(株) 今仙電機製作所 2020年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
  2020年
3月期
2019年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 112,081 118,579 (5.5) -
営業利益 2,720 3,740 (27.3)
経常利益 2,820 3,691 (23.6)
親会社株主に帰属する当期純利益 553 2,474 (77.6) -
自動車部品関連事業
売上高 108,224 114,489 (5.5) -北米、中国での減産などにより減収減益。
営業利益 2,700 3,700 (27.0)

 

中長期経営計画

-IMASEN中長期経営目標「Dream 2020」において、営業利益率6%の達成を目指す。
-2020年3月期の営業利益率は2.4%。2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症による影響の見通しが不透明な中、さらに厳しい状況が予測される。

Dream2020 フェーズ3 (2019年3月期 - 2021年3月期) の主な取り組み

<技術革新>

  • 保有技術を集結し、電子分野で新製品を開発
  • 世界TOP品質の設計・加工技術を構築

<国内事業の再構築>

  • 国内事業の縮小に対応するよう国内拠点を統廃合する

<グローバル拠点の最適化>

  • 工程系列を見直しグローバルでの最適供給方法を確立する

<人材育成>

  • グローバルに活躍できる人材、ローカルスタッフを育成する

<事業の選択と集中>

  • 事業拡大に向けて経営リソースの投下を拡充する

生産体制の最適化

国内のシート機構部品の生産体制の最適化を図る。名古屋工場(愛知県犬山市)での生産を2021年度までに岐阜工場(岐阜県八百津町)に移す。2工場での生産を1工場に集約することで効率化を図る。生産移管に伴い、岐阜工場ではスマートファクトリー化を推進して対応する。名古屋工場のプレス工程は移管が難しいため、21年度以降も当面は残す。生産移管に併せて、岐阜工場では工場スマート化の一環として工場内物流を改善する。部品供給や空箱の排出、製品の排出で自動化を進めるほか、無人搬送車(AGV)に加えてコンテナ搬送車の導入なども検討する。機動力が高い搬送車を導入し、数量増などへの対応力を強化していく。(2020年3月5日付日刊自動車新聞より)

電子制御ユニット(ECU)など自動車用電子制御装置の生産ラインの見直しに着手する。受注が急激に増加したこともあり、現状では製品ごとにラインを立ち上げる傾向にあった。今回のラインの見直しで、複数種類の製品を生産できる汎用ラインの構築を目指す。電子ユニット事業では現在、開発機能の拡充も進めており、生産面の見直しも図って事業拡大に備える。電子制御装置の生産拠点となる広島工場(広島県東広島市)に基幹ラインを構築する。年内には着手し、具体的な数値目標などは今後詰める。電子ユニットは主力のシートアジャスターに次ぐ第2の柱に位置付けて事業の拡大を図っている。(2020年2月28日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円)
  2020年3月期 2019年3月期 2018年3月期
全社 2,020 1,903 1,832
-自動車部品関連事業 1,973 1,861 1,785

研究開発拠点

-広島テクニカルセンター (広島県東広島市)
-栃木テクニカルセンター (栃木県芳賀郡)
-IMASENグローバル開発・研修センター (愛知県犬山市)

電子部品事業の開発機能を拡充する。4億円を投じて広島県東広島市に新たな開発施設を設置し、現在は65人の設計エンジニアを2025年までに140人に増やす。これによって取引先の要求へこれまで以上に応えられる体制を整備し、受注拡大に結びつけたい考えだ。主力のシートアジャスター事業に次ぐ第2の柱となる事業を育て上げる。新たな開発施設は、電子部品事業を手がける「広島テクニカルセンター」の敷地内に開設する。(2019年11月25日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-以下の研究開発を推進している:

自動車部品関連事業

<シートアジャスター>
-衝突時の乗員保護を達成する製品や適正な姿勢を確保する製品の開発。
-低燃費を実現させるため、部品の削減、新素材、新加工による小型軽量化製品の開発など。
-快適で利便性に優れ、リラックスできる空間を提供できる安全なシートアジャスタの開発。
-CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮と、スライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発。
-音・振動といった感覚的性能に優れたパワーシートアジャスターの開発、パワー作動時の挟み込み防止技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発。

<電子ユニット>
-各種装置の複合制御を可能とした統合ユニットの製品化。
-シート、サンルーフやオープンカールーフなどの各種ECUを製品化。
-各種シートアレンジ制御など機構と電子を融合したメカトロニクス製品の研究開発。
-画像処理技術により運転者の状態を監視し、ドライバーに対する安全性、快適性を追求した安全快適性装備製品の研究開発。
-燃費向上に貢献する電圧変換制御ECUの製品化。
-環境対応車 (EV、HEV) 用の電子機器製品および車載カメラの映像信号から人の目では見落としがちな前方車両との距離、歩行者等を人の目の代わりとなって交通事故の減少に繋がる技術の研究開発。
-事故時の電力ダウン時のバックアップ制御の研究開発。

<ランプ>
-LED素子を採用したリアコンビネーションランプ、方向指示器、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発。


設備投資額

 (単位:百万円)
  2020年3月期 2019年3月期
全社 4,234 4,681
-自動車部品関連事業 4,186 4,645
国別設備投資額 (全社)
日本 2,199 2,797
北米 665 402
メキシコ 33 23
中国 433 348
タイ 643 679
フィリピン 184 373
台湾 14 27
インド 57 29
インドネシア 2 0


-2020年3月期の主な設備投資の対象は、ラウンドリクライニングアジャスターおよびシートアジャスターの製品生産設備。

設備の新設計画 (自動車部品関連事業)

 (2020年3月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
岐阜工場
(岐阜県加茂郡)
生産設備 583 2020年3月 2021年3月
広島工場
(広島県東広島市)
建物、生産設備 378 2020年3月 2021年3月
Imasen Bucyrus Technology Inc. オハイオ工場
(米国 オハイオ州)
生産設備 672 2020年1月 2020年12月
Imasen Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.
(タイ アユタヤ県)
生産設備 514 2020年1月 2020年12月