アルパイン (株) 2016年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 273,056 | 294,560 | (7.3) | -主要市場における新車販売動向の変化、2016年3月期後半の為替変動などもあり、業績は厳しい状況で推移、減収減益となった。 |
営業利益 | 5,434 | 11,523 | (52.8) | -売上が減少したことに加え、製品モデルミックスも悪化したため、利益が減少。 |
経常利益 | 6,170 | 15,000 | (58.9) | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 10,698 | 12,704 | (15.8) | - |
音響機器事業 | ||||
売上高 | 52,824 | 62,920 | (16.0) | -主力である自動車メーカー向け純正品の売上が減少した。 |
営業利益 | 1,462 | 2,734 | (46.5) | - |
情報・通信機器事業 | ||||
売上高 | 220,232 | 231,640 | (4.9) |
-北米および中国における取引先自動車メーカーの一部車種のモデル切換の影響を受け、売上が減少した。 |
営業利益 | 8,170 | 13,465 | (39.3) | - |
「カープレイ」 対応のディスプレーオーディオを見送り
-2014年秋に欧米市場で発売した米アップル社「カープレイ」対応のディスプレーオーディオの国内導入を15年度は見送る方針を固めた。ディスプレーオーディオのマーケットの成長に合わせ、国内投入を検討していたが、市場の成長速度が遅く、現状ではこの先も成長要因が見えないと判断。当面、国内市販事業では、大画面液晶を搭載した「ビッグXプレミアム」シリーズで同社初のティザー広告を打ち出すなどオーディオ一体型カーナビゲーションシステムやリアモニターといった既存カテゴリーの拡販に集中する考えだ。(2015年3月7日付日刊自動車新聞より)
受賞
OEM | 受賞名 | 受賞理由・対象 |
GM | 2015 Supplier of The Year | -昨年に続き2年連続の受賞 -課題解決策を率先して提案する姿勢を高く評価された |
ホンダアクセス | 2016年 優良感謝賞 開発賞 | -カメラ活用機能を低価格で実現したことが評価 |
FCA APAC社 | Innovation Supplier of the Year 品質賞 | -音響機器が品質優良との高評価を獲得 |
2017年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2017年3月期 (予想) |
2016年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 255,600 | 273,056 | (6.4) |
営業利益 | 3,900 | 5,434 | (28.2) |
経常利益 | 2,700 | 6,170 | (56.2) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (900) | 10,698 | (108.4) |
対処すべき課題
-より一層顧客のニーズにあった製品とサービスの提供とともに品質・機能を向上させた製品開発
-特にソフト開発力強化を経営上の重要課題と認識し、業務提携やベンチャー企業への資本参加などにより先端技術開発を更に深耕するとともに研究開発投資の効率化を図る
-アルプス電気との連携を強化し、先進のコンシューマーエレクトロニクス技術やADASのコアとなるデバイスと車載機器との融合に注力、自動車メーカー向けに車載情報システムのトータルソリューションを提供していく
-自動車の軽量・省電力化需要に対応した次世代製品の開発を推進する
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
全社 | 19,600 | 18,100 | 19,800 |
音響機器事業 | 2,500 | 3,100 | 2,900 |
情報・通信機器事業 | 17,000 | 15,000 | 16,900 |
共同開発
日本IBMと次世代車載システムの開発
-2016年7月26日、日本アイ・ビー・エム (日本IBM) と次世代車載システムの開発に着手したと発表した。年内にも試作機を完成させ、自動車メーカーへの提案を進める。開発するシステムは、アルパインの車載機器とIBMの自動車業界向けIoT (モノのインターネット) ソリューション「ワトソン・IoTフォー・オート モーティブ」を基盤技術として利用し、IBMのクラウドを活用して動的情報によって運転者や同乗者の嗜好に合わせたドライブ環境を提供する。具体的には、ドライバーの運転志向や傾向に合った経路を学習してルート案内するほか、ソーシャル情報や好みを分析して経由地や目的地を提案するなどの活用を検討する。システムは、将来的にコネクティッドカーが数千万台規模で同時接続することを想定した設計とする。(2016年7月27日付日刊自動車新聞より)
米国 Airbiquity社との協業
-Airbiquity社と「アルパインコネクト」を共同開発した。同社製ヘッドユニットから海外で人気の高いスマホアプリ (Yelp、Spotify、iHeartRadio、Glymse、等) の操作を可能にした新しいサービスを実現。
中国合弁会社設立
