Bosch [Robert Bosch GmbH] 2019年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2019年
12月期
2018年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 77,721 78,465 (0.9) 1)
EBIT 2,903 5,502 (47.2) 2)
モビリティー・ソリューションズ
売上高 46,784 47,567 (1.6) 3)
EBIT 756 3,531 (78.6) 4)

要因

1) 全社売上高
-2019年12月期の売上高は、前年比0.9%減の77,721百万ユーロ。為替差損の影響を除くと2.1%減。欧州ではスウェーデン、イタリア、ベルギーの減少幅が最も大きく、前年比で1.4%の減少。米州では北米が5.9%増、南米が0.1%増で同地域5.3%増。アジア太平洋・アフリカは3.7%の減少となった。

2) EBIT
-2019年12月期のEBITは、前年比47.2%減の2,903百万ユーロ。2018年度は年金制度の変更による430百万ユーロの増加効果を含んでいた。自社の投資増加と同時に、自動車の生産が減少したことが大きく影響した。中国、インド、ディーゼル車市場などの収益性の高かった市場の弱体化も減少につながった。

3) モビリティ・ソリューションズ 売上高
-2019年12月期の同部門の売上高は、前年比1.6%減の46,784百万ユーロ。為替の影響を除いた減少幅は3.1%。同部門のパワートレインテクノロジー事業が自動車生産台数の減少及びディーゼル乗用車の需要減の影響を受けた。この損失は電動化製品、トランスミッションコントロール、フューエルサプライ事業により一部相殺されている。

4) モビリティ・ソリューションズ EBIT
-同部門EBITは、78.6%減の756百万ユーロ。収益性の高かった市場の弱体化に加えて、投資等の増加、組織の再編費用等の増加も減少に影響した。

 

買収

-2019年初め、EM-motiveを完全子会社化すると発表した。EM-motiveはBoschと Daimlerとの折半出資による 2011年設立の電気モーターメーカーで、これまで約45万基の電気モーターを製造している。

ベンチャーキャピタル Midroc New Technology
-PowerCell Swedenは、PowerCell Sweden が保有するMidroc New Technology の全株式をBosch (ボッシュ)が取得したと発表した。Boschは合計5,848,531株 (11.3%相当)を取得した。Midroc New Technologyは、ストックホルムに本社を置くMidroc Europeのベンチャーキャピタル企業。PowerCellとBoschは2019年4月に燃料電池スタックPowerCell S3共同開発およびライセンス契約を締結している。(20191115日付プレスリリースより)

クラウドベースソフトウェア開発企業 LAWA Solutions
-グループ傘下でビジネスプロセスアウトソーシングを扱うBosch Service Solutionsが、ドイツGiessenに拠点を置く新興企業LAWA Solutionsの買収を計画していると発表した。2009年設立のLAWA Solutionsは、自動車業界のクラウドベースのソフトウェア製品を開発する企業で、工場、故障受付サービスセンター、修理会社などにソリューションを供給している。Boschは、トラブル発生時のドライバーの場所、車種、エラーコードなどの重要データを車両から同時に送信するLAWA Solutionsのサービスを車両技術に取り入れている。買収により、Boschバリューチェーンの最後のプロセスのデジタル化推進を図るという。(201924日付プレスリリースより)


電気モーターメーカー EM-motive
-Daimlerとの合弁会社EM-motiveを完全子会社化すると発表した。EM-motiveBosch Daimlerとの折半出資による 2011年設立の電気モーターメーカーで、これまで約45万基の電気モーターを製造している。EM-motive設立時、Boschは株式取得のオプションを確保しており、完全買収は合弁会社契約のオプションに定められているという。現在ドイツStuttgartHildesheimで働くEM-motive340名の従業員に対する直接的影響はないが、今後EM-motiveの事業はBoschに移管する見込み。EM-motiveは、Bosch Daimlerが経済的に電気モーターを製造するために創設された企業で、当初はバッチサイズが小さく、両社は電気モーターの開発、生産にかかる高い資本コストを分担することにより、市場への早期参入を可能にしたとしている。(2019124日付プレスリリースより)

 

再編

-American Battery Solution (ABS) は、Boschの子会社であるRobert Bosch Battery Systemsから高電圧バッテリーシステムの製造・試験用資産を取得する契約を締結したと発表した。提案された契約の下で、ABSは当該試験用設備を取得するほか、試作バッテリーパックの組立とその事務所用として40,000平方フィートの敷地をミシガン州で賃借する。またABSは、以前Boschがリチウムイオン電池パックの組立を行っていたオハイオ州のSpringboroで172,000平方フィートの施設を取得するともしている。ABSは主に北米と欧州での輸送、工業、商業市場において使用される配送用トラック、バス、多目的車などの高性能自動運転電気自動車(EV)にモジュール式バッテリーソリューションを提供する予定であるという。(2019年5月20日付プレスリリースより)

 

事業提携

PowerCell(車載用燃料電池)
-スウェーデンのPowerCellと車載用の燃料電池であるPowerCell S3の開発・製造・販売についての契約を締結したと発表した。当該契約は、S3の共同開発に関する契約やBoschが乗用車、トラック、バス向けにPowerCell S3の改良バージョンを製造・販売する独占的な権利を有するライセンス契約が含まれる。BoschはPowerCellに対し、50百万ユーロのライセンス料を、またロイヤリティを製品売上毎に支払う。現在のPowerCell S3はPEMテクノロジーをベースとし、純粋な水素により稼働して30-125kWまでのパワー領域を持つ。ただし当該契約では、ドイツ政府のプロジェクトとして開発された燃料電池スタックやドイツOEMであるBMW、ダイムラー、欧州フォード、フォルクスワーゲン向けのPowerCellは対象範囲外となる。(2019年4月29日付プレスリリースより


China Mobile子会社(無人運転、LTE V2Xなど)
-同社と中国移動[China Mobile Limited]の完全子会社中移智行網絡科技有限公司は3月1日、ドイツで戦略提携合意書に調印した。両社は共同作業チームを立ち上げ、自動車診断、TSP(車載情報サービスプラットフォーム)、Electronic Horizon技術、無人運転、LTE V2X(車車間、人車間、路車間の無線通信技術)などの分野で資源統合を進め、市場ニーズに基づき製品とソリューションの共同開発を行う。同時に、両社は5G自動運転分野でも提携し、スマート交通ソリューションを形作る。(2019年3月1日付け複数メディア報道より)


Banma Network Technology(スマートコネクテッドカー)
-同社は、斑馬網絡[Banma Network Technology Co.,Ltd.]と上海で戦略提携合意書調印式を行った。Boschと斑馬はインターネットとハードウェアの領域におけるそれぞれの強みを生かし、インテリジェントモビリティソリューションにおいて協力する。Boschは自動車、車両にかかわる専門知識及び最先端マルチメディア・ソフトウェアを提供し、中国におけるスマートコネクテッドカーの開発を進める方針。斑馬は、上汽とアリババが各々5億元ずつ折半出資して設立したコネクテッドカー基金により支援を受けるスタートアップ企業。(2019年3月18日付プレスリリースより)


Sono Motors(太陽光充電EV「Sion」用の中央制御ユニットなど)
-ドイツの新興電気自動車(EV)メーカーのSono Motorsは、Boschとの提携を発表した。 Boschは、太陽光充電のEVSion」用の中央制御ユニットと、インテリジェントネットワーキング用のソフトウェアベースのソリューションを提供する。「Sion」のクラウドデータ接続は、Boschのコネクティビティコントロールユニット(CCU)と、Sono MotorsgoSonoアプリの多数の機能をサポートするBosch Automotive Cloud Suiteによって管理される。このクラウド接続は、EV充電や自動緊急通話機能「eCall」などのデジタルモビリティサービスの基盤としても機能するという。Sono Motorsはこのほか、「Sion」の電気駆動システムのサプライヤーとしてContinentalを、バッテリー開発および製造パートナーとしてElringKlingerをそれぞれ発表している。(2019130日付プレスリリースより)

 

合弁企業

-インド現地法人Bosch Indiaは、Prettl Indiaとの間で自動車/非自動車産業向けの機械部品および電子機械部品を製造・供給する合弁会社設立の契約を締結したと発表した。出資比率はPrettl Indiaが60%、Bosch Indiaが40%で、出資額はPrettl Indiaが120百万ルピー以下、Bosch Indiaが80百万ルピー以下となる。(2019年3月20日付証券取引所報告書より)

