Autoliv Inc. 2019年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ドル) |
2019年 12月期 |
2018年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 8,547.6 | 8,678.2 | (1.5) | 1) |
営業利益 | 725.8 | 686.0 | 5.8 | 2) |
製品群別売上高 | ||||
エアバッグ製品 | 5,676.3 | 5,698.6 | (0.4) | 3) |
シートベルト製品 | 2,871.3 | 2,979.6 | (3.6) | 4) |
要因
1) 売上高
-2019年12月期の全社売上高は、前年比1.5%減の8,547.6百万ドル。為替影響を除くと、前年比1.2%増。為替影響を除いたベースでの地域別増減は、米州(6.8%増)、中国(4.5%増)で増収、欧州(4.8%減)、日本(3.4%減)で減収。
2) 営業利益
-2019年12月期の営業利益は前期比5.8%増の726.0百万ドル。営業利益率は8.5%となり前年度の7.9%から上昇した。上昇の要因は、反トラスト法関連費用の減少等。
3) エアバッグ製品
-2019年12月期のエアバッグ製品の売上高は前年比0.4%減の5,676.3百万ドル。為替影響を除くと、前年比2.0%増。欧州では前年割れとなったが、米州でのステアリングホイール販売の好調、エアバッグ販売の堅調等により全体としては増収。インフレーター販売は北米、日本、中国で減少。
4) シートベルト製品
-2019年12月期のシートベルト製品の売上高は前年比3.6%減の2,871.3百万ドル。為替影響を除くと、前年比0.2%減。欧州での減収が、中国および米州の増収を上回った。足元では、高付加価値シートベルトシステムの販売が堅調に推移。
受注
-2019年の主な受注
メーカー/モデル名 | 搭載部品 |
Peugeot「2008」 | ドライバーエアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、インフレータブルカーテン、プリテンショナー付シートベルト、ステアリングホイール |
ホンダ「Fit」「Jazz」 | サイドエアバッグ、インフレータブルカーテン、フロントセンターエアバッグ、プリテンショナー付シートベルト |
Peugeot「208」 | ドライバーエアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、インフレータブルカーテン、プリテンショナー付シートベルト、ステアリングホイール |
Opel「Corsa」 | ドライバーエアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、インフレータブルカーテン、プリテンショナー付シートベルト、ステアリングホイール |
Renault「Clio」 | 助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、インフレータブルカーテン、プリテンショナー付シートベルト、 |
マツダ「CX-30」 | ドライバーエアバッグ、サイドエアバッグ、インフレータブルカーテン、ステアリングホイール |
Ford「Escape」 | ニーエアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、プリテンショナー付シートベルト |
トヨタ「Corolla」 | ドライバーエアバッグ、ステアリングホイール |
SUBARU「Outback」 | サイドエアバッグ、プリテンショナー付シートベルト |
2020年12月期の見通し
-2020年12月期の売上高は前年比約3-4%増と予測。
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2019年 12月期 |
2018年 12月期 |
2017年 12月期 |
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研究開発費 | 406 | 413 | 371 |
売上高に占める割合 (%) | 4.7 | 4.8 | 4.6 |
-2019年12月期、研究開発費総額の4%を超える単一プロジェクトは無い。
研究開発拠点
-以下10カ国に14のテクニカルセンターを保有:
- 中国
- フランス
- ドイツ
- インド
- 日本
- ポーランド
- ルーマニア
- 韓国
- スウェーデン
- 米国
-同社は、茨城県つくば市に研究開発拠点「ジャパンテクニカルセンターつくば」を新設した。投資額は70億円。エアバッグやシートベルトなどの開発力を強化し、日系自動車メーカー向けの売上拡大を図る。延べ床面積は約1万3千平方メートル。同拠点では、適合開発のほか、自動運転向けエアバッグなど先行開発も行い、「日本から世界初の技術を生み出していく」(中村順一技術本部担当副社長)方針。(2019年4月10日付日刊自動車新聞より)
研究開発活動
長城汽車との共同研究契約締結
-中国の保定 (Baoding) 市における北米の交通安全評価プロジェクトについて、長城汽車と共同研究契約を締結したと発表した。これにより、長城汽車の2つのSUVブランドであるHavalとWEYの成長をサポートし、安全性における特徴を高めることになる。Autolivと長城汽車はまた、北米交通安全研究所を共同設立する。この研究所では、両社のグローバルな技術的資源と検証資源を組み合わせて北米市場に注力すると同時に、交通安全当局の規制に合わせることで、長城汽車の戦略を補完する。(2019年9月5日付プレスリリースより)
製品開発
新型フロントセンターエアバッグ
-側面衝突事故から命を守る新型フロントセンターエアバッグの開発を発表した。このエアバッグは、2020年に19モデルに導入される予定で、11月19日に米国ユタ州Ogdenで開催のCapital Markets Dayに出展される。座席に取り付けられたエアバッグは、ドライバーと助手席の間のスペースに展開し、側面衝突時の衝突からドライバーを保護し、頭、肩、胸の外傷のリスクを軽減する。(2019年11月18日付プレスリリースより)
歩行者などを保護する車外エアバッグ
-歩行者などを保護する車外エアバッグの国内生産に乗り出す。茨城県かすみがうら市の開発・生産拠点に専用の試験設備を導入し、日系自動車メーカーと共同開発できる体制を整えた。ボルボなどにすでに供給している歩行者保護用途に加え、歩行者よりも頭の位置が高い二輪車や自転車の運転者なども保護できるシステムを供給する考えだ。安全ニーズの高まりで今後、車外エアバッグの需要は拡大する見通し。早期の生産開始を目指す。歩行者保護用エアバッグはオートリブが世界で初めてボルボ「V40」に供給した技術。センサーで歩行者との衝突を瞬時に検知し、ボンネットからフロントガラス、Aピラーの下部にかけてエアバッグを展開する。(2019年4月12日付日刊自動車新聞より)
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2019年 12月期 |
2018年 12月期 |
2017年 12月期 |
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合計 | 476 | 486 | 464 |
売上高に占める割合 (%) | 5.6 | 5.6 | 5.7 |