Marelli Europe S.p.A. (旧 Magneti Marelli S.p.A.) 2018年12月期の動向
業績
-2018年12月期の売上高は約7,500百万ユーロ。前年の8,700百万ユーロから約13.8%減少した。
FCAによる同社売却及びCKホールディングスによる買収
-FCA傘下の自動車部品部門のMagneti Marelliを、日本の大手部品メーカーであるカルソニックカンセイの持ち株会社CKホールディングスに売却する最終契約段階に入ったと発表した。売却が完了すると、CKホールディングスは「Magneti Marelli CK Holdings」に社名変更する。売却額は62億ユーロ。2019年上半期に売却完了見込であるが、最終的には規制当局の承認やその他慣例となっている完了条件に依るという。この取引は2つの成功した企業を合併し、売上高152億ユーロの世界7位の独立系部品メーカーを生みだすという類いまれな機会となる。新会社は、欧州、日本、南北アメリカ、アジア大洋州に約200カ所の工場や研究開発センターを保有することになる。 (2018年10月22日付プレスリリースより)
ー複数の欧米メディアは、FCAが子会社のMagneti Marelliを投資ファンドKKRが所有するサプライヤーに60億ユーロで売却する交渉を行っていると報じた。関係者によると、FCAの分割計画の条件が悪化したため、KKRは50億ユーロ規模の支払いを目指しているという。KKRは、会談を主導している子会社のカルソニックカンセイとMagneti Marelliとの合併を計画している。FCAとKKRとの評価価値の違いにより、8月末の交渉締切は2度延長され、今後も協議が行われるとしている。(2018年9月12日付各種報道に基づく)
ーDetroit Free Pressは、投資ファンドのKKRがFCA傘下で照明部品、電子機器、パワートレイン製品を製造するMagneti Marelliを買収する交渉を行っていると報じた。買収の可能性は、43,000名の従業員を有するMagneti Marelliのスピンオフに取り組んでいたFCAの方向性を変えることになる。KKRはカルソニックカンセイを通じてMagneti Marelliを買収する予定で、重複事業などの排除によりコスト削減を図るという。KKRは2017年に日産などの株主からカルソニックカンセイを45億ドルで買収した。(2018年8月22日付Detroit Free Pressより)
主な受注
納入先 | モデル | 供給部品 |
BMW | X4 | アダプティブフルLEDヘッドランプ |
2 Series Gran Tourer | アダプティブフルLEDヘッドランプ | |
Citroen | Berlingo | インフォテインメント向け8インチディスプレイ |
Jeep | Wrangler | フルLEDヘッドランプ、カラー3.5インチTFTもしくはHDカラー7インチTFTのインストルメントクラスター |
Mercedes-Benz | S-Class Maybach | マルチビームフルLEDマトリックスフロントライティングシステム、LEDリアランプ |
Peugeot | 508 | インストルメントクラスター、 タッチパネル式8インチディスプレイ |
Skoda | Fabia | 新LEDフロントライティングシステム |
Kodiaq L&K | 電動スロットル、GDIポンプ、インジェクター |
研究開発活動
-大学や研究機関との協力プロジェクトが全社研究開発活動の約20%を占める。
製品開発
CES 2019
ー最新ソリューションをCES 2019に出展すると発表した。同社は自動運転用センサーをヘッドランプとテールランプに統合した第3世代の「Smart Corner」や、自動運転シグナル伝達用のアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイをフロントグリルとリアアップリケに組み込んだテスト車両などを出展する。このほか世界初の130万画素のヘッドランプや、アダプティブドライビングビーム(ADB)モジュールなども公開する予定。(2018年12月20日付プレスリリースより)
CES Asia 2018
ー上海で開催されるCES Asia 2018において、HMI、E-Cockpit、先進運転支援システム、GDIシステム向け照明およびパワートレイン技術などを出展すると発表した。同社はインストルメント・クラスターやセンターインフォメーションディスプレイ(CID)などを包含する技術「E-Cockpit」を公開する。また、異なるオペレーティングシステムおよび技術と、最大で同時に4つのスクリーンまでを同時に統合して管理することができる「Cockpit-ECU」の試作品を出展予定。そのほかパワートレイン分野では、各シリンダー用の追加インジェクターによって燃焼室に水を噴射することが可能なガソリンターボ圧縮機向けシステム「Water Injection」や、1000-bar GDI技術なども公開する。(2018年6月16日付プレスリリースより)
NAIAS 2018
-電子部品や照明システム、自動運転車に関する最新技術を北米国際自動車ショー (NAIAS)で披露すると発表した。NAIASでは、「CES 2018」で紹介された同技術に加え、ソリッドステートLiDAR技術を開発するLeddarTechへの投資をもとに、カメラとレーダー、LiDARをプロジェクターヘッドランプとテールランプに統合した「Smart Corner」や、複数のセンサーから送られるデータを「統合」し、周辺環境のより正確かつ包括的な理解に役立てる「ride and drives」も出展するとしている。(2018年1月17日付プレスリリースより)
海外投資
<インド>
ー同社との合弁事業を展開しているインドのTalbros Automotive Componentsは、投資家向け情報として稼働能力の拡大について明らかにした。同合弁事業において、Talbrosはマルチスズキへの供給のためインドManesarにある小規模設備を取得。また、90百万インドルピーを投じ、ロボット溶接機を導入した。(2017-2018年度第3四半期Talbrosカンファレンスコールより)