 

事業動向

<ベンチャー企業への投資>

グループベンチャーキャピタルRobert Bosch Venture Capital (RBVC)
-外部スタートアップへの投資を拡大し、グループのベンチャーキャピタル企業Robert Bosch Venture Capital (RBVC)4番目のファンドとして200百万ユーロを提供すると発表した。欧州最大規模のベンチャーキャピタルであるRBVCは自動運転、人工知能(AI)IoT、ブロックチェーン技術など35社を超えるスタートアップに投資しており、現在はDeepMap、Graphcore、SyntiantなどAI分野での有望なスタートアップに積極的な投資を行っている。RBVCは米国Sunnyvale、ドイツFrankfurtおよびStuttgart、イスラエルTel Aviv、中国上海に拠点を置き、毎年2,000社を超えるスタートアップを調査し、約100社をリストアップして6-10社程度に投資しているという。(2019226日付プレスリリースより)

パワーエレクトロニクス向け電気回路技術開発・生産 CelLink Corporation
-ベンチャーキャピタル企業Robert Bosch Venture Capital (RBVC)は、CelLink Corporationへのフォローオン投資が完了したと発表した。CelLinkは米国カリフォルニア州San Carlosを拠点とし、独自の製造プロセス、設計、材料を組み合わせてパワーエレクトロニクス向けの軽量で低コストの電気回路技術を開発、生産するスタートアップ。RBVCはフォード、BMW i-Venturesとともに出資しており、今回の資金調達でCelLinkはワイヤー、バッテリーパック相互接続、LED照明関連の生産強化を目指す。CelLinkの回路技術により、車両の配線は最大70%の重量と90%の体積を削減することが可能。(20191029日付プレスリリースより)


ニューロモーフィック・ビジョンシステム開発 Prophesee
-Propheseeは、28百万ドルの資金調達が完了し、調達総額が68百万ドルに達したと発表した。Propheseeはフランスに本拠を置くニューロモーフィック・ビジョンシステム開発企業で、従来のフレームベースのシステムで課される電力、遅延、およびデータ処理要件を大幅に削減できるマシンビジョンへの画期的なイベントベースのアプローチを開発した。欧州投資銀行が主導する調達ラウンドには、iBionext、360 Capital Partners、Robert Bosch Venture Capital、Supernova Investなどが参加している。この資金は、独自のMetavisionセンサーのさらなる開発と商業化、インダストリー4.0対応の高性能で予測的なメンテナンスアプリケーションのロックを解除するニューロモーフィックアルゴリズムの革新を促進するために使用される。次世代バージョンは、自動運転やADASをはじめ、VR / AR、IoTなど自動車および消費者市場向けとなる。(20191028日付プレスリリースより)


コンテナ物流市場向け自動追跡ソリューション Trunk
-Robert Bosch Venture Capital (RBVC) は、北京に拠点を置く新興企業Trunkへの投資を発表した。Trunkは自動追跡用ハードウェアとソフトウェアのプロバイダーで、190億ドル相当のコンテナ物流市場向けの自動追跡ソリューションの生産を開始した初の企業だという。Trunkの製品には車両使用(ISO 26262)の認定を受けたフリート管理およびリモートコントロールソフトウェアなどがあり、港湾のターミナルオペレーティングシステムなどに統合可能。特別設計のニューラルネットワークとロボットテクノロジーの活用により、Trunkは顧客のニーズに合わせたソリューション開発を行う。(2019927日付プレスリリースより)


新興FCVメーカー Nikola
-米国Nikolaは、資金調達ラウンドによってBosch(ボッシュ)と韓国のHanwhaから出資を受けたと発表した。BoschHanwhaは少なくとも100百万ドルを投じており、総投資額は230百万ドルに達する。Bosch大型車両用燃料電池システムとバッテリー技術の開発においてNikolaとパートナー契約を結んでおり、Boschの投資は、水素技術と水素インフラの開発へのコミットメントを裏付けている。Hanwhaは再生可能エネルギーと太陽電池パネル製造の大手メーカーとしてNikolaと提携し、水素燃料供給ネットワークのクリーンエネルギー分野で支援する。HanwhaNikolaソーラーパネル (Q CELLS)を独占供給している。(201995日付プレスリリースより)


3Dホログラフィックディスプレイ Light Field Lab
-Robert Bosch Venture Capital (RBVC) は、米国カリフォルニア州San Jose拠点のLight Field Labへの28百万ドルのシリーズA投資を完了させたと発表した。RBVC主導のもと、Comcast、Liberty Global、Khosla Venturesなども資金調達に参加した。Light Field Labは、VRヘッドセット無しで3D映像を提供できるホログラフィックディスプレイを開発しており、数百ギガピクセルの解像度を用いて、没入できる環境や現実に見えるホログラムを創出することを目指している。Light Field Labのディスプレイは、視覚トリックやスピニングLEDを用いずに3D空間での光の反射によって、現実と区別のつかない仮想物体を生成する。またLight Field labはホログラフィックディスプレイに加え、コンテンツの配信に必要なソフトウェアとハードウェアのプラットフォームも提供する。この技術によってヘッドセットの着用が不要となることで、自動車・小売店・公共のディスプレイに使用可能となるため、娯楽以外の用途にも応用できるという。(2019年8月12日付プレスリリースより


先進モビリティ分析プラットフォーム Teralytics
-Robert Bosch Venture Capital GmbH (RBVC) がスイスのソフトウェア企業Teralyticsに17.5百万ドルの出資を先導していると発表した。Teralyticsはチューリッヒに本拠地を置き、通信ネットワークをベースにした先進モビリティ分析を提供するプラットフォームを構築している。Teralyticsは通信プロバイダーと連携し、人々の移動の最も正確な指標であるモバイル機器を活用して、人口規模で人々のモビリティを理解するという課題に取り組んでいる。通信ネットワークからのデータを人工知能 (AI) を用いて分析・提供することで、モビリティプロバイダーや市や交通サービス提供者は人々の動きを把握、予測、改善を行えるようになるという。既存出資者のAtomicoやLakestarのほか、Deutsche Bahn Digital Venturesや innogy Ventures、LBBW Venture Capital、Liil VenturesもTeralyticsへの投資ラウンドへ参加している。(2019年8月6日付プレスリリースより


AI活用サービス提供 Xometry
-Robert Bosch Venture Capital (RBVC) がGreenspring Associates、Dell Technologies Capital、BMW iVentures、Foundry Group、Highland Capital Partnersと共に55百万ドルの投資をXometryに行うと発表した。Xometryは人工知能 (AI) を活用することで、自動車業界サプライヤーが簡単にカスタムパーツの価格やリードタイム、設計フィードバックを行えるサービスを提供している。メリーランド州に本社を置くXometryは、現在250名の従業員を擁し、2019年度は100百万ドルの収益を達成できる見込みであるという。(2019年7月11日付プレスリリースより


ビッグデータ/スマートクラウドプラットフォームベースIoV(Internet of Vehicle) AutoAI
-ベンチャーキャピタル企業Robert Bosch Venture Capital (RBVC)は、中国の新興企業AutoAIへの出資を発表した。NavInfo の子会社AutoAI2018年設立、ビッグデータとスマートクラウドプラットフォームをベースとするIoV(Internet of Vehicle)の開発推進を目指す企業で、TencentDidiNio CapitalAdvanTechなどが出資している。AutoAIのコネクテッドカー用プラットフォームには、テレマティクスボックスや車載用Androidオペレーティングシステムなどの車載コンポーネント、さらにクラウド内のデータ収集、保存、および分析ソリューションなどが含まれ、インターネットがもたらす豊富なコンテンツとパーソナライズされたサービスを自動車に提供することを目的としている。中国におけるIoV市場は勢いを増しており、2017年の6億ドルから2030年には395億ドルに達すると予測されているため、Boschは戦略的投資によりAutoAIの競争力およびサービス強化をサポートとするとしている。(2019124日付プレスリリースより)

