Weichai Power Co., Ltd.[濰柴動力股份有限公司] 2020年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
  2020年12月期 2019年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 197,491.09 174,360.89 13.27

-2020年、中国国内の大型トラックの販売台数前年比37.9%増の影響で、同社の商用車、商用車用製品の需要が高まった。

営業利益 12,460.73 14,155.89 (11.97)
税引前利益 12,681.68 14,351.65 (11.64)
純利益 11,274.84 91,049.55 (5.31)

-製品別の販売数量では、パワートレイン事業において、エンジンが98万1,000台(前年同期比32.2%増)、トランスミッションが118万6,000台(同18.4%増)、アクスルが109万台(同39.7%増)。 売上高ベースでは、大口径エンジンは前年同期比21.7%増の9億5,000万元、ハイエンド油圧機器は前年同期比53.8%増の5億元。

  

買収

-2020年3月2日、同社傘下のKION Group AGは852.04百万人民元(110百万ユーロ)の対価でDAIの100%を取得し、DAIの財務・営業方針およびその他の関連活動に対する支配権を取得した。DAIはKION Group AGのSupply Chain Solutions事業部の傘下に入り、Dematic Groupのソフトウェアポートフォリオを拡大する。

 

戦略的提携

-同社は、北汽福田汽車股份有限公司と山東省濰坊の濰柴動力本社で戦略的提携枠組み合意書に調印したと発表した。両社は排気量2.0L、2.5Lのディーゼルエンジンを対象に事業提携する。研究開発、製造、部品調達、市場開拓など全産業チェーンで連携し、山東省濰坊での小径ディーゼルエンジン製造拠点建設に向け協業し、世界の顧客に製品とサービスを提供する。(2020年8月8日付プレスリリースより)

-同社はBosch(ボッシュ)との共同開発プロジェクトでの大型商用車向けディーゼルエンジンの効率を46%から50%に改善したと発表した。Boschは射出圧力2,500バールのコモンレールシステムに加え、射出システムにその技術ノウハウを提供した。両社は2018年9月に共同開発を開始、12.9L 6気筒ディーゼルエンジンにBoschのモジュール式コモンレールシステムを採用した。Boschのシステムは1,800-2,500バールの圧力レベルで使用でき、最大8気筒までのエンジンサイズに対応する。高いノズル流量が燃焼最適化と高いエンジン性能改善を可能にし、要件に応じて最大160万km使用することができるという。コモンレールシステムは電動化車両向けとしても設計されている。(2020年9月16日付プレスリリースより)

-同社は、盛瑞伝動股份有限公司[Shengrui Transmission Corporation Limited](盛瑞伝動)と戦略的提携合意書に署名したと発表した。濰柴動力は盛瑞伝動が開発した8AT事業に参画し、両社は中国の軽型商用車用及び乗用車用トランスミッション技術の産業化推進で協力する。将来は技術提携を強化し、濰柴2Lディーゼルエンジンとリンクさせた新世代8ATディーゼルパワートレインの普及を加速させる。(2020年8月31日付プレスリリースより)

-同社は、スイスのFISCHER Spindle Group Ltd.と戦略的提携に合意したと発表した。濰柴動力はFISCHER の燃料電池コンプレッサー事業に出資し、中国に合弁会社を設立する。今回の提携により、濰柴動力は燃料電池産業チェーンを拡張し、燃料電池動力システムのコア競争力を引き上げる。また、双方は山東での設備投資も計画しており、燃料電池コンプレッサーソリューションをグローバルに提供するとしている。(2021年3月25日付プレスリリースより)

-同社は、独ARADEXと山東省済南で戦略提携合意書を結んだと発表した。独ARADEXは1989年設立。モーター、ECU、電源の開発に注力している。両社は新エネルギー動力システムの開発で協力する。(2020年1月15日付プレスリリースより)

  

研究開発費

(単位:百万元)
  2020年12月期 2019年12月期 2018年12月期
研究開発費用 8,294,09 7,347.01 6,493.62
研究開発費用の売上高に占める割合(%) 4.20 4.21 4.08

研究開発体制

-2020年12月31日まで、研究開発人員は5,485名,全体的の6.72%を占めている。
   

研究開発拠点

-中国とオーストリア、日本に研究開発センターを保有。 

  

工場動向

-山東省濰坊市に位置する水素燃料電池動力システム工場の操業を開始したと発表した。この工場は濰柴動力が2018年に燃料電池産業パークプロジェクトとして建設に着手したもの。また、燃料電池の要となる材料、電池セル、電池スタック、エンジン、パワートレインおよび完成車用のテストベンチを揃え、燃料電池システムのみならず完成車の測定評価能力を有する。年産能力は水素燃料電池動力システムおよび電池スタック20,000セットと、現在世界最大規模の水素燃料電池動力システム生産拠点である。今回ラインオフした水素燃料電池動力システムは間もなく国内バスメーカーに納入され、完成車組立後は濰坊公共バス市場に投入され、大規模なデモンストレーション運行が行われる予定である。(2020年3月31日付けリリースより)