日産自動車:2013年4~12月期販売費と品質コストが増加、北米と新興国で減益

世界6地域体制など、きめ細かいマネジメント体制を確立

2014/02/26

要 約

Nissan Sport Sedan Concept
日産がデトロイトオートショー2014年に出展した
「Nissan Sport Sedan Concept」

 日産は、2013年上期決算発表時に、通年度の目標について、世界販売台数を10万台、連結売上高を1,800億円、連結営業利益を1,200億円下方修正した。また、2013年4~12月期に日本自動車メーカー各社が軒並み過去最高または40%を超える営業利益増を計上し、通年度でも利益の順調な拡大を見込むなかで、日産の出遅れ感が目立つとされている。

 日産は通年度目標を下方修正した主な要因は、1)一部新興国での台数減、2)販売費の増加、3)品質関連コスト増加、にあると発表した。実行力とパフォーマンスを強化するため新たな役員体制に再編し、インセンティブおよび取引価格の管理強化を進めるとしている。世界市場の体制を、従来の3地域から6地域に変更し、よりきめ細かなマネジメントを目指す。

 日産は、2011~2016年度の6カ年中期計画"NISSAN POWER 88"で、2016年度に世界シェア8%、安定的な営業利益率8%を目指し、そのために6週間に1新型モデルの投入を続けている。2013年度通期での世界シェア見込みは6.3%、連結営業利益率は4.8%だが、現在の収益の低迷は、中期計画を実行するうえで量の拡大が先行したための通過点であり、今後現場のPDCAをより細かく実行し中期計画目標を達成する方針。また2013~2014年度に9つの新工場が稼動開始し、今後の業績に貢献するとしている。

 しかし同時に日産は、営業利益率8%が必達目標であり、シェア拡大との両立が困難な場合は、利益率8%を重視するとの考え方も示した。

 なおレポート末尾に、LMC Automotive社による世界主要54カ国における日産の販売台数予測を掲載した。


関連レポート:日産の北米事業:2017年をめどに北米新工場建設を検討(2013年7月掲載)

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