<その他の動向>
5Gネットワーク
-ドイツ連邦ネットワーク庁にドイツの5G使用ライセンスを申請したと発表した。Bosch はIndustry 4.0の可能性をさらに有効活用するために、地元パートナーと協力して2020年にローカル5Gネットワークを設立する計画。同社は最初に、Stuttgart-FeuerbachのIndustry 4.0リード工場およびRenningenの研究キャンパスの5G使用ライセンスを申請した。5Gは、モバイル機器とワイヤレスセンサーの効率的なネットワーキングを保証するだけでなく、新しいシステムコンセプトの基礎ももたらす。同社は5Gをモバイルロボットをリアルタイムで制御するために使用し、コスト削減、柔軟性向上し、メンテナンス簡素化を目指すという。(20191121日付プレスリリースより)


「非生産日 (No Production Days)」
-インド現地法人Bosch Indiaは、生産を販売要件に合わせるために、パワートレインソリューション部門に属する様々な工場で、2019年10-12月期の間、1工場あたり月10日までの「非生産日 (No Production Days)」を継続すると発表した。(2019104日付プレスリリースより)


環境問題への取り組み
-環境変化、大気汚染問題に対する取り組みを発表した。エンジン関連やその他分野での活動を行い、排出ゼロのモビリティ実現を目指す。同社はeモビリティの発展と内燃機関の改善の2つを戦略の軸とした製品開発を推進。ブレーキダストを90%削減するブレーキディスク「iDisc」や電気自動車 (EV) のブレーキダストを95%以上削減する回生ブレーキシステムなどの開発によって環境問題に対応する。さらに欧州100カ所の自治体と連携して大気汚染問題解決に取り組み中であり、ドイツStuttgartと付近の自治体とは匿名データを収集し、排出削減をするために交通をどのように変化させるか検証中。また「COUP」という5,000台規模のeスクーターのシェアリングサービスを通じて、ベルリン、パリ、マドリードにて排出ゼロに貢献しているほか、同社スタートアップが提供する「Triffix」アプリは、交通コントロールセンターがユーザーに直接ナビ情報を提供し、都市交通が停止するのを防止するという。(2019年7月25日付プレスリリースより


購買活動のクラウド・プラットフォーム上での処理への移行
-同社のグローバル購買活動の85%をクラウドおよびプラットフォームソリューション上での処理に移行するという計画を発表した。同社はまたサプライヤーに対して、Boschの製造で必要となる材料がリアルタイムで把握可能となるシステムを開発し、輸送ネットワークを最適化することでCO2排出量を削減するという目標も公表した。同社は2019年の購買量を400億ユーロ超と見込み、過去10年の総購買量は3,400億ユーロを超えたとしている。また、1日当たり3億点超の部品を約280拠点に供給するために、約37,000名の従業員を購買・物流部門に配置している。BoschはIoTやモビリティソリューションでの牽引役となるため、デジタルサプライチェーンの拡大を継続している。(2019年7月11日付プレスリリースより


CO2排出問題に対する取り組み
-世界中の400カ所を超える拠点での二酸化炭素の排出問題に対する取り組みについて発表した。同社の年間の二酸化炭素排出量は約330万トンで、2007年以降は価値創造と比較して二酸化炭素排出量を約35%削減している。カーボンニュートラル達成のため、2020年からはグリーン電力の購入とともに、不可避の二酸化炭素排出についてはカーボンオフセットプログラムへの参加で補償するという。また、2030年までに再生可能エネルギーの発電量と購入量を徐々に増やし、エネルギー効率を高めるために10億ユーロ規模の投資を行う予定。さらに、インドのNashikおよびBidadi拠点の太陽光発電システム拡張により、導入済みエネルギー容量を10倍に増強する計画。(201959日付プレスリリースより)


工場生産性向上 インダストリー4.0
-インダストリー4.0で年間売上10億ユーロ超を計画していると発表した。システム上で製造と物流を連携させることで、工場は効率性・柔軟性・生産性を高めることができるという。また、ドイツで開催させる国際産業技術見本市「Hannover Messe」では、未来の工場としてAIを活用しながら稼働する様子を披露する。同社はさらに、5Gを活用することで、工場機械設備とシステム間の通信がよりスムーズになると伝えている。(2019年3月27日付プレスリリースより)


駐車支援システム装備状況についての統計報告
-2017年の新規登録車両に関する統計レポートを発表した。レポートによると、近接警報、駐車アシスト、リバースカメラなど駐車支援システムのうち少なくとも1つを装備していた車両は中・小型車セグメントで55%だった一方、高級車セグメントでは25%と対照的な結果となった。またEUでは2022年に緊急ブレーキシステムの装備の義務化に関する法律の施行が予測されているため、緊急ブレーキシステムの搭載率も上昇している。ドイツでは2016年に38%だった搭載率が2017年には54%に増加した。そのほか眠気検知機能や車線維持システム、アダプティブ・クルーズコントロールなどの需要も高まっているという。(2019220日付プレスリリースより)

 

受注

-同社はNikola Motorと共同で重量級燃料電池トラック「Nikola Two」向け燃料電池パワートレイン製品を開発したと発表した。BoschMekra Langと共同開発のカメラシステム「Mirror Cam System」、フリート向けデジタルキー管理システム「Perfectly Keyless」、電動油圧式ステアリングシステム「Servotwin」などをNikolaに供給している。これらの製品は、寝台付き燃料電池トラック「Nikola One」や欧州市場向け燃料電池トラック「Nikola Tre」など、Nikola Motorのあらゆるトラックに搭載可能だという。またBoschNikola向け製品の開発に22万時間超を費やし、中央制御ユニットや車両制御ユニット(VCU)などを提供していることもあわせて発表した。(2019417日付プレスリリースより)
  

2020年12月期の見通し

-2020年12月期における売上高について、同社は為替の影響を除き前期比減の約760億ユーロを計画している。モビリティソリューション部門においても同社全体と共に減少する見込み。

-長期的には年率平均8%の成長率を目指す。買収に伴う増加分は最大3%増。EBITマージンは売上高の約7%を目指す。



事業戦略

地域別計画

-2019年12月期の同社の設備投資は以下の地域の事業に投じられた:

  • 欧州: 30億ユーロ
  • アジア・太平洋地域: 15億ユーロ
  • 米州: 4億4,000万ユーロ

<欧州>
-同社のドイツ国内における設備投資は17億ユーロと前年の18億から減少した。最大の投資額となったのは前年と同様、Dresdenにおける半導体ウェハ製造拠点に向けられたもの。

-ドイツを除く欧州地域では、12億ユーロから13億ユーロへ増加した。Hatvanにおけるパワーエレクトロニクス製品生産能力の拡大、Budapestにおけるエンジニアリングセンターの拡張に投じられた。またチェコCeske Budejoviceにおける排ガス処理システム生産能力の拡大、ルーマニアClujにおけるカーエレクトロニクス製品の生産能力拡大を行い、ヘッドユニット及びディスプレイシステムを製造するポルトガルBraga、トルコBursaにおいても投資が行われた。

<アジア太平洋>
-2019年12月期におけるアジア太平洋地域の設備投資額は前年の14億ユーロから15億ユーロに増加した。同地域においては特に中国に向けて重点的な投資が行われ、ガソリン直噴システム、エレクトロモビリティ製品・システムに関して投じられた。その他ベトナムのLong ThanhのCVT向けプッシュベルト生産拠点に対しても投資を行った。

<米州>
-2019年12月期における米州への設備投資は前年の470百万ユーロに対して440百万ユーロ。米国サウスカロライナ州Charleston、Anderson及びFlorence拠点及びメキシコの拠点への投資を行った。

自動車市場向けの開発方針
-モビリティソリューション事業において同社は、電動化、自動運転、コネクテッドモビリティの自動車業界の傾向に即し、業界においてリードする役割を目標としており、自動車部品及びシステムのサプライヤーとしての役割とプラットフォームやフリートの管理などを含むモビリティライフサイクル事業を支援する役割に注力している。同社は既存の事業のさらなる発展を狙うと同時に、eBike部門の設立など追加投資を伴う事業ポートフォリオの拡大を目指す。

-2013年から2020年までに同社は新規成長分野に向け30億ユーロを投資する。2020年12月期はエレクトロモビリティに500百万ユーロ、自動運転分野に600百万ユーロ、コネクテッドモビリティソリューションに100百万ユーロの投資を計画している。

-エレクトロモビリティの分野では、48Vマイルドハイブリッドシステムから完全電動自動車までの範囲で、同社の部品等コンポーネント及びシステムに至るまで幅広く自社のポートフォリオを広げる戦略を取っている。同時に電動自転車から商用車までの範囲にわたるため、Powercellとの燃料電池パワートレインの商業化を2022年に実現するための提携など幅広いパートナーシップの構築を可能としている。また、再生可能な合成燃料の使用等、従来のエンジン車の排出ガス削減にも注力する。

