Bosch (China) Investment Ltd.[博世(中国)投資有限公司] 2020年12月期の動向
業績 |
(単位:億元) |
2021年12月期 | 2020年12月期 | 2019年12月期 | |
売上高 (Bosch 中国全体) | 1,286 | 1,173 | 1,097 |
戦略的提携
合創汽車
-Bosch (ボッシュ)中国は、合創汽車(Hycan Automobile Technology)と共同開発した自動バレーパーキング技術を発表。この技術は合創汽車の「Z03」に搭載される予定。ドライバーがスマートフォンで自動パーキング機能を起動させると、自動で障害物を回避しながら方向を正確に識別して指定の位置に駐車する。(2021年9月22日付プレスリリースより)
BYD
-BYDは3月30日、ボッシュ(Bosch)と共同で新エネルギー車(NEV)向け分散型トラクションコントロールシステム「dTCS」と同システムを搭載した初のモデル「漢(Han) EV」四駆バージョン版を発表した。dTCSは凍結した道路や雪道などの悪路でトラクションを高め、瞬時に反応し、タイヤのスリップを防ぐ。(BYDのWeChat公式アカウントに基づく)
大運汽車股份有限公司
-大運汽車股份有限公司とBosch (ボッシュ) 中国は、2021年7月8日に山西省運城で戦略的提携を締結。両社は長期的なパートナーとして共同R&Dセンターを開設する。このセンターは、統合シャシー、自動運転、コネクテッド、スマート交通、電子制御システムなどに注力する。(2021年7月8日付大運汽車プレスリリースより)
威孚集団
-Bosch (ボッシュ)中国は、無錫ハイテク産業開発区管理委員会および無錫威孚高科技集団股份有限公司[Weifu High-Technology Group Co., Ltd.](威孚集団)と戦略的提携枠組みを締結したと発表した。三者はカーボンピークアウトとカーボンニュートラルに向けて協業する。合意に基づき、Bosch Chinaは無錫ハイテク産業開発区に、カーボンニュートラルを研究対象としたシンクタンクを設置し、低炭素モデル企業の選定基準、体系的なCO2排出量の算定法、CO2削減目標の設定などについて、コンサルティングサービスを提供する。またBosch Chinaは、威孚集団とカーボンニュートラルの分野で提携し、威孚集団が行う工場のCO2排出量分析、CO2削減戦略の策定と実施を支援する。(2021年9月9日付プレスリリースより)
展示会出展
海口国際新エネルギー車・コネクテッドカーモーターショー
-Bosch (ボッシュ)中国は、2022年(第4回)海口国際新エネルギー車・コネクテッドカーモーターショー(2022海口新エネルギー車モーターショー)に複数の製品を出展すると発表した。Boschが出展する製品は中大型商用車向けに設計した燃料電池システムソリューション、電動アスクル、パワー電子コントローラINVCON3U、車載充電配電ユニット、モータージェネレーター、電気自動車(EV)の熱管理システム、EV用CVTスチールベルト、インテリジェントコックピットドメインコントローラー、乗員モニタリングシステム、ステアリングバイワイヤシステム、コラム式パワーステアリングシステム、新型ブレーキシステム、第5世代ミリ波レーダーの改良版、第3世代多機能カメラ、第5世代ミリ波レーダー(商用車用)、第3世代多機能カメラ(商用車用)、水素燃料電池の150kWスタック試験台などが含まれる。(2022年1月6日付 Boschの公式Wechat1/2による)
第4回中国国際輸入博覧会
-Bosch (ボッシュ)中国は、第4回中国国際輸入博覧会(China International Import Expo)にコネクテッド交通の分野における低炭素省エネ製品を多数展示した。そのうちの1つは新世代ワイパーシステム。ノズル装置がブレードに組み込まれており、ノズルの角度や噴射方向は調整可能。正確な噴射が可能なため最高30%のウォッシャー液を節約でき、ウォッシャータンクの大きさもコンパクトになった。それにより車両も軽くなり、省エネと排出ガス削減を実現する。このほか、電気自動車(EV)の多段化ソリューションとしてEV専用無段変速機「CVT4EV」を出展した。モーターを終始最適な領域で動作させ、車両の航続距離を延伸し、エネルギー消費を抑える。EV性能を引き上げると同時にモーターの小型化を実現する。(2021年11月3日付プレスリリースより)
上海モーターショー2021
-Bosch (ボッシュ)中国はスマートモビリティソリューションを上海モーターショー2021に展示すると発表した。同社はADASソリューション、燃料電池システム、マイルドハイブリッド車 (MHV) から電気自動車 (EV) までをカバーする電動化ソリューションおよび車載チップ、センサーソリューションなどを出展する。パーキングアシスト機能では、Bosch超音波センサー、サラウンドビューカメラシステムおよびコーナーレーダーを組み合わせた製品を展示。ブレーキシステムソリューションではインテグレート・パワーブレーキ(IPB)、第2世代電動ブレーキブースター (iBooster2) やESPを展示する。車載チップではMEMSセンサー、システム集積回路、パワー半導体とIPモジュールを展示する。このほか、Boschは燃料電池パワーモジュール、電動アクスル、自動バレーパーキング(AVP)およびBosch傘下の聯合汽車電子がリリースした車載コンピューティングプラットフォームソリューションを出展する。その中の燃料電池パワーモジュールは今回が初公開となるという。(2021年4月15日付プレスリリースより)
新会社
