MANN+HUMMEL GmbH 2019年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2019年12月期 2018年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 4,213 3,955 6.5 1)
EBIT 153 94 63.9 -


要因
1) 売上高
-2019年12月期の全社売上高は前年比6.5%増の4,213百万ユーロ。輸送機器部門、ライフサイエンス&エンバイロンメント部門いずれも増収となった。

 

合弁事業

-Hutchinsonは、MANN + HUMMELとの合弁会社TCSA (Thermal Control Systems Automotive)の株式の過半数を取得したと発表した。TCSAはHutchinsonの流体管理システム(FMS)事業に統合されており、電気自動車(EV)およびハイブリッド車(HEV)の熱管理および冷却システムに特化する。フランスLavalに拠点を置く新会社の従業員数は約60名で、すでに操業を開始、車両内の流体の循環管理用アクティブバルブを製造している。このバルブは様々なプラットフォームに適応可能で、CO2排出量の削減に大きく貢献するという。(2019年9月6日付プレスリリースより)

 

事業提携

-MANN+HUMMELは、CMBlu Energyとの間で有機レドックスフロー電池用エネルギー変換器の共同開発および工業化を行う契約に合意したと発表した。両社は提携により充電インフラストラクチャの開発を通じてeモビリティをサポートし、蓄電技術を提供するといい、目標達成に向けMANN+HUMMELはi2M GmbH (innovation-to-market)という事業体を設立、欧州工場に生産ラインを導入する予定。CMBluは今後2年間で顧客とのパイロットプロジェクトを計画しており、2021年に新システムの市場投入を目指すとしている。(2019年3月28日付プレスリリースより)

 

最近の動向

-コスト削減を目指すグローバルプロジェクトの開始を発表した。2019年末までに効率性の改善点を特定して経費節減措置を実行し、約60百万ユーロのコスト削減を計画する。社内を再構築することにより、自動車および産業事業に加え、新設のライフサイエンス・環境事業の強化を図るという。(2019年2月5日付プレスリリースより)

 

受注

-ドイツの高級自動車メーカーと各種モデルのパワートレインのライセンス契約を締結している、ベトナムの自動車メーカーVinFastに製品を供給。VinFastのセダン「VinFast Lux A 2.0」とSUV 「VinFast Lux SA 2.0」 の2車種に対し、エアクリーナーシステム、給気ダクト、オイルフィルターシステム、燃料フィルター、吸気マニホールドなどの部品を提供する。
 

受賞

-2019年は以下の表彰を受賞。

  • GM「2018 Supplier of the Year」
  • FAW-VW「Outstanding Contribution & Marketing Innovation Award」
  • Mann+Hummel Thailandに対するFord「Top Supplier Award」

 

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
合計 135 140 133

-売上高の約4%を研究開発に投資。
 

研究開発体制

-2019年12月末時点、1,100名超が研究開発に従事。
 

製品開発

フロントエンドモジュールに組み込まれた微粒子フィルターのコンセプト
-HBPOと共同で、フロントエンドモジュール内のクーラーとバンパーの間に設置できる微粒子フィルターのコンセプトを開発。フィルターは、パッシブモードまたはアクティブモードで使用できる。パッシブモードでは、車両の走行中に流入する空気をフィルタリングし、微細な粉塵濃度を低減する。アクティブモードでは、冷却装置の背後にあるファンによってシステム内を流れる空気量が増加するため、捕捉されるダストの量が増加する。微粒子フィルターのコンセプトにより、電気自動車に匹敵する微粒子排出バランスを実現。

フィルターモニタリングソリューション
-フィルターの状態を正確に監視する世界初のソリューションを開発したと発表。このソリューションを使用すると、フリート車両の正確な状態をいつでも確認することが可能になり、フィルターが常に適正なタイミングで交換されるようになるという。さらにメンテナンス時間が機械のスケジュールと正確に一致するため、計画外のダウンタイムが削減され、耐用年数を超えるリスクを排除でき、効率を改善してコスト削減を実現するという。この製品はさまざまなセンサーが空気およびキャビンのエアフィルター、オイル、油圧オイル、トランスミッションオイルフィルター、燃料プレフィルター、メインフィルターの負荷状態を監視し、エンジンオイル、油圧オイル、燃料の状態も確認するという。(2019年11月7日付プレスリリースより)

IAA 2019での出展技術
-フィルター製品やソリューションをフランクフルト・モーターショーに出展すると発表した。フロントエンドモジュール内の従来使用されていなかったフロントバンパーとクーラーの間のスペースに搭載可能な統合ダスト微粒子フィルターをHBPOと共同開発し、今回初公開する。また、ブレーキキャリパー上に直接取り付け可能で、ブレーキからの微粒子を留め置くパッシブブレーキダスト粒子フィルターも出展する。さらに、エアコンシステムを主に内気循環で作動させ、エネルギー消費削減による航続距離延長やフィルター寿命延長に貢献する、電気自動車 (EV) に最適な「FreciousSmart」キャビンフィルターシステムも披露する。そのほかeモビリティ向けとして、バッテリーシステムを保護するための、冷却エア粒子フィルター、エアドライヤーカートリッジ、オイルドライヤーカートリッジなどのフィルターソリューションのほか、燃料電池セルを有害ガス・粒子・水から保護するエアガイダンスシステムも展示する。(2019年9月10日付プレスリリースより)

 

設備投資額

 (単位:百万ユーロ)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
合計 (有形固定資産) 143 154 164

-2019年12月の設備投資額は売上高の約3.4%を占めた。

 

海外投資

<米国>
-米国現地法人MANN+HUMMEL USAは、15百万ドルを投じて2011年開設のテネシー州Dunlap工場に新設備の導入と改修を行うと発表した。同工場の従業員数は300名で、エアインテークマニホールドと濾過システムを製造している。同社は今後5年間で50名を追加雇用する見込み。米国ではこのほかカリフォルニア州、イリノイ州、ミシガン州、ネバダ州、ノースカロライナ州、ペンシルバニア州、サウスカロライナ州、バージニア州で事業を展開している。(Tennessee Department of Economic Development release on December 10, 2019)