Pickup (Ram)

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2024年04月26日(金)

・4月25日付の複数の米国メディアは、2025年型からフルサイズSUVのGMC「ユーコン(Yukon)」AT4グレードに3.0L直列6気筒Duramaxターボディーゼルエンジンの改良型が搭載されると報じた。同じエンジンは、既に2023年型以降のフルサイズピックアップトラックのシボレー「シルバラード(Silverado) 1500」、GMC「シエラ(Sierra) 1500」に搭載されており、また、フルサイズSUVの2025年型シボレー「サバーバン(Suburban)」、2025年型「タホ(Tahoe)」にも搭載されるという。

・先代エンジン(3.0L I6 LM2)に対し、改良型エンジン(3.0L I6 LZ20)では、燃焼室構造が改良され、新しいスチールピストンや燃料インジェクター採用されている。また、ターボチャージャーコンプレッサーが再チューニングされ、温度制御機能も改良されている。

・最高出力は277hpから305hpに、最大トルクは460 lb-ftから495 lb-ftにアップしており、それぞれ10%、7.6%向上している。詳細は明らかにされていないが、燃費も向上している。

・改良型「ユーコン」は、引き続きGM T1プラットフォームをベースにテキサス州アーリントン(Arlington)工場で生産される。

(Multiple sources on April 25, 2024)

2024年04月04日(木)

・ステランティスは4月2日、2024年第1四半期の米国販売台数が前年同期比10%減の33万2,540台になったと発表した。

・ブランド別では、ジープが2%増の15万7,039台、ラムが26%減の9万5,308台、クライスラーが9%増の3万4,806台、ダッジが16%減の4万2,948台、フィアットが12%増の154台、アルファロメオが4%減の2,285台であった。

・パワートレイン別では、プラグインハイブリッド車(PHV)が前年比82%増となり、そのうち、ジープのコンパクトオフロードSUV「ラングラー4xe (Wrangler 4xe)」、ジープのフルサイズクロスオーバーSUV「グランドチェロキー4xe (Grand Cherokee 4xe)」、ダッジのコンパクトクロスオーバーSUV「ホーネット(Hornet) R/T」、クライスラーのMPV「パシフィカ・ハイブリッド(Pacifica Hybrid)」が米国で最も売れたハイブリッド車(HV)ランキングのトップ5のうち4つを占めた。

・ステランティスは2024年末までに8モデルの電気自動車(EV)を米国で発売する計画で、ジープの電気SUV「リーコン(Recon)」、ラムのフルサイズ電気ピックアップトラック「1500 REV」、ジープのミッドサイズ電気SUV「ワゴニアS (Wagoneer S)」、ダッジのEVクーペ「チャージャー デイトナ(Charger Daytona)」、フィアットのサブコンパクトハッチバックEV「500e」が含まれる。

・ラムブランドは、ミシガン州のスターリングハイツ(Sterling Heights)工場(SHAP)で2024年第1四半期に、2025年型となるフルサイズピックアップトラックの改良型ラム「1500」の本格生産に入り、すでに2025年型「1500」を各ディーラーに供給開始している。

・ラムブランドはまた、フルサービスの顧客対応と付加価値の高いソリューションを提供する新組織の商用車部門ラム・プロフェッショナル(Ram Professional)を、3月に発足させた。

(FCA USA LLC release on April 2, 2024) 1 / 2

2024年03月15日(金)

※英GlobalData社 (旧LMC)のアナリストによるショートレポート (3月8日付) をマークラインズが翻訳したものです。

・北米の2023年のライトビークル(乗用車+ライトトラック)生産台数は前年比9.5%増で、2022年の年間生産台数を140万台近く上回った。前年比の伸びは、半導体の供給不足が大幅に改善され、全般的に部品供給問題が解消したことと、実売価格・金利・経済動向の不確実性などによる逆風にもかかわらず、北米地域の需要環境が予想を上回ったことで達成された。

・2023年は、GM (前年比1.4%減)とステランティス(同1.9%減)を除くほとんどの大手自動車メーカーが好調であった。ステランティスが減少した背景には複数の要因が存在し、特に全米自動車労組(UAW)のストライキ、ジープ「チェロキー(Cherokee)」の生産終了(後継車はまだディーラーに届いていない)、ジープブランドの高級車への移行決定による需要への影響などが挙げられる。

