日本特殊陶業 (株) 2020年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2020年
3月期
2019年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 426,073 425,109 0.2 -自動車関連事業では、排気ガスセンサーを中心に新車組付用製品の販売は堅調に推移し、補修用製品については米国及び中国市場で需要が底堅く推移
-一方、新型コロナウイル
ス感染拡大に伴うOEMの操業活動の停止による影響、前年に比べ為替が円高に振れている影響等が、売上高・営業利益を押し下げた。
営業利益 48,447 55,321 (12.4)
経常利益 44,749 56,649 (21.0) -
親会社株主に帰属する当期純利益 33,698 40,515 (16.8) -

 

2021年3月期の見通し

-新型コロナウイルス感染拡大の影響により未定。

 

研究開発費

(単位:百万円)
2020年3月期 2019年3月期 2018年3月期
全社 28,315 28,071 25,283
-自動車関連事業 565 543 1,293

 

研究開発体制

-活動の主体となるのは、本社機構である技術開発本部および各事業部技術部。
-テクニカルセンターを米国、欧州、ブラジル、韓国に保有。
 

研究開発活動

スパークプラグ
-エンジンの燃焼速度を高速化し燃費向上に貢献することを目的とした新たなスパークプラグの開発。

センサー
-4輪向け酸素センサーの最新製品の開発。

半導体
-自動運転化に伴うLiDAR用セラミックパッケージ、5G化に伴う通信用途セラミックパッケージ、5Gアンテナモジュールの開発。

その他
-既存のリチウムイオン電池に対して、より安全で小型化が期待できる全固体電池の開発。

自動運転試験の実施
-A.I.maticsと開発中であるレベル4相当の都心自動運転車の1次走行試験が成功した。2020年末までに数回にわたって追加試験を行う計画。A.I.maticsの道路上の停止警告を認識して自動運転車が一時停止するなどの人工知能 (AI) ベースの自動運転映像認識アルゴリズムの技術が確認された。(2020年5月27日付各種リリースより)

-韓国のPLK Technology (PLK) は、日本特殊陶業 (NGK) が同社の株式5%を取得するとともに、両者間で自動運転レベル4 (高度自動運転) の車両開発に関する契約を締結した。NGKは、カメラセンサー、AI画像認識、コネクテッドカーなどの分野に進出するため、PLKに対する継続的な投資と支援を計画している。特に、PLKの自動運転プラットフォームとディープラーニング画像認識ソリューションを、NGKの顧客ネットワークを通じて自動車業界に供給する計画。(2019年9月25日付各種リリースより)

5Gミリ波向けアンテナモジュール
-開発中の基地局向けおよび携帯端末向けの5G (第5世代移動通信システム) ミリ波向けアンテナモジュールで、28ギガヘルツでデータ通信が可能であることを実証したと発表。モジュール化にあたり、半導体向けパッケージの製造で培った多層基板技術を適用することで、ミリ波を扱う回路とアンテナを一体化した。材料にはミリ波帯で必要となる高周波特性に優れ、耐環境性や放熱性も備えた自社開発の材料を用いたことで、伝送損失の低減を実現した。(2020年4月8日付日刊自動車新聞より)

三菱日立パワーシステムズとの合弁による燃料電池円筒セルスタックメーカーの設立
-日本特殊陶業と三菱日立パワーシステムズは、燃料電池の円筒セル (単電池) スタックを製造・販売する合弁会社を設立することで合意したと発表。製造する燃料電池は産業用や業務用として売り込む考え。新会社は独禁法当局の審査を経た後、日本特殊陶業の小牧工場 (愛知県小牧市) 内に設立する。日本特殊陶業が7割、三菱日立パワーシステムズが3割を出資する。名称や代表者はこれから詰める。両社は2014年6月に業務提携し、都市ガスなどを改質して発電する固体酸化物形燃料電池 (SOFC) 用の円筒セルスタック開発を始めた。円筒セルスタックは、セラミックスでできた構造部材の表面に複数の発電素子を形成し、素子間を電子導電性セラミックス部品で直列に接続するもの。低電流で高電圧の電気出力を効率良く取り出せるという。(2019年7月8日付日刊自動車新聞より)

 

設備投資額

(単位:百万円)
2020年3月期 2019年3月期 2018年3月期
全社 51,004 56,587 37,591
-自動車関連事業 42,462 45,614 29,525

 

設備の新設計画

-2021年3月期の計画は、コロナウイルスの感染拡大により未定。