三菱自動車:アセアン地域を中心に新興国市場に注力
国内市場は日産と連携深め、共同開発の軽自動車を発売
2013/06/28
- 要 約
- 新興市場:アセアン主要五カ国でシェア12%目標、BRICsでは生産強化
- 成熟市場:生産体制の適正化と、アウトランダー(PHEV)とミラージュを拡販
- 電動化計画と新モデル
- 国内市場:日産との協業を深める
- 中期計画目標値を上回る1000億円の営業利益を狙い、復配へ
要 約
三菱自動車の次世代コンパクトEVコンセプト MITSUBISHI Concept CA-MiEV (2013年 上海モーターショー) |
三菱自動車にとって、2013年度は中期計画「ジャンプ2013」の最終年であり、その目標値を超える1000億円の営業利益と500億円の純利益を計画している。販売台数は中期計画で目標としていた137万台には届かないものの、日米欧の成熟市場での不振を、アセアン地域の拡販で補い、2013年度は116.9万台販売する計画である。「アジア他」地域は、2012年度の売上高(1.8兆円)の約半分を占め、営業利益の全てを稼ぎ出した。
2013年度の計画を達成するため、アセアン諸国・中国・ロシアを中心とした新興国市場で現地生産している、世界戦略車のミラージュ、アトラージュ、アウトランダースポーツ(ASX、RVR)などの拡販を進めていく。また、タイ/フィリピンなどで生産能力の向上も図る。
低迷が続く国内市場では、日産との連携を深め、両社の合弁会社NMKVで開発したeKワゴンを2013年6月に発売。欧州では、2012年にオランダの生産子会社を売却し収益が改善し、地域専用車の生産を取りやめた北米では、ミラージュ、アウトランダーの販売を伸ばしていく計画。
また、2013年6月に開いた株主総会で、資本金と資本準備金を取り崩し9,246億円の累積損失を解消した。同社は、2013年中に優先株を処理し、1997年度以来途絶えている配当再開を目指す。
地域別売上高及び営業利益 |
(億円) |
2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | 2011年度 | 2012年度 | 2013年度 計画 |
||
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売上高 | 日本 | 4,885 | 3,984 | 3,685 | 3,633 | 3,571 | 3,295 | 4,700 |
北米 | 4,027 | 2,322 | 1,754 | 1,898 | 1,952 | 1,577 | 2,100 | |
欧州 | 9,316 | 6,317 | 2,692 | 4,900 | 4,748 | 4,007 | 5,100 | |
アジア他 | 8,593 | 7,113 | 6,325 | 7,854 | 7,802 | 9,272 | 10,800 | |
世界 | 26,821 | 19,736 | 14,456 | 18,285 | 18,073 | 18,151 | 22,700 | |
営業利益 | 日本 | (189) | (151) | (12) | 51 | 68 | (276) | (150) |
北米 | (178) | (396) | (282) | (279) | (262) | (200) | (40) | |
欧州 | 797 | 53 | 8 | (264) | (156) | (70) | 200 | |
アジア他 | 656 | 533 | 425 | 895 | 987 | 1,220 | 990 | |
世界 | 1,086 | 39 | 139 | 403 | 637 | 674 | 1,000 |
資料:三菱自動車決算補足資料 | |
(注) 1. | 上表は外部顧客の所在地を基礎として区分した外部顧客に対する売上高と営業利益。従って、セグメント別情報(三菱自動車および連結子会社の所在地を基礎として区分した売上高および営業利益)とは異なる。 |
2. | 三菱自動車は、ロシア、ウクライナ、カザフスタンを新興市場と位置づけているが、上表では欧州に含む。またオーストラリアを成熟市場と位置づけているが、上表では「アジア他」に含む。 |
3. | ()表示は赤字を示す。 |
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