-2018年初頭より乗用車・小型商用車の電動ドライブ向けの量産プロジェクトをはじめとするエレクトロモビリティ分野で、約130億ユーロの受注を獲得したと発表した。同社はこの分野で約14,000名のソフトウェアエンジニアを雇用し、年間約30億ユーロをソフト開発に投じている。また年間約400百万ユーロをゼロエミッションモビリティ事業に投じ、48V電池を活用しながらエレクトロモビリティ市場での牽引役になることを目指している。また、電池セル量産のためにCATL [寧徳時代新能源科技股份有限公司]と長期的な協業を行うことにも合意している。そのほかブレーキ時の微粒子排出低減を目的に「iDisc」や回生ブレーキシステムも開発している。自動運転分野では、2022年までに約40億ユーロを投じて更なるレベルのシステム開発を行う予定。Boschはさらに、世界で1日当たり5千万回以上の利用件数を誇る世界最大のモビリティ・サービスプロバイダー3社の滴滴出行 (DiDi Chuxing)、Lyft、Uberと協業し、モビリティ事業への参入も果たしている。(2019年9月10日付プレスリリースより

-自動運転技術開発に対する取り組みについて発表した。同社は運転支援システムによるレベル2-3の自動運転と、レベル4-5の無人自動運転の2つの経路で技術開発を追求するとしている。同社はレベル2-3の自動運転技術についてはマーケットリーダーとしての地位を確立しており、2019年は20億ユーロの売上を見込んでいる。また、次の10年間で開始が予定されるレベル4-5の無人自動運転技術については、2022年までに最大40億ドルを投資する計画。現在は約4,000名の開発者が自動運転技術に取り組んでいるという。(2019130日付プレスリリースより)

-2017年からの自動車市場の減速及びパワートレインの傾向に伴い、モビリティソリューションにおける大規模なリストラを行う計画である。リストラは欧州、アジア、米州における人員に対して行われる。パワートレイン事業においてはディーゼル乗用車の減少を受けて人員を再考する必要があることに加え、ステアリング事業、ステアリングコラム事業、カーエレクトロニクス事業においても人員削減を実施する見込み。

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
グループ全体 6,079 5,963 7,045
-モビリティ・ソリューションズ 4,377 5,284 5,739

-2019年12月期においてモビリティソリューション事業部門は電動化、運転支援システム、自動運転及びディスプレイ・インフォテイメントシステム、センサーの研究開発に注力。

-自動運転及びADAS分野においては、高速道路におけるハンズフリー走行を実現するシステムの開発に注力。現在、同システムは米国と中国で使用可能なものの、欧州では不可となっている。

 

研究開発体制

-研究開発に従事する従業員は約72,600名で、前年度に比べて約3,900人増加。主にアジア太平洋地域における研究開発施設の拡大によって増加した。ドイツにおいては新規に研究開発の職種が創設された。なお、約57%の研究開発員がドイツ国外で勤務しており、そのうち38%がアジア太平洋地域での勤務。

 

研究開発拠点

-2019年11月29日、Boschは無錫に水素燃料電池センターを設立すると発表した。この水素燃料電池センターは主に水素燃料電池のパワートレイン製品の研究開発、試作を行い、重要部品から電池スタック、燃料電池システムまでの包括的な設備を備える予定。2020年末完成、2021年小ロット生産開始を目指す。(2019年11月30日付け複数メディア報道より)

-子会社のBosch EngineeringおよびITK Engineeringの代表者がドイツHolzkirchenで拠点拡張の起工式を行ったと発表した。2021年秋までにオフィスビルと駐車場を新設する。17,000平方メートル、900名収容の3.5階建てビルにオフィススペースとECUを稼働させてテストできる実験室などを備える。ITK Engineeringはオーダーメイドのソフトウェアとシステムソリューションを使用して、自動運転、eモビリティ、インダストリー4.0、鉄道技術などのサービスを展開する予定で、当初は約250名の従業員が従事する見込み。2つ目の建物は約800台の駐車スペースを備えるパーキングで、最大200台の電動化車両用充電ポイントを導入するという。(20191016日付プレスリリースより)

-ブルガリアSofiaのエンジニアリングセンターが開設したと発表した。新センターは、運転支援、自動運転、電動モビリティなどの分野の200名のソフトウェア開発者が従事する。同社は従業員が最適な労働条件で働けるよう機器、ソフトウェア、ハードウェア、家具および最新技術などを導入した。新センターはハンガリーBudapest、ルーマニアCluj、大手自動車メーカーと協力体制をとるという。エンジニアリングセンターの開設により、同社は大規模な従業員の開発プログラムを作成する計画。(2019108日付プレスリリースより)

-2019年7月31日、ボッシュ自動車マルチメディア事業部の「未来駕艙(上海)技術中心[Digital Cabin R&D Center]」が浦東張江で正式にオープンしたと発表した。この新しいR&Dセンターの床面積は2,500平方メートル。ボッシュマルチメディア事業部にとって、蘇州、蕪湖センターに続く中国3番目のR&Dセンターとなる。このR&Dセンターは、インフォテインメント車載コンピューター、ドライバー・パッセンジャーモニタリングシステム、5G-V2X車載コネクティビティコントロールユニットなどのスマートデジタルキャビン関連製品の研究開発に注力する。(2019年7月31日付けリリースより)

-ドイツAbstattの新音響センターでNVHを改善するための効率的な開発プロセスを設定していると発表した。同社は開発期間の短縮を図り、NVH最適化をサポートする。新センターは様々なドライブライン(内燃エンジン、ハイブリッド車、電気自動車)と駆動方式(前輪、後輪、四輪)に対応する車両用ローラーテスターを装備しており、最高時速250kmでのテストが可能だという。また、シャシーダイナモメーターや振動と音響パワーの詳細な測定、モーダル解析を行う実験装置、スタジオなどのほか、バイノーラルヘッドフォンオーディオや13スピーカーによる高次Ambisonics再生などのハイテク機能も備えている。(2019411日付プレスリリースより)

-インド工科大学マドラス校(IIT Madras)は、同社IIT Madras内に「Robert Bosch Center for Data Science and Artificial Intelligence (RBC-DSAI)」を設立したと発表した。新センターは、データサイエンス(DS)および人工知能(AI)の中核的課題に対し、政府、学界、研究団体および産業界の共同研究者との交流を通して社会的影響を生み出すことを目的としている。Boschは今後5年間で2.5百万ユーロを投資する計画で、ディープラーニング、強化学習、ネットワーク分析、解釈可能な機械学習、ドメインアウェアAIなど、AIとデータサイエンスの多くの分野の基礎研究を行うという。(201926日付プレスリリースより)



研究開発活動

-同社は継続してガソリン車の排出ガス低減に向け、噴射圧力変化、複数インジェクション等のシステム開発、及び排ガス処理システム等に関する研究開発活動を行っている。

-2018年、バッテリーセルの内製化の実現可能性について判断を含めて研究開発活動を行っていたが、中止を決定した。これに伴い、同社は次世代バッテリーセルの研究開発を行っていた、GSユアサ及び三菱商事との合弁企業Lithium Energy and Power GmbH & Co. KGを解散した。同社は、同様に固体電池技術の研究開発企業Seeo, Inc.についても2019年を以て事業終了する予定。


-メルセデス・ベンツは12月9日、Bosch (ボッシュ)と米国シリコンバレーで自動運転配車サービスのパイロットプロジェクトを開始したと発表した。SAEレベル4/5対応自動運転システムのさらなる開発を目指す。このサービスは、最初は選ばれたユーザーグループが対象となる。Daimler Mobility AGが開発したアプリを使用して、ユーザーがあらかじめ決められたピックアップポイントから目的地までの移動を予約する。予約後、自動運転車「Sクラス (S-Class)」がピックアップポイントまで向かうという。Boschは、都市自動運転用コンポーネントを開発、製造する。従来型のメルセデス・ベンツのアプリベースのモビリティサービスは、2019年秋にカリフォルニア州ベイエリアで開始した。このサービスはドイツのベルリンでも利用可能。(2019年12月9日付プレスリリースより)