-Bosch (ボッシュ)中国は、子会社の博世氫動力系統(重慶)有限公司[Bosch Hydrogen Powertrain Systems (Chongqing) Co., Ltd.]の新拠点が、重慶市九竜坡区で正式に建設を開始したと発表した。博世氫動力系統(重慶)は、ゼロエミッションの水素パワートレインソリューションの提供を目的としたBoschのグループ企業。今回建設される施設は、研究開発及び試験、生産設備、販売管理などの機能を一体化したものとなり、総面積は約24万平方メートルで、第1期に完成する研究開発及び製造設備は約10万平方メートルとなる。2023年の5月より稼働が開始する予定。(2021年12月22日付Bosch中国公式Wechatより)
-Bosch (ボッシュ)のベンチャーキャピタルであるRobert Bosch Venture Capital (RBVC)は、中国の専門技術に対する投資プラットフォーム博原(上海)私募基金管理有限公司[Boyuan Private Equity Capital Management Company Ltd.] (博原資本)を設立したと発表した。RBVCは、無錫威孚高科技集団股份有限公司[Weifu High-Technology Group Co., Ltd.]と共同で博原資本初のファンド「Bosch中国成長基金Ⅰ期」の第1ラウンドのクロージングに参加する。ファンドの目標は10億元規模で、自動車とモビリティサービス、スマートマニュファクチュアリング、IoT、人工知能(AI)、半導体及びカーボンニュートラルなどの領域に出資を行っていくという。(2021年9月27日付プレスリリースより)
-Bosch (ボッシュ)は、完全子会社のITK Engineering GmbHが中国子会社として科広睿工程技術(無錫)有限公司[ITK Engineering (Wuxi) Co,. Ltd.](科広睿)を無錫で設立したと発表した。科広睿はまずは自動車関連事業に重点を置き、車両制御システム、自動運転、コネクテッド技術などの領域でシステム設計、ソフトウエア開発、テスト検証、コンサルティングサービスを提供する。中期的には事業領域を中国の医療および非自動車の技術市場に拡大する計画。(2021年8月18日付プレスリリースより)
水素エネルギー関連動向
-Bosch (ボッシュ)は、同社の水素動力システムを初めて搭載した商用車が正式に引き渡され、運用を開始したと発表した。この水素動力商用車はBosch中国と慶鈴汽車(集団)有限公司[Qingling Motors (Group) Co., Ltd.]が2021年3月に設立した合弁会社である博世氫動力系統(重慶)有限公司の水素動力システムを搭載する。このシステムはBoschの先進電池スタック、水素供給モジュール、電動コンプレッサー及びセンサーを採用。この車両は水素消費量が少なく、水素だけでの航続距離は500km、寿命は2万時間に達するという。(2021年8月13日付プレスリリースより)
研究開発体制
-上海 (Shanghai)、無錫 (Wuxi)、蘇州 (Suzhou)、重慶 (Chongqing) および長沙 (Changsha) の5カ所に研究開発センターを保有。中国には合計8,850人の研究開発要員を保有。2021年には、中国での研究開発に68.7億元を投資。
テクニカルセンター
所在地 | 設立年 | 名称 | 業容 |
1.上海 | 1995年 | 聯合汽車電子有限公司技術中心 [United Automotive Electronic Systems Co., Ltd. Technology Center] |
ガソリンエンジンシステムの研究開発 |
2.無錫 | 2005年 | 博世柴油技術中心 [Bosch Diesel Technology Center] |
ディーゼルエンジンシステムの研究開発 |
3.蘇州 | 2005年 | 博世 (蘇州) 技術中心 [Bosch Suzhou Technology Center] |
自動車電子技術及びブレーキシステムの研究開発 |
4.重慶 | 2006年 | 聯合汽車電子有限公司 (重慶) 技術中心 [United Automotive Electronic Systems Co., Ltd. Chongqing Technology Center] |
ガソリンエンジンシステムのマッチング技術サポート等 |
5.長沙 | 2012年 | 博世 (長沙) 技術中心 [Bosch Changsha Technology Center] |
電動システム、、スターターモーターの研究開発 |
6.保定 | 2015年 | 長城哈弗技術中心 [Great Wall Motor’s Haval R&D Center] |
SUV |
7.上海 | 2019年 | 博世未来駕艙(上海)技術中心 [Bosch Digital Cabin R&D Center] |
スマートキャビン関連製品 |
8.無錫 | 2020年 | 博世中国イノベーションおよびソフトウェア開発センター [Bosch Innovation and Software Development Center] |
組み込みソフトウェア、クラウドおよびIoTソリューション、人工知能、ビッグデータなど。 |
9.北京 | 2020年 | 清華大学-博世機械学習共同研究センター [Tsinghua-Bosch Joint Research Center] |
AI |
試験センター
所在地 | 設立年 | 名称 | 業容 |
1.内モンゴル自治区 牙克石市 |
2007年 | 博世 (呼倫貝爾) 汽車測試技術中心有限公司 [Bosch (Hulunbeier) Automotive Winter Testing Co, Ltd.] |
寒冷気候条件下でのABS、ESP、TCS等各種アクティブセーフティシステムの走行テスト |
2.江蘇省 東海県 |
2010年 | 博世 (東海) 汽車測試技術中心 [Bosch (Donghai) Automotive Test & Technology Center Co., Ltd.] |
ABS、ESPなどのセーフティ技術と製品の研究開発及び評価測定テスト |