Citic Dicastal Co., Ltd.[中信戴卡股份有限公司] 2021年12月期の動向

カーボンニュートラル計画

-同社は、2025年にカーボンピークアウトに到達し、2050年にカーボンニュートラルを達成する計画を発表した。 具体的には、次の4項目を実施する。

  • 素材において、低炭素の新材料の開発を加速、水力発電で生産したアルミの使用率を増やすことでリサイクルアルミニウムの利用を増やす
  • 技術において、正確な製品設計、設備改善、技術向上、プロセスの最適化などの手段を通じて、軽量化、省エネルギー、高効率化を目指す
  • エネルギー面では、廃熱回収及び廃熱利用技術を活用し、グリーン電力の割合を増やす
  • 生産においては、子会社である 戴卡凱斯曼成都汽車零部件有限公司 [Dicastal KSM Chengdu Auto Parts Co., Ltd.] を模範とするCO2の低排出工場を建設し、生産における全工程でCO2の削減を目指す。(2021年7月 複数メディア報道より)

 

工場建設

-第6アルミホイール工場プロジェクトを実施。総投資額は9億6000万元で、同拠点の年間生産量は300万ホイール。製品の80%以上がハイエンドモデル。 2018年の稼働開始時と比較し、製造コスト33%削減、設備効率21.4%向上、製品不良率20.9%低下、納期37.9%短縮、エネルギー効率39%向上を実現した。(2021年10月 複数メディア報道より)

-湖南省望城経済開発区において、方智能製造拠点600万個カスタムホイールプロジェクト (戴湘) を着工。総額50億元を投じ、面積は700畝 (約47万平方メートル)。年間2,000万のアルミホイール生産設備、ハイエンド設備、金型製造設備を備える。なお、拡張前のホイールの生産能力は年間900万。(2020年12月10日付 複数メディア報道より)

-河北省秦皇島市経済技術開発区において、軽量自動車部品製造拠点建設を行う。 総投資額は4,445.73万元で、拠点は秦皇島開発区の西部に位置する。Audi向け部品の試作ライン、差圧鋳造部品の試作ライン、大型自動車部品用試作ラインを建設する。完成後の年間試作生産能力は5,594tとなる。(2020年9月25日付複数のメディア報道より)

 

買収

-同社は、UACJ Co., Ltd.(UACJ)が保有する Dicastal UACJ Bolv Automotive Parts Co., Ltd.の9%の株式を取得し、さらにCITIC BOHAI Aluminium Industries Holding Company Limitedを通じて追加で51%の株式を取得すると発表した。Dicastal UACJ Bolv Automotive Partsは主に工業用アルミ形材の生産を行う企業。 取引完了後、同社が株式の60%を直接的および間接的に保有し、UACJは残りの40%を保有することとなる。(2021年8月20日付プレスリリースより)

  

研究開発体制

-1993年2月にテクニカルセンターを設立、同拠点が2005年10月に国家発展改革委員会より国立研究開発センターとして承認された。

-海外では欧州、北米、日本にテクニカルセンターを保有。

-エンジニアリング技術研究院を設立、顧客向けに軽量化アルミホイール及びアルミ製部品製造に関するソリューションを提供。

-2019年、同社の工程技術研究院がに国家級工業設計センターに認定された。
   

海外展開

-同社のモロッコ生産拠点において、第2期の生産を開始。総投資額は3億5,000万ユーロで、年間生産量は600万。第1期は2019年6月に稼働を開始した。(2020年12月31日付複数メディア報道より)

-2019年6月、モロッコ生産拠点における第1期の生産を開始。年間生産能力はアルミホイール300万。(2019年アニュアルレポートより)