-同社の日本法人は、同社が進める電動化、自動化、ネットワーク化に加えて、今後はパーソナライズ化を含めた「PACE : Personalized(パーソナライズ化)、Automated(自動化)、Connected(ネットワーク化)、Electrified(電動化)」を通じて、ソリューションを展開していくと東京モーターショーで発表した。電動化では、同社は48VマイルドハイブリッドシステムとeAxleを提供しており、2020年初頭には日本の自動車メーカーから販売されるモデルに同社の48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載される予定。また、2020年にeAxleを搭載した自動車が中国市場に登場する予定。パーソナライズ化では、同社は既に電動スクーターのシェアリングサービス「COUP」や従業員の乗合サービス「SPLT」などの移動サービスのほか、中国の滴滴 (DiDi) に「バッテリー・インザ・クラウド」を提供中。「バッテリー・インザ・クラウド」は日本の自動車メーカーやモビリティサービスプロバイダーに対して提案を開始しているという。(2019年10月24日付プレスリリースより

-OCEAN12のプロジェクトパートナーと協力して2021年末までに車両や航空機のデータを収集および処理できるエネルギー効率の高い製品開発を行うと発表した。カメラやLIDARまたはレーダーセンサーなどのサラウンドセンサー、データ処理用のマイクロプロセッサーなどの開発に取り組む。OCEAN12EUおよび各国の機関が資金を提供し、半導体技術、エレクトロニクス、航空宇宙技術、および自動車技術の分野の27の企業や機関が参画するプロジェクトで、ドイツではAirbusAudiBoschGlobalFoundriesなどが参加している。プロジェクトは主にGlobalFoundriesの完全空乏型シリコンオンインシュレーター(FD-SOI)技術をベースとしており、パートナーは最大のエネルギー効率と高度なコンピューティング能力の最適な組み合わせを提供する製品開発が可能になるという。(2019925日付プレスリリースより)

-グループで車載セキュリティーシステムを主力とする独エスクリプトは、システム構築に必要な要件などの参考基準や指標、システム運用ノウハウを提供する新サービスを今後開発する。コネクテッドカーなど次世代車の普及に向け、車載セキュリティーの重要性が高まっている。セキュリティー対策の義務化や国際標準化の検討がグローバルで進む中、同社は自動車メーカーや部品サプライヤー向けに車載セキュリティーシステム構築を支援する新サービスの提供を目指す。(2019年8月27日付日刊自動車新聞より)

-同社とダイムラーは、Stuttgartのメルセデスベンツ・ミュージアム駐車場の自動バレーパーキングの正式運用について、バーデン・ヴュルテンベルク州管理当局の承認を取得したと発表した。この自動バレーパーキングは、Boschが提供するインテリジェント駐車場インフラと、ダイムラーの車両技術を組み合わせたもので、日常的な使用が公式に許可される完全自動でドライバーを必要としない (SAEレベル4) 世界初のシステムとなる。このシステムでは駐車場内のBoschのセンサーが通路と周囲をモニタリングして車両コントロールに必要となる情報を提供し、車両側はインフラ側から提供された指令を車両操作に変換する。このような方法で、車両はランプを走行して他の階への移動や、センサーが障害物を発見した際の急停車が可能となる。(2019年7月23日付プレスリリースより

-オーストリア経済振興会社 (Invest in Austria) は、Boschがオーストリアでの売上高の約9%に相当する125百万ユーロ超を研究開発分野に投資すると発表した。Boschは主に同分野に140名を新規雇用し将来技術への投資を行っている。同社は国際コンピテンスセンターをウィーン (Vienna)、リンツ (Linz)、ハライン (Hallein)に設置しており、モビリティ技術関連の研究開発を実施中。ウィーン拠点では、ドライバーレスパーキングなどのコネクテッドモビリティ関連のソリューション開発を行っている。また同社では、オーストリア内に1,000名超の従業員が開発に従事しており、2019年は130名の追加雇用を見込んでいる。(2019年7月3日付Invest in Austriaプレスリリースより

-2030年の段階で全体の新型乗用車および小型商用車のうち75%は、依然として内燃機関エンジンであるとの推測を発表した。同社がガソリンエンジンやディーゼルエンジンに投資している根拠となっている一方、人工知能(AI)をエンジンに使用することも考えているともしている。AIにより個々の運転行動パターンに応じた排気ガスを予想し、後処理の制御を行うことで排気ガス量をさらに削減することが可能となるという。また同社は現在、シュツットガルト、パリ、マルセイユに移動式測定ボックスによる空気中の汚染物質含有量を測定しており、排気ガスと環境の関係を調査しているという。同社は他にも、50億ユーロの売上を電動モビリティから創出する目標を立てており、すでに50件もの電気自動車プラットフォーム向けのパワートレインプロジェクトを実行している。2018年だけでも30件もの新たなプロジェクトが追加され、2022年までには40億ユーロを自動運転やサステイナブルモビリティに投資するとしている。(2019年5月9日付プレスリリースより

-SBI損害保険とSB C&S20192月から行っている車載テレマティクスサービスの提供を目的とした実証実験にeCall(自動緊急通報)用デバイスを提供していると発表した。実証実験では、Boschの開発したeCall用デバイスが収集した運転行動データをもとに、ドライバーの安全なカーライフをサポートする各種テレマティクスサービスの検証が行われる。SB C&Sが実施する今回の実験環境では、BoscheCall用デバイス「テレマティクスeCall プラグ」と、ソフトバンク・テクノロジーが提供するIoT活用に必要なサービスをつなげるプラットフォームサービス「IoT Core Connect」が採用された。「テレマティクスeCallプラグ」には、3軸の加速度センサーとセンサーが検知したデータを計算するアルゴリズムが組み込まれており、衝突の衝撃だけでなく、ブレーキ、加減速、ハンドル操作といった運転行動データを検知することが可能。BoscheCallサービスは欧州だけでなく、日本、ブラジル、北米など世界の50以上の国々で提供されており、多言語に対応した同社のeCallサービスは、すでにDaimlerをはじめとした数多くの自動車メーカーで採用されている。(201934日付プレスリリースより)
 

技術提携

-同社はBentelerと共同でローリングシャシーの開発を行っている。ローリングシャシーは、アクスル、電動パワートレイン、ブレーキ、ステアリング及びサーマルマネジメントシステムで構成される。同社は将来的に同製品に自動運転機能を統合させる計画。


-同社傘下のセキュリティーソリューション企業独エスクリプトは、情報セキュリティー管理システムなどのコンサルティングを行うKPMGと提携したと発表した。車両プラットフォーム向けの認定サイバーセキュリティー管理システムの開発で協業する。自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の規制により、車両サイバーセキュリティーの重要性が高まっている。今後、自動車メーカーやサプライヤーが効率的にサイバーセキュリティー要件を実装できるツールを提案していく。(2019年12月13日付日刊自動車新聞より)

-マヒンドラ傘下のAutomobili Pininfarinaは、Bosch(ボッシュ)Bentelerとの高性能電気自動車(EV)プラットフォーム共同開発を発表した。3社は最高の技術コンセプトを評価し、Pininfarinaのプラットフォームの市場可能性を追求する。また3社は、他の自動車ブランドの高性能EVがさらなる相乗効果をもたらすように協力体制をとり、 急成長を遂げる高級市場や高性能市場など、全セグメントにおける電動化車両開発を目指すという。Pininfarinaは最近、2020年後半にイタリアで生産開始予定の電動ハイパーカー「Battista」に続き、高性能かつ高級なEVを 市場投入する戦略的計画を発表した。(201999日付プレスリリースより)

-同社は、高性能バッテリー開発でCATL [寧徳時代新能源科技股份有限公司]と長期的戦略協定を締結したと発表した。CATLBoschの要件に従ってバッテリーセルを設計、開発、製造し、Bosch48Vバッテリーにセルを組み込む。Boschは中国の無錫工場で2018年後半から第1世代となる48Vバッテリーの製造を開始している。Bosch48Vシステムのポートフォリオは48Vバッテリーのみでなく、DC / DCコンバーターや電気機械などの他のシステムコンポーネントも網羅しており、これらの技術により要件に合わせて手頃な価格であらゆるクラスの車両をハイブリッド化することを目指している。(201995日付プレスリリースより)

