中国市場(2024年第1四半期)

BYDがスマート戦略を発表、VWは小鵬と共同開発へ

2024/04/30

要約

比亚迪智能化架构“璇玑”
BYDのスマートアーキテクチャ「璇璣(XUANJI)」(出所:BYD)

 中国汽車工業協会(CAAM)が2024年4月10日に発表した2024年第1四半期(1-3月)の販売台数は前年同期比10.6%増の672万台となった。このうち乗用車は前年同期比10.7%増の568.7万台。商用車は前年同期比10.1%増の103.3万台。新エネルギー車(以下、NEV)は前年同期比31.8%増の209万台となり、中国におけるNEV市場占有率は31.1%となった。

 本レポートは、2024年第1四半期の中国大手自動車メーカー及び外資大手自動車メーカーの中国市場における主要動向を紹介する。多くの自動車メーカーが2024年の販売目標を発表。上汽集団は販売台数を545万台、一汽集団は347万台、長安汽車は280万台、吉利汽車は190万台とした。NEV分野では、広汽埃安(GAC Aion)の電動パワートレイン工場が稼動した。BYDは引き続き各地でNEVおよび部品プロジェクトを推進。小米汽車(Xiaomi)はブランド初のEVセダンを発売した。吉利(Geely)はメタノール自動車分野において複数の提携を締結した。スマート化では、BYDがスマート戦略を発表し、東風汽車傘下の複数のブランドがHuaweiとスマートカー分野で戦略的提携を締結した。奇瑞汽車(Chery)は科大訊飛(iFlytek)と合弁でスマートサウンド製品工場を建設すると発表した。

 外資大手自動車メーカーは、研究開発や製造の現地化を引き続き推進している。VWは、小鵬汽車(XPeng)とプラットフォームやソフトウェアの共同開発に向けた技術提携の協定を締結した。また、天津工場の改造プロジェクトが完成し、上海安亭拠点の電動化生産センター、研究会開発イノベーションセンター、スマート製造センターのアップグレードが加速。また、Audiの長春電動車工場では小ロット生産が開始された。ホンダは、武漢にあるEV工場がまもなく完工予定で、2024年内に生産開始の見込みとなっている。Stellantisと東風汽車が共同出資する神龍汽車では成都工場を改修してアップグレードし、NEVへの転換を発展させる。

 

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