Nexteer Automotive Group Ltd. 2019年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ドル) |
2019年 12月期 |
2018年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 3,575.7 | 3,912.2 | (8.6) | 1) |
純利益 | 234.7 | 384.3 | (38.9) | 2) |
要因
1) 売上高
-2019年12月期の売上高は、前年比8.6%減の3,575.7百万ドル。ライトビークルの生産減が同社の3地域での売上にマイナス影響を及ぼした。その他、為替影響やGMの従業員ストライキがマイナス影響の要因。北米での売上は6.7%減少し、アジア太平洋地域では17.8%、EMEAおよび南米地域では4.2%減少した。
2) 純利益
-2019年12月期の純利益は、前年比38.9%減の234.7百万ドル。完成車両の生産減少、為替影響のマイナス、製品出荷量・構成の悪化、税金の増加による利益減少。
合弁事業
-東風汽車零部件(集団)有限公司[Dongfeng Motor Parts And Components Group Co., Ltd.] との合弁会社である東風耐世特転向系統(武漢)有限公司 [Dongfeng Nexteer Steering Systems (Wuhan) Co., Ltd.] にてシングルピニオンアシスト式EPS (SPEPS) システムの量産開始を発表した。これにより、Nexteerは世界28カ所の生産拠点を持つことになる。東風耐世特転向系統(武漢)有限公司は、現在のNexteerの顧客であるBMWやPSAなどの自動車メーカーのA~Cセグメントの車両で採用されているSPEPSシステムを製造する。NexteerのEPSは、ハードウェアおよびソフトウェアが同時開発され、ドライバーと路面を繋げられるよう連携して作動し、ドライビングダイナミクスと操作環境の両面が考慮されている。また、車線維持アシスト、パーキングアシスト、ステアリングの中央位置へのアクティブリターン、渋滞アシストなどの機能を含む先進運転支援システム (ADAS) も可能にしている。(2019年8月20日付プレスリリースより)
近年の動向
-2019年6月、同社は柳州の生産施設を同社保有の市内の拠点に移転した。新施設では、コラムアシストEPSシステムとその関連技術をアジア太平洋市場向けに製造する。
受注
-2019年、45件の主要プログラムを発動した。北米で13件、EMEAおよび南米地域で4件、アジア太平洋地域で28件。
北米
- Chevrolet Silverado HD, GMC Sierra HD: インテグラルギア、ステアリングポンプ、中間シャフト、ハーフシャフト
- Cadillac CT5: ステアリングコラム
- Cadillac XT6: ハーフシャフト、ラックアシストEPS
- Ford Explorer: ステアリングコラム、ハーフシャフト
- Lincoln Aviator: ステアリングコラム、ハーフシャフト
- Ford F-53, Ford F-59: ステアリングコラム
- Karma Revero, Revero GT, Revero GTS: ステアリングコラム
EMEAおよび南米
- DS3 Crossback: シングルピニオンアシストEPS
- Opel Corsa: シングルピニオンアシストEPS
- Peugeot 2008: シングルピニオンアシストEPS
- Peugeot 208: シングルピニオンアシストEPS
アジア太平洋
- BYD E2: コラムアシストEPS
- BYD E3: コラムアシストEPS
- BYD Yuan: コラムアシストEPS
- Ossan X7: コラムアシストEPS、ハーフシャフト
- Changan Cs35 Plus: ハーフシャフト
- Chery Arrizo GX: コラムアシストEPS
- Exeed LX: ハーフシャフト
- Exeed VX: ハーフシャフト
- Guangzhou Auto Aion S: コラムアシストEPS
- Cadillac XT6: ハーフシャフト、ラックアシストEPS
- Buick Encore: コラムアシストEPS、ハーフシャフト
- Chevrolet Trax: コラムアシストEPS、ハーフシャフト
- Mahindra XUV300: ハーフシャフト
- Peugeot 208: シングルピニオンアシストEPS
- Nissan DAYZ: ハーフシャフト
- Mitsubishi eK Wagon: ハーフシャフト
- Renault Triber: コラムアシストEPS、ハーフシャフト