-2019年5月13日、一汽解放と同社はドイツで戦略提携合意書に調印した。両社はコネクテッドカー、新エネルギー車、国Ⅵ基準適合エンジンシステムなどの分野で連携する。ボッシュは一汽解放に先進的なコネクティビティと情報セキュリティ及びインテリジェント車両技術を提供する。また両社は5月15日、Bosch Connected World (BCW)において一汽解放商用車のアップグレード技術FOTA(Firmware On-The-Air)技術を共同で発表した。FOTAにより、ECU、VCU、車載インタラクションなどのコントロールやエンタテインメントの遠隔アップグレードが可能になるとしている。(2019年5月17日付けリリースより)



製品開発

内燃機関エンジンに関する開発
-同社は現時点で乗用車及び小型商用車の新車約3分の2が内燃機関を持つことから、引き続き内燃機関車が市場で重要な部分であるとの姿勢を崩さず、環境問題に対応するエンジン最適化システム開発に注力している。ディーゼルエンジンにおいては、NOx削減のためAdBlueの第2口を追加するシステムを開発。また、その他ガソリンエンジンに向けた多様なエンジン改善システム及び次世代微粒子フィルター等の開発を行っている。

3Dディスプレイ技術
-ラスベガスで開催のCES 20203Dディスプレイを出展すると発表した。パッシブ3D技術を使用して、画像の3次元効果と警告信号を作成することで、従来のスクリーンよりも早く情報をとらえる。このシステムはアイトラッキングや3D眼鏡を必要としないという。同社はまた、電動化、自動化、ネットワーク化、個別化対応のIoTシャトルや、インテリジェントカメラ、レーダーセンサー、自動バレーパーキング、車両コンピューター、キーレスシステム、燃料電池システム、ローリングシャシー、SiC技術なども公開予定。(20191213日付プレスリリースより)

eCallサービス
-2019年10月からインドでeCallサービスの提供を開始したと発表した。インドのeCallサービスは年中無休で利用可能。同社はインド全土のドライバーが緊急時に音声接続によって消防隊、警察、救急車サービスを通じて迅速な支援を受けることができるソリューションを開発した。eCallサービスは、インドの27の州と5つの連合地域をカバーし、ヒンズー語と英語の2つの言語で提供される。開発にあたり、同社は関連するPSAP (Public Safety Answering Points)パートナーネットワークを作成した。これにより、13,500カ所超の検証済みの病院および警察署にアクセスできるという。さらに、2019年にBangaloreとCoimbatoreに専用データ・オペレーションセンターを新設した。 (20191210日付プレスリリースより)

車内監視システム
-カメラとAIをベースとする車内監視システムを開発したと発表した。2022年量産開始予定のこの製品は、疲労や注意散漫をドライバーに警告する安全技術が、欧州連合の新しい車両の標準になるという。同社の新システムは、危険を検出して数秒以内にスマートフォンで家族に通知するだけでなく、緊急サービスに警告することも可能。システムのカメラは、ジェスチャーや目を使用してインフォテイメントシステムを制御するためにも使用できる。また、カメラはバックミラーの上または下に設置され、室内全体を見渡せるため、ドライバーのみでなく他の乗員にも注目する。後部座席の子供のシートベルトが緩んでいる場合や、最適な位置に座っていない場合などドライバーに警告を行う。カメラによって収集された情報により、エアバッグとベルトテンショナーを調整して、可能な限り最高の保護を提供するという。(2019125日付プレスリリースより)

IoV技術をベースとしたレベル4自動バレーパーキングシステム
-2019年10月23日、同社はIoV技術をベースとしたレベル4自動バレーパーキングシステムを、広汽研究院と共同発表した。ボッシュは年内に広汽研究院の駐車場に自動バレーパーキングシステム及びインフラ施設のハード及びソフトウェアを提供する。ユーザーは携帯電話でボッシュ自動バレーパーキングシステムをコントロールし、車両の車庫入出、位置決めを遠隔操作する。安全面を考慮し、このシステムは駐車場内での車両の速度を5-7km/hに制御する。このシステムは広汽ブランドのモデルに搭載される予定で、数年のうちに商業施設の駐車場などで運用される見込みである。(2019年10月23日付けリリースより)

未来のモビリティ向けソリューション
-同社日本法人は、未来のモビリティに向けたソリューションを東京モーターショーに出展すると発表した。同社は今回、酸素を燃料電池スタックの正極側に送り燃料電池システムを効率的に作動させる装置であるEAC (Electric Air Compressor) を含む燃料電池システムや、試験走行や実証実験などのデータ共有、ソフトウェア更新およびコネクテッドカーのシステム更新をクラウド上で実施して開発の効率化・利便性の向上・開発期間の短縮化をもたらすウェブベースド・バリデーションのほか、48Vマイルドハイブリッドシステムを電動化ソリューションとして日本初出展する。また、ドライバーの状況を的確に検知し、必要に応じて警告を行うドライバーモニタリングシステムもネットワーク化ソリューションとして日本で初公開する。同社はさらに、自動化ソリューションにおける技術などの展示も行う。(2019年10月11日付プレスリリースより

新型炭化ケイ素(SiC)半導体
-同社は新型炭化ケイ素(SiC)半導体は電気伝導率に優れており、電気自動車 (EV)およびハイブリッド車 (HV)向けパワーエレクトロニクスの中核部品となるとしている。SiC半導体は炭素原子を追加し、半導体製造に使用される超高純度シリコンの結晶構造に導入される。この新型半導体チップにより、消費エネルギーを50%削減し、バッテリー充電を6%増加させてコスト削減を実現する。同社は現在150ミリおよび200ミリウエハーの半導体をReutlingen工場で製造している。300ミリウエハーの半導体を製造するDresden工場は2020年春に稼働予定。(2019108日付プレスリリースより)

感電リスクから乗員を守る半導体
-電気自動車 (EV) の衝突後における感電リスクから乗員を守る半導体を開発したと発表した。特別に開発されたマイクロチップがEVの電源回路を一瞬で遮断することで、救護隊が即座に作業を開始することが可能になるほか、負傷者に最初に対応する人や車両同乗者の安全を確保することができる。センサーが衝突を検知すると、Boschの半導体が組み込まれたシステムが高電圧電源に繋がる配線の結合部を小型爆薬によって破壊し、迅速かつ効果的に電源回路を遮断する。このように電源回路を遮断することで、感電や車両火災の危険性を排除する。なお、このシステムにはBoschの特定用途向け集積回路である統合エアバッグシステムIC「CG912」が使用される。(2019年10月1日付プレスリリースより

インフォテインメントサービスプラットフォーム
-ACCESSは、インフォテインメントサービスプラットフォーム「ACCESS Twine for Car (Twine4Car)」がBosch(ボッシュ)のAndroidベースの車載インフォテインメントシステムに統合されたと発表した。「Twine4Car」の統合により、BoschはAppleストア、HMI、メディア共有、マルチデバイス同期コンテンツ再生などのアプリケーションへの拡張が可能になる。ACCESSはホワイトラベルのコンテンツストリーミングサービスとインフォテインメントサービスプラットフォームを組み合わせた独自のソリューション「Twine4Car 2.0」をフランクフルト・モーターショーに出展する。「Twine4Car 2.0」により、自動車メーカーは高価なOTA更新を必要とせず拡張機能を提供できるという。また、フランクフルト・モーターショー用にカスタマイズした「ACCESS Twine for Car HMI」を使用し、Boschのインフォテインメントシステムでローカルメディアとアプリの再生を行うなど自動車メーカーが顧客にブランド体験を提供するデモも行う。ACCESSは1984年設立、東京に本社を置き、家電メーカー、自動車業界、エネルギーインフラプロバイダーなどにモバイルおよびネットワークソフトウェア技術を中心としたITソリューションを提供している。(2019919日付プレスリリースより)

MPC3モノビデオカメラ
-フランクフルト・モーターショーに人工知能(AI)搭載カメラを出展すると発表した。独自のマルチパスアプローチとAIを組み合わせ、物体認識の信頼性を高め、交通の安全性を向上させるカメラにより、マーケットリーダーを目指す。MPC3モノビデオカメラは、ルネサスエレクトロニクスV3Hチップが組み込まれており、運転支援システムが改善され、アプリケーションの範囲も広がっている。このカメラは部分的に隠れている歩行者も認識できるため、信頼性が増すという。(2019830日付プレスリリースより)