-中国合弁会社「東軟睿馳汽車技術 (上海) 有限公司 [Neusoft Reach Automotive Technology (Shanghai) Co., Ltd.] の設立を完了したと発表した。上海に位置する新会社は、自動車関連の技術開発および販売を行う。資本金は384.6百万元 (約73.57億円)で、アルパインの出資金額は150百万元 (約28.69億円)。出資比率は東軟集団股份有限公司が41%、アルパイン子会社のAlpine Electronics (China) が39%、瀋陽福瑞馳企業管理中心が20%となる。拡大を続ける中国市場において、電気自動車などのバッテリパッケージ管理とインテリジェントチャージの重要技術、画像認識やセンサーを融合させた高度な運転支援システム、自動運転の重要技術、および、クラウドプラットフォームベースのテレマティクス、コネクティッドカーなどの分野で研究開発を進め、事業化に取り組む。
製品開発
11型WXGA液晶搭載モデル
-国内市場向けカーナビゲーション「Big-Xプレミアム」に世界最大となる11型WXGA液晶搭載モデルを開発。リアビジョンとの前後座席コミュニケーション機能やカーアロマ (フレグランスユニット) の制御にも対応。
主な技術導入契約 |
(2016年3月31日現在) |
契約先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
Dolby Laboratories Licensing Corporation | 米国 | DVD等の雑音低減装置に関する特許実施権の許諾 | 1977年1月1日から 特許存続期間満了日まで |
株式会社 東芝 | 日本 | DVDプレーヤーに関する特許実施権の許諾 | 2000年12月31日から 2017年12月31日まで 以後5年ごとの自動更新 |
Microsoft Corporation | 米国 | 基本ソフトに関する使用権の許諾 | 2003年7月1日から 2017年12月31日まで 以後5年ごとの自動更新 |
ソニー株式会社 | 日本 | オーディオ機能付きナビゲーション機器に関する特許実施権の許諾 | 2014年1月1日から 2018年12月31日 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
全社 | 7,494 | 7,496 | 8,193 |
音響機器事業 | 1,648 | 1,731 | 2,076 |
情報・通信機器事業 | 5,845 | 5,765 | 6,100 |
2016年3月期の主な設備投資
音響機器事業 | (単位:百万円) |
2016年3月期 | |
金型を中心とした有形固定資産 | 390 |
ソフトウェアの開発等 | 122 |
生産設備の投資 | |
-米州生産拠点 「Alpine Electronics of America, Inc.」 | 190 |
-メキシコ生産拠点 「Alcom Electronicos de Mexico, S.A. de C.V.」 | 104 |
-欧州生産拠点 「Alpine Electronics Manufacturing of Europe, Ltd.」 | 88 |
-アジア・オセアニア生産拠点 「Alpine Technology Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.」 | 362 |
-中国販売開発拠点 「Alpine Electronics (China) Co.,Ltd.」 | 78 |
情報・通信機器事業 | (単位:百万円) |
2016年3月期 | |
新製品開発および生産の合理化を目的とした有形固定資産 | 1,544 |
ソフトウェアへの投資 | 482 |
生産設備の投資 | |
-米州生産拠点 「Alpine Electronics of America, Inc.」 | 486 |
-メキシコ生産拠点 「Alcom Electronicos de Mexico, S.A. de C.V.」 | 320 |
-欧州生産拠点 「Alpine Manufacturing of Europe, Ltd.」 | 756 |
-中国生産拠点 「Dalian Alpine Electronics Co.,Ltd.」 | 570 |
-中国販売開発拠点 「Alpine Electronics (China) Co.,Ltd.」 | 248 |
-国内販売拠点 「アルパインマーケティング (株) 」 | 546 |
設備の新設 |
(2016年3月31日現在) |
事業所名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資 予定額 (百万円) |
着手年月 | 完了予定年月 | 摘要 |
いわき事業所 | 福島県 いわき市 |
生産設備・研究開発・その他設備 | 2,409 | 2016年4月 | 2017年3月 | 新製品・増産 合理化等 |
Alpine Electronics Manufacturing of Europe, Ltd. | ハンガリー ビアトルバージ市 |
生産設備 | 975 | 2016年4月 | 2017年3月 | 新製品・増産 合理化等 |
Dalian Alpine Electronics Co. Ltd. | 中国 大連市 |
生産設備 | 696 | 2016年4月 | 2017年3月 | 新製品・増産 合理化等 |