・ステランティスの生産台数減の影響もあり、トヨタはリーマン・ショック及びクライスラーの経営破綻以来初めて北米生産でステランティスを上回った。2023年に前年からの伸び率が最も高かったメーカーは、マツダ(前年比47.5%増)、ルノー・日産・三菱(同32.0%増)、ホンダ(同30.1%増)で、いずれも前年に比べ部品供給が安定し、需要の回復につながったとみられる。

・GlobalDataは、2024年の北米生産台数は1,600万台に達すると予測する。部品関連の供給不足をはじめとする生産面の混乱が改善し、実売価格の高騰や金利という逆風はあるものの、引き続きプラス成長が見込まれる。

・米国での生産は大幅な増加が予想され、GlobalDataとしては、この大部分がテスラ「モデルY」の旺盛な需要の継続、待望の「サイバートラック(Cybertruck)」の生産増強分によるとみている。フォードは今年、人気の高い「ブロンコ(Bronco)」と新型「レンジャー(Ranger)」を増産するため、ミシガン(Michigan)工場を従来の2シフト体制から3シフト体制に移行させ、米国での生産の伸びをさらに高める計画だ。

・しかし、カナダについては今年、フォードがオンタリオ州オークビル(Oakville)工場で、ステランティスが同州ブランプトン(Brampton)工場での電気自動車(EV)生産に備えるために、これら工場の稼働を一時休止することから、カナダ全体の生産量に影響が出ると想定される。これに伴い、2023年12月にブランプトン工場でのクライスラー「300」、ダッジ「チャレンジャー(Challenger)」、「チャージャー(Charger)」の生産が終了し、オークビル工場でのフォード「エッジ(Edge)」の生産も今後数カ月以内に終了する予定である。

・GlobalDataはまた、2024年のメキシコ生産もやや減少するとみている。その要因としては主に、2023年にマーケットシェアの24%を占めた現行乗用車の需要が減少すること、日産「キックス(Kicks)」のフルモデルチェンジが2024年半ばに行われることで、同モデルの今年の生産台数にマイナス影響が出る(2025年の生産ではプラス影響)ことが大きいと想定している。また、VW「ティグアン(Tiguan)」のフルモデルチェンジが12月に予定されており、プエブラ(Puebla)工場での生産も若干減少する見込みである。2024年のカナダ及びメキシコ生産は減少するものの、2025年には回復するとみている。

・北米全体の2024年のEV生産は、既存EVメーカー及び新興EVメーカーがともにラインアップを拡大することで、大幅な増加が期待される。ホンダは1月、同社が北米で初めて販売するEVとなる新型「プロローグ(Prologue)」の生産を開始した。同モデルは、メキシコにあるGMのラモス・アリスペ(Ramos Arizpe)工場でGMとの提携により生産され、GMのアルティウム(Ultium)バッテリーを搭載するBEV3アルティウムプラットフォームを採用している。これに続いてアキュラの新型「ZDX」が導入される。同モデルはGMのテネシー州スプリングヒル(Spring Hill)工場で生産され、同じくGMのBEV3プラットフォームをベースとする。ステランティスの2024年以降の次世代車は、より複数のパワートレイン(ICE、HV、EV)に対応可能で柔軟な新型STLAプラットフォームがベースとなる予定だ。新型ダッジ「チャージャー」のEVセダン、EVクーペ「チャージャー デイトナ(Charger Daytona)」(「チャレンジャー」のICE車の後継)はカナダ・オンタリオ州ウィンザー(Windsor)工場で生産され、新型電気SUVのジープ「ワゴニア(Wagoneer) S」と「リーコン(Recon)」がメキシコ・トルーカ(Toluca)工場で生産開始される。これら4モデル全てが新型STLA Largeプラットフォームをベースとする。同社はまた、最量販車である「ラム (Ram) 1500」のEV及びPHVのレンジエクステンダーバージョンにも新型STLA Frameプラットフォームを採用し、ミシガン州スターリングハイツ(Sterling Heights)工場での生産を計画している。

・2024年には、北米で約60種類のEVモデルがラインアップされ、EVの年間生産台数は約170万台となり、北米の総生産台数の10%超を占めると予測する。しかし、EV需要が軟化すれば、発売の遅れやEV生産台数の減少という下振れリスクもある。

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