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大同メタル工業 (株) 2020年3月期の動向

自動車用エンジン軸受事業
-同セグメントにおける売上高は前年比5.9%減の60,982百万円(セグメント間の内部売上高を含む)、営業利益は前年比23.3%減の7,285百万円。

受注

-Cumminsから大型商用トラック用エンジン「X12」向けのすべり軸受けを受注したと発表した。このエンジンは、米国および中国でも生産され、それぞれのエンジン工場に向けて大同メタルの海外関係会社である大同メタルU.S.A.および大同精密金属 (蘇州) 有限公司を通じて軸受の供給を行う。「X12」は従来のエンジンと比較し、すべり軸受けの使用環境が厳しく、大同メタルの軸受材料および精密加工などの技術ソリューションが高く評価され受注に至ったという。（2019年12月19日付プレスリリースより）

中期経営計画実行状況

同社は中期経営計画において以下を掲げている。

• 既存事業の磨き上げ
  • 同社はすべり軸受において全分野でのトップシェアを目指す。2019年暦年のグローバルマーケットシェアは以下の通り

• 新規事業の創出・育成
  • 「未来」創造室の設置
  • 積極的M&Aによる新事業領域進出
  • タイ新工場におけるEV向けアルミダイキャスト製品生産開始
    製品：パワーコントロールユニット用アルミダイカストケース
    納入先：日本の部品メーカー
  • 買収した会社とのシナジーの実現
    ・国内工場再編成（3工場→2工場）
    ・北米生産拠点をメキシコに集約し、生産を効率化
    ・海外関係会社（大同メタルU.S.A. INC.）と販売協業体制をとり北米販売を強化
    ・電気自動車（PHEV含む）の新規案件開拓
    ・ACT（アルミダイカスト製品）とのユニット化
  • 欧州での風力発電用特殊軸受生産を検討
  • カルム (アルミニウム粉末を独自の方法で焼結した多孔質板)の拡販

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発活動

アイドリングストップおよびハイブリッド機構など低燃費対応エンジン用軸受の開発
-従来製品に比べ耐摩耗性・耐焼付性・摩擦特性を飛躍的に向上させた各種樹脂オーバーレイ(表面処理)を継続的に開発。

鉛フリーオーバーレイおよび銅合金系ブッシュ材料の開発
ｰ排出ガス規制対応のための高面圧化、高温環境下における使用に耐える鉛フリーオーバーレイを開発。同様に銅合金系ブッシュ材料の開発も促進。

新樹脂材系軸受材料の開発
-自動車用部品や一般産業用部品において、従来比で樹脂層の厚い新樹脂系軸受材料を開発。

ショックアブソーバー用軸受乗り心地向上材料の開発
-自動車のショックアブソーバー用軸受における乗り心地 (操舵安定性、振動吸収など) 向上に寄与する鉛フリー樹脂系軸受材料を開発、量産納入を開始。さらに性能を向上させるため、継続して材料開発を推進中。

ｰその他各種軸受用途の運転状況を再現できる新しいシミュレーション試験機を開発、実機と相関性のある軸受性能評価を実施。