Harbin Dongan Auto Engine Co., Ltd.[哈爾浜東安汽車動力股份有限公司] 2022年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
  2022年12月期 2021年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 5,767.08 6,585.56 (12.43)

-商用車の全体的な減少の影響を受け、同社の販売台数は減少し、それに応じて売上高と販売費用が減少した。

営業利益 145.62 91.97 58.33
経常利益 149.04 93.04 60.19
純利益 142.99 98.21 45.60

製品開発動向

-同社は、高効率エンジン「M16NE」および「M16NL」を開発したと発表した。これらのエンジンは、既存のMシリーズプラットフォームの技術をベースにアップグレードした製品。アルミ合金製エンジンブロックなどの軽量素材や、14/15超高圧縮比、デュアルインジェクター、アトキンソンサイクル、高タンブル吸気ポート、シリンダーヘッド一体型エキゾーストマニホールド及び高性能化した耐摩擦構造を採用する。高効率冷却EGR、高エネルギー点火などの技術により、エンジン熱効率41%を実現し、さらには42%以上を目指している。乗用車は燃費規制第5段階に、商用車は燃費規制第4段階に適合する。M16NLエンジンとM16NEエンジンはそれぞれ従来型車両、新エネルギー商用車向けとしている。(2023年1月31日付東安動力WeChat公式アカウントより)

-同社は、自社で開発したハイブリッド(HV)専用高効率DAM15NTDEエンジンを開発中であると発表した。このエンジンは、乗用車の国5排ガス基準及び国6b+RDE E(Real Drive Emission)排ガス基準に適合し、中/大型SUV、A/Bセグメントセダン、ピックアップトラックといったモデルへの採用を見込んでいる。エンジンは350bar直噴システム、ミラーサイクル、高圧縮比、電動スーパーチャージャー、低圧冷却EGRシステム、全可変オイルポンプなどの技術を取り入れている。なお、2022年には高温寒冷などの試験を完了させ、2023年初めには量産を予定しているという。(2022年7月12日付東安動力のWechat公式アカウントより)

-同社の「DAN20」シリーズガソリンエンジン及び「DAM15KE」レンジエクステンダーASSYが、中国汽車報主催の第3回「中国源動力」にてそれぞれ「品牌先鋒」賞、「創新先鋒」賞を受賞。DAN20シリーズエンジンは直列のほか水平モデルも備え、エンジンをコンパクトに抑えることで最低地上高を高めた。熱効率は37.2%で、中国国6Bの基準を満たす。福田の奥鈴 (Ollin)、図雅諾 (Toano)のほか、東風、厦門金旅、奇瑞商用、唐駿欧鈴などの10以上のモデルに搭載されており、一部のモデルは間もなく量産となるという。「DAM15KE」は、新エネルギー車向けのレンジエクステンダーエンジン。様々な技術の採用により、燃費の向上、小型・軽量化、高効率化を実現した。天際汽車傘下の商用EVブランド電咖商用車のほか、哪吒汽車、福田時代、長安凱程などに採用、量産を予定している。(2022年1月19日プレスリリースより)

 

戦略的協力

-同社は、安徽江淮汽車集団股份有限公司(江汽集団)と戦略的提携に合意したと発表した。東安動力は江淮の商用車「L6 MAX」に適合する動力システムの量産実績がある。現在、東安動力は関連製品の江淮の次世代MPV、小型トラック、ピックアップトラックなどへの搭載やプロジェクトを推進している。今回の戦略的提携によって、東安動力と江汽集団の乗用車、商用車、小型商用車、ハイブリッドや新エネルギー車などの各分野での全面的な提携を推進する。(2022年6月28日付東安動力のWechat公式アカウントより)

-同社は、北京汽車製造廠(北汽製造)と戦略的提携に合意したと発表した。東安動力は北汽製造が量産中のSUV、小型トラック及び今後計画されているピックアップ、MPV、SUVの新型モデルへ製品を供給することになる。(2022年5月17日付プレスリリースより)

見通し

-2023年12月期は、エンジン・トランスミッションの販売台数は70万台、売上は65億元となる見込み。(2022年度アニュアルレポートより)
 

研究開発費

(単位:百万元)
2022年12月期 2021年12月期 2020年12月期
研究開発費用 291.60 324.92 106.94
売上高に占める割合(%) 5.06 4.93 3.16

-2022年末現在、同社は研究開発員482名を有しており、総従業員の14.5%を占める。
 

中国国内における投資

-2022年4月、同社はハルビンの平房区において、新エネルギーハイブリッドシステム製造拠点の建設を開始した。長安汽車傘下の哈爾浜哈飛汽車工業集団及び東安汽発の資産を活用、約53万平方メートルに拠点を建設する。総投資額は12.5億元で、ガソリンエンジン、レンジエクステンダー、AT、DHTなどを主に生産する。建設は3期に分けて行われる。(2022年4月8日付プレスリリースより)

-同社は、2022年の投資計画を発表した。計画には2つの特定投資プロジェクトが含まれている。1つはマシニングセンターの改造、ナンバリングマシン、締め付け装置、塗装装置などの設備を含む高効率レンジエクステンダーエンジンの生産ライン増設プロジェクト。子会社である哈爾濱東安汽車発動機製造有限公司(東安汽発)が主体となり、総投資額は7,233万元となる。もう一方は、シリンダーヘッド自動研磨設備、シリンダーブロック最終洗浄装置といった生産能力向上を目的とした設備投資で、同社が主体となり2,400万元が投じられる。また、小規模技術に関連した設備投資も計画しており、総投資額は合計6,000万元で、同社と東安汽発がそれぞれ3,000万元投資する。(2022年3月15日付プレスリリースより)

-同社は、哈爾濱にハイブリッド車(HV)用システム工場の第1期建設を開始すると発表した。投資額は4.88億元。M15N/16Nシリーズエンジンの機械加工能力は年間10万台、組立生産能力は年間20万台を目指す。建設期間は18カ月で、2023年までにフル稼働を予定している。(2022年3月15日付プレスリリースより)