アルプス電気 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 546,423 526,500 3.8

-

営業利益 6,851 15,171 (54.8) -
経常利益 7,659 14,335 (46.6) -
当期純利益 (7,074) 4,175 - -
電子部品事業
売上高 268,085 268,916 (0.3) 1)
営業利益 227 4,590 (95.1) -
車載情報機器事業
売上高 219,852 200,248 9.8 2)
営業利益 2,324 5,634 (58.8)
*2013年3月期より、従来の「音響製品事業」から「車載情報機器事業」へセグメント名を変更。

要因
1)
電子部品事業 - 車載市場
-グローバル生産および販売ネットワークを生かし、概ね順調に推移。自動車の安全性や省エネの向上のための電子化が、今後も大きく進展する見通し。当市場向けの売上高は、140,000百万円であり、前年度比で5.7%の増となった。

2)
車載情報機器事業
-車載情報機器事業 (アルパイン (株)) では、主要取引先自動車メーカーの生産および販売が回復し、北米市場で自動車販売が好調に推移したことにより、自動車メーカー向け売上が伸びた。
-円高影響に加え、自動車メーカー向け純正品の売り上げ構成の変化や車載用ディスプレイやハードディスクドライブなど部材コストの高止まりが収益を圧迫した。

中期経営計画 (2014年3月期 - 2016年3月期)

電子部品事業部
-自動車市場向け売り上げ2,000億円の達成
目標 施策
1. 顧客別営業戦略の推進 -顧客モジュラー化戦略に対して、戦略パートナーになる (グローバル対応 (日・欧・米+新興国))
-既存顧客への次世代製品の積極提案
ヒューマンインターフェース、コネクティビティ統合製品、コックピット製品
-アルパインとの共同提案
2. 既存製品のシェア拡大 -ボディエレクトロニクス、バイワイヤー、ステアリングアングルセンサー、スロットルポジションセンサー、ブレーキポジションスイッチ
3. 新製品の創出 -タッチパッド、静電センサー、通信モジュール、アンテナ、電流センサー

2014年3月期の見通し

(単位:億円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 6,000 5,464 9.8
-電子部品事業 3,000 2,680 11.9
(内、車載市場) 1,550 1,400 10.7
-車載情報機器事業 2,390 2,198 8.7
営業利益 190 68 179.4
経常利益 193 76 153.9
当期純利益 95 (70) -

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 28,674 28,098 28,124
電子部品事業 11,747 10,817  11,813
車載情報機器事業 16,884 17,252 16,251

研究開発体制

電子部品事業
-英ケンブリッジ大学をはじめ、国内外の大学や研究機関等とのコラボレーションを図るとともに、これまで3事業本部に分かれていた技術部門を一つの技術本部に統合。

研究開発拠点

拠点 所在地
仙台開発センター 宮城県仙台市

研究開発活動

電子部品事業
-車の安全性・利便性・快適性・環境特性の向上に貢献すべく、エンジン・シャシーに使用されるセンサーをドメインとして、部品からシステム製品までの幅広い分野で活動。
-車室内で人が操作するインプットデバイスの研究活動。

車載情報機器事業
-主としてアルパイン (株) が中心となり、カーエレクトロニクスの事業領域において、オーディオ・ビジュアル・ナビゲーションによるシステムに加え、車内外情報通信や運転者支援領域への拡大・融合および技術の高度化・領域拡大を推進。
-多様化・グローバル化する市場・顧客ニーズに対応するため、電子部品事業との連携および、日本、米州、欧州、中国におけるグローバル4極開発体制の最適化を継続する。

製品開発

多機能操作デバイス
-カーナビ、カーオーディオ、カーエアコンなど車載機器の集中コントロールに向けた多機能操作デバイス「RKJXW2シリーズ」を開発したと発表した。2012年12月にサンプル出荷を開始する予定。この製品は、8方向およびセンタープッシュ操作を行うスティックコントローラーと、回転操作を行う同社製中空軸エンコーダー「EC40A」を組み合わせ、さまざまな操作を一つのデバイスで可能にしたもの。2013年4月に量産を開始し、2015年1月には月産能力10,000個を予定している。この製品の開発は技術本部の桶谷工場 (宮城県桶谷町)、生産は大連アルプス (中国・遼寧省大連市) で行う。 (2012年12月18日付プレスリリースより)

改良型可変ノズルターボチャージャー用センサー
-可変ノズルターボチャージャー用のセンサーの改良型を開発し、3、4年後をめどに量産を開始する。アクチュエーターを制御するためのセンサーを、従来の一体型から素子と磁石を別に分けた構造とし、タービン内の吸気負圧の検知精度を高める。量産化に向けた研究開発と提案活動を展開し、自動車メーカーやターボチャージャーメーカーからの新規受注獲得を目指す。 (2012年10月22日付日刊自動車新聞より)

車載用デジタルラジオ用チューナー
-業界最小サイズの車載用デジタルラジオ用チューナー「TDGW9シリーズ」を開発、量産を開始したと発表した。欧州のデジタルラジオ規格であるデジタルオーディオブロードキャスト (DAB) に適合する。同社がデジタルラジオチューナーを量産するのは今回が初めて。欧州では、ラジオ放送のデジタル化が進んでおり、欧州仕様のカーナビゲーションシステムやカーオーディオでの採用拡大を目指す。同社の角田工場 (宮城県角田市) で量産を開始しており、2014年1月に月産1万5千個を予定している。 (2012年6月7日付日刊自動車新聞)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 31,833 34,024 23,544
電子部品事業 23,845 24,509 16,671
車載情報機器事業 6,719 5,328 4,882

電子部品事業
-社内システムの構築をはじめ、スマートフォン向けタッチパネルデバイス、スイッチ、カメラ用アクチュエーターなどのコンポーネント製品等の開発や製造設備への投資を行った。

車載情報機器事業
-生産設備の更新や合理化を目的とした機械装置の他、新製品の金型を中心に投資を行った。

設備の新設

(2013年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
事業の種類 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
アルプス電気
古川工場他
(宮城県大崎市他)
電子部品 コンポーネント部品の製造設備等 3,326 2013.04 2014.03
アルプス電気
本社
(東京都大田区)
電子部品 システム関連の設備 2,019 2013.04 2014.03
アルプス電気
長岡工場
(新潟県長岡市)
電子部品 タッチパネルの製造設備等 816 2013.04 2014.03
アルパイン
いわき事業所
(福島県いわき市)
車載情報機器 生産設備・研究開発・その他設備 2,686 2013.04 2014.03