キャンピングカー向けスマート48Vシステム
-傘下のBosch EngineeringとKnaus Tabbertがキャンピングカー向けスマート48Vシステムを国際レジャー用車両展「Caravan Salon」で展示すると発表した。48Vシステムは電動アクスル、センサー、リチウムイオン電池から構成され、牽引車両とは独立して充電することが可能。Boschの48V eマシーンを充電モードにすることで、ブレーキング時の回生ブレーキによる充電が可能になる。充電された電池は、キャンピングカー室内用の電源や車両の動力源として使用できる。また、車両自身での充電の他、電源プラグにより家庭電源からの充電もできるポータブル48Vバッテリーも使用可能。そのほか、アプリによって簡単に扱える車両の取り回しを簡単にする操縦機能がシステムに統合されている。(2019年8月29日付プレスリリースより

新3Dディスプレイ
-実際の立体効果を作り出す新3Dディスプレイの開発推進を発表した。パッシブ3D技術を採用し、アイトラッキングや3D眼鏡などの追加技術なしで機能する新型ディスプレイの開発に取り組んでいる。ディスプレイの被写界深度により、ドライバーは重要な視覚情報を素早く把握することが可能になる。ディスプレイ用途の拡大に伴いコントロールユニットがさらに必要となる中、Boschはたった1つのコックピットコンピュータを使用してHMI (ヒューマン・マシン・インターフェース) 全体を制御し、全機能を中央コントロールユニットに集約する。コントロールユニットが減ることで軽量になり、車両の開発期間が短縮される。また、OTAアップデートにより、インフォテインメントシステムの更新がスマートフォンのように容易になる。同社は、ディスプレイが将来的にはユーザとの間の相互作用を担うとしており、様々な形状への応用ならびに声やタッチでの相互作用をポートフォリオに含めている。将来運転者がオートパイロットを実行した際にもHMIが中心的な重要性を持つようになるとしている。(2019年8月12日付プレスリリースより

IAAフランクフルト・モーターショー2019における展示技術
-IAAフランクフルト・モーターショー2019にて、パーソナライズ、自動化、コネクト、電動化されたモビリティのためのソリューションを展示すると発表した。同社は都市部を電動かつ周囲とネットワーク接続したIoTシャトルや、Bentelerと共同開発したローリングシャシーを出展する。またパワートレイン技術については、スウェーデンのPowercellと開発した燃料電池を出品するほか、マイルドハイブリッド用の48Vシステム、温度管理システム、大気汚染計測システムも公開する。運転支援および自動運転システムの分野では、アルゴリズムと人工知能 (AI) を組み合わせたフロントカメラに加えて、自動バレーパーキング、レーダーセンサー、モーションポジションセンサー、電動ステアリングシステムを展示。さらに車両間および周囲との通信分野では、3Dディスプレイ、Perfectlyキーレス、V2X通信、車両コンピューターの技術を披露する。(2019年7月26日付プレスリリースより

バッテリーマネジメントシステム向けクラウドサービス
-電気自動車 (EV) のバッテリーマネジメントシステムを補完する新たなクラウドサービスを開発中であることを発表した。クラウド内のスマートソフトウェア機能がバッテリーの状態を診断し、セルの劣化防止や劣化速度を緩めるための措置を行う。これによりバッテリーの消耗を約20%減らすことができる。Boschのクラウドサービス「Battery in the Cloud」は、車両から収集したリアルタイムのデータを活用することで、充電プロセスの最適化や、ドライバーに対してダッシュディスプレイを通してバッテリー節約のための運転アドバイスを行う。このサービスは、バッテリーの状態を確認する機能のほか、バッテリーの残りの使用可能期間の予測も行うことが可能。また、中国の配車サービス大手滴滴出行 (Didi Chuxing) は、EVフリートに同サービスを導入するためにBoschと協業している。(2019年7月9日付プレスリリースより

自動運転向けレーダーセンサー
-同社の日本法人は、2~3年後をめどにレベル4の自動運転を想定したレーダーセンサーを市場投入する。レベル4以上に対応するレーダーの市場投入は同社として初。今秋に量産開始する新型レーダーの上位モデルとして位置づける。処理スピードや距離の検知精度を高め、完全自動運転の実現につなげる。今年の秋から量産を開始するレーダーは、「第5世代」と位置づける。前方用で、ミリ波を活用する。視野角を現行型より30度広げて120度まで対応し、交差点での検知精度を高めた。また、前方の検知範囲も現行型より50メートル長い約210メートルまで伸ばした。渋滞の早期把握や障害物の発見精度を向上させたのが特徴。想定する自動運転はレベル2で「収益に貢献してくるのは1~2年後」 (ボッシュ) と見込む。(2019年6月5日付日刊自動車新聞より)



燃料電池技術
-PowerCell SwedenとBoschは、ストックホルムで開催の国際公共交通連合(UITP)において、共同で燃料電池技術について出展すると発表した。同サミットでは両社が最近共同開発およびライセンス契約を締結させたPowerCell S3の展示を行い、燃料電池により、水以外の排出なしでバスやその他車両の電動化が可能になることをアピールする。燃料電池式のバスは完全な電動となるため、従来の車両と比較して騒音を大幅に減少させ、都市部の営業に多く運用されるバスに適用されることに大きな利点があるとしている。またリチウムイオン電池式とは異なり、燃料電池式のバスは化石燃料式とおおよそ同じ給油時間、航続可能距離をもつという。(2019年5月22日付プレスリリースより

分散型台帳技術(DLT)を活用した充電プロセス改善システム
-ベルリンで開催のBosch ConnectedWorldにおいて、分散型台帳技術(DLT)を活用したサービスなどを公開すると発表した。ブロックチェーンに代表されるDLTは、インターネット上の分散構造で、データは、少数のプラットフォームプロバイダーのデータセンターに格納されるのではなく、多数の異なるサーバーに分散される。Boschエネルギー供給会社EnBWと共同で、ブロックチェーン技術に基づいた電気自動車(EV)の充電プロセスを改善するためのプロトタイプを開発中。このシステムは充電ステーションの選択から予約、支払いまで、充電プロセス全体が大幅に簡素化され、顧客向けにカスタマイズされている。また、Siemensと共同開発のブロックチェーンベースのインテリジェント駐車管理システムも出展する。このシステムは周囲の駐車施設と直接通信し、最良の条件を交渉することが可能。将来的にドライバーは、支払いのために両替する必要がなくなり、駐車券を紛失することもなくなるという。(2019515日付プレスリリースより)

次世代レーダー・トランスミッション用電動オイルポンプ
-「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」に世界初出展である次世代レーダーや日本初出展であるトランスミッション用電動オイルポンプを展示すると発表した。次世代のレーダーは、現行品と比較して視野角が拡大、高さ方向の検知性能が向上したことで、更に安全な運転支援機能が実現。また現行品から約30%小型化され、33mmから19mmに薄型化されたことにより搭載自由度が向上したという。トランスミッション用電動オイルポンプは、エンジンの動力ではなく電動制御のトランスミッションポンプであり、ハイブリッド車がEVモードでの走行中に、オイルをトランスミッション系の制御・冷却・潤滑のために供給し続けることが可能となる。(2019年5月13日付プレスリリースより

コネクテッドモビリティソリューション
-ConnectedWorld 2019においてコネクテッドモビリティソリューションを公開すると発表した。同社は粒子状物質、二酸化窒素、温度、圧力、湿度をリアルタイムで測定する大気汚染物質監視システムを発表する。同社はこのデータを使用して大気質マップを作成し、交通計画と管理について都市にアドバイスする計画。また、車の事故を検出し、緊急の場合は自動的にBoschの緊急アシスタントを使って助けを求めるVivitar driveや、子会社ESCRYPTによる自動車のバリューチェーン全体にわたる統合セキュリティソリューションも出展する。このほか、Wi-Fiやモバイルネットワークなどあらゆる伝送技術を使用して通信できるスマートコネクティビティユニットや、電気自動車用統合充電ナビゲーションソリューションConvenience Chargingなども公開予定。(201956日付プレスリリースより)

