(株) エフ・シー・シー 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 126,245 | 117,068 | 7.8 | -インドネシア、ブラジル等における二輪車用クラッチ販売の減少や中国における日本製品不買運動による影響はあったものの、主要顧客の四輪車生産の回復により増収。 |
営業利益 | 10,964 | 11,056 | (0.8) | -新機種立上げ費用等の増加。 |
経常利益 | 13,124 | 11,494 | 14.2 | -為替差益の発生。 |
当期純利益 | 7,942 | 7,276 | 9.2 | -法人税等の増加。 |
四輪車用クラッチ部門 | ||||
売上高 | 55,240 | 46,426 | 19.0 | -中国における日本製品不買運動による影響はあったものの、日本、北米における主要顧客の生産が順調に回復したことに加え、フォード向け販売も堅調に推移したため増収増益。 |
営業利益 | 3,798 | 1,601 | 137.2 |
新会社
韓国に合弁会社を設立-Seojin Automotive Co., Ltd.との折半出資により、韓国にFCC Seojin Co., Ltd.を設立した。新会社は8,600万米ドルを投資し、京畿道平澤 (Pyeongtaek) 市に湿式クラッチの生産拠点を建設する。2013年6月に建設開始し、2014年9月から稼働する予定。なお、Seojin Automotiveは韓国のクラッチメーカーで、現代・起亜、ルノー三星、韓国GM、上海汽車などに納入している。 (2013年1月30日付プレスリリースより)
中国に統括会社を設立
-中国の四川省成都 (Chengdu) 市に100%出資の統括会社「愛富士士 (中国) 投資有限公司」[F.C.C. (China) Investment Co., Ltd.] を設立すると発表。投資金額は30百万米ドル。同社は今後、主に四輪車用クラッチ関連の大型の設備投資を見込んでいるため、その資金需要への対応および将来の連結子会社の管理・統括機能の集約を目的として新会社を設立する。 (2012年6月25日付プレスリリースより)
事業再編
子会社の清算-英国連結子会社FCC (Europe) Ltd.の解散に関して、清算手続きが完了したと発表。同子会社では、二輪車および四輪車用クラッチの製造販売を行っていた。 (2012年12月25日付プレスリリースより)
子会社の合併
-2013年1月1日付で同社の米国における連結子会社FCC (Indiana) Mfg., LLC.とFCC (Indiana) , Inc.を合併すると発表。FCC (Indiana) Mfg., LLC.を存続会社とし、称号をFCC (Indiana) , LLC.に変更する。四輪用クラッチおよび同部品の製造を行うFCC (Indiana) Mfg., LLC.と、その製品を販売するFCC (Indiana) , Inc.の合併により管理コストの削減および効率化を図る。 (2012年11月22日付プレスリリースより)
生産ラインの移管
-地震による津波や液状化のリスクを避けるため、静岡県磐田市の竜洋、天竜の2工場の主要製造工程を国内の他工場と米国子会社に移管すると発表した。
-竜洋工場の摩擦材の生産を鈴鹿工場 (三重県鈴鹿市) とエフ・シー・シー・ノースカロライナ (ノースカロライナ州) に移管するほか、四輪車用クラッチ部品の生産を浜北工場 (浜松市浜北区) に移す。
-天竜工場の摩擦板の生産は細江工場 (浜松市北区) 、二輪車用クラッチ部品の生産は鈴鹿工場にそれぞれ移管する。
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 2,983 | 2,933 | 2,853 |
四輪車用クラッチ部門 | 1,745 | 1,658 | 1,548 |
研究開発体制
-研究開発施設として、技術研究所 (静岡県浜松市)、生産技術センター (静岡県浜松市) がある。研究開発活動
四輪車用クラッチ部門-CVTを含めたオートマチックトランスミッション用の湿式摩擦材およびマニュアルトランスミッション用乾式摩擦材を骨格として、小型軽量化、低コスト化および燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を行う。