- eGT K-Ze: コラムアシストEPS
- MG Hector: コラムアシストEPS
- Baojun RS-3: コラムアシストEPS
- Maruti Suzuki S-Presso: ハーフシャフト
- Tata Harrier: ハーフシャフト, HPSステアリングポンプ
受賞
-2019年、同社は以下の賞を受賞:
- GM Supplier of the Year
- Ford Silver Level Manufacturing Awards for Nexteer Suzhou (中国)
- Shanghai-GM-Wuling Excellent Responding Award and International Pioneer Award for Nexteer Asia Pacific
- Groupe PSA Platinum Supplier Status Certificate of Excellence for Nexteer Poland (ポーランド)
- GM Supplier Quality Excellence Award for plant in Saginaw, Michigan, U.S. (米国)
- thyssenkrupp Delivery Quality Award for Nexteer Poland (ポーランド)
研究開発費 |
(単位: 百万ドル) |
2019年12月期 | 2018年12月期 | 2017年12月期 | |
全社 | 296.3 | 272.0 | 249.3 |
収益に占める割合 | 8.9% | 7.0% | 6.4% |
研究開発拠点
-2019年12月31日現在、同社はグローバルテクニカルセンター1拠点、テクニカルセンター2拠点、ソフトウェアサービスセンター1拠点を保有。
-2019年、同社はポーランドTychyのテクニカルセンターに電子評価施設を増設した。同テクニカルセンターにはその他、試作センター、メカニカル評価施設、NVH評価、ガレージ、テストコースが備わっている。同センターは、200名のエンジニアが様々な分野に従事している。
-高度なステアリングアプリケーションにおけるソフトウェア機能の需要増に対応するため、インドBengaluruにソフトウェアセンターを新設したと発表した。新センターでは下流ソフトウェアの製造と検証に注力し、品質と規制の遵守を保証する。一方、米国のグローバル技術センターは、ポーランドと中国の技術センターと連携して上流ソフトウェア開発と研究開発に取り組む。インドの新センターの従業員数は現在約100名で、2019年末までに200名に増員する計画で、アーキテクチャ開発から納品まで、ソフトウェアおよびキャリブレーションプロジェクトのあらゆる側面に携わるという。(2019年1月30日付プレスリリースより)
設備投資 |
(単位: 百万ドル) |
2019年12月期 | 2018年12月期 | 2017年12月期 | |
全社 | 368.3 | 303.7 | 357.4 |
米国内での投資
-2019年、同社はミシガン州Saginawでのドライブライン事業において、効率性とコスト競争向上を目的とした改革を開始した。投資には、新規資産、技術革新、戦略的供給ベースの信頼性向上、プロセス標準と規律の向上などの内容が含まれる。改革プロセスは、Saginawとその他ドライブライン事業間での一貫性をより高めると期待されている。
米国以外での投資
<モロッコ>
-同社としてはアフリカ地域初の工場をモロッコのKenitraに設立したと発表した。107,000平方フィートの敷地に2018年に着工されたこの拠点は、2019年9月の稼働開始を予定、2020年までに約500名の従業員を雇用する。この工場で生産予定の電動パワーステアリング (EPS) システムは、PSA向けのシングルピニオンEPSなど。この製品は現在BMWやPSAのA-Cセグメント車に供給しているプレミアムステアリングシステムと同一のものとなる。またドライブラインシステムについては、FCA、PSA、ルノー、日産、三菱アライアンス向けの次世代ハーフシャフトなどを生産する予定。(2019年6月26日付プレスリリースより)
<インド>
-インドChennai工場の新設を発表した。8,386平方メートルの新工場では2019年末までに150名の雇用を見込み、インド市場向け電動パワーステアリング(EPS)システムおよびドライブライン製品を製造する。同社のEPSシステムは、車線維持、駐車アシスト、車線逸脱警告、渋滞アシストなどのADAS機能を有効にしながらドライバーの快適性を改善させるとともに、燃費効率の向上と排ガス削減ももたらすという。(2019年1月30日付プレスリリースより)