単位:IFRS、百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率 (%) 要因
全社
売上収益 167,429 154,395 8.4 -インドネシアやブラジルの二輪車市場は減速したものの、米国や中国において四輪車用クラッチの販売が堅調に推移したため、増収。
営業利益 9,736 8,746 11.3 -減価償却費の増加や減損損失の影響等があったものの、増収に伴う利益の増加や内作費削減等の効果もあり、増益。
税引前当期利益 8,118 12,104 (32.9) -
親会社の所有者に帰属する当期利益 6,162 7,230 (14.8) -
四輪車用クラッチ部門
売上収益 86,821 71,434 21.5 -国内自動車販売は減速したものの、米国においてフォードやZF/FCA向けの販売が増加した。
-中国において販売が増加したことなどにより、増収。
営業利益 1,421 (411) - -減価償却費の増加や減損損失の影響等があったものの、増収に伴う利益の増加や内作費削減等の効果もあり、増益。

第9次中期経営計画 (2015年3月期~2017年3月期)

-2017年3月期に売上高1,750億円、営業利益125億円、ROE 7%の達成を目指す。

最終年度 (2017年3月期) に向けての主な取り組み
(1) グローバルネットワークを活用
 -新興国や日本から米国向けに、四輪用クラッチ部品の輸出を始める。2016年3月期~2017年3月期にかけてブラジルとベトナムの二輪用工場と静岡県の工場から、構成部品の一部の輸出を始める。米国で四輪用クラッチの需要が増加している一方、新興国の二輪用工場では景気低迷による需要の減少で稼働率が低下している。また日本は国内需要が低迷しているが、円安で輸出競争力は向上している。グローバルな環境変化に対応し、世界の設備を有効活用して米国の需要増に対応する。(2015年8月26日付日刊自動車新聞より)

(2) インド7拠点体制が本格始動
-2014年12月の独資化以降、テクニカルセンターの設立 (2015年9月より稼働)、チェンナイ工場 (二輪)・アーメダバード工場 (二輪) の量産開始により、生産拠点は7拠点に増強された。

(3) 国内外での拡販が一層進展
-燃費規制の強化等を背景に、CVTの増加やATの多段化が進む中、同社の強みである摩擦材の開発から製造・品質保証に至る一貫体制で培った提案力を活かし、国内外で着実に拡販が進展している。

新規受注

  • 現代自動車:FF 8AT用クラッチディスク (2015年11月、本格生産開始)

    -現代自動車向けにFF車用8速オートマチックトランスミッションのクラッチディスクを新規に受注し、本格生産を開始したと発表。同社の天竜工場 (静岡県磐田市) および浜北工場 (静岡県浜松市)、九州エフ・シー・シーの3拠点で生産する。このクラッチディスクはSeojin Automotive (京畿道始興市) へ納入され、ディスクセットとして組み立て後に現代自動車の蔚山工場 (韓国蔚山広域市) へ納入される予定。2019年3月期の売上高は約5億円を見込んでいる。(2015年11月24日付プレスリリースより)

  • ユニプレス:日産・ジヤトコ共同開発によるCVT搭載の、トルクコンバーター用摩擦材 (2016年1月、量産開始)

    -ユニプレスよりトルクコンバーター用摩擦材を受注したと発表。このトルクコンバーターは、日産とジヤトコが共同開発した 「Jatco CVT7 W/R」 に採用されている。同社の鈴鹿工場で摩擦材を製造し、中国広東省にある子会社の佛山富士離合器 [China FCC Foshan] でロックアップクラッチに接着する。その後、ユニプレス精密広州会社へ納入する。2016年1月に量産を開始しており、2016年度の売上は約2億円を見込んでいる。(2016年4月28日付プレスリリースより)

  • トヨタ:FF 8AT用クラッチアッセンブリー (2016年5月、同社細江工場・浜北工場にて量産開始)

2017年3月期の見通し

(単位:IFRS、百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減
(%)
売上収益 155,000 167,429 (7.4)
営業利益 10,000 9,736 2.7
税引前当期利益 8,500 8,118 4.7
親会社の所有者に帰属する当期利益 6,000 6,162 (2.6)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)



研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 3,417 3,163 3,168
-四輪車用クラッチ部門 2,050 1,957 1,909

研究開発体制

-研究開発施設として、技術研究所 (静岡県浜松市)、生産技術センター (静岡県浜松市) を保有。

研究開発拠点

-インド子会社の一部門として 「FCC INDIA Technical Center」 を設立すると発表した。現地メーカーの開発情報やニーズの収集および迅速な窓口対応を行い、営業、開発、購買領域における機能強化を図る。2015年9月1日より業務を開始する。(2015年8月25日付プレスリリースより)

研究開発活動

四輪車用クラッチ部門
-CVTを含めたオートマチックトランスミッション用の湿式摩擦材およびマニュアルトランスミッション用乾式摩擦材を骨格として、小型軽量化、低コスト化および燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を実施している。

-2016年3月期、独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案をおよび燃費性能向上と軽量化を実現する独自技術を活用したCVT用クラッチASSYの量産化、優れた減衰性能を有する新構造ダンパーを有したロックアップクラッチの量産化、ならびに商品性と耐久性向上を図った新摩擦材の開発を実施した。



設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
二輪車用クラッチ 3,472 3,603 3,026
四輪車用クラッチ 13,278 15,501 16,115
共通 414 1,171 1,232
合計 17,164 20,276 20,374


<2016年3月期の主な設備投資>
-米国や中国における四輪車用クラッチの生産能力拡充、インドにおける二輪車用クラッチの生産能力拡充および日本における新機種対応等。

同社

  • 浜北工場における新機種対応や生産能力拡充


子会社

  • FCC (Adams), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
  • FCC Clutch India Private Ltd.における生産能力拡充
  • FCC (Indiana), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
  • 成都永華富士離合器有限公司 [Chengdu Yonghua. F.C.C. Clutches Co., Ltd.] における新機種対応

設備の新設計画

(2016年3月31日現在)

-2017年3月期の設備投資額は18,422百万円を計画。このうち四輪車用クラッチは12,253百万円。
-米国や日本における新機種対応や生産能力拡充、インドにおける生産能力拡充に伴う投資等を行う。

同社

  • 浜北工場における新機種対応や生産能力拡充


子会社

  • FCC (Adams), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
  • FCC (Indiana), LLC.における新機種対応や生産能力拡充
  • FCC Clutch India Private Ltd.における生産能力拡充
  • FCC (Vietnam) Co., Ltd.における新機種対応や生産能力拡充