-独自技術であるセグメント方式の摩擦板製造方案をベースに燃費性能と耐久性向上を図ったオートマチックトランスミッション用新湿式摩擦材および湿式クラッチの技術をベースにしたハイブリッド車用のトルクリミッターの量産化。
-新たな多段オートマチックトランスミッションに対応した新構造クラッチの開発。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
二輪車用クラッチ | 5,059 | 5,593 | 2,127 |
四輪車用クラッチ | 6,038 | 4,883 | 2,428 |
共通 | 677 | 575 | 189 |
合計 | 11,774 | 11,051 | 4,744 |
-同社は、主要取引先のホンダが中型車クラスまでの変速機をCVT (無段変速機) 化していくことに対応し、北米、中国、インドネシアの各生産拠点でクラッチ生産ラインのCVT対応を進める。米国工場の1ラインで生産を始めたのに続き、13年度中にインドネシア、中国でもオートマチックトランスミッション (AT) 用クラッチの生産ラインをCVT用に改良する。14年度までには米中に1ラインずつ追加して合計5ライン体制とし、日本を含めた合計6ラインで年間300万台分の供給体制を整える。 (2013年1月28日付日刊自動車新聞より)
-同社はタイでトルクコンバーター (トルコン) 用のロックアップクラッチを生産する。タイ向けはこれまで日本で生産していたが、取引先の現地調達化ニーズに対応し、日本から生産ラインを移設して年内に現地生産に切り替える。同社は四輪用クラッチを日本、米国、中国、インドネシアを中心に生産している。ロックアップクラッチの生産移管によりタイでも本格的に四輪用部品の生産を始める。 (2012年10月17日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 |
(2013年3月31日現在) |
会社名/事業所 (所在地) |
事業の部門 | 設備の 内容 |
投資 予定金額 総額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
同社 | |||||
浜北工場 (静岡県浜松市) |
四輪車用クラッチ | 建物 クラッチ製造設備 |
1,066 | 2013年4月 | 2014年3月 |
技術研究所 (静岡県浜松市) |
研究開発 | 試験機および測定機器 | 350 | 2013年4月 | 2014年3月 |
竜洋工場 (静岡県磐田市) |
二輪車用クラッチ 四輪車用クラッチ |
クラッチ製造設備 | 151 | 2013年4月 | 2014年3月 |
鈴鹿工場 (三重県鈴鹿市) |
二輪車用クラッチ 四輪車用クラッチ |
クラッチ製造設備 | 151 | 2013年4月 | 2014年3月 |
子会社 | |||||
FCC (North Carolina), LLC. (米国ノースカロライナ州) |
二輪車用クラッチ 四輪車用クラッチ |
建物 クラッチ製造設備 |
7,160 | 2013年4月 | 2014年3月 |
FCC (Thailand) Co., Ltd. (タイ バンコク) |
二輪車用クラッチ 四輪車用クラッチ |
建物 クラッチ製造設備 |
2,086 | 2013年4月 | 2014年3月 |
成都永華富士離合器有限公司 [Chengdu Yonghua. F.C.C. Clutches Co., Ltd.] (中国四川省) |
二輪車用クラッチ 四輪車用クラッチ |
クラッチ製造設備 | 2,072 | 2013年1月 | 2013年12月 |
FCC (Indiana), LLC. (米国インディアナ州) |
四輪車用クラッチ | クラッチ製造設備 | 1,805 | 2013年4月 | 2014年3月 |
FCC (Adams), LLC. (米国 インディアナ州) |
四輪車用クラッチ | 建物 クラッチ製造設備 |
1,330 | 2013年4月 | 2014年3月 |
PT.FCC Indonesia (インドネシア カラワン県) |
二輪車用クラッチ 四輪車用クラッチ |
クラッチ製造設備 | 824 | 2013年4月 | 2014年3月 |