Freudenberg & Co. KG 2012年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2012年
12月期
2011年
12月期
増減率 (%) 要因
売上高 6,322 5,992 5.5 1)
営業利益 538.0 516.7 4.1 2)

要因
1) 全社
-2012年12月期の売上高は、前年比5.5%増加の6,322百万ユーロ。ほぼ全ての事業分野で売上高が増加した。

2) 営業利益
-2012年12月期の営業利益は、前年比4.1%増加の538.0百万ユーロ。増加要因は、Vibraouctic部門とTrelleborgとの合弁事業から生じる利益 (一度限り) が寄与。同事案を除くと、営業利益は昨年の水準を下回る結果となる。

買収

-Freudenberg Sealing Technologiesは、Schneegansグループの株式50%を取得。これに伴い、同グループは名称を「Schneegans Freudenberg GmbH」に変更する。Schneegansは、ドイツのEmmerichとオーストリアのLosensteinに生産拠点を保有し、従業員数は約240名。2011年の売上高は約45百万ユーロを記録。今回の買収によりFreudenbergは、主に自動車産業における多成分射出成形や樹脂製品に関する新技術に向けた投資を行う計画。(2012年10月10日付プレスリリースより)

-子会社「Freudenberg Filtration Technologies India Pvt. Ltd.」は2012年4月1日付けでPyramid Filters Pvt. Ltd.を買収した。Freudenberg Filtration Technologies Indiaは産業用、自動車用フィルターエレメントおよびシステムを製造しており、今回の買収で製薬、医療、食品、化学産業向けクリーンルーム用エアフィルターエレメントおよびシステムを強化する。(2012年3月5日付プレスリリースより)

売却

-2012年、同社は精密成形ブレーキ部品事業をContiTech Vibration Control GmbHに売却。今回の売却に伴い、複数年に渡る自動車部門の事業再編が終了。売却事業は以下の通り:
  • フランス Andrezieux拠点
  • ドイツ Oberwihl拠点
  • メキシコ Queretaro拠点

合弁事業

-同社とTrelleborgは、小型・大型車用防振製品の合弁会社「TrelleborgVibracoustic」の設立を完了したと発表。同合弁会社は、Trelleborgの防振製品事業とFreudenbergの同事業Vibracousticにより構成。これらの事業の2011年度売上額は、合わせて約134億スウェーデンクローナ (約15.5億ユーロ) となる。このうち、約71億スウェーデンクローナ (約819百万ユーロ) がTrelleborg Automotiveによるもの。(2012年7月3日付プレスリリースより)

受注

-2012年、同社とTrelleborgの合弁会社「TrelleborgVibracoustic」はVolkswagenグループからトランスミッションマウント、トーショナルダンパーを受注。2014年に開始される 「MLB EVO」プラットフォームに適用される。また、BMWからは「35up」プラットフォーム用エアスプリングの受注を獲得。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
全社 217.2 205.4 181.3

研究開発体制

-2012年末現在、研究開発関連の従業員数は2,244名。その内、1,371名がドイツで研究開発に従事。

-同社は、2009年にPuneに設立した子会社EagleBurgmann Pvt. Ltd.が工場の拡張に伴い、新たに研究開発センターを建設すると発表。同センターでは、精錬所、石油化学製品・化学製品工場、発電所などさまざまな産業で使用するシールの試験を行う。2012年秋に完成する予定。(2012年6月19日付プレスリリースより)

製品開発

<マイクロシール>
-Freudenberg-NOK Sealing Technologies (FNST) は、北米の顧客向けにマイクロシールの新製品を発表する。医療・化学・自動車など様々な産業で幅広く使用される予定。これまで、ロータリー型マイクロシールの多くはポリテトラフルオロエチレン (PTFE) を使用しているが、マイクロシールに使われるパーフルオロエラストマーはPTFEより伸縮性があり、寿命の長い製品に適している。(2012年3月28日付プレスリリースより)

<ガス潤滑メカニカルシール>
-Freudenberg Sealing Technologiesは、車両用ガス潤滑メカニカルシールの開発を開始。同製品により二酸化炭素の排出が最大0.9グラム削減可能で、排出量を1キロメーターあたり0.1グラム以下に抑えることが可能となる。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
全社 322.1 305.9 240.1

設備投資額見通し

-同社は、今後5年間で不動産・工場・設備に対して15億ユーロを投じる予定で、このうち30%はドイツ向けとなる。(2012年4月4日付プレスリリースより)

海外投資

<インド>
-同社は、子会社Chem-Trend Chemicals Co. Pvt. Ltd.およびKluber Lubrication India Pvt. Ltd.の生産工場を設立すると発表。2016年までに約13億インドルピー (18百万ユーロ) を投じ、4万平方メートル規模の工場を建設。(2012年6月19日付プレスリリースより)

<中国>
-同社は中国成都市に工場を設立し、フィルター生産のグローバルネットワークの拡大を図る。新工場は成都市のXindu Industrial Parkに建設され、敷地面積は1.2万平方メートル。2013年初頭からエンジン用エアインテークフィルターおよびキャビンエアフィルターを生産を開始する。(2012年5月15日付プレスリリースより)

<台湾>
-台湾子会社の科徳寶遠東 [Freudenberg Far Eastern Spunweb] が、PETスパンレイド不織布の新生産ラインを桃園に建設すると発表。桃園工場からは、カーペットタイル、自動車用内装製品、フィルター、建設製品などの市場向けに供給を行う。完成予定は2013年で、これにより台湾における生産能力が年間1万トン超拡大する見込み。(2012年4月12日付プレスリリースより)

<北米>
-パーフルオロエラストマー製マイクロシールの生産を現在の欧州2拠点から拡大すると発表。2013年に北米の特殊シール製品部門の製造拠点を2カ所建設する。(2012年3月28日付プレスリリースより)