Freudenberg & Co. 2008年12月期の動向
ハイライト
(単位:百万ユーロ) | 2008年 12月期 |
2007年 12月期 |
増減率(%) | 要因 |
全社 | ||||
売上高 | 5,050.1 | 5,341.2 | (5.5) | - |
営業利益 | 176.3 | 275.2 | (35.9) |
- |
自動車部品関連(売上高) | ||||
欧州シール及び防振技術グループ(Seals and Vibration Control Technology Europe) | 1,191.1 | 1,226.2 | (2.9) | -2008年の売上高は、経済金融危機の影響を受けた。最初の9ヶ月間は、主にマーケットシェアの獲得により、4.0%増加したが、第4四半期は、受注は急激に低下。これは、増加した鉄道、風力発電向け製品以外の全ての欧州シール及び防振技術グループに該当。 -経済危機のなか、当事業グループは、前年に比べ下回るものの自動車メーカーより新しい受注を獲得。ブレーキホース事業(Flexitech)売却も売上高に影響。自動車部門のシェア拡大は、安定的な成長の基礎となっている。 |
Freudenberg-NOK合弁事業 (Freudenberg-NOK General Partnership) |
841.2 | 1,003.4 | (16.2) |
-Freudenberg-NOK合弁事業はオイル、ガス市場で、買収を重ね生産能力を増強。自動車ブレーキホース事業(Flexitech)の売却により売上は減少したが、この売却によって回収した資金を活用して、自動車事業への依存度を低め、事業の多角化を進めた。 |
NOK-Freudenberg 中国合弁事業 (NOK-Freudenberg Group China) |
138.3 | 122.1 | 13.3 | -NOK-Freudenberg 中国合弁事業は、自動車、一般産業部門の持続的な成長により例外的に好調に推移。しかし、下半期、中国の成長の鈍化が顕著となった。これは、燃料価格の高騰、オリンピック景気後の生産の抑制、さらに経済危機により自動車の売上高が低調になったことによる。自動車事業や一般産業での主導権は維持。Tier1サプライヤーへのシェアも拡大。中国の自動車メーカーへの売上も特に増加。新製品グループの立上げは、一般産業の売上へ好影響を与えた。下半期は、事業活動の伸びの鈍化と為替差損にもかかわらず、前年とほぼ変わらない高水準の利益を確保。これは、生産工程技術の改善、高生産性、組織的な原価管理、現地調達の増加、品質改善により達成。中国で直面する固有の課題は、納入先と競争相手からのコストプレッシャー。 |
Vibracoustic Europe | 496.8 | 503.4 | (1.3) |
-上半期は、前年と比べ平均を上回る12.4%の売上増を達成。一方、下半期は、自動車市場の崩壊の影響を受け減少。2008年下半期のマイナス成長は、2009年上半期にも継続。全ての部門で2008年に導入された原価低減活動をさらに推進。 |
不織布(Nonwovens)部門 | 778.2 | 816.2 | (4.7) |
-不織布(Nonwovens)部門も2008年度の困難な市場環境に直面。原材料、輸送、エネルギーの平均コストは、上半期だけで著しく上昇。生産性の向上や価格引き上げを行ったものの、一部の相殺にとどまった。 |
受注
-Freudenberg-NOK General Partnershipは、GMのプラグイン電気自動車「Chevy Volt」のバッテリー冷却システムに200個以上使用されるシールの開発パートナーに選定された。「Volt」は、2010年に量販する予定。
-事業子会社のVibracoustic GmbH & Co. KGは、「Tata Nano」搭載用に開発したエンジン/サスペンション部品を提供。合弁会社Sigma-Vibracousticの拠点であるインド北部のMohali工場で現地生産、Tataに納入する。Vibracousticでは2気筒エンジン搭載の超低価格小型車「Nano」で実現可能な防振性・走行快適性を追及し、先進的防振技術を駆使した独自の廉価版エンジン/サスペンション部品を開発。また、同じく現地合弁会社のSigma Freudenberg NOKは、「Nano」向けにエンジン/ドライブトレインシールを独占的に供給。(2008年1月15日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費および研究開発体制
-2008年、研究開発費として195.19百万ユーロを計上。この半分以上を欧州シールおよび防振技術グループ、Vibracoustic (Europe) 事業部門、不織布部門の研究開発費が占める。2008年度、グループ全体の研究員数は、1,894名。中心はドイツで1,334名の研究員が研究開発に従事。
製品開発
アクティブバイブレーションエキサイター
-この製品は、ドライバーの不意の居眠りによる走行車線はみ出しを警告。既に、高級車向けに量産を開始。
設備投資
-NOK Corporationとの合弁会社Freudenberg Mektec Europa GmbHは、2008年内にWeinheim Technology Parkに建設中の技術開発センターに移転。同センターでは主に自動車市場などに供給するフレキシブル配線基板(PCB)の開発、プロトタイプ生産、テスト量産を行う。(2008年7月29日付プレスリリースより)