キーレスエントリーシステム「Perfectly Keyless」
-市場調査機関PULSの調査でドイツ人の76%が車両のカギに悩まされていると発表した。40歳までの若いドライバーや頻繁に運転をする人は、ロジスティックな問題などの否定的な経験を伝統的なカギと関連付けているという。無線遠隔操作と自動車メーカーのロゴが付いたカギはステータスシンボルと見られることもあったが、現在そのように評価しているのはわずか6%に過ぎず、回答者の約40%が車両のカギをスマートフォンアプリに交換していることが窺える。同社は、スマートフォンで操作するキーレスエントリーシステム「Perfectly Keyless」を開発、このシステムは指紋認証と同レベルの安全性を誇るデジタルキーシステムで、ドアロックの解除・施錠やエンジン始動などが可能になるという。(201952日付プレスリリースより)

2019年上海モーターショー IoTシャトル
-2019年4月、同社は上海モーターショーにて将来の都市交通の布石となるIoTシャトルを出展すると発表した。同社はシャトル車両向けには、自動運転化や電動化、パーソナル化、ネットワーク化用の部品とシステムを供給する。なお2020年には、中国ではコネクテッドカーの市場シェアが50%以上に達するとされているが、その中で同社は、ネットワークソリューションだけではなく、無線でのソフトウェアアップデートや予測診断などのスマートサービスを顧客に提供する。また2030年には、中国において10%の乗用車が完全自動運転になるとされている。同社の運転補助の事業は、2018年に中国市場で30%程度になり、2019年も同様な成長を続けると予想される。同社はまた2019年に半自動運転向けのソリューションを中国メーカーの40モデルに搭載するとしている。(2019416日付プレスリリースより

OEM向け統合コネクテッドモビリティソリューション
-同社とMojioは、2019年北米国際自動車ショーでOEM向けの統合コネクテッドモビリティソリューションを発表した。Boschのコネクティビティ制御ユニット(CCU)MojioTelcoグレードのクラウドプラットフォームの統合により、費用対効果の高いコネクテッドサービスの提供を図る。このソリューションはビッグデータ分析フレームワークと、深層学習論、AI(人工知能)を活用して自動車メーカーやその顧客にビジネスインテリジェンスサービスを提供するという。Mojio 2012年設立、米国Silicon Valley 、カナダVancouver 、ブルガリアSofia に拠点を有するクラウドプラットフォームプロバイダー。(2019115日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
グループ全体 4,989 4,946 4,345
-モビリティ・ソリューションズ 3,800 3,800 3,300

-2019年12月期の同社モビリティソリューション事業部門の設備投資額は昨年と同水準の3,800百万ユーロ。同部門はガソリンインジェクションシステム、ブレーキブースター「iBooster」、統合パワーブレーキ、ABS・ESPブレーキシステムなどのシステムや製品に対して投資を行った。また、同社はドイツDresdenにおける半導体生産拠点、Reutlingenにおけるカーエレクトロニクス事業の生産能力拡大等にも投じた。

国内投資

-ドイツReutlingen炭化ケイ素(SiC)半導体工場の新設を発表した。SiC半導体は電気伝導率に優れており、電気自動車 (EV)およびハイブリッド車 (HV)向けパワーエレクトロニクスの中核部品となる。SiC半導体は炭素原子を追加し、半導体製造に使用される超高純度シリコンの結晶構造に導入される。この新型半導体チップにより、消費エネルギーを50%削減し、バッテリー充電を6%増加させてコスト削減を実現する。同社は現在150ミリおよび200ミリウエハーの半導体をReutlingen工場で製造している。300ミリウエハーの半導体を製造するDresden工場は2020年春に稼働予定。(2019108日付プレスリリースより)



海外投資

<インド>
-Bosch Indiaは、2018-2019年度に新製品開発とインド・カルナータカ州Bidadi Phase IIとAdugodi Phase IIの拠点開発を目的として5,975百万ルピーの投資を実行したと発表した。Boschの工場は、製造効率向上やコスト・品質・供給面で有利になるためにコネクテッドソリューションを既に取り入れているが、完璧な製造品質を目指して人工知能 (AI) や機械学習などの新技術の導入や作業員のスキルアップを行いながら最先端技術を装備した工場を継続的に設立していくという。(Bosch Limited 67th Annual General Meeting on August 23, 2019)

-複数メディアは、同社がモビリティソリューションの拠点であるインドBidadi工場を拡張した (フェーズ2) と報じた。この工場はインダストリー4.0ソリューションとカーボンニュートラル技術を採用しているスマートファクトリーであり、同社は今回の拡張に31百万ユーロを投じたという。同工場の従業員数は2019年末までに約2,500名となる見込みで、パワートレインソリューションの開発およびコモンレール単気筒ポンプや高圧レールなどの自動車部品を生産するための地域ハブ拠点として機能する。また、「カーボンニュートラル2020」戦略の方針に沿った運営を行い、コボット (協働ロボット) や自動外観検査ステーション、デバイスブリッジソフトウェアを使用する。(2019年7月17付複数メディア報道より)

<メキシコ>
-メキシコの現地報道は、同社VWとアウディ向けにステアリングコラムを製造するケレタロ(Queretaro)工場で、現在稼働中の3本の生産ラインに2019年内に新たに生産ラインを導入すると報じた。また、2020年にはさらに2本の生産ラインを追加導入することも検討中だという。80百万ドルを投じて201712月に操業を開始したケレタロ工場は、同社の自動車用ステアリング部門初のメキシコ拠点で、敷地面積は15,000平方メートル超、デュアルピニオン・サーボトロニック電動アシストステアリング部品の組立作業を行っている。(2019年4月1日付 Mexico-Nowより)

-同社のセラヤ(Celaya)工場の建設が20%完了し、2019年末までに操業を開始する予定であると報じられた。120百万ドルを投じて建設中の新工場は1,200名を雇用し、ECU製品を製造する。21,000平方メートルの施設は、アパセオ・エル・グランデ(Apaseo el Grande)近郊の171,000平方メートルの敷地内に建設中で、フル稼働時にはVW、トヨタ、ホンダ、FCAなどに製品を供給する予定。新工場はメキシコでグループ13番目の拠点となり、自動車用エレクトロニクス事業部門としてはシウダー・フアレス(Ciudad Juarez)に次いで2番目の拠点となるという。(2019315日付 Mexico-Nowより)

-同社は2016年から実施している85百万ドルを投じたメキシコSan Luis Potosi工場の拡張が2019年末に完了する見込みであるとメキシコメディアによって報じられた。今回の拡張で、同社は25,000平方メートルの敷地に生産施設、物流センター、オフィスエリア、カフェテリア、トレーニングセンター、エンジニアリングセンターなどを新設する。同工場の従業員数は3,272名で、拡張により300名の新規雇用が可能となり、メキシコ国内ではCiudad JuarezTolucaに次いで3番目に大きな拠点となるという。メキシコで唯一の燃料システム部品を製造する同社の拠点として、San Luis Potosi工場ではスピードセンサー、点火コイルおよびソレノイドバルブを生産する。(2019年2月20日付 Mexico-Nowより)

<中国>
-2019年3月21日、同社はアジア太平洋地区初の「iBooster」生産工場が南京で稼働を開始したと発表した。新工場は江蘇省南京経済技術開発区に位置する、独、メキシコに続く3番目の工場である。延べ床面積は22,400平方メートル、総投資額は7.7億元。中国、日本、東南アジアなど全アジア市場向けに生産する。第1段階の年産能力は150万台、2020年には2本目の生産ラインを建設する。2021年には南京工場はボッシュ最大の第2世代iBooster生産拠点となる。(2019年3月22日付け複数メディア報道より)

<Hungary>
-ハンガリー投資促進公社(HIPA)は、Bosch30百万ユーロ超を投じてHatvanのエレクトロニクス製品工場を拡張し、生産能力を増強する計画であると発表した。最新の製造・試験設備やコンベアベルトなどを導入し、油圧アシストステアリングシステムに代わる電動ステアリングコントロールユニットなど、主に電気自動車(EV)およびハイブリッド車向け新製品を製造する予定。(2019228日付HIPAプレスリリースより)

-ハンガリー投資促進公社(HIPA)は、Bosch45百万ユーロを投じてハンガリーMiskolc工場を拡張すると発表した。Miskolc工場では、新世代のエンジン冷却ファンおよび電気駆動システム「eBike」製造のための組立ラインの設置、関連試験装置の導入などを行う。Robert Bosch Energy and Body Systemsは15年以上にわたって操業しており、2,500名の従業員が電気駆動装置などの生産、研究開発に従事している。(2019111日付HIPAプレスリリースより)